« 芽吹きはじまる尾崎山 | トップページ | 笹子峠~大洞山~大沢山 新緑を愛でる »

2022.05.02

アカヤシオが意外によく咲いていた熊倉山

B220502a(アカヤシオ・稜線でも盛りすぎ)

今年は寒さが続いて遅れ気味だったお花の進行も、気温が一気に上がっていつのまにやら早めの進行に変わっていて、四月末だというのにアカヤシオは稜線ですでに終盤でしたね。

とはいえ結論から言っちゃうと今年は想定外にツツジを楽しめた一日。今年は遅めだったので、例によって宗屋敷尾根を登ってから下りはレギュラーの聖尾根ではなく、日野コースに変更して歩いてきました。

B220502b(フモトスミレ)

ということで西武秩父駅からタクシーで取り付けに出て(¥3720)からのスタート。前の晩はかなりの風雨だったので、お花の状態が気がかりではありましたが天気は最高。尾根を通る風はまだ冷たかったもののいざ登り出せば急登が続いてちょうど良い塩梅です。

当初は尾根上のフモトスミレがあんがい少なかったので、想像よりもお花は進んでないんじゃないかなあ、、、と淡い期待もあったんですけど、

B220502c(1003m峰)

いざ1003m峰に上がると、すでにアカヤシオもイワウチワも終わってて残花すら見当たりません(笑)。

マーラーカオをいただきつつ軽く休憩を取ったら、お花はここからが本番です。

B220502d(ヒカゲツツジ)

いったん鞍部に降りると、新緑ではあるもののけっこう周囲の緑が濃いなあ。

なのでヤマザクラもカタクリもとっくにおしまいでした、、、。

B220502e(この辺りですでに新緑)

途中のヤシオの岩場もほとんど終わってて、定点の岩場もこの通り。1284m峰あたりは大丈夫かなあ、、、と不安がよぎります。

B220502f1284m峰でほぼ終盤

いろいろ寄り道しながらなんとか1284m峰に上がると、ここはなんとか残っててホッとしました。

でも綺麗に咲いているのは北斜面の一部。当然ながらイワウチワはここでも終わっていて、大捜索の末になんとかひと株見つけて狂喜する始末。

B220502g(なのでイワウチワもこれだけ!)

B220502h(まずはギャップ手前の岩峰に上がらねば)

なんとかイワウチワを見つけたら、ここからが宗屋敷尾根の核心。まずはギャップ手前の岩峰を目指します。

でもここからシ奥のシラカケ岩のあたりを見ると、山肌がぼーっとピンクに染まっていたので稜線は大丈夫そうです。

B220502i(枯れたと思いこんでいたヒカゲツツジが復活してた)

そうそう!宗屋敷尾根には外れ年でも花をつけるヒカゲツツジは3本しかなく、その貴重な一本が三年前になぜか枯れてしまって密かにガックリしてたんですけど、その木がなぜか復活してました!

B220502j(小黒と大黒を望む)

ギャップ前の岩峰は当然登る派で、天気がよいと展望も良好。大黒(酉谷山)もひさしくご無沙汰してるなあ。

B220502k(稜線のアカヤシオも復活していた!)

先のヒカゲツツジの復活は虫の声だったのか?アカヤシオは稜線もほぼ終盤でしたが、今年が違うのは近年傷んで花を咲かせてなかった木が多かった稜線上のアカがかなり復活していたこと。

前の晩の荒天でお花をかなり落としていたのに、稜線上でそれなりに見られるのは今年はかなり咲いていた証拠ですよ!

B220502l(シラカケ岩・すでに盛りすぎだったが花付き良好)

ということで今年の定点は↑↑こんな感じ。

今年は早かった去年よりも早く、しかも前の晩は荒れていたのになかなか見応えがありました。稜線上の傷んだ木もかなり復活していたし、おそらく今年も「良好」と言える花付きであったと推測できます。できれば週中に歩きたかったよ。去年が良かったから今年は期待してなかったのに、、、これは単純に嬉しいですよね。

B220502m(想定外に楽しめました)

この天気ですからとうぜん展望も良好で、両神はもちろん、奥秩父の奥にはまだ白い八ツのピークがちょこんと見えます。GWなら大抵通過者がいるものですが、今回は誰も来ず、静かに過ごせたのもラッキーでした。

休憩を終えたら来た道を戻り、熊倉山へ向かいます。今回は稜線で終盤だったのでレギュラーの聖尾根はやめて、日野コースを下ることにしました。

B220502n(熊倉越えて大ブナに挨拶)

とはいえここは寄らないとね。まずは熊倉の主にご挨拶。

B220502o(熊倉の宝だよ。ここは!)

