2024.10.27

御坂山・美林の稜線

B241027a(御坂主稜のブナ林)

なんとも近年の夏は本当に不安定でかつ過酷で高山へ行けなかったどころか、山へ行く気すら起きません。でもそんな気候もようやく落ち着いて、ようやく訪れたからっとした晴天。二年ぶりに御坂の山を歩いてきました。

御坂と言えば河口湖に出なければいけない。でも近頃の状況を見るとなっかなか足が向かなかったのも事実で、今のあちらの様子を確認するのも今回の目的でした。

B241027b(天下茶屋より)

んで富士急も河口湖駅周辺もたしかに想像通りだったんですけど、意外に人出が少なかったのは朝のせいでしょうか。でもそれより驚いたのがハイカーの少なさ。天下茶屋行きのバスが今は1本のみだし、ハイカーが想像以上に少ない!

ということで天下茶屋まで乗っていたのは自分たちのみ。ここも二年ぶりで、お茶屋さんはバスの時間にはもう店を開けているのですね。いそいそ準備したらさっそく歩き出します。

B241027c(ヤマボウシ)

B241027d(ミズナラの巨樹も多い)

歩き出しが高いので、急な登りは稜線までの短い区間。お花はシロヨメナがひと株。あとはたくさん顔を出していたホコリタケをいじりつつせっせと登って、稜線に上がったら今回は西へ向かいます。

かなり久しぶりに歩いたこの辺、ブナミズナラの自然林が続いて快い道のりが続きます。主稜線でもこの辺りはまだ樹高も高く、若い林も多くて涼やか。

B241027e(涼やかですねぇ)

B241027f(御坂山への登りしな)

ただですねえ、かつてあれだけ登山道を彩ったお花はほとんどなくてさみしい限りですよ。マルバダケブキの残りがちょこっと。トリカブトすらいなくて、こちらも下草がほとんどなくなってしまった感じですね。

B241027g(御坂山・だだっ広い)

ランチをとった御坂山もかつてはもっと下草が茂っていましたけど、今はこんな感じだから場所に困りません。

このあたりから雲がかかるようになり、そうすると風が冷たくなるのはこの時期らしい筈なんですけど、なんか妙な違和感が、、、(笑)

B241027h(広い頂稜には巨樹がちらほら)

ランチを終え、広い山頂を散策したら稜線をなおも西へ行きます。

B241027i(御坂山以西はイノシシの掘り返しが続く)

御坂山の西側も相変わらず自然林が続いて楽しい道のり。道中イノシシの掘り返しがやたらと目立ったのはなぜなのでしょう?

B241027j(御坂峠への下りしな)

B241027k(御坂峠)

送電塔をすぎ、なおも西へ行くと見覚えのある廃屋が見えてきて御坂峠に着いたことがわかります。峠のお茶屋の建物も崩壊がすすんで中が見えてる、、、。

さほど長くない稜線歩きも今日のところはここまで。かなり久し振りに北の藤野木への峠みちを下ります。

B201027l(藤野木側の峠みちも美林が続く)

B201027m(穏やかなお顔)

藤野木への下りは20年以上ぶりでしょうか。あまりに久し振りで峠みちのことはほっとんど覚えていません。

ですがこちらの峠みちも林相が大変宜しく、しかもかつては駄馬をも通した道。歩きやすくリズミカルに下れますね。

B201027n(イタヤカエデ・板屋楓)

B201027o(クリ・栗)

そして周囲より突出した巨樹がちらほらいたのも収穫でした。

↑↑この巨樹は樹勢があまり宜しくなく、クリと判断するのに苦労しましたー。

B201027q(トチ・栃)

トチは比較的巨樹が多いとはいえ、この方もお見事。

沢に出たら堰堤工事?のためか??道が付け替えられている感じですね。じきに橋を渡ると林道に変わって、あとは藤野木へ下る段取りでした。

B201027r(橋を渡ったら林道歩き)

下った藤野木はかなり久し振りだし、甲府-河口湖のバスに乗るのも結構久し振りで、このバスは遅れることがままあることをすっかり忘れていましたよ!

逃したと思い込んでいたバスが、ドライブインでのんびりビールを飲んでいる間に通り過ぎる悲劇があったものの、まぁ反対の河口湖へ出ても帰途の時間さほど変わりないので無問題。この路線も観光客がかなり多かったですねえ。運転手さんが慣れない観光客をキッチリ捌いていた姿も隔世の感があります。それでも河口湖駅周辺も想像よりは落ち着いている印象で、これぐらいならたまには御坂方面もいいかもと感じました。ただハイカーはかなり減っているのではないでしょうか。

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2022.10.08

色づき始めた御坂主稜へ(天下茶屋~八丁山~女坂峠)

B221008a(御坂主稜・岩稜帯は色づき始めた)

しっかし今年の秋は秋らしい好天が本当に少なく、ここへ来てようやく秋らしい日々が続くようになってきました。かのゆるキャン以来、ひと月半ぶりの山行きは御坂の久しくご無沙汰しているところを歩いてきました。

今回は河口湖駅からタクシーで天下茶屋に出て(¥5690)からのスタート。富士眺望の名所ながらハイカーは意外に少ない場所だけど、一番楽に(?今は二番目??)御坂主稜に上がれるところでもあるのです。

B221008b(御坂トンネルと天下茶屋)

天下茶屋から歩き出すのはまる10年ぶり。天下茶屋の開店作業を見ながら準備をして歩き出し、かの有名な太宰治の碑を一瞥して急な山道をせっせと登ります。

久しぶりに歩いてみると天下茶屋の周辺はいろいろ遊歩道が通っている事に気がつきました。今となってはおそらくほとんど廃道でしょうけど(笑)。天下茶屋からのんびり歩いても30分ほどで主稜線に出ました。

B221008c(歩いてきた御坂主稜の奥に富士)

10年前は西へ釈迦ヶ岳まで足を延ばしたのですが、今回は本当にご無沙汰している東の方へ。

御坂らしいブナ林に、雑木の美しい二次林。好天のもと快適な尾根歩きができます。そして久しぶりに歩いて驚いたのがアズマシャクナゲが点在していたことでした。確かにこのあたりは御坂で唯一シャクナゲのいるところだけど、ここまで多いとは。花芽がついている木も見かけて驚きました。

B221008d(ヤクシソウ)

送電塔に出れば、明るい草地の許では咲き始めのヤクシソウ。ヤマトリカブトにカイフウロとママコナの咲き残りも見られて、時期を考えればお花は十二分でしょう。

展望はもちろん良好で鳳凰から南は聖岳まで。こんな日にアルプス歩きたかったよう。

B221008e(御坂らしいブナ林も多い)

木々の緑も色が抜けはじめ、明るくなってます。紅葉らしい紅葉と言えば樹林帯ではヤマボウシぐらい。

B221008f(甲府盆地の奥に南アルプス)

でも岩稜帯では低灌木が色づきはじめており、ツツジの類いは来週以降それなりの色づきになっているのではないでしょうか?

