2023.10.13

塩水山~倉沢山 秋の軽い藪山

B231009a(塩水山への道すがら)

近年は気象的にそういう傾向ですけど今年の夏は本当に暑かったし、夏山は台風でツブれるしで、気分が山へほんとうに向かずに二ヶ月も開いてしまいましたよ、、、。

久し振りの山行きは6月に大雨後の林道通行止めで頓挫した倉沢山~塩水山を逆コースで歩いてみました。

B231009b(六本楢峠からの歩き出し)

ということで今回は塩山駅からタクシーで六本楢峠に出たのですが、車から降りたら寒い!寒いよ!標高1700m近いと気温は10℃を割って秋というよりもはや冬の様相。防寒着持っててよかった~。

いきなり林道が方々に分かれて延びていますが、ここは稜線に沿った林道をまずはてくてく歩きます。

B231009c(ハナイカリの紅葉)

林道上にはハナイカリがいっぱい。シカさんお嫌いなのかしらね?緑から黄色、そして紅と色とりどり。ハナイカリが紅葉するの知りませんでした。

当初こそ林道を歩いていたので楽ちんでしたが、先のピークからはスズタケに埋もれる広い尾根を追うようになりました。

B231009d(ミズナラが伐り残されている)

B231009e(けっこうなスズタケです)

しっかしこんなスズタケを分けながら歩くなんて何年ぶりだろう、、、昔はこういうところばかりでしたのにねえ。

寒くて幸いでしたし、藪自体が綺麗で笹の中を泳ぐ感じで歩けます。カラマツは色づきはじめていたけど、そのまま枯れそうな雰囲気です。

B231009f(遠見~金峰~鉄山・御堂川を繞る尾根が懐かしい)

塩水山への登りしなにあった伐採跡からは金峰山が一望。

遠見から金峰、鉄山と御堂川を繞る山稜が本当に懐かしい。自分的にこの辺りの藪尾根が金峰山の魅力を知るきっかけになったんですよね。

B231009g(塩水山・危うく見落とすところでした)

伐採地からひと登りで塩水山の山頂に着いたのですが、う~んここが塩水山の筈だけどなにもない。

とりあえずひと休みしてから付近を捜索。三角点はピークの北寄りに。山名標は南側のさびた看板がそれだと三角点を見つけた後に気がつきました(笑)。

B231009h(ゴマナ・レンゲツツジの木に絡んで生き残っていた)

さて尾根はここから一旦鞍部へ下るのですが、一旦東へ行ってから西へ修正。素直に山頂から降りれば良かったのですね。

レンゲツツジが点在する草原には、そのレンゲツツジの木に絡むように生えていたゴマナがまだ咲いていました。こういう難の逃れ方もあるんだな、、、。

B231009i(奥に倉沢山を望みつつ)

降りた鞍部にはどこからか林道が来ていましたが、地形図に載ってないのでどう延びているかはよくわかりません。

登り返す斜面も相変わらずスズタケで埋もれていますが、こちらの方が若干背丈が低く、歩きやすかったです。

B231009j(リンドウ)

B231009k

(これも見落とすところでした・笑)

これまた林道の通る鞍部から登り返すと倉沢山の広い山頂にたどり着きましたが、ここでも山名標をあやうく見落とすとことでしたよ(笑)。

頃合いも良いので、藪なく日当たりのいい場所をなんとか見つけてのんびりとランチ。天気よろしく、風は爽やか。こんな秋らしい日、今年はほとんどなかったよね。

B231009l(この辺りでようやく雑木林が現れた)

倉沢山から乙女高原へ下るところでようやく雑木林が出てきて、この下りはなかなか良い雰囲気でした。

これまではカラマツ植林が主でしたからね。ホッとします。

B231009m(ヌタ場?多し)

下りきった鞍部附近にはヌタ場がいくつも。周囲の傾斜が緩いせいでしょうか?

おかげで下りは若干気を遣いますが、ユルい分だけフォロー利きますね。

B231009n(紅葉始まる・ハウチワカエデ)

カエデの紅葉も始まっていました。同じ木で緑→黄→紅のグラデーションがお見事。紅葉の時期は好天でいてほしいものです。

B231009o(林道が尾根に沿って延びていた)

降りきってから進路を右に変えた頃から再び林道が出てきました。稜線に沿って延びているようです。

B231009q(オヤマボクチ)

B231009p(尾根の右側大変よろし)

そのまま林道を歩いた方が楽なのですが、尾根を挟んで林道と反斜面は斜面は白ブナが目立つ素敵な雑木林。

そおいや荒川林道もこんな林だったことを思い出していると、じきにその荒川林道に飛び出しました。

B231009r(秋の乙女高原)

林道をひと登りすると6月以来の乙女高原に出ました。

秋の草原はススキが靡いて、その中にヤマラッキョウ、リンドウなど秋の花がぼちぼち咲いている感じ。お花の季節もそろそろお終いですね。

B231009s(ヤマラッキョウ・リンドウが見頃でした)

とはいえ6月と違うのは今は日没が早いこと。あまりのんびりしすぎると日が暮れちゃいますし、この時期日が暮れるととにかく寒いですからね。

なので早めに切り上げて焼山峠へ向かったのですが、タクシー呼べたのはド○モじゃなくてa○の方。山や奥地に強かったド○モはどこへ行ったの?と嘆きつつも柳平まで歩かずに済んだことにホッとしつつ帰路についたのでした。

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2023.07.15

乙女高原をゆるゆる、くまなく散策

B230712a(乙女高原・レンゲツツジ見頃に)

更新が大幅に遅れて申し訳ございませんでした。もちろんレンゲツツジは完全に終わっていて、今やキンバイソウの時期ですか。歩いたのは一月以上前の台風後の好天の時ですからねえ、、、。

レンゲツツジ花期の乙女高原には行ったことがなかったので、お花見を兼ねつつ塩水山あたりを歩く予定が、塩平も柳平もゲートが閉じていて車で乙女高原に入れず、、、。とりあえず柳平から歩いて行けるところまで行ってみましょう、と歩き出しました。

B230712b(柳平から乙女湖をてくてく)

ゲートが閉じているので広い県道も我が物顔でてくてく。雨後の好天、高原情緒もあって清々しいのですが、その分日差しは強烈。目に入る全てのものが鮮やかに見えて気分は上々です。

B230712c(これはヤマツツジ)

30分ほどで焼山峠に到着。峠の周辺はすでにレンゲツツジが満開で見事でした。そおいや小楢山はこの時期にもオススメされているガイドを見た覚えがありましたっけ。峠から荒川林道に入り乙女高原へ向かいます。

B230712d(ベニバナツクバネウツギ)

B230712e(緑美しい遊歩道)

とはいえこのまま林道を歩くのも無粋なので、途中から南側の遊歩道に入ってみました。初めて上がった展望台はすでに展望台ではなかった、とかいろいろ確認しつつてくてく。道が一旦稜線を北に巻いてから戻ると、小沢の脇を通るようになってようやくお花が出てきました。

B230712f(サンリンソウ)

B230712g(クリンソウ)

クリンソウ咲き始めていました。咲き始めのクリンソウ見かけるの久し振り。

B230712h(草原に出ました)

やがて乙女高原の草原に出ます。荒川林道が入れないおかげで台風一過の好天なのに人っ子ひとりいません。信じられん、、、!!

さっそく散策をはじめるとレンゲツツジはすでに見頃でした。早いですねえ!青空と木々の緑とツツジの朱色のコントラストはまさに夏の色。

B230712i(思いのほか咲いていた)

B230712j(オオヤマフスマ)

ピンボケ失礼オオヤマフスマ、帰宅してからようやく名前を思い出しました 笑

B230712k(レンゲツツジ)

B230712m(樹林帯も見事)

花も見事だけど、まだまだ若い緑も見事見事。

B230712n(草原には誰もいない)

レンゲツツジ盛りなのに、本当に誰もいないんですよっっ!!

