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2022.10.31

錦繍の日川尾根を下る

B221030a(上日川峠のあたりがピークでした)

10月に入ったらもー良いだろうと思っていたのに今月も天気はいま二つ。紅葉のレンジが低山帯に入ってようやく秋らし天気が続くようになってきましたね。そんな紅葉のレンジ狙いで17年ぶりに日川尾根を歩いてきました。

この日は頭がかなりオカしくて、目的の電車に余裕で間に合っているのになぜかホームでお茶を飲んでしまい(笑)その電車を乗り過ごすという失態をカマしてしまいました。結局塩山まわりで上日川峠に出たのは11時近く。悪い子ですね。

B221030b(上日川峠のひとコマ)

峠付近はあまたの車に、乗る予定だったバスも着いてて凄い人出。そんな喧噪から逃げるようにすぐ上のテン場に上がります。

そのテン場の様子がトップと↑↑の写真。元々林相の良いところで紅葉がピークとなればそれはそれは美しかったです。場所柄うるさいのが玉に瑕だけど、ここ以上に林相が良いテン場を自分は知りません。

B221030c(日川尾根・歩きやすくなった)

実はそのテン場もすでに日川尾根上なので、そのまま尾根伝いではなく今回は基本登山道の方を歩いてみました。

笹も刈り払われており快適に歩けますね。ハイカーよりもトレランの方が多かったなあ、、、。

B221030d(紅いのはハウチワカエデが多い)

この標高で紅く色づくのはやはりハウチワカエデ。写真では綺麗に撮れてますけど正直言うと色づきはいま三つぐらい。まぁこんな状態がデフォルト化してると言うべきなのかも知れません。

B221030e(送電塔にも寄ってみて)

B221030f(道中マルバカエデが本当に多かった)

今回歩いて気がついたのは道中マルバカエデが多かったこと。本当に多い!どこでもいるのでちょうど見頃だったのはラッキーでした。マルバはこんな状況でも綺麗に色づいてくれますからね。

B221030g(中日川峠を過ぎたあたり)

コミネカエデも加わって紅はこのあたりが一番綺麗でした。

B221030h(カラマツも色づきは今ひとつ)

カラマツはご多分に漏れずこのまま葉が枯れてしまいそうな雰囲気です。

B221030i(電波塔の南面が皆伐されていた)

そろそろお腹が空いたな-と感じ始めた頃にたどり着いた電波塔の南側が思いっきり皆伐されて、非常に宜しい展望地になっていたのには驚きました。もちろん今回はここで富士を眺めつつランチ。

B221030j(牛奥雁ヶ原摺山から黒岳の稜線)

電波塔からしばらく続く林道歩きは↑↑こんな展望を楽しみつつ、てくてく行けます。

B221030k(カラマツ林は下日川峠を過ぎるまで)

自分は基本カラマツを嫌っているイメージがあるかも知れませんが、綺麗に色づいたカラマツってほんとうに見事なんですよ。

山肌はすべて黄金色に染まり、黄金色の細かい葉がはらはらと落ちていく様子は人工林で一番美しい光景かもしれません。

B221030l(源次郎岳分岐附近の林は見事なブナが多い)

んでそんなカラマツ林を抜けるとブナの巨樹が点在する自然林が現れます。見事な樹形のブナを愛でながら登り切ると、そこが源次郎岳との分岐。ここで日川尾根と別れて西の源次郎岳へ向かいます。

B221030m(源次郎岳への道すがら)

B221030n(源次郎岳山頂)

山梨百名山に指定されてしまったせい?なのか?このすっきりした山頂は未だに見慣れないですね。暑いし、そのまま素通りする感じで恩若峰へ下ってしまいました。

B221030o(悟空岩だそうです、、、)

あとは下るだけとはいえ源次郎岳から鬢櫛川の鞍部へ下る箇所は急でちょっとした難所なんですけど、ロープが張られていたりと整備はされているみたいです。

B221030p(コレには驚きましたねえ!!)

B221030q(恩若峰までは雑木林が続く)


もうここまで降りると林はぱっと見緑な感じですけど、すでに秋色で明るくなっていました。

アップダウンを繰り返しながら、そして偽恩若峰にだまされながら(笑)なおも辿っていくとようやく恩若峰に到着。

B221030r(恩若峰山頂)


恩若峰からは初めて塩山駅へ下ってみました。山腹に綺麗にジグを切る立派な道に驚きましたが、道標は皆無。でも下る分には問題ないですね。麓に出てからもほぼ一本道で、山頂からちょうど一時間で塩山駅に着きました。

終わってみれば4時間ちょいのショートコース。好天のもとで歩くことの気持ちよさよ。たいへん快く、良いペースで歩けました。いろんな意味で良いリハビリになったかも。今年の秋はこんな天気が続くと良いですね。というか続くと良いなあ。

 

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2022.10.08

色づき始めた御坂主稜へ(天下茶屋~八丁山~女坂峠)

B221008a(御坂主稜・岩稜帯は色づき始めた)

しっかし今年の秋は秋らしい好天が本当に少なく、ここへ来てようやく秋らしい日々が続くようになってきました。かのゆるキャン以来、ひと月半ぶりの山行きは御坂の久しくご無沙汰しているところを歩いてきました。

今回は河口湖駅からタクシーで天下茶屋に出て(¥5690)からのスタート。富士眺望の名所ながらハイカーは意外に少ない場所だけど、一番楽に(?今は二番目??)御坂主稜に上がれるところでもあるのです。

B221008b(御坂トンネルと天下茶屋)