B221008g(ヤマトリカブト)

歩き出しは少なかったヤマトリカブトは北面のブナ林を散策すると結構咲いていましたよ。

八丁山の前後は岩稜が続いて、色づき始めた低灌木が明るく良い雰囲気なのですが、尾根が狭くてランチ場ではないのが残念。八丁山に着いたらここで主稜線とは別れて、北の女坂峠(峠みちは道がない上に、なぜか道標に大沢山の名前がない)の方へ向かいます。

B221008h(見事なミズナラ)

B221008i(植林帯は思いのほか少なかった)

こちらに入ると植林が増えるのかなあ、、、と案じていたら植林はあんがい少なく、雑木に御坂らしいブナ林、そしてこちらもちょっとした岩稜を交えた、なっかなか素敵な稜線ではないですか!

道標は整備されてはいるものの、ちょっと慣れた人向けではあるけど、少なくとも好事家だけのものではない魅力があると改めて感じました。

B221008j(まさかセンブリに逢えるとは!)

今年も逢えました!本当に小さいお花がひと株だけ。我ながらよく見つけたよ。

B221008k(本社ヶ丸もご無沙汰しているなあ、、、)

B221008l(巡視路と女坂峠との分岐)

送電塔のある1445m峰に出たら時間的にもここから笹子へ下るのが常道。ですが今回は北の女坂峠へ下りました。というか↑↑この女坂峠の道標は峠みちがないのにいささか疑問やなあ、、、。この県の道標は大沢山の表記を避けてるよね。行政的な都合があるのかも知れないけど。

B221008m(このミズナラも見事!!)

分岐から下りだしてすぐに現れたこのミズナラ。左の太い方は5m超えてました。いやあ今までオレはなにを見ていたのか、、、アホすぎる。

B221008n(女坂峠の石垣)

女坂峠への下りは記憶通りかなり急で、かなり気を遣いました。そんなギャップ底のような峠からひと登りすると現れる尾根を横切る石垣。これこそがかの女坂峠みちの名残だったりします。

峠みちは18年以上前に2回に分けて歩いていて、現在の様子を確認したくて久しぶりにこちらを下ってみることにしたのです。

B221008o(石垣を追いながら峠みちを下る)

峠みちとはいえ今はもちろん廃道で、当然歩く人を選びます。今回はもうあらましすら書きませんよ(笑)。ある一定の法則があるとだけ言っておきましょうか。

昔から何度も言ってますけど、こういう廃道探索こそが実は一番山の総合的なスキルを求められるものなのです。とかく低山はいろいろ舐められがちですからねえ、、、。

B221008p(崩落が進んでかつてのケーブルが露出している)

道の状態は基本的に18年前をあまり変わっていない印象でしたが、ある区間の下降がなかなかスリリングでした。記憶が曖昧だからもう石垣が現れないんじゃないかとちょっと不安になった(笑)。

でも下るにつれ径路が続くようになり一安心。下部の状態は完全に忘れていたので、ああこんな感じで道が延びていたんだーと新鮮な気持ちで降りられたかな。

B221008q(植林帯に入れば一安心)

奥野沢の沢音が聞こえるようになるとまもなく清八峠からの登山道と合流。東山梨変電所に出たらあとは笹子駅へちんたら向かいました。というかいささか長いですねえ。あのトンネルをパスできるというか、もとのトンネルをショートカットできる道というかルートは今でも歩けるのでしょうか?今回は藪が煩そうだったので諦めたのが少々心残りでした。

久しぶりの女坂峠みちは上では捜索で、そして下では道が丁寧に造られているゆえに意外に時間がかかりましたが、その分山行きがピリッと締まりました。峠みちの緊張感とは裏腹に女坂峠までの尾根歩きは爽快でしたし、紅葉もちょこっと楽しめた。歩き終えてから「山を歩いて良かったなあ、、、」としみじみ余韻にひたれるような山行きってかなり久しぶりだったかもしれません。

 

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2022.05.13

笹子峠~大洞山~大沢山 新緑を愛でる

B220510a(カヤノキビラノ頭へ・稜線はほぼ岩稜)

今年のGWは天気に恵まれたおかげでもう一回山歩きができました。今回歩いたのはかつて(花のひかりを始める前)はよく歩いた大洞山・大沢山といった御坂山塊の東端辺り。調べてみたらぬあんと14年ぶりに歩いたのでした。

この日は甲斐大和駅から笹子トンネルへタクシーで出てからのスタート。天気は良いものの、北の甲府盆地から吹き抜ける風が冷たくて薄いシェルが欲しいような天気。まずは新緑眩しい雑木林をてくてく登って笹子峠に上がりました。

B220510b(稜線は芽吹き・新緑)

峠からは西の稜線を辿ります。西の方は道標こそ整備されてはいますが今でも入るハイカーは極端に少ないのでしょう、地面が柔らかく急な尾根もすいすい登れます。

今回笹子峠から歩いてみたのは、峠から中尾根の頭までの間の記憶がないからでした。んで実際歩いてみると、かつての伐採跡から雑木が育って芽吹き新緑は美しいし、でも育ちすぎてないので展望が利いて開放感もある快適な道。

B220510c(ハウチワカエデ)

カエデも多いですね。そしてミツバツツジやホウノキ、コナラなどの芽吹きの様子を見ながら歩くのも楽しいです。

1278m峰では「中尾根の頭」の標識が外されて転がっていました。まぁ中尾根の頭というぐらいですから正確には中尾根が派生しているその次のピークが中尾根の頭なのですよね。

B220510d(笹子峠~中尾根ノ頭まではスッキリしていた)

ちなみに中尾根の頭には中尾根方向を塞ぐようにベンチが設えてあって、あれはうまい!と思いました。

んで中尾根の頭から先はかつて歩いていたのですが、久しぶりに歩いてみるとけっこうな岩尾根なんですね。微妙な上下にちょっとした白ザレのギャップもあったりして意外に気を遣いました。