B230712o(富士は隠れてしまった)

B230712p(ダケカンバとヨモギ頭)

さすがに日差しが強烈だとしんどいので、ランチは樹林帯に入ったヨモギ頭で頂きました。草原誰もいないし、そもそもマイナーな山なので他のハイカーが来るなんてほぼ考えられないですしね。

ランチを終えたら草原に戻り、お花を探しながらゆるゆる下ります。

B230712q(アヤメが咲き始めてた!)

B230712r(本当に誰もいない、、、)

ようやく緑になりかけた草原はお花こそ少なめなものの、それゆえにご無沙汰しているお花も多くて楽しめました。サクラスミレなんてありふれているはずなのに久しぶりで狂喜しちゃいましたもん。

B230712s(アマドコロ)

B230712t(サクラスミレ)

草原は決して大きくないのであっという間に下のグリーンロッジについてしまいました。もちろんここも誰もいませんが、ボランティアの方によるお花情報はしっかり更新されていて参考になります。

この時間から塩水山へ行くのは現実的ではない、とはいえ中途半端に時間があるので、とりあえず取付を確認してみましょうと荒川林道をてくてく下ってみました。

B230712u(草原はこんな感じ)

B230712v(歩く予定だった取付も確認)

木々の緑が好ましい林道を下って、甲府・牧丘(今は山梨市)境の稜線を確認。北側へも小笹の敷き詰められた稜線が涼やかに延びていてちょっと惹かれましたが、今日のところはここまで。降りてきた林道を登り返します(笑)。

B230712w(しつこいようですが誰もいません)

戻る途中、車が何台か通っていったのでゲートが開いたの?と思って、偶然通りがかったドライバーさんに聞いてみると、甲府側の黒平(くろべら)のゲートが開いていたので入ったら、山梨市側の塩平と柳平は閉まっていたので引き返したとのこと。なるほど!しっかしユルい管理だな~。

黒平からなら往復20~30kmはあるからご愁傷様としか言いようがないけど、そのおかげでこの日はレンゲツツジ盛りの乙女高原をほぼ独り占めできたわけで、ハイカーにとってはめったにない幸運だったんですよね。

B230712x(ズミ <コナシ>)

ロッジに戻ってもまだ時間があるので、ここから遊歩道の通る北側の大窪山へ向かいました。

クリンソウの咲く湿地を通り抜け、尾根上に出たらあとはせっせと登るだけ。とはいえ大したことのない登りが結構しんどいのは普段は下山の時間に登っているからだと思う。

B230712y(マイヅルソウ)

やがて大窪山の山頂に上がるも、まぁちょっと明るい山頂で展望もないところなのですが、なぜにこちらに寄ったかというと、、、

B230712z(アズマシャクナゲ・一番状態の良いもの)

山頂周辺に自生するアズマシャクナゲを確認するためだったのです。シャクナゲは斜面に想像よりも多く生えていました。んがお花の進みが早い今年ではさすがにお終い。↑↑これが今年最初で最後で一番状態の良いアズマシャクナゲのお花でした(笑)。

B230712za(大窪山の東斜面は皆伐されていた)

そしてこの日驚いたのが大窪山の東斜面が広大に皆伐されていたこと。目の前には小楢山もクッキリ。近辺では数少ない展望ポイントではあるでしょう。しかも周囲にはレンゲツツジが点在していて、このままいくとここもレンゲツツジ畑になるのでしょうかね?

時間が合ったら塩平へ降りるのもおもしろそう、、、と心の中で思っていたのですが、焼山峠に出た時点で16時過ぎ。今日のところはおとなしく柳平に戻ったのでした。

 

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2023.04.08

木の花をめでつつ帯那山の東側を下る

B230407oo(首岩より八幡山)

花粉のシーズンとはいえ山にはいろいろ良い季節なので、いろいろ計画を立てると天気が悪くなる法則が発動しておおよそひと月ぶりの山行きは久しぶりに帯那山のあたり。太良ヶ峠から帯那山、そして東尾根の上部をゆるく下ってきました。

3月の異様な暖かさのせいか、4月の頭だというのに甲府盆地は満開の桜に桃に李の花も見頃になっててビックリ。桃の花期が盆地が一年で一番華やかなになる季節。コレは嬉しいサプライズで幸先良さそうな気がします。

B230407a(太良ヶ峠先のゲートよりスタート)

んが、山梨市駅から楽をしようとしてタクシーを走らせ帯那山へ向かうも、水ヶ森林道はまだ通行止め。GW前にならないと林道が開かないことを、太良ヶ峠先のゲートでタクシーをおろされてようやく思い出しました。

ということでまずはゲートから稜線につかず離れずで延びる水ヶ森林道をてくてく。

B230407b(チョウジザクラ)

展望の良い林道添いにはアブラチャンにフサザクラ、ネコヤナギがやたら多いことに驚いて調べてみたらバッコヤナギなんですね。そしてダンコウバイに、ヤシャブシ、チョウジザクラ、、、と周囲は木の花がやたらと目に入ります。

そおいや桜の時期の春の山は木の花のシーズンだということをすっかり忘れていましたよ。

B230407c(バッコヤナギ・たくさんいた)

B230407d(白根三山から甲斐駒クッキリ)

林道歩きにいい加減飽きたところでうまく稜線に上がれるところがあったので、さっそく山道に入るとひと登りでレンガ建物風の送電塔に上がってひと休み。

んがここから稜線上の林道歩きになって牧場跡?を横目で見つつ、ちょっとしたところでは南アの大展望も楽しめます。さすがに近いですねえ。久しぶりにまじまじと南アの山山を見てしまいました。今年こそは歩きたいよ、南ア。

B230407e(フサザクラ)

B230407f(帯那山はスッキリしていました)

しばらく行くと現れた道標に導かれて再び山道に入ると、行く先には見覚えのある帯那山の山頂が見えてました。

周囲の草原は草が刈られてスッキリしてる!!そして林道が通行止めなのでハイカーがいない!!富士は雲がかかっていて残念でしたけど、しばらく展望を楽しんでのんびり出来ました。林道通ってないっていったって下から登っても一時間ほどですから、今の時期は意外な穴場?なのかも??

B230407g(アヤメは本当にいるの??)

さすがにまだお昼には早すぎるので、キリの良いところで東尾根の下降に移ります。すぐ下ったところの↑↑アヤメ群生地。見たところ完全ノーガードのようですが、ここにアヤメは本当にいるんですか?

群生地を過ぎると尾根が広いこともあってさすがにわかりづらくなりますね。そこから東尾根を捉えて水ヶ森林道を突っ切れば、まああとはおおよそバリエーションの初~中級レベルな感じだとは思います。

B230407h(マンサク間に合いました)

そしてそしてこの日一番のサプライズが↑↑このマンサク。ここにはいたのか!!

1300mほどで花はすでに盛りすぎだったので、今年はなんとか間に合った感じです。あー逢えてよかった。マジで嬉しい!!地味なお花なんですけどね(笑)。表裏の差が大きいし、わりと狙って逢える花でもないのですよ。マンサクって。

B230407i(こういう鞍部もあり)

そして東尾根自体も、雑木林が多く、こういう↑↑痩せた鞍部もあってなかなか楽しい。

ランチは△1306.9mを過ぎたところに広くて平たくてしかも風もよけられる最上の適地があったのもまたラッキーでした。

B230407j(植林と雑木に分けられた尾根が続く)

B230407k(戸谷山とコナラだけの間は国師ヶ岳)

地形図を見ればわかりますが、おそらく東尾根の下降で一番のポイントは切差峠へ下る分岐でしょう。そのまま緩やかに延びる尾根に惑わされずに急降下する主尾根を見落とさないこと。

↑↑このポイントに出ればうまく辿れてる、ということになります(笑)。

B230407l(祠の残骸が転がる・切差峠の新峠)

じきに祠の残骸が転がっているのを見ると明瞭な山道が乗り越す切差峠の新峠に降り立ちます。さてこの新峠の峠道。見た目は明瞭ですが実際の径の状態も気になりますね。

新峠から一山越えると林道が乗り越す切差峠の旧峠に出ます。

B230407m(車道が乗り越す切差峠の旧峠)

