« 2025年5月 | トップページ

2025.06.29

中日川峠みちを辿ってみる

B250624a(日川尾根西面の自然林)

実は前月に歩いた砥山の西尾根は当初、中日川峠みちを歩くことが目的だったのです。なので今回はその中日川峠みちをたどってみたのですが、、、

梅雨前のからっとした好天。バスを降りたすずらん荘は標高が高く、空気は爽やかでまだ寒いぐらい。県道を戻り、かつてエアリアで表記のあった中日川峠みちの赤破線が通る尾根に取り付きました。

B250624b(中日川峠みちを辿ろうとするも、、、)

藪の薄い箇所を選んで中日川峠みちの尾根に取り付くと、う~ん想像通り道形は不明かな(笑)。

とりあえず尾根を上がると尾根上は一見緑の美しい雑木林。なんだけど実は手入れがあまりされていないカラマツ植林なんですね。

B250624c(異形のクリの巨樹)

でもいささか味気ない植林よりはこんな状態の方が自分にとっては好みです。

じきにいきなり知らない林道が出てきて驚きましたが、素直に突っ切り、なおも登っていくと伐採時に伐採することを躊躇われたのであろう巨樹がボチボチ出てきて意外に楽しい道のり。とはいえその新しい林道が造成されているせいか、峠みちはすでに判断できない状態になっていました。

B250624d(林道より上は手入れの良いカラマツ植林)

こうなるともう尾根伝いに登るしかありません。舗装された綺麗な砥山林道を突っ切ると尾根はこれまた綺麗に手入れされた、というか本来のカラマツ植林に変わりました。

B250624e(クサタチバナ)

B250624f(林道と笹原が交錯する)

そんな綺麗に手入れされたカラマツ植林下にも新たに造成された林道が通っていて、それを避けてもいずれは林道にぶち当たる始末。結局日川尾根上に上がるまでそんな状態でした。

日川尾根に上がったら北の中日川峠ではなく、ランチ場探しつつ尾根を南へてくてく。

B250624g(フモトスミレ)

B250624h(この日の白眉)

日川尾根は尾根の東側がカラマツ植林が続くので稜線上に適地はなく、1620m圏のピークの西側に広がる笹原のハゲた場所をなんとか見つけて一安心。

でもでもそのランチ場の枝尾根南側の斜面になかなかの自然林が広がっていたのです。

B250624i(大きい岩屋があった)

この岩屋も凄かった。

B250624l(異形のブナ)

どうやったらこういうかたちになるのか、、、

B250624m(、、、だそうです)

確かに源次郎岳と日川尾根を結ぶ吊り尾根の自然林の素晴らしさは言うに及ばずなんですけど、日川尾根の西面はそういうところがまだまだありそうですね。

思う存分周囲を散策をしたら来た道を戻って中日川峠へ向かいます。

B250624n(中日川峠みち・道形は明瞭)

B250624o(ブナの巨樹もちらほら)

さてその中日川峠みち。わかる人にはわかるだろうけど(笑)かつては私製の道標だったとおぼしきプレートがあったのですね。

さっそく径を下り始めると、道形は広くて明瞭。径は急登を避けるように丁寧につけられており、かつては駄馬を通していたことが容易に想像できる径でした。

B250624p(ギンリョウソウ)

B250624q(峠みちは快い雑木林が続く)

そして径の状態以上に驚いたのが、林の美しさ。

まだまだ鮮やかさの残る緑のみちの許を歩いていると、やはり往時の状況を偲ばずにはいられません。

B250624r(サラサドウダン・これだけ)

お花はツツジがメインでしたけど、ここでようやくサラサドウダンにも逢えました。

でもこの花の少なさ。花付きは今年のシロヤシオレベルとか??ヨソは知らんけど。

B250624s(道形は下まで明瞭でした)

B250624t(登山口にあった唯一の道標)

径が丁寧につけられていたせいか、下りでも想像よりも時間がかかった印象です。登山口が近づくとさすがに植林に変わりましたが、上から下まで雰囲気のある峠みちで最後まで気分は上々。

んが山道から飛び出すと眼前にはグランドのような広い造成地がどーんと広がっていて、ただただ戸惑うしかありません。それでも下る方向を判断して舗装された林道を下るとじきに大久保平に出ました。

北のバス停へ道をてきとうに拾いながら向かったら、この辺りの建物が地元のものとは明らかに違う。要は別荘地なのですね。日川尾根の西側は自分がこの界隈で最後まで残していた山域なので、涼しくなってからの楽しみが増えました。

 

| | コメント (0)

2025.06.04

大菩薩湖の遊歩道から砥山へ

B250601a(自然観察歩道・ミズナラの疎林)

さてさて5月に入って気温が急激に上がる日も出てきました、とはいえ東京は結局30度を超える日がなかったように思います。

この日は下界では気温がかなり上がるとのことでしたので、こういう日は少し高いところを歩きたい。久しぶりにバスで小屋平に出てからのスタートでした。(ちなみにこの日はバスが二台動き、積み残しはなかった模様。)

B250601b(ミヤマツボスミレ)