B220510e(ボッコノ頭と大沢山、御巣鷹山方面)

B220510f(カヤノキビラノ頭<三境>)

岩尾根らしく途中で展望を楽しめる岩場もありつつしばらく行くと、突然という感じで尾根が広がって、じきに見覚えのあるカヤノキビラの頭の広い山頂に飛び出しました。

芽吹きのはじまったカラマツ植林に覆われた山頂のあたりにはスミレが姿を現し、植生もちょっと変化してきた感じです。

B220510g(アケボノスミレ)

B220510h(カヤノキビラノ頭~大洞山間は美しい雑木林)

さてここから大洞山までがこの周辺で唯一自然林に近い形の雑木林が残っているところで、しばらくは雑木の広尾根をゆるゆる歩くもの、、、かと思い込んでいたら、意外に痩せた鞍部があったりそれなりに歩きでがあることを完全に忘れていました。

でも芽吹き新緑の尾根道は目に楽しく、なんとも心地よいことに変わりありません。

B220510i(大洞山)

ランチは当然大洞山。この稜線で広いピークはカヤノキビラか大洞山しかないのでどちらかだろうなとは思ってました。

それはそうとハイカーがまったくいませんねえ、、、人出の多いGWなのに。ここってここまで穴場でしたっけ?(笑)

B220510j(トウゴクミツバツツジ)

B220510k(周囲の木々が育って藪はなくなっていた)

ランチを終えたらなおも東のボッコノ頭へ向かいます。14年前に歩いた折りは伐採後に育った灌木が道に被って煩く、かなり歩きづらかった覚えがあったのですが、長い間に周囲の木々も育って難なく歩けるようになっていますね。

相変わらずの岩尾根がつづきますが、新緑やお花を愛でる余裕がありました。

B220510l(ヒメスミレサイシン)

B220510m(ボッコノ頭直下のブナ林)

ここも再訪するまで完全に忘れていたのですけど(笑)この日の目玉と言えるのがボッコノ頭の北面のブナ林。すっかり忘れていたからこそより見事に映りました。

ブナの木々が若いところもいいですね。芽吹きもはじまり木々を愛でるようにゆるゆる登っていく楽しさよ。

B220510n(大沢山へむかうと送電塔が!)

ボッコノ頭に上がり、東へ下り始めるとなんと!!!

周囲の木々が皆伐されて送電塔を造っている最中でした。場所柄リニアがらみでしょうかね?

B220510o(オオカメノキ)

B220510p(北面のブナ林が美しい)

送電塔から先もしばらくは尾根上に防火帯?が切られて、尾根に沿ってモノレールの軌道が通っていました。

軌道が尾根を北へはずれるとようやく以前の稜線の雰囲気に戻ってホッとします。相変わらずの痩せた岩尾根の上下が続きます。

B220510q(アカバナヒメイワカガミ・咲き始め)

となると出てくるのがイワカガミ。もくろみ通り開花がはじまっていました。咲き始めは色が鮮やかで綺麗ですね、たぶんこの週末までが見頃ですが天気が宜しくないのが残念。

そんなイワカガミ帯を過ぎると大沢山の山頂に飛び出しました。ここはたしか山頂の南側が開けて富士山が拝めたはずですが今は木々が育ってました。ちょっと休憩をしたら時間も時間なので、今回のところはおとなしく尾根伝いに笹子へ下山するしかありません。

B220510r(大沢山直下からボッコノ頭)

B220510s(下りしな送電塔より本社ヶ丸)

山頂からひと下りした分岐にある真新しかった道標も、今はすっかり古びて時の流れを感じさせます。というかこの稜線はほぼすべてが県の道標で、大月市の道標が全くないんですけどその辺りの理由が知りたくなってきました。

そのせいか?最後の最後で尾根をはずれてしまい(笑)追分トンネルの北詰近くになんとか降り立ったのはご愛敬。あとは甲州街道をてくてく歩いて笹子駅に着いたらなんと18時をすぎてました。

朝から晩まで一日中山歩きをしたのってかなり久しぶりのような。でもそんなことを感じさせないほど楽しい一日でもありましたね。道中ハイカーに一切会わなかったのも意外でラッキーでしたし、帰りの電車も空いてていいことずくめでした。

 

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2021.06.20

またその3週間後の三ツ峠

B2106a(登り尾根のひとコマ)

前の三ツ峠からちょっと通うのもいいかもーと思い始めたのでまたまだ今回も三ツ峠へいってしまいました(笑)。結果として今回はおおよそ2年前と同じ時期になり、年々減っているのは否めないところではあるんですけど、、、夏のお花も徐々に咲きそろってきました。

今回はきちんと良い子に登山口を9時にスタート。喧噪から離れていつもの尾根を登ります。

B2106b(ヤマツツジ)

登りだしこそまだ曇っていたものの、徐々に晴れてくると静かだった尾根上には鳥が、そしてエゾハルゼミが啼きだし尾根上は賑やかになってきました。

初夏の様子が好ましい。人が多くて賑やかなのは昔から苦手だけど、こういうのはホントに心地いいんですよねえ。

B2106c(この辺りは異形のブナが多い)

のんびり歩いて縦走路に出たら、例によっていろいろ寄り道。

縦走路の脇にはツルキンバイ、クサタチバナが咲き始めていました。そしてふと頭上を見上げるとサラサドウダンも。数は多くないけど、花つきは良さそうです。

B2106d(ササバギンラン)

B2106e(これもブナ)

今回改めてこの辺りをじっくり歩いて感じたのは異形のブナが多いということ。

確かに御坂は風の影響か?大木でも樹高の低いブナが多いのが特徴ではあると思うんですけど、ここのはどうやったらこういう形になるのん?という木がいくつかあって、、、不思議ですよね。

B2106f(御坂主稜方面を望む)

いつものランチ場からはこんな感じ。

さすがに八ツや南アルプスは無理でしたが、甲府盆地はクッキリ見えて展望自体はそこそこ良好。今年は高い山に行けるのかしらねえと思ってしまいます。

B2106g(シロバナフウリンツツジ)

お花はランチを終えてからが本番。まずはシロバナフウリンツツジ。花付きは良好でした。

B2106h

(カシヤ穴)

B2106i(ムラサキツリガネツツジ)

思いのほか少なかったのがムラサキツリガネツツジ。キバナウツギもそうだし、コヨウラクツツジはすでに終わってました。

B2106j(御巣鷹山を振り返る)

B2106q(囚われの花)

鹿柵のないお花は残念ながら2年前よりも減っている印象。でも中のオオバギボウシは増えましたねえ。

B2106k(ズミも満開)

満開のズミ(コナシ)はあんがい華やかよ。

B2106l(こちらも見頃)

B2106m(白花ははじめて)

御巣鷹山から開運山へ向かうと時間が早いこともあってさすがに人が多い。みーんな↑↑のお花撮ってて笑った。

でもおかげで白花の場所を教えてもらいました。早咲きの場所の近所なのね!