B230407n(首岩より棚山を望む)

旧峠からは私製?の道標が現れ、いちおう登山道なのでしょう。道筋は明瞭で、道標もしっかりしていていました。

首岩は展望の良いところで久しぶりに見かけた棚山の姿が懐かしい。

B230407p(障子岩)

首岩からは岩稜が続いて若干気を遣いますが、整備されていました。岩の造形の面白さでいったらの障子岩はありそうでなっかなかない形じゃないかなぁ、、、。

障子岩から一段下った鞍部が清八峠。太良ヶ峠スタートになってしまったので今回のところはここまで。峠みちは南北共に通っているようですが、今回は道標のない北の菖蒲へ下ってみました。

B230407q(清八峠から菖蒲への径は一部残っている)

さてその峠みちですが、地形図を見るとひたすらに沢に沿って下っている感じなので、沢を忠実に下るとじきに水流が現れ、なんとなく道筋らしきモノが現れ、荒れてはいながらも明瞭な道筋に変わって、小一時間ほどで麓の県道に着地。そしてそこから県道をひと下りすると牧平に出ました。

山歩きはここでおしまい。ホッとしつつ集落の外れの神社で帰りのタクシーを呼ぼうとしたらぬあんと登山者が多くてしばらく来れないとのこと、、、コレは想定外だったなあ。でも牧丘は市営のバスが走ってた事を思い出して調べてみたら、ラッキーなことに20分後にバスが来る!!

おかげで交通費も節約でき、しかも花盛りの桜や、桃や李が見事な果樹園を通るお花見コース。朝から晩までお花に恵まれた一日になりました。春は良いねえ。花粉さえなければね(笑)。

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2023.01.08

帯那の山山をめぐる(阿梨山~興因寺山~淡雪山)

B230107a(脚気石神社のご神体・脚気石)

 
 
あけましておめでとうございます。
今年もみなさん無事に山歩きができることを心より祈っております。
 
 
・・・・・☆

今年の初歩きはわりかし早めで、長年とって置いてあった甲府北部の未踏の山をぐるり、、、とはちょっと言えない形ですけど(笑)うまくつないで歩いてきました。

B230107b(登りだしはアカマツ混じりの雑木林)

この日は甲府駅からタクシーで幸澗院に出てからのスタート。綺麗に晴れ上がったものの、そのおかげで寒い寒い。ぶるぶる震えながら参拝して、さっそく山道に入ります。

径は荒れたアカマツ混じりの雑木林。広い尾根の方々でアカマツの丸太がまとめられていたのはどうやらマツクイムシの消毒のようです。山梨や南関東のアカマツ林はおしなべて荒れた感じですね。そんな広尾根から尾根が急になるとちょっとした岩場のトラバースを交え、じきに稜線に飛び出しました。

B230107c(このあたりから風が吹き始めた)

B230107d(ださうです、、、笑)

梢越しに富士や南アルプスをを拝みながら稜線を東へ向かいます。植林に明るい雑木林を交えた尾根には妙な私製の道標もあり、それなりに歩かれているのでしょうかね?このあたりから風が吹き始めてより寒くなりましたが、尾根に藪は全くなくゆるゆる歩けます。

B230107e(外れ尾根より金峰山が見える)

918m峰のひとつ先のピークあたりから稜線の北側を巻く明瞭な道筋が伸びていたので、これは巻道だろうと辿ってみたら、、、なんと次の送電塔ピークの北尾根に出たところでぷっつりと途切れてしまいました。

その北尾根は植林直後でスッキリしており。振り返れば金峰山はくっきり見えるし、周囲の景色は見慣れないから新鮮だし、こういうのも悪くないですね。とはいえ稜線から結構外れてしまったので、まだまだ上にある送電塔ピークを目指して尾根を登り返したところ、、、

B230107f(そこはあまたの氷花が!)

刈り払われた尾根上の草原にはたくさんの氷花があって狂喜してしまいました。

氷花をみかけること自体2,3年ぶりだし、なにより一面に氷花が広がっていてビックリするやら嬉しいやら。このあたりではもうかなり寒くなっていたのに撮影にいそしんじゃいましたよ。

B230107g(阿梨山)

無事送電塔ピークに上がり、稜線に復帰すれば阿梨山は一投足。ピークも広いけど、そこから東側の稜線も広く、風もよけられ、ランチ場が見つかったのには助かりました。

B230107h(稜線を東へ行き)

ランチを終えたらなおも東へ行き、上帯那と塔岩を結ぶ破線路の通るピークに出たところで、稜線と分かれて南の上帯那への破線路を下ります。

さてその破線路ですが、尾根から分かれて沢筋に入ると道形がなくなったので沢をそのまま下るしかなさそう、、、と思っていたところ、なんとそのすぐ下に沢筋を横切る明瞭な径が通っていて驚きました。

B230107i(一応道があります)

とりあえず左手の下り方向へその道を辿っていくと、まもなく「脚気石神社」とかかれた私製の小さな道標を発見。そこから先ほどの沢へなんとなく道筋が延びていました。

植林下のその道筋を追うと、じきに廃林道に上がって、あとはその林道を下るだけのようです。

B230107j(脚気石神社)

そして舗装された林道に出たところにあったのがこの脚気石稲荷神社。奥まったところにありながら立派な舞殿?があり、その様子に驚いたのですが、実はトップの写真の脚気石がご神体のため、社殿がありません。

脚気石は足腰の神さまらしく、山歩きを趣味としている身ですのでしっかり参拝させていただきましたよ。

B230107k(興因寺山)

お次はお向かいの興因寺山に上がらなければいけないので、神社から林道を上がって別荘地?に出たところでひょいと小高い尾根に登ると、それが目的の稜線。西へ向かうとじきに穴口峠で、峠には方々に道標がありこのあたりは登山道になっているようですね。

峠からひと登りで興因寺山に着きました。真新しい立派な標柱に「甲府名山」の文字。甲府市今そんなことをしているのですか。まぁ百名山じゃないからいいけど(笑)。

B230107l(尾根は明るい雑木林が心地よい)

興因寺山からなおも稜線を西へ行くと、明るい雑木林を交えるようになります。この南面の雑木林は国有林で、いろいろ整備されているようですね。若い雑木林の、その好ましい雰囲気に惹かれたのでちょっと調べてみよう。

B230107m(午後になっても富士も甲府盆地はクッキリ)

B230107n(淡雪山?)

やがて淡雪山の山頂に着きましたが、あれ?ぜんぜん淡雪じゃないじゃん!って思ってたら、イメージ通りの淡雪山はそこから結構下ったところにありました。

どちらがほんとうの淡雪山か自分にはわかりかねますが、展望よろしく白砂の尾根に岩が点在する光景は、このあたりでは決して珍しくないのはわかりますよ。

B230107o(大荒れの鳳凰と甲斐駒ヶ岳)

強風を避けるために岩陰に隠れ、お茶をしつつ展望を楽しんだら、ひと下りして着いた先の金子(きんす)峠で山歩きはおしまい。周囲に宗教施設があるため?峠まで車道が来ていました。

すでに夕方近く、すぐ下に見える大正池も氷が張って寒々しい。峠を越える強風に震えながらタクシーを待ったのでした。


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2022.05.02

アカヤシオが意外によく咲いていた熊倉山

B220502a(アカヤシオ・稜線でも盛りすぎ)

今年は寒さが続いて遅れ気味だったお花の進行も、気温が一気に上がっていつのまにやら早めの進行に変わっていて、四月末だというのにアカヤシオは稜線ですでに終盤でしたね。

とはいえ結論から言っちゃうと今年は想定外にツツジを楽しめた一日。今年は遅めだったので、例によって宗屋敷尾根を登ってから下りはレギュラーの聖尾根ではなく、日野コースに変更して歩いてきました。

B220502b(フモトスミレ)

