大丸から鳥屋の丸へ・吹切尾根の下部を歩く
(御前ノ頭 <ごぜのあたま> より)
紅葉のシーズンは気候も良いし、自然と山へ足が向きますね。もう何度か云っているかも知れないけど、紅葉の時期は日原ばかり歩いていたので、homeの山でも紅葉の時期の様子を知らないところばかりだったりします。
今回はひさしぶりに吹切尾根の南端あたりをコースに選んだのは単に紅葉のレンジと合っていそうだから、という理由で決めましたが、さてどんな姿を見せてくれるのでしょうか。
(大丸への登りしな)
この日はほんとうに久しぶりに大月駅から朝一のバスで遊仙橋に出てからのスタート。バスを降りると、をををこりは寒いですねえ!橋の周辺ですでに紅葉が見頃で、しばらく見物したあと橋のたもとから延びる薄い踏み跡を拾いました。
大丸への登りはのっけから急登が続いてなかなかしんどいところ。植林を抜けると尾根が広がりますが、急なのは相変わらず。オオモミジやイロハカエデの紅葉もぼちぼち現れ、そんな木々をめでながらゆるゆる登っていきます。
(オオモミジ)
(大丸、南峰のほう)
傾斜が緩んで、奥にオオモミジの紅い大木が見えるとそこが大丸(南峰・三角点峰)でした。広い山頂のまわりの紅葉も見事でここはなかなか良い山頂ですよ。ここは広くて緩い山ながら、印象がいまいち薄かったので余計に意外でしたね。
しつこいようですが季節を変えて歩くことの大切さですよ。
(稜線は明瞭な径が通っている)
緩い吊り尾根を介して大丸の北峰に上がると、尾根はここから進路を北に変えて一旦下り始めます。
尾根は今までの広尾根から一変。雑木林と植林に分けられた、アセビの生える痩せた岩っぽい尾根。尾根上には明瞭な仕事径がついていて、巻けるピークはしっかり巻いている様子でした。
(馬立峠)
大丸から下りきった鞍部が馬立峠で、西の間明野から峠を越えて中村へ峠みちが延びています。この峠みちも歩いてみたいと思いつつまだ歩けてないんですよね。間明野側はかなり明瞭だけど、中村側はなんとなくアヤシそうなのも魅力的(笑)。
(馬立峠を過ぎると岩が出てくる)
(ネジキの紅葉)
峠からは一転、御前ノ丸へ向け急登が続きます。ここは下りで結構難儀した覚えがあるので、尾根の様子もなんとなく覚えていました。
露岩の痩せ尾根を慎重に登っていくと、そこでたくさん見かけた↑↑この紅葉、カエデでもミズキでもない、でも木や枝振りはアセビそっくり。もしかしたらネジキか?と思ったのは大正解で、ネジキなんて今まで夏の花期しか気にしたことありませんでしたからね。お勉強になりました。
(痩せた岩稜が続く)
(タカノツメ)
岩稜の紅葉がネジキなら、黄葉はタカノツメ。でもここのはほとんど香りませんでした。香るタカノツメと香らないタカノツメ、この差はどこのあるのでしょうかね?
(歩いてきた尾根と大丸を望む)
こうやって展望が開けるところが出てくるのが岩稜の楽しいところですよ。
(御前ノ頭の手前のピークもなかなか良さげ)
御前ノ頭手前の岩コブも展望よろしく、休憩の適地だったのですね。すっかり忘れていました。
かなり迷ったのですが、やはりランチ場は山頂でと決めて先を行くとひと登りで御前ノ頭の山頂に着きました。
(御前ノ頭山頂)
狭い山頂ながら、南が開かれ富士がバッチリ(トップの写真)。
どう考えてもこんなマイナーな山に人が来るとは思えないので山頂を占領してのんびりランチ。当然の如く誰も来なかったのでのんびり休むことができました。
(鳥屋ノ丸が聳えて見える)
↑↑これですね、自分的には大栂から菰釣山の感じ似ていてちょっとうんざりするんですが、ここまで来たら鳥屋ノ丸に上がるしか手はないわけで、まぁいいか。
一旦最低鞍部に降りると、ここでしばらくの間お別れしていたカエデが復活。まだまだ紅葉を楽しみながら登れました。
(このあたりから急登がはじまり)
(尾根を移ると再び岩稜に)
まぁあとは鳥屋ノ丸へ登るだけだから、、、とのんきに思ってたら、ここも痩せた岩尾根をトラバースしつつ急登が続く区間だったのですね。すっかり忘れておりました(笑)。
えっちらおっちらそんな登りをなんとかこなすと、尾根は落葉の進んだ雑木林に変わって、見覚えのある分岐、、、と思ったらここが中村へ延びる尾根との分岐でした。
(鳥屋ノ丸手前の和やかな稜線)
短かったけど、鳥屋ノ丸までのゆるゆる登るひとときがまた天国でした。こういう登りだったらいくら続いても永遠に歩けるのに、、、。
(鳥屋ノ丸の山頂の印象が変わった!!)
ぶっちゃけ鳥屋ノ丸って何回か訪れていて、なんか暗くて居心地のあまり宜しくない山頂のイメージだったんです。
それがですね、久しぶりに訪れてみると山頂は明るいし、西側の自然林は見事で、ここってこんな素敵な山頂でしたっけ?(笑)。まぁ東、南側は暗い植林帯だけど、自分なりに考えてみるとですね、基本冬とか朝とか天気の良くないときに訪れていて、ここが明るくなる時って西側の雑木林から日が入る頃だから、今回のように晴れた午後に訪れれば良かったのですね。
(桑西へのくだりしな)
そんな山頂の様子に思いがけず長居してしまったのもあとは桑西(くわさい)へ下るだけだったから。下りの尾根も日差しがたっぷり入って名残の紅葉を愛でつつ、気ままに歩いて桑西へ下ったのでした。
そうそう野分沢の巡視路に降り立ったところに「吹切峰」の道標があって驚きました。鳥屋ノ丸の登山口には「とやの丸」。鳥屋ノ丸の山頂も、下り尾根にも道標はなく、果たして登山道としてフォローされているのでしょうかね?野分沢の巡視路は歩いたことがないので、ちょっと確認してみたくなりました。
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