B2106n(開運山より)

今回は思いのままに歩いたせいで歩き出しが早かったのに開運山に着いたのは14時過ぎ。

今回は山頂から富士も拝めたし、下りはヒネる必要もないでしょう。なので素直に荷揚げ道を下ることにしました。

B2106o(グンナイキンポウゲ)

どうやらこのあたりのキンポウゲはグンナイキンポウゲらしい(笑)。

荷揚げ道はメインルートなので人は多いし、なによりなんとか車が通るぐらいですから、道が単調で正直盛夏以外できる限り歩きたくない道なんです。

B2106p(蝉時雨の中荷揚げ道を下る)

ところがその下り道が自分でも滅多に聞くことがないぐらいのエゾハルゼミの大合唱!まさに「蝉時雨」という言葉しか浮かばないような道のりで、この様子で一句詠みたいぐらいだったんですけどやっぱりうまくできなかった、、、。

それこそ豪雨のような時雨れ方だったんだけど、同時に静寂も感じる不思議。そして傾きかけた日差しが差し込む緑の林に、乾いた心地よい風が吹き抜ける。ワッとわき上がる感じではなく、じわじわと感慨に浸るような。なんとも忘れがたい道のりでした。

 

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2021.06.06

おおよそ3週間後の三ツ峠

B2105a(登り尾根も緑濃くなる)

さて、おおよそ3週間ぶりの山行きはちょっと気が変わってまたまた三ツ峠の例のルートを基本に歩いてきました。

今回はいろいろあって遅出になってしまい、場所柄まだまだ人の多い登山口を12時ちょい過ぎにスタート。でも登り出せば静かに歩けてホッとします。

B2105b(アカバナヒメイワカガミ)

エゾハルゼミが鳴く、緑眩しい尾根をすいすい登っていくと、前の時はつぼみが堅かったイワカガミもなんとか間に合いました。この日この花が一番気がかりだったたのです。

B2105c(トウゴクミツバツツジ)

今年はツツジが見事なのでトウゴクミツバツツジもなかなかの花付きです。

B2105d(キバナコマノツメ)

んで稜線に出て、御巣鷹山へ向かうと、今年初の黄色いスミレはキバナコマノツメ。三ツ峠は黒岳よりも標高が低いのに、この周辺は亜高山帯のお花をいろいろ見られるのがおもしろいですね。

B2105e(御巣鷹山より)

朝は晴れていたのに、午後になったらガスが上がってきました。

でも日差しが強いと暑くてしんどいので少々曇ってくれた方がお休みの間は快適な季節になりましたね。

B2105f(クモイコザクラ)

雲居さんはさすがに終わりかけ。逢えて良かった。

B2105g(なんと八重咲きのツルシロカネソウ!)

ツルシロカネソウは見頃になってました。今日一番アガったのは八重咲きの個体がいたこと!

B2105h(開運山方面)

草原はまだまださみしい感じでしたけど、オオバギボウシはかなり伸びていました。そろそろこちらもいろいろなお花が見られる季節になってきました。

B2105i(オオカメノキも花付きが良い)

今回はそのまま樹林帯に入って開運山へ向かいます。

マメザクラはなんとか。オオカメノキもかなり花つきがよく見事でした。

B2105j(ルイヨウボタン)

ルイヨウボタンもかなり久しぶり。その色ゆえ見逃すところでした。

B2105k(今頃は見頃かな、、、)

B2105l(開運山より)

んで開運山に着いたのは15時過ぎ。でも人はまばらでここはこのぐらいの方が買えって落ち着くと云えば落ち着きますね(笑)。

トウゴクミツバツツジもサラサトウダンもシロバナフウリンツツジもまだつぼみ。ミツバの方はともかく、釣り鐘型のツツジは今頃がちょうど満開じゃないのかなあ?

B2105m(たぶんシロバナフウリンツツジ)

山頂は展望がイマイチだし、時間も時間なので久しぶりに表参道を下ることにしました。

B2105n(八十八大師)

表参道は今は下りのメインルート?であるせいか、この時間でも降りる人がまだまだいますね。

おかげで道筋は歩きやすくすいいすい下れます。しかしこちらは樹林帯に入るとお花が少ない。もうちょっといるかと思っていたのにアテが外れてしまった感じです。

B2105o(股のぞきより。ようやくお姿あわらす)

でも途中の股のぞきからようやく綺麗な富士が見られて終わりよければすべてよし。グリーンロッジの変わりように少々ビビりつつ三つ峠駅へ向かったのでした。

 

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2021.05.22

大幡川の新緑とお花と

B2104a(水雲山より御巣鷹山)

GWは思ったよりも天気が安定しなくて当初はどこかで山キャンでもしようかとも思っていたんですけど、、、結局日帰りに。日帰りならどこがいいかなあといろいろ考えて思いついたのが、お花もぼちぼち咲き始めていそうな三ツ峠でした。

ということで今回は三ツ峠というか御巣鷹山から久しぶりに水雲山へ下ってみました。

B2104b(いつものルートで、、、)

この日は時間が中途半端だったので河口湖駅から登山口までタクシーで出て(¥5510)からのスタート。登山口附近は路駐の車がずらりと並んでさすがの人出もいつものルートに入ればこの通り。いたって快適に歩けます。

とはいえ大抵は夏場に歩くのでここまで尾根上がスッキリしている時期に歩くのはのは珍しく、新鮮ではありました。周囲は芽吹きを始めたばかり。お花といえばミツバツツジとマメザクラ。イワカガミはまだ蕾でした。

B2104c(マメザクラ)

B2104d(御巣鷹山の草原より開運山)

登山道に上がるとさすがにGW。清八峠へ向かうハイカーも多いですね。とはいえ御巣鷹山にあがっても人はまばら。草原はこの通りで、お花もタチツボ、エザンイスミレにツルキンバイがちょこっとな感じ。

B2104e(ヒメスミレサイシン)