ということで西武秩父駅からタクシーで取り付けに出て(¥3720)からのスタート。前の晩はかなりの風雨だったので、お花の状態が気がかりではありましたが天気は最高。尾根を通る風はまだ冷たかったもののいざ登り出せば急登が続いてちょうど良い塩梅です。

当初は尾根上のフモトスミレがあんがい少なかったので、想像よりもお花は進んでないんじゃないかなあ、、、と淡い期待もあったんですけど、

B220502c(1003m峰)

いざ1003m峰に上がると、すでにアカヤシオもイワウチワも終わってて残花すら見当たりません(笑)。

マーラーカオをいただきつつ軽く休憩を取ったら、お花はここからが本番です。

B220502d(ヒカゲツツジ)

いったん鞍部に降りると、新緑ではあるもののけっこう周囲の緑が濃いなあ。

なのでヤマザクラもカタクリもとっくにおしまいでした、、、。

B220502e(この辺りですでに新緑)

途中のヤシオの岩場もほとんど終わってて、定点の岩場もこの通り。1284m峰あたりは大丈夫かなあ、、、と不安がよぎります。

B220502f1284m峰でほぼ終盤

いろいろ寄り道しながらなんとか1284m峰に上がると、ここはなんとか残っててホッとしました。

でも綺麗に咲いているのは北斜面の一部。当然ながらイワウチワはここでも終わっていて、大捜索の末になんとかひと株見つけて狂喜する始末。

B220502g(なのでイワウチワもこれだけ!)

B220502h(まずはギャップ手前の岩峰に上がらねば)

なんとかイワウチワを見つけたら、ここからが宗屋敷尾根の核心。まずはギャップ手前の岩峰を目指します。

でもここからシ奥のシラカケ岩のあたりを見ると、山肌がぼーっとピンクに染まっていたので稜線は大丈夫そうです。

B220502i(枯れたと思いこんでいたヒカゲツツジが復活してた)

そうそう!宗屋敷尾根には外れ年でも花をつけるヒカゲツツジは3本しかなく、その貴重な一本が三年前になぜか枯れてしまって密かにガックリしてたんですけど、その木がなぜか復活してました!

B220502j(小黒と大黒を望む)

ギャップ前の岩峰は当然登る派で、天気がよいと展望も良好。大黒(酉谷山)もひさしくご無沙汰してるなあ。

B220502k(稜線のアカヤシオも復活していた!)

先のヒカゲツツジの復活は虫の声だったのか?アカヤシオは稜線もほぼ終盤でしたが、今年が違うのは近年傷んで花を咲かせてなかった木が多かった稜線上のアカがかなり復活していたこと。

前の晩の荒天でお花をかなり落としていたのに、稜線上でそれなりに見られるのは今年はかなり咲いていた証拠ですよ!

B220502l(シラカケ岩・すでに盛りすぎだったが花付き良好)

ということで今年の定点は↑↑こんな感じ。

今年は早かった去年よりも早く、しかも前の晩は荒れていたのになかなか見応えがありました。稜線上の傷んだ木もかなり復活していたし、おそらく今年も「良好」と言える花付きであったと推測できます。できれば週中に歩きたかったよ。去年が良かったから今年は期待してなかったのに、、、これは単純に嬉しいですよね。

B220502m(想定外に楽しめました)

この天気ですからとうぜん展望も良好で、両神はもちろん、奥秩父の奥にはまだ白い八ツのピークがちょこんと見えます。GWなら大抵通過者がいるものですが、今回は誰も来ず、静かに過ごせたのもラッキーでした。

休憩を終えたら来た道を戻り、熊倉山へ向かいます。今回は稜線で終盤だったのでレギュラーの聖尾根はやめて、日野コースを下ることにしました。

B220502n(熊倉越えて大ブナに挨拶)

とはいえここは寄らないとね。まずは熊倉の主にご挨拶。

B220502o(熊倉の宝だよ。ここは!)

この渓畔林は本当に素敵な一角です。

今回は余裕があったのでいろいろ散策したのですが、ここはチドリノキはもちろん、ハウチワカエデも多いんですね。あとはアサノハカエデ。とにかくカエデは新緑も綺麗だし、なによりハウチワは紅くなり易いから、紅葉の時期も良さそうだと思いました。

B220502p(レンプクソウはこれから)

あとレンプクソウも出てました出てました!去年は早かったんですね。でもお花はこれだけ。これも意地で探しましたよ(笑)。

お花はあんがい少なくて、ニリンソウはお終い、トウゴクサバノオにヤマエンゴサクがちょこっと。察しはつくでしょうけどハシリドコロばかりですね、、、。

B220502q(コガネネコノメソウも終盤)

B220502r(日野コース・新緑が素晴らしい)

周囲を心ゆくまで散策したら日野コースに戻ってそのまま下ります。

日野コースは沢沿いの好コースではあるものの、途中の植林下の長い高巻きが玉に瑕。渓流の新緑がとにかく瑞々しく、ニリンソウなどお花も残っていて、、、ってコチャルメルソウも残っていたわ!とにかく楽しい道のりでした。

B220502s(新緑が見事で帰りの林道も楽しい)


林道に出たらもう一度沢道に戻れるかと思ったんだけど、下部の道はとうとう廃道になったようですね。

でも今の時期は林道歩きも楽しいし、寺沢の明るい集落をくぐるのもまた一興。トンネル経由で帰るつもりが、手前の山越えの車道を行ってしまったのがこの日唯一のミスでしょうか。吹き抜ける風は相変わらず心地よく、なんとも満ち足りた気分で武州日野駅へ向かったのでした。

・・・・・☆

最後に今年もしつこく例年と同じ事を申し上げますと、今回のコースは登り下り共に道筋が不明瞭かつ急で、岩場も多く、「地形図とコンパスのみ」で確実な地形判断ができるスキルのある人向けのコース(バリエーション登山においてGPSを利用する際は、ごく基本的な地形判断スキルのあることが前提のはずです)であって、お花目当てでネット情報やガイド片手に安易に入れるコースでは決してありません。

熊倉山は登山道/非登山道問わず遭難の絶えない山です。この点を充分に留意されつつ、自らのスキルを冷静かつ謙虚に判断されて山歩きに臨まれることを切に願います。

ちなみに過去の様子はこちら。参考程度にどうぞ。

2021年 【2021.04.24】

2019年 【2019.04.28】

2018年 【2018.04.21】

2017年 【2017.05.05】

2016年 【2016.04.30】

2015年 【2015.05.03】

2014年 【2014.05.03】

2013年 【2013.04.28】

2012年 【2012.05.13】

2011年 【2011.05.08】

2010年 【2010.05.04】

2009年 【2009.04.29】

2008年 【2008.05.04】

2007年 【2007.05.05】

2006年 【2006.05.03】

2005年 【2005.04.30】

2004年 【2004.04.25】  

 

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2021.10.14

御嶽道を歩く

B211014a(白砂山への道すがら)

ここのところお山へ行けないときの天気が本当に良くて、逆に行けるときは目的地に着くとなぜか雨がふってるパターンにはまり込んでいるようで、この前の週末もまさにそれでして(笑)。そんな雨から逃れ逃れてたどり着いたのが久しぶりの昇仙峡。

ということでとりあえず羅漢寺山でも登ろうかと思って、まずは歩いたことのなかった直登路の取り付けを探したんだけど、かつての登山道も今はあまり宜しくないルートのせいか?それらしき箇所はわかったものの、どうにも入れる雰囲気ではなかったので断念しました。

B211014b(麦坂道・整備されていました)

しょうがないのでロープウェイ、、、はさすがにあんまりなのでその脇の登山道へ向かうと、そこには比較的新しい道標があり「麦坂道」と描かれていました。麦でも背負って山越えされていたのでしょうかね。

それはともかく道はしっかり整備されていて、人もそれなりに入っているようでかなり歩きやすいです。当初は沢の左岸を巻き気味に行き、徐々に尾根へ斜上。上に上がるとそこはもう稜線で、すぐ先がロープウェイの終点もある八雲神社でした。

B211014c(八雲神社)

とりあえず参拝して弥三郎岳へ向かおうとしたんですけど、下の昇仙峡は例年に近い人出だったようでロープウェイの終点附近も結構な人出。そんな様子に弥三郎はあっさり諦めて南の白砂山へ向かいました。

南の山道を下ると今までの喧噪が嘘のように静かになってホッとします。

B211014d(コウヤボウキ)

尾根上は雑木林が続いて雰囲気は良いのですが、お花は極少。コウヤボウキにヤマトリカブト、シロヨメナぐらい。

白砂山の分岐には意外に早く着いたので結構近いなと思っていたら、そこから先が意外にあるのですね。

B211014e(白砂山山頂)

白砂山の手前からその名の通りな白砂の素敵な稜線が続くものの、いかんせん天気が、、、。しかも午後もそんなに回っていない時分なのに、周囲がかなり暗くなってるのは季節はしっかり進んでいる証拠でもあるんですよね。

白砂山は晴れていると雰囲気が一変しそうな山頂。残念だなあ。

B211014f(稜線は思いのほか雑木林が多い)

B211014p(上道と外道の違いは?)