小屋平で降りたハイカーは自分たち以外みんな上の石丸峠へ向かいますが、自分はいきなり反対側の下り側へスタート(笑)。石丸峠~上日川峠を結ぶ間道を行きます。

かつては裂石から石丸峠まで3時間近くかけて通った道もおそらく15年近く歩いていないでしょう。ダム関連の工事でいつの間にやら周囲には自然観察歩道が造られており、今回はそれらを歩くのもひとつの目的だったりします。

B250601c(石丸峠への通いみち)

B250601d(サンリンソウ)

そんな道を寄り道しながら歩いていると、お花が案外多いことに気がつきました。

ミヤマツボスミレ、ワチガイソウ、タチツボスミレ、シロバナノヘビイチゴ、ツルキンバイ、エイザンスミレ、ミヤマスミレ、ニシキゴロモ、サンリンソウ、ツルネコノメソウ、ヨゴレネコノメ(とするしかない)、クリンユキフデ、コチャルメルソウ、、、

B250601e(改めて素敵な林です)

そしてなにより植林を交えながらも残っている林の良さも再確認させていただきました。

上日川峠への登山バスが通った今、この道を歩くのはハイカーよりもドライブがてらのハイキングの方が多いように感じますね。

B250601f(大菩薩館跡から自然観察歩道へ)

かつてあった山小屋、大菩薩館の跡から改めて観察歩道に入ります。

道はろくすっぽ歩かれてないようにも感じますが(笑)水平道から尾根上に上がるあたりも緩斜面をゆるく上がる感じでなかなか楽しいですね。

B250601g(ハウチワカエデ)

B250601h(人が安全に通行できるよう管理されている?模様)

そしてじきに尾根上に上がると上日川峠からの道と合流しますが、これがかなり立派な木造の通路になっていて驚きました。掲示を読むとベビーカーや車椅子でも入れることを目的にしたとか。

歩くなら十二分に歩きやすいのですが、さすがに古さは否めないし、実際↑↑荒れている箇所もあって車椅子は慎重を期さないマズいかも。でも歩きには支障ないように最低限の管理はされているようです。

B250601i(展望台・富士はなんとか見えます)

展望台までの道のりが白眉だったのは後述しますが、おそらく一番高いであろう展望台は小広いスペースになっていて、人はほどんど来ないし、ここでランチとなりました。

南側のカラマツが育ちつつありますが、まだ富士は見えますよ。ランチを終えたら来た道を戻り、砥山へ向かいます。

B250601j(このあたりはブナ)

今回一番驚いたのがこの道で、展望台付近のミズナラ美林に始まり、この辺り↑↑は若いブナ。標高柄ハウチワカエデやオオイタヤメイゲツなど、カエデも多く、秋の紅葉はどうでしょう。この辺りのハウチワは赤くなりますかね??

B250601k(この辺りはウラジロモミ)

そして尾根を乗り越すと今度はウラジロモミの自然林となって、じきに日川尾根上に上がりました。

とりあえず三角点のある砥山には寄ろうと稜線を歩くと、

B250601l(稜線に上がったところに)

↑↑この立派なブナは見落としていたのか、単に忘れていたのか、、、(笑)

B250601m(砥山の三角点)

砥山に着いたら小休止をはさんで、下山を始めます。

まずは西尾根を下ろうと南の鞍部から明瞭な道筋を追ったのですが、崩落があったので引き返し、稜線北側に戻ってから改めて尾根を乗り越して林道をてくてく。

B250601n(トウゴクミツバツツジ・花付きが良い)

シロヤシオが今ひとつだったのでツツジは期待してなかったんだけど、西側の林道脇で見かけてた↑↑このトウゴクは見事でした。

まぁシロヤシオはいろいろ特殊なので、大まかに言ってツツジは比較的良好なのでしょうね。

B250601o(砥山西尾根・もとの道は以前より荒れていた)

砥山西尾根は元登山道の明瞭な径がついていて苦労した記憶がないのですが、初訪から4、5年ぶりに歩いたら、意外に荒れてましたねえ。

途中道が大きく下巻いている箇所はトラバース中の崩落地で道を失い、尾根伝いに歩きました。尾根伝いは急だけど安全ですからね。ここはトラバースの最中に現れた崩落地の際を下って本来の径を探した方がいいのかもしれません。知らんけど(笑)。

B250601p(これぐらいなら楽)

その大下巻きの区間をこなせば、若干しんどいトラバースはあるものの順調には下れます。

とはいえ中間で径が追えなかったので、何かあると面倒だなーと警戒しながら下っていたと思います。

B250601q(取付・一度歩いていないと判断は厳しいかも)

んで一番驚いたのが最後の最後。取付に降り立ったところで、以前は植林でかなり暗い所だったのに、真中沢を挟んだ左岸側は一面皆伐されて、周囲が明るくなっていました。

しかも皆伐された後に台風かなにかで真中沢はかなり荒れたようで、倒木に大量の枝木が沢の両岸を覆っていて、渡るところをうろうろ探す始末。これでは一見さんの登りはかなり厳しそうですね。

それでもなんとか対岸(左岸)へ渡るとそこには林道が通っていて、あとは大久保平へ下るだけ。前半ののどかな歩きから一転、後半の意外なハードさはまぁ山歩きとしてちょうど良かったのでしょう。帰りも裂石からのバスに乗れて、これもラッキーでした。

 

| | コメント (0)

« 2025年5月 | トップページ