とはいえごそごそ捜索するとやはりいましたヒメスミレサイシン。久しく逢ってなかったこのスミレ目当てで三ツ峠に行ったと言っても過言ではないですからね。

それに三ツ峠の中で一番マイナーな御巣鷹山もこんな展望が楽しめるところがあるんですよ。

B2104f(御坂主稜の奥に南アの山山)

B2104g(径が想像以上にわかりづらい)

お花がまだこんな感じでは人の多い開運山へ行く気も失せてしまったので早くも下山のお時間。ひさしぶりに水雲山の尾根を下ってみることにしました。

こちらは私製の道標は残ってるし、前に降りた感触からバリエーションの範疇ではかなりわかりやすくなった印象だったので安易に降りてみたのですが、以前の台風の影響でしょう、倒木が多く道筋も不明瞭。えっこんな感じだったっけ?ってちょっと焦りました(笑)。

B2104h(クモイコザクラ)

B2104i(水雲山)

しかも尾根の分岐で倒木が被さっている箇所も複数あり、これは道標があるから、、、といって安易に下ると痛い目に遭うヤツですよ。

そんなわけでいろいろ迂回しながら下っていくとじきに水雲山の立派なピークが見えて一安心。釣鐘型のツツジの類はこの辺りでもまだ早すぎました。

B2104j(扇状地上の大幡側を見下ろす)

水雲山は4年ぶりでしょうか。まだ残っていた祠に挨拶したら、小広いピークに上がって周囲の展望を楽しみます。

ここはホントに良いところで、上からでも下からでもこの山目当てに訪れるのも良いと思います。晴れた日とかツツジのシーズンは特に!

B2104k(ヒメイチゲ)

ひとしきり展望を楽しんだらなおも下ります。んが露岩混じりの急降下が続く尾根のRFは、水雲山までよりそれより下の方が少々むつかしいかも。まぁここを歩く人は限られているとは思いますけど、、、。

B2104l(水雲山より下は新緑)

とはいえ下るにつれ鮮やかになる新緑がほんとうに見事で心が浮き立ちます。

おかげでとん、とん、とん!と下れて、あっという間に大幡側のほとりに出てしまいました。お花は少なかったな~。

B2104m(大幡川を渡って、、、)

急な下りで大汗をかいた顔を洗って、対岸の林道に出たら後はお気楽~のつもりも帰路の林道が大荒れでした。

歩くには支障がないレベルなのは助かりましたけど、全面復旧にはかなりお金がかかりそうな感じ。北口登山口までタクシーが入ってくれた時代は遠くになりにけりですよ。ホント。

B2104n(林道は大荒れでした)

小一時間ほどで宝鉱山のバス停に着いたのですが、手前のグリーンロッジは閉まったままで周囲は真冬のような閑散ぶりでした。

バスの時間までまだ一時間もあったものの、ここは休憩する場所には事欠きません。着替えを済ませ、のんびりおやつを食べながら帰りのバスを待つひとときも山歩きの楽しみのひとつなんだなあ、と改めて感じた一日でした。

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2019.12.21

中道往還の山岳部をたどる(精進~古関~右左口)

B191221a(紅葉が残る迦葉坂のひとコマ)

御坂山地の西端にあたる上九一色・下九一色の辺りはアプローチの長さとその標高の低さもあって、コースを考える上で「帯に短し襷に長し」的な箇所が多く、長年課題になりながら歩けていないところが実は多かったりします。

今回歩いた甲斐と駿府を結ぶ中道往還の山岳部を通る阿難坂と迦葉坂は、昔からその名前と歴史的な興味があったものの上記の理由によりなかなか歩けなかった区間。その二つを繋ぐことを思いついて、ようやく歩いてきました。

B191221b(精進の諏訪神社と大杉)

しかしですねえ精進湖も観光客の増加でバスはひところよりも便利にはなったけど、まだまだ朝は遅くて歩き出しは10時前、、、。もう一時間早い便設定しませんかね?(笑)とはいえ精進湖あたりのコースはこの時間で回れるコース(三方分山~パノラマ台)がメインなので問題ないのでしょうね。事実そこを歩きそうなパーティもいましたし。

さっそく歩き出して驚いたのが集落を通る中道往還が石畳になっていたこと。そしてなにはなくともまずは諏訪神社に参拝します。藁葺きの社殿と幹まわり10mはある大杉が見事で、ここは時間がなくても寄りたいところ。一見の価値ありですよ。

B191221c(女坂峠<阿難坂>)

今回は行程が時間的にというか日没的にタイトそうなので若干速めに歩いて30分ほどで女坂峠にあがりました。ひところは良く訪れていたこの峠も11年ぶり。初訪の折からある道標は実は南の古関方面もしっかり指しています。

まぁ阿難坂という名前がついているぐらいですからこの先もお気楽に歩けるつもりで下り始めると、たしかに最初は登山道と見まごう明瞭な道がつづら折れに下っていて気分良く歩けていたのですが、

B191221d(阿難坂・下部は荒れていて道筋は不明瞭)

沢筋を下る辺りになると、やはりというか沢自体が荒れていてなーんか不明瞭になってきましたよ。ここは沢筋を下るそれなりの所を下るのが正解でしょう。ちなみに沢筋から林道とおぼしき道へトラばる地形図の破線路は確認できず。分岐はおそらく堰堤まで下る前の植林の辺りだと思われます。

沢に堰堤が現れると道は再び明瞭になり、じきにR358が通る精進トンネルの出口脇に飛び出しました。すぐ先に架かる橋はその名も「阿難橋」。

B191221e(地形図の破線路は林道か?)

中道往還の古道はそのまま沢筋を下るようなのですが、国道がしっかり造られており降りるしまがありません。ここは破線路の確認もかねてしばらくR358を歩き(ここを歩くのはマジで怖かった、、、)、↑↑分岐を確認するとやはり林道ですね。

分岐を確認したら、枝尾根を適当に拾って寺川沿いの林道に降り立ちました。

B191221f(古関に降りてきました)

しばらく降りると古関に出るのですが、かつては山の登り降りで足早にしか歩いていなかった古関の様子を丹念にみられたのが、この日の山歩きで最大の収穫だったかも。

石尊権現や古関の関所跡、古道らしい町並みを通る雰囲気にも惹かれるものがありましたし、なにより今のいままで気づかなかった旧上九郵便局の建物が見事でした。すぐ脇にあったのになんで今まで気がつかなかったのだろう(笑)。

B191221g(旧上九一色郵便局の建物)

B191221h(境川を渡った辺りが取付)

古関をくぐり抜け、再びR358に出るとここからしばらくは芦川沿いに歩きます。個人的に因縁のある上九一色の村役場は温泉施設に変貌しており、併設されている「農業レストラン」に興味津々。頃合いも良かったし寄りたかったんだけど、一年で一番日の短い季節ゆえ泣く泣くスルーせざるを得なかったのが心残りです。

道がR358から県道に変わると車は激減して、舗装路でもなかなか良い雰囲気。気分良く歩いていると今は甲府と市川三郷の境である境川を渡り、その先に祀られている庚申塔や馬頭さまに挨拶。そこではなく、そこから一つ先の階段が迦葉坂の取付でした。(道標の類いは皆無)

B191221k_20191221181101(イロハモミジに間に合った!)