白砂山でちょっとだけ休憩したら来た道を戻り、尾根をなおも南へ行きます。

B211014g(白山展望台より)

白山展望台も白砂の斜面が広がる気持ちの良いところ。太刀岡山や金ヶ岳あたりが間近に見えて、自分的には白砂山よりもこちらの方が好みかな。

こちらも晴れていればもっと素敵な光景がみられたと思います。

B211014h_20211011233301(尾根は一旦獅子平への道に沿う)

白山展望台から少し行くと獅子平分岐に出ました。道は分岐で左右に分かれて、尾根上にはもう道がないように見えます。

なのでここからは稜線を忠実に下りました。のですが839m峰を越えると鞍部の右手から明瞭な道が来てこれはなんだと思ってたら、これが獅子平への登山道なのですね。地形図の破線路を見て納得。

B211014i_20211011233301(この辺りはいったいなにが、、、)

次の鞍部で獅子平への道を分けるとその先にさきほども見かけた「御嶽道上道」の道標が出てきて、この尾根上には金櫻神社に繋がる御嶽道が通っていることがようやくわかりました。

山行後、泥縄で調べたところ「外道」は尾根から外れて一旦吉沢へ下り和田峠へ登り返す道。「上道」は尾根通しに下って敷島に出る道のようなのです。

B211014j(道筋はあまり明瞭ではない)

ということはこの先も整備された道が続くのかな?と思っていたら案外そうでもなく(笑)道は不明瞭な箇所も多く、特に下りは初心者ではいささか迷いやすいかも知れませんね。

B211014k(この辺りは林道だったか?)

そんな下りで驚いたのが尾根上の雑木林の多さと植林の少なさ。この日は天気がイマイチでしたけど、落葉時の日だまりハイクなんかかなり良さそうだなあ、と思いながら下っていました。

B211014l(道標はどれもまともに機能していない)

いちおう道標はあるんですけど各々が勝手に設置したようなものが多く、その場では意味わからないから、特に下りでは道標としての機能はぶっちゃけしてないよね、コレ(笑)。

クラインガルテンクラブハウスってどこにあるんだよ?と調べたら、この尾根の対岸の尾根上にあってかなり遠いですよ。まぁ登山口附近に新しい橋梁(車道)が出来ているので、それを辿ればまあ徒歩圏内なのでしょうけど。はあ。

B211014m(尾根末端部は荒れている箇所あり)

B211014n(これも御嶽道のひとつだったのですね!)

さきの道標からまもなく周囲が明るくなると棚田に出て、そこが登山口でした。

B211014o(棚田が広がる高台に出ました)

ここは尾根上の高台にある棚田で、地元の方々が保存しているようですね。尾根上の田んぼなので周囲が開けて展望もよく、気持ちの良いところですけど、よくもこんなところまで開墾したものだ。先人の苦労が忍ばれます。

とはいえここはまだゴールではなく、バスの通るところまでまだ下らなければいけないので、甲府行きのバスを捕まえるべく荒川沿いの県道を目指したのでした。

 

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2021.04.30

2年ぶりの熊倉山、2年ぶりのアカヤシオ

B210430a(アカヤシオと熊倉山・この辺りで遅め)

今年のアカヤシオは確かに当たり年と言える状況でしたけど、それよりなにより今年は「歩けた」ということがとにかく嬉しかった!ということで先週の土曜は(04/24)は恒例の宗屋敷尾根~聖尾根を歩いてきました。

今年も、というか行けない間に秩鉄との乗り換えがタイトになってしまったので、もう宗屋敷尾根の取付までタクシーで乗り付けるしかありません(¥3720)。以前の台風の影響でしょうか?山ノ神への道がわからなくなっていて、これではその存在も忘れ去られそう、、、なんとか上がって参拝したら、歩き出します。

B210430b(イワウチワ・近年になく花が多かった)

朝はほどよく涼しく、のっけの急登もすいすい登れて、一時間ほどで祠のある1003m峰につくと、さすがにここではアカヤシオはほぼおしまい。でも落下した花が地面を彩り、その量から花つきは良好だったことがうかがえます。

アカの様子は予想通りだったものの、驚いたのがイワウチワが近年になくたくさん咲いていたこと。タイミング的に遅めのはずなのに普通に咲いてていきなり十二分に楽しめちゃった感じです。

B210430c(1003m峰・アカヤシオはほぼ終わり)

B210430d(この辺りは終わりかけなのにこの花の量)

1003m峰を過ぎると植林が減り、アカヤシオはここからが本番、、、の前に、途中のカタクリ帯でカタクリがこれまたたくさん咲いててまたまたビックリ!普段なら斜面を探すのに今年は道ばたに普通に咲いているレベルで、これは単純に増えているだけなのかもしれませんね。

じきに岩場に出るとようやくアカヤシオも出てきました。お花はこの辺りでも遅めですが、花の量が違う!かなり見事で、この先が楽しみになってきました。

B210430e(曇っていたのが残念でした)

宗屋敷尾根で一番好きな↑↑この辺りで一時的に曇ったのが残念。

ヒカゲツツジも花付き良好で、普段は花をつけない木でも花を咲かせていました。

B210430f(ヒカゲツツジも花つき良好)

B210430g(1284m峰の周辺で遅め。でも見事でした)

そして期待していた1284m峰はピーク周辺こそ木が傷んでましたけど、周囲は↑↑↓↓こんな感じで見事咲いていておっさんがうっとり。

コースがコースだから絶対に無理だけど、こんな満開に咲いたアカヤシオのもとで「極楽」なんぞをちびりと飲めたら本当に極楽だろうな、、、。

B210430h(こんな木の許でお酒でも飲みたいねえ)

B210430i(坊主山・小黒・大黒<酉谷山>を望む)

そんな1284m峰をすぎると、ここから満開のアカヤシオトレイルのはじまり。行く先に見えるようになってきた蝉笹のピークも今年はピンクに染まっているのが見え、期待が高まります。

おかげで1370m圏の岩峰の急な登りもるんるん気分で登れて、ピークでは展望を楽しみつつ小休止。ギャップから蝉笹への急な登りも近年になく快調に登れてしまいました。そうそう、途中にある自生下限のアズマシャクナゲ、ぬあんと今年は一つだけ花芽をつけてました!20年通ってはじめて見かけましたよっ!!