この渓畔林は本当に素敵な一角です。

今回は余裕があったのでいろいろ散策したのですが、ここはチドリノキはもちろん、ハウチワカエデも多いんですね。あとはアサノハカエデ。とにかくカエデは新緑も綺麗だし、なによりハウチワは紅くなり易いから、紅葉の時期も良さそうだと思いました。

B220502p(レンプクソウはこれから)

あとレンプクソウも出てました出てました!去年は早かったんですね。でもお花はこれだけ。これも意地で探しましたよ(笑)。

お花はあんがい少なくて、ニリンソウはお終い、トウゴクサバノオにヤマエンゴサクがちょこっと。察しはつくでしょうけどハシリドコロばかりですね、、、。

B220502q(コガネネコノメソウも終盤)

B220502r(日野コース・新緑が素晴らしい)

周囲を心ゆくまで散策したら日野コースに戻ってそのまま下ります。

日野コースは沢沿いの好コースではあるものの、途中の植林下の長い高巻きが玉に瑕。渓流の新緑がとにかく瑞々しく、ニリンソウなどお花も残っていて、、、ってコチャルメルソウも残っていたわ!とにかく楽しい道のりでした。

B220502s(新緑が見事で帰りの林道も楽しい)


林道に出たらもう一度沢道に戻れるかと思ったんだけど、下部の道はとうとう廃道になったようですね。

でも今の時期は林道歩きも楽しいし、寺沢の明るい集落をくぐるのもまた一興。トンネル経由で帰るつもりが、手前の山越えの車道を行ってしまったのがこの日唯一のミスでしょうか。吹き抜ける風は相変わらず心地よく、なんとも満ち足りた気分で武州日野駅へ向かったのでした。

・・・・・☆

最後に今年もしつこく例年と同じ事を申し上げますと、今回のコースは登り下り共に道筋が不明瞭かつ急で、岩場も多く、「地形図とコンパスのみ」で確実な地形判断ができるスキルのある人向けのコース(バリエーション登山においてGPSを利用する際は、ごく基本的な地形判断スキルのあることが前提のはずです)であって、お花目当てでネット情報やガイド片手に安易に入れるコースでは決してありません。

熊倉山は登山道/非登山道問わず遭難の絶えない山です。この点を充分に留意されつつ、自らのスキルを冷静かつ謙虚に判断されて山歩きに臨まれることを切に願います。

ちなみに過去の様子はこちら。参考程度にどうぞ。

2021年 【2021.04.24】

2019年 【2019.04.28】

2018年 【2018.04.21】

2017年 【2017.05.05】

2016年 【2016.04.30】

2015年 【2015.05.03】

2014年 【2014.05.03】

2013年 【2013.04.28】

2012年 【2012.05.13】

2011年 【2011.05.08】

2010年 【2010.05.04】

2009年 【2009.04.29】

2008年 【2008.05.04】

2007年 【2007.05.05】

2006年 【2006.05.03】

2005年 【2005.04.30】

2004年 【2004.04.25】  

 

|

« 芽吹きはじまる尾崎山 | トップページ | 笹子峠~大洞山~大沢山 新緑を愛でる »

【奥秩父・秩父・奥武蔵】」カテゴリの記事

コメント

ba_sobuさん、

今年のGWは不思議とに楽しく歩けてます。この日は歩きだしから珍しく無心で歩けてました。
あの渓畔林は植林に覆われた界隈で唯一残されたところ。なぜ残されたのかわかりませんが、よくぞとっておいてくれた!と訪れるたびに思っております。

投稿: komado | 2022.05.05 09:04

良き春を過ごされていますね

「熊倉の宝だよ。ここは!」の場所は
お写真からも ホントにすてきなところ、というのが伝わります。

投稿: ba_sobuba_sobu | 2022.05.04 10:00

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 芽吹きはじまる尾崎山 | トップページ | 笹子峠~大洞山~大沢山 新緑を愛でる »