B191221i(古道らしく馬頭さまが点在している)

登りだしから道は明瞭で、しかも石畳が残っている!これはもう迦葉坂に間違いないでしょうって感じで道が延びています。12月半ばだというのにイロハモミジなど紅葉がまだ残っていてラッキーでした。

さすがに中道往還の古道だけあって道中は馬頭観音が点在しており、しかも石像一つ一つに設置した説明書きがあり、これはどれぐらい前に設置されたものなのでしょう?道標はないけど説明書きはある。ろくすっぽ歩かれてないけど古道で道筋はしっかりしている。妙に不思議ではありますね。

B191221j(雑木林の多い佳き道です)

B191221l(柏尾坂峠<迦葉坂>)

そしてなにより植林は少なく雑木林は多いのがいい!静かな落ち葉道の感触を愉しむようにゆるゆる歩けるひとときはただただタマランチ会長。上部で尾根が広がると道は若干不明瞭になりましたが、慣れていれば問題ないレベルでしょう。

上がるにつれてなんか植林が増えてきたなあ、と思ったらそこが柏尾坂峠でした。

B191221m(これも馬頭観音)

芦川北稜に上がるのも本当に久しぶりで、この辺りは迦葉坂だけでなく、ろくすっぽ歩かれていない明瞭な古道がいくつもあって惹かれるのですが、今回は横切るだけ。すぐに甲府側というか右左口側への下りにかかります。下りだしすぐに現れる、まろやかな姿の日蔭山がなつかしい。

ひと下りしたところで東の右左口峠との分岐に出ると、ここで女坂峠以来の道標(私製)があって驚きました。道標に書かれた字をみるとおそらく下芦川辺りの方のような気がしますが、どうでしょう?

B191221n(右左口側では如意輪観音も)

そしてもっと驚いたのが、ここで先ほどの私製の道標とはまた違う甲府市で設置した道標が現れたこと。道上に木が育っていたりして、ろくすっぽ歩かれてない雰囲気がプンプンだけど、よ~く道を観察してみると崩れかけた階段があたったりして確かに一度は整備されていた感じです。

あと仏様の類いがより増えたのも興味深いところ。馬頭さまだけでなく如意輪観音や千手観音も。これは道が南側より険しいゆえなのかもしれませんね。芦川沿いだってかつては難所が多かったからこそ馬頭観音が多いわけですから。

B191221o(甲府盆地を見下ろす・八ヶ岳は雲の中)

B191221p(千手観音も!)

ただこちら側は雰囲気は悪くないけど、稜線の北側ゆえに日が入らず(しかも日の短い時期だし)少々暗いのが残念なところかも。柏尾坂峠から小一時間ほどでR358の右左口トンネルの出口に出ました。そしてすぐ先に架かる橋は「迦葉橋」。あれどっかと似てるぞ(笑)。

ただ阿難坂と違うのはそのままR358を突っ切れば続きの山道が延びていること。なぜか道標はなくなりますが道筋は明瞭。じきに広い舗装路に出ると、あとは右左口のバス停まで直線に延びる道を下るだけです。

B191221q(ろくすっぽ歩かれてないが道は明瞭)

この道も中道往還の名残で、お寺や土蔵が点在する右左口の宿場町をストレートに下るのはなかなか気持ちのよいものです。古道というのは歩くだけで不思議と気持ちのよくなる箇所が多いですね。いわゆる気の通りがよいのでしょうかね?(笑)

B191221r(右左口の宿場町を直線に下るところ)

気分よく下って小広いロータリーに出るとそこが右左口のバス停。でも土日はバスが運行してません、、、。ただ予想よりもかなり早く降りられたので西の豊富のバス停まで歩いてみたら、これまた案外近くて右左口から35分ほどで着いてしまい(笑)早すぎて甲府駅行きのバスが一時間待ちになったのは想定外でしたけど、幸いでしたね。

今はろくすっぽ歩かれていない古道をていねいに辿り、いにしえの往来に思いを馳せると、なぜにこうも心が洗われるのでしょう。身も心もどこかスッキリ解放されたようないい山旅だったなあ、としみじみ思いつつ帰途についたのでした。

  
・・・・・☆
  
◆ 2019.12.14 (Sat)   快晴
河口湖駅 09:05→ 精進BS 09:45- 諏訪神社 09:50/09:55- 女坂峠 10:30- 阿難橋 11:05- 旧上九一色郵便局 11:55- 境2号橋 12:30-(途中休憩15分)- 柏尾坂峠 13:50/14:00- 迦葉橋 14:45- 右左口BS 15:25- 豊富BS 16:00
 

 

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2019.06.26

くまなく歩いて、くまなく愉しむ御巣鷹山

B190625a (茶臼山への登りしな)

意外によく降る今年の梅雨の、貴重な晴れとなった16日はこの時期は久しぶりになる三ツ峠。人気の山を例によって人を避けるように御巣鷹山あたりを中心にぐるりと回ってきました。

観光客が増えて一昔前とは様相が一変した河口湖駅前も、駅から出る天下茶屋行きのバスはさすがにハイカーばかり。でも登山口のバス停から登山口まで(ややこしいいい方ですね)歩けば、人が多いのはここまで。

B190625b(稜線の登山道もすでに緑)

登山口で準備を終えたら、さっそく茶臼山の南西尾根に取り付きます。人がいないと本当にホッとする。そして涼風と言うには少々寒く、ちょっと強めの風が抜ける尾根根上ではエゾハルゼミが大合唱。こういう音ってあまりうるさく感じないのが不思議です。

すっかり緑一色となった中をゆるゆる歩いて行くと、ヤマツツジや終わりかけのトウゴクミツバツツジがちょこっとだけ。ヒメイワカガミはここでも花をつけた様子が見られませんでした。