B210430j(ギャップの鞍部)

 

B210430k(シラカケ岩より)

ということで今年の定点は↑↑こんな感じ。

今年はシラカケ岩でちょうど満開。今年は早い早いといいながら、一番お花の開花が早かった2018年よりは若干遅めでした。稜線の木は傷んでいるのが多い上に、2週間前の低温の影響で傷んだ花もぼちぼちありましたけど、全体で見れば大当たりだった2016年以来の当たり年と言っていいでしょう。いやあ、見事見事。素晴らしかったです。

B210430l(稜線は傷んでいる木が増えている)

B210430m(山開きは今年もお休みでしょうか)

シラカケ岩で軽くランチをとったら、来た道を戻り熊倉山へ向かいます。今年はハイカーがけっこう多かったですね。しかも泊まりで酉谷へ向かわれる人が多い印象です。

アカヤシオは稜線上のは傷んでイマイチでしたけど、斜面の見事に咲いていて楽しい道のり。ただこうなるとうまくカメラに収められないんですよねえ、、、。

B210430n(熊倉にはこんな渓畔林が残されている一角がある)

シラカケ岩から30分ほどで熊倉山に着いたらほぼ素通りして聖、、、ではなく、2年ぶりだったのでちょこっとこちらへ寄り道。

ここは熊倉山で唯一残された渓畔林の美しい一角。チドリノキの新緑が本当に素晴らしかったんだけど、お目当てのレンプクソウがまったく見つからなくて焦りまくり。

B210430o(大ブナにも逢ってきました)

捜索がてら、もちろん熊倉の主である大ブナにもお目にかかってきましたよ。

結局30分ほど捜索してもあれだけあったレンプクソウはいっこも見つからず。当時同じく咲いていたヤマエンゴサクもひと株しかなかったし、数年の間にいったい何があったのでしょうかね、、、。

B210430p(三門の広場)

いささか失望しつつ熊倉山に戻り、ここでようやく下山開始。聖尾根を降ります。

んが三門の広場から高根の間のもと登山道である巻き道が荒れはじめていて、通過に気を遣いました。谷津川林道は復活しそうにないし、このままだと今後この区間は尾根上の方が安全なルートになるかもしれないですね。

B210430q(1307m峰より・こちらも稜線の木は傷んでいるが)

高根から緩く登り返して着く1307m峰は↑↑こんな感じ。

ここも尾根上の木は傷んでて、ヒカゲツツジは全滅に近いんじゃないかなあ(幼樹はあまた生えてるけど)。でも斜面のお花はこちらも見事でした。

B210430r(斜面の木々は見事でした)

B210430s(カタクリも近年まれに見る豊作)

1307m峰直下の急降下をこなすとしばらくは安泰な区間で、このあたりもアカヤシオが見事で楽しい道のり。

でもこちらでもカタクリが例年になく方々に咲いていて、これは豊作と言えるレベルでしょう。大岩の巻き道分岐のピークまでカタクリのお花がしっかり見られたのははじめて。こちらもやっぱり増えているのでしょうね。

B210430t(1308m峰を振り返る)

B210430u(巻道の辺りで新緑はじまる)

ちょっと心配していた大岩の巻き道は細いながらもまだ歩けるレベルでホッとしました。

この山域はただでさえ事故の多いところなんですから、歩けるうちは安全な巻き道を歩くべきだと思います。というかあそこでリスクを取る意味がわからないし、野良のロープに頼って大岩上り下りしてもなんの、、、。

B210430v(ここまで下ると緑一色)

大岩を巻き終えて尾根に復帰したら、自身が緑に染まってしまうような新緑の尾根をぐんぐん下ります。

今回は余計な寄り道をしてちょっと疲れちゃったんで、聖山(聖岩)には寄らずにそのまま降りようかと思っていたんですけど、やっぱり近づくとねえ、、、寄ってしまうんですよ(笑)。

B210430w(聖山より・・中央やや右より奥の▲が熊倉山)

B210430x(レンプクソウ・なんとか見つけました)

聖宮は倒壊した祠の残骸がなんとか残っている状態で、ここもそろそろただの平らになってしまいそう。そんなお宮に道中の無事を感謝したら、お山に上がり定点撮影↑↑。そおいやここでヤマツツジの花を見かけなかったことを思い出しました。

今年はいろいろ寄り道したせいで三峰口駅に降りたのが珍しく17時ちょい前になってしまいました。よく歩いたなあ、、、。というかここまでフルに歩いたのって錦繍の日原以来よね(笑)。それぐらい久しぶりなのに全然普通に歩けたのは、ここひと月ほど毎週歩いているからかな。やっぱ新緑の時期は山に入るだけで元気が出ますから!
   
・・・・・☆

B210430y

さて・・・最後に今年もしつこく例年と同じ事を申し上げますと、今回のコースは登り下り共に道筋が不明瞭かつ急で、岩場も多く、「地形図とコンパスのみ」で確実な地形判断ができるスキルのある人向けのコース(バリエーション登山においてGPSを利用する際は、ごく基本的な地形判断スキルのあることが前提のはずです)であって、お花目当てでネット情報やガイド片手に安易に入れるコースでは決してありません。

熊倉山は登山道/非登山道問わず遭難の絶えない山です。この点を充分に留意されつつ、自らのスキルを冷静かつ謙虚に判断されて山歩きに臨まれることを切に願います。

ちなみに過去の様子はこちら。参考程度にどうぞ。

2019年 【2019.04.28】

2018年 【2018.04.21】

2017年 【2017.05.05】

2016年 【2016.04.30】

2015年 【2015.05.03】

2014年 【2014.05.03】

2013年 【2013.04.28】

2012年 【2012.05.13】

2011年 【2011.05.08】

2010年 【2010.05.04】

2009年 【2009.04.29】

2008年 【2008.05.04】

2007年 【2007.05.05】

2006年 【2006.05.03】

2005年 【2005.04.30】

2004年 【2004.04.25】  

 

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2021.04.12

武川岳へのややこしい登り降り

B120412a(武川岳南西尾根のひとコマ)

今年は本当に暖かい!おかげでお花の開花も早く、ツツジはもちろんそろそろ沢沿いのお花も確認したくなってきますね。

ということで足が向いたのは久しぶりの秩父方面。今回は一の鳥居スタートで、例によってマイナー尾根の登り降りを繰り返して武川岳をめざすコースを組んで歩いてきました。

B120412b(妻坂沢左岸尾根中腹・アブラチャン満開)

まずは一の鳥居からそのまま妻坂沢左岸尾根に取り付き、せっせとせっせと登っていきます。

この尾根は4年前の初訪以来で変わったところはほぼない感じでしたけど、シカのフンがかなり目立ったのが少々気がかりでしょうか。記憶から00年代初頭のような多さで、こちらはあまり猟がないのかなあ、、、と。

B120412c(ヒナスミレ)

尾根中腹の緩斜面はアブラチャンが満開。あとはヒナスミレ。ヒトリシズカはそろそろ咲き出しそうかな。

見かける花は決して珍しいお花ではないけど、みんな2年以上ぶりに逢うお花なので喜びもひとしおです。

B120412d(巻き道辿ったら鞍部に掛小屋の跡)

登って登って上の岩峰への急登がはじまる直前、右の植林帯へ巻き道が分かれていて、今回はここで尾根を離れて巻き道を辿ってみました。

ひと登りして出た枝尾根の狭い鞍部には↑↑こんな小屋掛けの跡が!キレット小屋かよ(笑)。鞍部から右へ少し辿った先には開けた岩こぶがあり、ちょっとした展望を楽しめたり、お目当てのアカヤシオもちらほら。

B120412e_20210409233701(アカヤシオ・一部咲き始め)

お花はほとんど蕾でしたが花つきはかなり良さそう。去年見られなかった分、今年は本当に楽しみですね!