天下茶屋から歩き出すのはまる10年ぶり。天下茶屋の開店作業を見ながら準備をして歩き出し、かの有名な太宰治の碑を一瞥して急な山道をせっせと登ります。

久しぶりに歩いてみると天下茶屋の周辺はいろいろ遊歩道が通っている事に気がつきました。今となってはおそらくほとんど廃道でしょうけど(笑)。天下茶屋からのんびり歩いても30分ほどで主稜線に出ました。

B221008c(歩いてきた御坂主稜の奥に富士)

10年前は西へ釈迦ヶ岳まで足を延ばしたのですが、今回は本当にご無沙汰している東の方へ。

御坂らしいブナ林に、雑木の美しい二次林。好天のもと快適な尾根歩きができます。そして久しぶりに歩いて驚いたのがアズマシャクナゲが点在していたことでした。確かにこのあたりは御坂で唯一シャクナゲのいるところだけど、ここまで多いとは。花芽がついている木も見かけて驚きました。

B221008d(ヤクシソウ)

送電塔に出れば、明るい草地の許では咲き始めのヤクシソウ。ヤマトリカブトにカイフウロとママコナの咲き残りも見られて、時期を考えればお花は十二分でしょう。

展望はもちろん良好で鳳凰から南は聖岳まで。こんな日にアルプス歩きたかったよう。

B221008e(御坂らしいブナ林も多い)

木々の緑も色が抜けはじめ、明るくなってます。紅葉らしい紅葉と言えば樹林帯ではヤマボウシぐらい。

B221008f(甲府盆地の奥に南アルプス)

でも岩稜帯では低灌木が色づきはじめており、ツツジの類いは来週以降それなりの色づきになっているのではないでしょうか?

B221008g(ヤマトリカブト)

歩き出しは少なかったヤマトリカブトは北面のブナ林を散策すると結構咲いていましたよ。

八丁山の前後は岩稜が続いて、色づき始めた低灌木が明るく良い雰囲気なのですが、尾根が狭くてランチ場ではないのが残念。八丁山に着いたらここで主稜線とは別れて、北の女坂峠(峠みちは道がない上に、なぜか道標に大沢山の名前がない)の方へ向かいます。

B221008h(見事なミズナラ)

B221008i(植林帯は思いのほか少なかった)

こちらに入ると植林が増えるのかなあ、、、と案じていたら植林はあんがい少なく、雑木に御坂らしいブナ林、そしてこちらもちょっとした岩稜を交えた、なっかなか素敵な稜線ではないですか!

道標は整備されてはいるものの、ちょっと慣れた人向けではあるけど、少なくとも好事家だけのものではない魅力があると改めて感じました。

B221008j(まさかセンブリに逢えるとは!)

今年も逢えました!本当に小さいお花がひと株だけ。我ながらよく見つけたよ。

B221008k(本社ヶ丸もご無沙汰しているなあ、、、)

B221008l(巡視路と女坂峠との分岐)

送電塔のある1445m峰に出たら時間的にもここから笹子へ下るのが常道。ですが今回は北の女坂峠へ下りました。というか↑↑この女坂峠の道標は峠みちがないのにいささか疑問やなあ、、、。この県の道標は大沢山の表記を避けてるよね。行政的な都合があるのかも知れないけど。

B221008m(このミズナラも見事!!)

分岐から下りだしてすぐに現れたこのミズナラ。左の太い方は5m超えてました。いやあ今までオレはなにを見ていたのか、、、アホすぎる。

B221008n(女坂峠の石垣)

女坂峠への下りは記憶通りかなり急で、かなり気を遣いました。そんなギャップ底のような峠からひと登りすると現れる尾根を横切る石垣。これこそがかの女坂峠みちの名残だったりします。

峠みちは18年以上前に2回に分けて歩いていて、現在の様子を確認したくて久しぶりにこちらを下ってみることにしたのです。

B221008o(石垣を追いながら峠みちを下る)

峠みちとはいえ今はもちろん廃道で、当然歩く人を選びます。今回はもうあらましすら書きませんよ(笑)。ある一定の法則があるとだけ言っておきましょうか。

昔から何度も言ってますけど、こういう廃道探索こそが実は一番山の総合的なスキルを求められるものなのです。とかく低山はいろいろ舐められがちですからねえ、、、。

B221008p(崩落が進んでかつてのケーブルが露出している)

道の状態は基本的に18年前をあまり変わっていない印象でしたが、ある区間の下降がなかなかスリリングでした。記憶が曖昧だからもう石垣が現れないんじゃないかとちょっと不安になった(笑)。

でも下るにつれ径路が続くようになり一安心。下部の状態は完全に忘れていたので、ああこんな感じで道が延びていたんだーと新鮮な気持ちで降りられたかな。

B221008q(植林帯に入れば一安心)

奥野沢の沢音が聞こえるようになるとまもなく清八峠からの登山道と合流。東山梨変電所に出たらあとは笹子駅へちんたら向かいました。というかいささか長いですねえ。あのトンネルをパスできるというか、もとのトンネルをショートカットできる道というかルートは今でも歩けるのでしょうか?今回は藪が煩そうだったので諦めたのが少々心残りでした。

久しぶりの女坂峠みちは上では捜索で、そして下では道が丁寧に造られているゆえに意外に時間がかかりましたが、その分山行きがピリッと締まりました。峠みちの緊張感とは裏腹に女坂峠までの尾根歩きは爽快でしたし、紅葉もちょこっと楽しめた。歩き終えてから「山を歩いて良かったなあ、、、」としみじみ余韻にひたれるような山行きってかなり久しぶりだったかもしれません。

 

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