大菩薩湖の遊歩道から砥山へ
(自然観察歩道・ミズナラの疎林)
さてさて5月に入って気温が急激に上がる日も出てきました、とはいえ東京は結局30度を超える日がなかったように思います。
この日は下界では気温がかなり上がるとのことでしたので、こういう日は少し高いところを歩きたい。久しぶりにバスで小屋平に出てからのスタートでした。(ちなみにこの日はバスが二台動き、積み残しはなかった模様。)
(ミヤマツボスミレ)
小屋平で降りたハイカーは自分たち以外みんな上の石丸峠へ向かいますが、自分はいきなり反対側の下り側へスタート(笑)。石丸峠~上日川峠を結ぶ間道を行きます。
かつては裂石から石丸峠まで3時間近くかけて通った道もおそらく15年近く歩いていないでしょう。ダム関連の工事でいつの間にやら周囲には自然観察歩道が造られており、今回はそれらを歩くのもひとつの目的だったりします。
(石丸峠への通いみち)
(サンリンソウ)
そんな道を寄り道しながら歩いていると、お花が案外多いことに気がつきました。
ミヤマツボスミレ、ワチガイソウ、タチツボスミレ、シロバナノヘビイチゴ、ツルキンバイ、エイザンスミレ、ミヤマスミレ、ニシキゴロモ、サンリンソウ、ツルネコノメソウ、ヨゴレネコノメ(とするしかない)、クリンユキフデ、コチャルメルソウ、、、
(改めて素敵な林です)
そしてなにより植林を交えながらも残っている林の良さも再確認させていただきました。
上日川峠への登山バスが通った今、この道を歩くのはハイカーよりもドライブがてらのハイキングの方が多いように感じますね。
(大菩薩館跡から自然観察歩道へ)
かつてあった山小屋、大菩薩館の跡から改めて観察歩道に入ります。
道はろくすっぽ歩かれてないようにも感じますが(笑)水平道から尾根上に上がるあたりも緩斜面をゆるく上がる感じでなかなか楽しいですね。
(ハウチワカエデ)
(人が安全に通行できるよう管理されている?模様)
そしてじきに尾根上に上がると上日川峠からの道と合流しますが、これがかなり立派な木造の通路になっていて驚きました。掲示を読むとベビーカーや車椅子でも入れることを目的にしたとか。
歩くなら十二分に歩きやすいのですが、さすがに古さは否めないし、実際↑↑荒れている箇所もあって車椅子は慎重を期さないマズいかも。でも歩きには支障ないように最低限の管理はされているようです。
(展望台・富士はなんとか見えます)
展望台までの道のりが白眉だったのは後述しますが、おそらく一番高いであろう展望台は小広いスペースになっていて、人はほどんど来ないし、ここでランチとなりました。
南側のカラマツが育ちつつありますが、まだ富士は見えますよ。ランチを終えたら来た道を戻り、砥山へ向かいます。(このあたりはブナ)
今回一番驚いたのがこの道で、展望台付近のミズナラ美林に始まり、この辺り↑↑は若いブナ。標高柄ハウチワカエデやオオイタヤメイゲツなど、カエデも多く、秋の紅葉はどうでしょう。この辺りのハウチワは赤くなりますかね??
(この辺りはウラジロモミ)
そして尾根を乗り越すと今度はウラジロモミの自然林となって、じきに日川尾根上に上がりました。
とりあえず三角点のある砥山には寄ろうと稜線を歩くと、
(稜線に上がったところに)
↑↑この立派なブナは見落としていたのか、単に忘れていたのか、、、(笑)
(砥山の三角点)
砥山に着いたら小休止をはさんで、下山を始めます。
まずは西尾根を下ろうと南の鞍部から明瞭な道筋を追ったのですが、崩落があったので引き返し、稜線北側に戻ってから改めて尾根を乗り越して林道をてくてく。
(トウゴクミツバツツジ・花付きが良い)
シロヤシオが今ひとつだったのでツツジは期待してなかったんだけど、西側の林道脇で見かけてた↑↑このトウゴクは見事でした。
まぁシロヤシオはいろいろ特殊なので、大まかに言ってツツジは比較的良好なのでしょうね。
(砥山西尾根・もとの道は以前より荒れていた)
砥山西尾根は元登山道の明瞭な径がついていて苦労した記憶がないのですが、初訪から4、5年ぶりに歩いたら、意外に荒れてましたねえ。
途中道が大きく下巻いている箇所はトラバース中の崩落地で道を失い、尾根伝いに歩きました。尾根伝いは急だけど安全ですからね。ここはトラバースの最中に現れた崩落地の際を下って本来の径を探した方がいいのかもしれません。知らんけど(笑)。
(これぐらいなら楽)
その大下巻きの区間をこなせば、若干しんどいトラバースはあるものの順調には下れます。
とはいえ中間で径が追えなかったので、何かあると面倒だなーと警戒しながら下っていたと思います。
(取付・一度歩いていないと判断は厳しいかも)
んで一番驚いたのが最後の最後。取付に降り立ったところで、以前は植林でかなり暗い所だったのに、真中沢を挟んだ左岸側は一面皆伐されて、周囲が明るくなっていました。
しかも皆伐された後に台風かなにかで真中沢はかなり荒れたようで、倒木に大量の枝木が沢の両岸を覆っていて、渡るところをうろうろ探す始末。これでは一見さんの登りはかなり厳しそうですね。
それでもなんとか対岸(左岸)へ渡るとそこには林道が通っていて、あとは大久保平へ下るだけ。前半ののどかな歩きから一転、後半の意外なハードさはまぁ山歩きとしてちょうど良かったのでしょう。帰りも裂石からのバスに乗れて、これもラッキーでした。