B120412f(ここは滑って大変でした)

巻き道は枝尾根を乗り越して下ってしまうので、ここで尾根に復帰。枝尾根を登ってみたのですが、こちらも上がるにつれ急になり、手がかりは少なく、しかも雨後のせいもあってかなり滑ってかなり神経を遣いました。

こちらも直登ルートと同じく、もし下りにとるならロープは必須でしょう。

B120412h(稜線の登山道に出たらそのまま乗越し、、、)

岩峰に登ったらお次は東側を慎重に巻いて下り、ひと登りで稜線の登山道に出ました。さすがにここは人が多い!稜線南側の雑木林にはバイケイソウやカタクリの葉がすでに顔を出していて、お花はもう少しで咲き出しそうです。

でも今回は稜線を辿らず、そのまま稜線を乗り越して南へ直滑降。実はここの下りが今回一番大変な箇所でした。

B120412i(よく林道に降りられたものです)

とにかく植林下の急な下りに、間伐された木々が放置された状況はまんま倒木のようで、これを乗り越えるのが大変。その上、下に見えるの横倉入の林道が↑↑こんな感じで、しかも安全に降りられるポイントが周囲に一箇所しかないという、、、(泣)。

ここは記憶を頼りに下手の沢筋へトラバースしてなんとか林道に降り立ちましたけど、これとて丸腰では結構危険な下りでした。

B120412k(トウゴクサバノオ)

そんなわけでなんとか横倉入の林道に降りたって一安心。すぐ先が林道の終点で、ここからそのまま横沢入の登山道に入ります。

横倉入の登山道は短いのがほんとうに玉に瑕なんだけど、秩父・奥武蔵では有数な渓畔林の美しい道。沢に降り立つとすぐにお花が目に入るからなかなか先へ進めません。

B120412j(ハナネコノメはほぼおしまい)

B120412l(二俣の辺り・芽吹きはじまる)

というかもうそうなるのはわかっていたので、撮影しながらのんびりと登っていきます。

お花の方は写真のとコチャルメルソウ、ヤマエンゴサク、ツルネコノメソウ、アズマイチゲ、ヒナスミレ、ナガバノスミレサイシン、ハシリドコロ。

B120412m(ニリンソウも咲き始めた)

B120412o(コガネネコノメ)

周囲のチドリノキも芽吹き始めてたのでここは晴れて欲しかったなあ。なのでランチを二俣の辺りでとって、その間に晴れるのを待っていたんだけど、、、やっぱり晴れませんでしたね。残念。

ランチをとったら来た道を戻り、そのまま林道を下っていきます。

B120412p(林道は一昨年の台風の影響が残っている)

林道は一昨年秋の台風の影響か所々崩れていて未だ改修されていない感じ。後からわかったことですけど、下の大鳩園からまだ通行止めのままなのですね。

自分はそこから妻坂峠への登山口へ登り返して、林道終点から橋を渡って登山道、、、ではなく(笑)その橋を渡った対岸に延びているのが、実はおめあての武川岳南西尾根。そのまま南西尾根に取り付きました。

B120412q(武川岳南西尾根・のっけから急登が続く)

B120412r(ミツバツツジ)

集落の跡地を突っ切ると、あとは地形図通りの急な登り一辺倒。ときおり岩場を交えるおかげか植林は案外少なく、明るかったのが意外。

とはいえ情報のない秩父の急なマイナー尾根ですから、、、やっぱり出てきた岩の急斜面。登りなので行けましたが、こちらも丸腰での下りは宜しくないかも。

B120412s(やはりこういう箇所があるから気が抜けない)

B120412t(岩場が多いせいか植林は案外少ない)

その急斜面がこの南西尾根の核心で、あとは急で岩稜が現れてもなんなく通過できるレベルでホッとしました。

ただお花はほとんどなかったですね。ミツバツツジぐらい。でも個人的には想像以上に明るかったのがとにかく嬉しく、楽しい尾根でした。

B120412u(武川岳山頂)

なので想像よりもあっさりと稜線に飛び出したらすぐお隣が武川岳の山頂。

せっかくの山頂ですが天気イマイチで展望も宜しくないので、お茶をすすったらあとはかなり久しぶりになる天狗尾根を下りました。

B120412v(カタクリ・天狗尾根下部で盛りすぎ)

お花はあまり期待してなかったものの、尾根下部ではカタクリになんとか間に合ってお花的にはもう十二分。ただ少々道のわかりづらい箇所があったのが意外で、今はあまり歩かれていない?とか??。にわかには信じがたいけど。

それはともかくこの日一番華やかだったのが林道に出てからで、林道脇の桜が満開でどこまでも桜の道。下の方では散った花びらが道路を桜色に染めているのもまた華やかで、今は本当に良い時期だなあ!と。今年はこの時期に歩けて本当によかったと心の中で感謝しつつ名郷へ向かったのでした。

 

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2020.01.03

妙見尊をたずねて棚山へ

B200103a(取付への行きしなより・中腹に妙見尊が見える)

 
 
あけましておめでとうございます。
今年もみなさん無事に山歩きができることを心より祈っております。
 
 
・・・・・☆

去年の山納めは先週の土曜日(12/28)。それこそ藤井本(『中央線の山を歩く』)の頃から課題になっていた棚山を、これまたながらく気になっていた妙見尊から辿って訪れてみました。

B200103b(参道は基本明瞭だが荒れている)

春日居町から歩き出すのは兜山以来丸10年ぶりのこと。駅から夕狩沢への道もすっかり忘れていて(笑)、地図を見ながら慎重に目指すと偶然にも岩下温泉を通りがかったりしていろいろ興味深かったです。そして夕狩沢に入り、流しそうめんのお店(休業中)を過ぎるとその先が妙見尊の取付でした。

取付周辺は刈り払いされてスッキリしており、そんな様子に道はどこ?って一瞬迷いかけましたが、よく見ると明瞭な道が奥へ延びていました。さっそく辿ってみると道は基本明瞭ながらも倒木が多く、不明瞭な箇所もちょいちょいある感じです。

B200103c(丁目石もちらほら)

B200103d(ほう・・・)

道中、丁目石を見かけるのが参道らしくて良いですね。でも「八丁」以降は見当たらず、そうこうしているうちに妙見尊の建物の下に飛び出し、あっけなく着いてしまいました。

実際に着いてみると、そこに神社らしき遺構は少なく、建物は展望台といったところでしょうか。裏は切り立った岩場でよくもこんな所に造ったなあ、と。ただ中の敷板の劣化が激しくかなり危険な状態なので中には入らない方が無難でしょう。展望はもちろん良好で、昔はここで宴会などが開かれていたのでしょうね。

B200103e(妙見尊より)

B200103f(雑木林が続いて気持ちがよい)

展望台の中に入らなくても、まわりからでも展望は充分に楽しめるので、展望を楽しんだり、周囲を探索していたら30分近くも過ごしていたのに気がついて慌てて先を行きます。まずは目の前の岩のてっぺんを目指してみたのですがなにもなく(笑)ここからそのまま尾根上を伝うようになりました。

この辺りは気持ちのよい雑木林が続く良いところ。御前山までが前半のハイライトでしたね。ただ少々滑りやすかったのが難といえば難かも。

B200103g(御前山<778m峰>)

B200103h(尾根中腹は植林下の登りが続く)

そんな気持ちのよい道のりも、巨岩で覆われた御前山まで。その先から徐々に植林が現れ、林道を突っ切ると全面植林に。もう淡々と登るだけになっちゃいますねえ、、、。

そんな植林帯に若干うんざりしてきたところでようやく抜けると、ひと登りでほったらかし温泉からの登山道と合流しました。

B200103i(雑木林に戻ると登山道と合流)

B200103j(棚山山頂)

登山道に出たら棚山はすぐだろうと思い込んでたら、ちょっとしたアップダウンが続いてようやく棚山の山頂に到着。ここは結構マイナーなイメージが強かったので、道中少ないながらもすれ違うひとがいたことが意外でした。

周囲が刈り払われていて展望は良好。ただ南アは山頂手前からの方が綺麗に見えます。おそらく藤井本の頃と比べると山頂の様子もずいぶん違うのでしょうね。

B200103k(重ね石)

B200103l(降雪後のせいか滑りやすい)

東のほったらかし温泉へ下る道は山の神、重ね石、二つのコースがありましたが、今回はなだらかに下れるらしい重ね石コースの方を降りてみました。

東面は日陰になる時間が長いせいか?雪が残っていましたが、それも降るにつれなくなり、雑木林の中なだらかに下っていきます。

B200103m(林道に出たらここを下るのが正解なのだろうか、、、)

山の神コースと合流するとじきに林道歩きになり、↑↑こんな一面開けた場所に出ました。ほったらかし温泉へ行くには「フルーツ公園」と書かれた道標のあったここを下るのが最短のようですが、よくわからなかったので直進するとこちらでも無事にほったらかし、、、

B200103n(キャンプ場は大盛況!)