B190625c(ユキザサ)

例によって歩いてるんだか休憩してるんだかよくわからないようなペースで登っても稜線の茶臼山には一時間ほどで出られますが、目的の御巣鷹山はまだまだ登りが残ってます。

さっそく御巣鷹山へ向かうと、さっそく咲き始めのクサタチバナにユキザサ、マイヅルソウがちらほら。一気にペースダウンして。。。(笑)

B190625d(どう成長したらこういう樹形になるのだろう・・・)

そして確認したはずが忘れ手しまった↑↑この木。たぶんブナだったはずだけど、どう育ったらこういう形になるのでしょうね?(笑)

B190625e (ムラサキツリガネツツジ・盛り)

頭上ではサラサドウダンも見られましたが、やはり↑↑こちらのムラサキツリガネツツジの方が圧倒的に目を引きます。秩父山系では見られないし、ウラジロヨウラクの仲間自体がこちらでは珍しいですからネ。

B190625f(キバナコマノツメ)

御坂で見られるもう一つの黄色いスミレ、キバナコマノツメも今年はお目にかかれました。

B190625g(御坂の主稜線もクリアに見える)

とのんびり歩きすぎてしまい、御巣鷹山に着いたのは13時前。アンテナ施設で占められて趣のかけらもない山頂なので、普段なら絶対に休まないのですが、この日は風が強くて壁になっているアンテナ施設の脇でランチ。ハイカーがぼちぼちやってくる割にいい場所が確保できたのは幸いでした。

休憩を終えたら来た道を戻り、見回り道へ。展望の岩場からカシヤ穴の間が相変わらずの難所になっているので詳細は避けます。通行の際にはくれぐれもご注意のほどを。でもなぜにそこを歩くかと言えば、

B190625h(シロバナフウリンツツジ)

B190625i (コヨウラクツツジ)

シロバナフウリンツツジやコヨウラクツツジ、ウスギヨウラクなど、なかなか見られない釣り鐘型のツツジに逢えるから。あとキバナウツギもちょっと嬉しかったかな。

逆コースだったら、このカシヤ穴の中を通るのも安全で、アリだと思いますよ。

B190625j(カシヤ穴/猫穴)

B190625l(径は見た目ほど荒れてはいない)

カシヤ穴を越えれば相変わらず径は狭いものの安心して歩けます。

御巣鷹山をぐるりと回って、北口登山道(通行可能かどうかは不明)と合流すればひと頑張りで、御巣鷹山の草原に出ます。

B190625m(囚われの花)

B190625n(御巣鷹山を振り返る)

この時期は何年かおきに訪れているのですが、徐々にではあるけど草原のお花が年々減っているのはしょうがないのかなあ。。。

それでも開運山の方へ向かえば、まだ花がぼちぼち見られてちょっとホッとしました。とはいえのんびり歩いたせいで、もういい時間になってしまったので開運山は捲きました。

B190625o(三ツ峠山荘より)

四季楽園や山荘の脇を通るのも人が少なければ、あんがい悪くないものです。山荘のベンチに観光客が見られたのも時代ですねえ。

T_p1010919(ゲレンデにも寄ってみました)

夕方近くになってまた晴れてきたのでゲレンデにも寄ってみたら、山頂付近の雲が一瞬だけとれて、富士がその姿を見せてくれたのはラッキーでした。終わりよければ・・・ということで良い気分で下山できたのですが、下山を終えてからの帰りのタクシーがちょっとだけ往生しました(笑)。登山口ではケータイが通じないのね。バス停のある旧国道まで出てようやく繋がって一安心しました、というちょっとマヌケなお話。

 
・・・・・☆
  
◆ 2019.06.15 (Sat)   晴 時々 曇
河口湖駅 09:05→ 三ツ峠登山口BS 09:40- 登山口 09:50/10:00- 茶臼山(1513m峰)11:05- 御巣鷹山 12:50/13:40- 四季山荘 15:30- 登山口 16:45
 

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2019.03.08

古道を探りながら蛾ヶ岳に登る

B190307a
(濁沢への道すがら)

古道と言っても、蛾ヶ岳など芦川南稜あたりでは登山の対象になっている道の方が少なく、むしろ古道の方が多いでしょう!(笑) 03/02は以前から気になっていた地形図の破線路にない、昔の鐵道省の日本山岳案内に載っているルートを探りながら蛾ヶ岳を訪れました。

今回は垈からのスタート。まずは一段上の畑地に上がり、そこから畑地の際を回り込むように行くと、じきに径が二手に分かれます。

B190307b
(濁沢へ向かう間も至って明瞭)

尾根上の道は寺平(1128m峰)へ登る破線路。左のトラバースする方が濁沢へ向かう径なのですが、地形図を見る限りあのあたりはどう見てもかなり険しそうで、当初はコレちゃんと行けるのかなあ・・・

と思っていたものの、実際に延びている径は幅もそこそこある上に極めて明瞭。しかも左手の濁沢が近づくと、かの白龍ノ滝とおぼしき立派な滝を見ながら歩ける風光明媚な道のりに拍子抜けでした。

B190307c
(濁沢に降り立ちました)

濁沢の連瀑帯が終わったところで径は沢に降り立ちます。ここからでも対岸の尾根に取り付けそうなのですが、本によるとヨシド山(700m圏)の西の鞍部に上がらなければいけないので、対岸の尾根を確認すると明らかにここではない。なので沢を何度か渡り返しながらなおも上がっていくと、

↓↓一見見過ごしてしまいそうなこのケヤキ。幹周り5mはあるりっぱな巨樹でした!

B190307d
(5m弱のケヤキの巨樹)

B190307e
(対岸の鞍部が見える)

やがて右岸側から数本の小沢が合わさる小平地に出ると、対岸の尾根に明らかな撓みが見えて、ここが本で言う濁沢の徒渉点なのは明らか。

ここで道筋も一番川上側の沢筋のような抉れが怪しいとみて、辿ってみたらこれがドンピシャ!さすがに径は荒れているものの、道筋自体は明瞭でひと登りで対岸のヨシド山の西鞍部に上がりました。

B190307f
(対岸の尾根へ上がる箇所も荒れてはいるが明瞭)

B190307g
(ヨシド山)

とりあえず戻る感じでヨシド山に寄ってちょっと休憩。こちらから高萩方へなおも妙な径が延びているのですが、コレは本当に高萩へ下れるのかなあ。地図を見るとかなりしんどそうなんだけど。。。

そして何遍でも言いますけど、このくらいの標高で周囲がほとんど雑木林って、少なくとも東京に近い山域ならほぼあり得ない。この辺りってなんて花粉症に優しい山域なんでしょう(笑)。

B190307h
(周囲に植林がほとんどない!)