温泉というか手前のキャンプ場に出ました。現地に着くまでまったく知らなかったんだけどここはキャンプ場もあったんですね。当然富士も望める尾根上の展望絶佳なキャンプ場ですから真冬でも満員!そりゃそうだ。ここは自分も相当そそられましたから。混んでなければね(笑)。

B200103o(フルーツ公園より)

ここでタクシーを呼んでもよかったのですが、今回はフルーツ公園までもうひと頑張り。フルーツ公園ファミリー向けのかなり立派な施設で驚きました。自分ならこっちでキャンプしたい気分かなあ。当然禁止だけど(笑)。

ということで着替えをして、展望を楽しみつつお茶を飲んだらちょうどバスの時間。下調べをまったくもしてなかったのにうまくいったことに気をよくしつつ帰路についたのでした。


・・・・・☆
 
◆ 2019.12.28 (Sat)   快晴
春日居町 08:00→ 取付の鳥居 08:50- 妙見尊 09:30/09:55- 御前山 11:05-(途中休憩55分)- 棚山 13:40/14:00- 重ね石 14:25- 林道に出る 15:00- ほったらかし温泉 15:45- フルーツ公園BS 16:25

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2019.11.10

塔岩から尾根の続きを辿って奥帯那山へ

B191109a(塔岩からの枝尾根のひとコマ)

ひと月半ぶりの更新・・・しかしこの秋は参りました。強い台風に大雨とhomeの山がかなり酷い状況になって、中央線は止まり、紅葉のシーズンなのに日原にも入れなくなるという、、、。

でもようやく中央線も動き出してそろそろどこを歩こうか、と考えていたときに浮かんだひとつが、9月に歩いた奥帯那山南西尾根の続きを歩くこと。国中なら台風の被害はさほどでもなさそうとみて歩いてきました。

B191109b(塔岩林道・奥の抉れが前に歩いた17号鉄塔)

前回は歩き出しが遅かったことも尾根上部を歩けなかった理由だったので、一本速い電車で甲府に出てタクシーで塔岩林道のゲートに出て(¥4070)からのスタート。まずは今は廃村となっている塔岩を目指して、塔岩林道をてくてく歩きます。

林道歩きで意外だったのが、道が案外奥まで舗装されていること。まだ塔岩へ通う人がいるのか?と思ってたらそうではなく、送電塔(おそらく18号鉄塔)のメンテのためのようで、その先からダートに変わりました。しかしこの辺りは岩っぽく、道もスラブを削ったような箇所が多くあり、よくもまあこんな所に道をつけたものです。

B191109c(塔岩・残っているのは物置らしき建物のみ)B191109d(崩れかけた細草神社の表参道)

のんびりペースの割に歩き出しから100分ほどで塔岩に到着。これなら問題なく上まで行けそうです。集落跡にはビニールハウス?や物置小屋が残る程度でなにもなく、東の枝尾根に崩れかけた雰囲気のある石段が見えたので、登ってみると上に石祠がありこれが細草神社でした。

神社に参拝した後、上の畑跡とおぼしき広場で休憩。当初はここから天神峠へ上がろうと思ったのですが、登りで道を探すのはいささか面倒そうなので、今回はそのまま正面の斜面(南西尾根の枝尾根)を登っちゃいました(笑)。

B191109e(ヤマボウシが多い)B191109f(素敵な枝尾根でした)

ところがところが、これが雑木林の広尾根が続いてなんとも素敵なところでした。紅葉には少し早かったのですが、それでも林はちょこっと色づき始めて、周囲が少し明るくなっていたのも好印象を持った所以でしょうか。

B191109g(南西尾根に上がるとやはりこんな感じ)B191109h(ハウチワカエデ)

そんな尾根にも妙な大岩があったりするのがおもしろく、ゆるゆる歩いていくと徐々に尾根が痩せて、「らしく」なってきたらじきに南西尾根と合流(1030m圏)。そこから痩せた尾根をしばらく辿ると1042m峰で場所も頃合いも良かったので、今回はここでランチになりました。

B191109i(1142m峰)B191109j(1142m峰を振り返る・奥には鳳凰・甲斐駒も)

ランチを終えて再び歩き出すと南西尾根はここからが核心。痩せた岩稜の急な上下が続き、これはこれで楽しいのですがさすがに少々気を遣います。

それでも↑↑こんな展望地に事欠かないのが岩稜の良いところですね。あ、↓↓ここの通過は若干気を遣いました。慎重にいけば問題なさそうですが、念を入れるなら右の斜面を捲いた方が良いのかも。

B191109k(この大岩の通過が若干面倒)B191109l(紅葉はこのあたりが良い感じでした)

紅葉はこの急な登りの辺りが見頃のレンジ。色づきはいまいちなれど、そこはお日さまの力でなかなか見事でしたよ。

その急な箇所を登り切ると、先ほどの枝尾根のように尾根が一気に広がり1340m圏のピークに導かれました。

B191109m(山頂直下はカラマツ植林・黄葉は見頃でした)

ここまでくれば奥帯那山はもう目の前。んがここで人くさい植林に変わってしまうのはなんとも惜しい!

まぁカラマツ林なのでちょうど黄葉の時期でもあり、これはこれで見事でしたけど、ここに自然林が残っていればねえ、、、という贅沢すぎる思いがわいてきたのは、南西尾根自体が尾根歩きの楽しさの要素の「ほとんど」を持っていたから。まあ稜線に林道が通っているところですからねえ(笑)。

B191109n(奥帯那山)B191109o(頂稜のウリハダカエデは落葉)

1340m圏から30分ほどでようやく奥帯那山の山頂に到着。どこから登っても労に報いないピークと言われてもしょうがないかな。三角点をカメラに収めたら南の帯那山へ向かいます。

この間はカエデが意外に多いですね。色づきはよろしくありませんがハウチワカエデ、コハウチワカエデあたりが見頃。ウリハダカエデは黄色は残っていましたけど紅は落葉。オオモミジは色づきはじめでまだ緑でした。

B191109s(帯那山より)

そして周囲の高木がなくなり、ススキ原の中を行くようになるとじきに富士山を真正面に見るようになり、帯那山に飛び出しました。

個人的にここはバイクに乗っていた頃以来なので20数年ぶり。ほとんど記憶になかったです。休憩舎も廃墟でも雨は凌げそう。それはそうと初夏のアヤメはまだ残っているのでしょうか?シカが爆発的に増えているからほとんど食われているようなイメージなのですが。。。(笑)

B191109q(下山路はもと林道か?広くて明瞭でした)

山頂で展望よりも周囲の探索をしたらもう良い時間なので、今回は最短の戸市へ下る登山道を下りました。ここはたまに見かける登り方面の道標しかない道でしたけど、もともと林道だったのでしょう道は広くて明瞭。おかげですいすい下れて、一時間ほどで戸市に出ました。

B191109r(戸市の佇まいも印象的)

初夏の塩平もそうですけど、この戸市も家や集落の佇まいが独特で印象的でした。そんなことを話しながらタクシーを待つひとときは、寒かったけど(笑)山行きの余韻を楽しむようでなんともほっこりします。

登りの奥帯那山南西尾根はもちろん、甲府北部は山自体の楽しさに民俗的にもそそられるものがありますね。これから始まる猟の状況はわからないのでアレですけど、これからのシーズン低山の愉しみに浸るにはうってつけの所。気になるところをもう少し歩いてみようかと思っています。
 
・・・・・☆
  
◆ 2019.11.02 (Sat)   晴
塔岩林道ゲート 08:25- 塔岩 10:05/10:45- 1142m峰 11:40/11:30- 1340m圏峰 13:45- 奥帯那山 14:15- 帯那山 14:35/14:45- 戸市BS 15:50

 

タクシー(甲府駅ー塔岩林道ゲート) ¥4070 
タクシー(戸市ー山梨市駅・迎車) ¥4070

 

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