B190307i
(が、植林帯に入ると径はほぼ消滅)

と思ったのもつかの間。来た道を戻って、尾根伝いに登っていくとまもなく植林帯に入ってちょっとだけガッカリ。しかもあれだけ明瞭だった道筋もほぼ消滅してしまい、しょうがないので尾根伝いにひたすらに登っていきます。

登って登って高萩~岩谷峠からの尾根を合わせると、ようやく植林帯を抜けて、蛾ヶ岳へ向けて最後の登りにさしかかります。

B190307j
(高萩径と合わさるとじきに植林を抜けた)

B190307k
(蛾が岳山頂・富士は曇って見えない)

自分は岩谷峠からの径もまだ歩いたことがないというか、とっておいてあるのですが(笑)、径はもっと明瞭だと思い込んでいたので、さほどでもない様子が少々意外ではありました。

やがて尾根が広がり、ちょっと緩く歩ける緩斜面を突っ切ると主稜線と合流。すぐ先が蛾ヶ岳の山頂です。しかし山頂には誰もいなかったのでした。。。

B190307l
(南ア方面もこんな感じ)

B190307m
(ヒミツの下りしな)

こういう古道を探す山歩きというのは何度やってもワクワクして本当に楽しいですね。この辺りの山域もかなり通っているので、そんなところも少なくなってきてますけど、道中偶然にも別の課題が見つかってまた新たな楽しみができていたのでした。次回はそこかな?と。うしし。

あっ下りは諸般の事情によりさっくりしました。あしからず~。
 
 
・・・・・☆
   
◆ 2019.03.02 (Sat)   晴 後 曇
垈 09:30- 寺平との分岐 09:55- 濁沢徒渉点 10:20- ヨシド山 10:55- 高萩径と合流 11:35- 蛾ヶ岳 12:20・・・
 

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2018.10.06

秋の花を探しに、ある草原へ

B181006a
(ただただ広すぎて・・・)

またまた少々ご無沙汰しておりました。いや、山は今でも一応月二回ほどは歩いているんですよ。でもお彼岸の山行きが諸般の事情により表向きにできないので、ならばその前の週の某草原(バレバレですけどね・笑)のお話でもちょこっとしてみましょうか!と。

B181006b

こちらはいろいろな方からお話は聞いていたのですが、いざ入るとなるといろいろ手続きがあったり、当日も場所がわからなかったり(笑)、いろいろ迷ったりしながらやっとこ草原に来ることができて一安心。

でも実際来てみると本当に広くて広くて・・・途方に暮れそうで困ってしまいましたけど、とりあえずぼちぼち回ってみることにしてみると・・・

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(フシグロ)

適当に降りたところにいたのは初めましてなフシグロ。本当に小っちゃいお花ですけど、この形は明らかにマンテマの仲間。それだけでおおーって感じでテンション上がってたのは秘密です(笑)。調べてみると三国山稜辺りにもいらっしゃるとか。世附の山はまだ歩いてるけどあちらへは本当に上がってませんからねえ。

B181006d
(タチフウロ・色が濃い)

タチフウロも色が濃いのが印象的。8月の某草原も同じ感じだったんだけど、タチはいるのに見かけても不思議ではないカイフウロがまったくいないのは野焼きが関係しているのでしょうかね?

B181006e

この中から貴重になってしまったお目当てのお花を探り当てるなんて無理でしょ・・・って思ってしまいますよね?

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(ヤマトリカブト)

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(テンニンソウ)

以前なら夏の御坂の稜線で普通に見ていたテンニンソウのお花も何年ぶりだろう・・・。

B181006h


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(フジアザミ)

ご当地のフジアザミはさすがの存在感。今はこの花を自生地でなかった日原辺りで見かけるのは、林道工事の土砂に紛れてやってきたから、らしいです。

B181006j
(先月歩いた草原が見える)

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(ハバヤマボクチ)

B181006l
(トモエシオガマ)

トモエシオガマもかつては南大菩薩の稜線では普通に見かけた花。個人的にシオガマといえばかつてはトモエでしたからね。今はハンカイシオガマになっちゃうけど。

B181006m
(キクアザミ)

キクアザミは初めましてのお花。総苞片が綺麗に重なっていて、アザミというよりトウヒレンの仲間ですけど、この端正さに惹かれました。

B181006n
(凄い雲だ!)

B181006o

草原を適当に探ってみるのはいろんな花がいて本当に楽しいんだけど、う~んお目当てのお花はなっかなかみつかりません、というか広すぎて途方に暮れていたというのが正直なところでしょう(笑)。

でもでもあるきっかけから「最後」と決めたこの草原は、今までと植生がちょっと違っててこれは・・・

B181006p
(マツムシソウ)

低山系のマツムシソウもお久しぶり!かつてはお盆過ぎると南大菩薩の草原はこの花で埋まってたんですよ。信じられへんでしょ?(笑)

B181006q
(オケラ)

オケラも御坂で見かけるのは背が低いので、こんな背の高いオケラははじめて!

B181006r
(まだいらっしゃいましたか)

かの草原にもいらっしゃったこの方もなんとか健在。

マツムシソウはいるし、足下にはある植物がたくさんいて、これはかつての某所に近い雰囲気!!もしかしたら・・・とひとり夢中で草原を彷徨ってると・・・

B181006s
(ヒメヒゴタイ)

見つけた瞬間絶叫した!(笑)。こんなの某所で放し飼いの紅い山シャクヤクを見かけた時以来かも。そこまで貴重なお花ではないけど、個人的にヒメヒゴタイは大好きな花だし、この花こそかつての南大菩薩を象徴する花だと思っているからね。しかも13年ぶりだし!!

でもこの状態は花ではなく蕾なんです。これが開花するとえええって感じでして・・・(笑)。こんなこと言っちゃいけないんだけど。

B181006t
(また参りますわん)

ということでキセキ的に初訪でお目当てのお花に逢えて、もう文句のつけようがない有り難い一日でした。ここはいろいろ調べてみると、いろいろありそうだし(笑)、なんかいろいろプランが上がってね、来年が本当に楽しみになりましたよ。

かねてよりいろいろご教授頂いたり、ご協力頂いた方々には本当に感謝です。ありがとうございました。
 

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