笹子峠~大洞山~大沢山 新緑を愛でる
(カヤノキビラノ頭へ・稜線はほぼ岩稜)
今年のGWは天気に恵まれたおかげでもう一回山歩きができました。今回歩いたのはかつて(花のひかりを始める前)はよく歩いた大洞山・大沢山といった御坂山塊の東端辺り。調べてみたらぬあんと14年ぶりに歩いたのでした。
この日は甲斐大和駅から笹子トンネルへタクシーで出てからのスタート。天気は良いものの、北の甲府盆地から吹き抜ける風が冷たくて薄いシェルが欲しいような天気。まずは新緑眩しい雑木林をてくてく登って笹子峠に上がりました。
(稜線は芽吹き・新緑)
峠からは西の稜線を辿ります。西の方は道標こそ整備されてはいますが今でも入るハイカーは極端に少ないのでしょう、地面が柔らかく急な尾根もすいすい登れます。
今回笹子峠から歩いてみたのは、峠から中尾根の頭までの間の記憶がないからでした。んで実際歩いてみると、かつての伐採跡から雑木が育って芽吹き新緑は美しいし、でも育ちすぎてないので展望が利いて開放感もある快適な道。
(ハウチワカエデ)
カエデも多いですね。そしてミツバツツジやホウノキ、コナラなどの芽吹きの様子を見ながら歩くのも楽しいです。
1278m峰では「中尾根の頭」の標識が外されて転がっていました。まぁ中尾根の頭というぐらいですから正確には中尾根が派生しているその次のピークが中尾根の頭なのですよね。
(笹子峠~中尾根ノ頭まではスッキリしていた)
ちなみに中尾根の頭には中尾根方向を塞ぐようにベンチが設えてあって、あれはうまい!と思いました。
んで中尾根の頭から先はかつて歩いていたのですが、久しぶりに歩いてみるとけっこうな岩尾根なんですね。微妙な上下にちょっとした白ザレのギャップもあったりして意外に気を遣いました。
(ボッコノ頭と大沢山、御巣鷹山方面)
(カヤノキビラノ頭<三境>)
岩尾根らしく途中で展望を楽しめる岩場もありつつしばらく行くと、突然という感じで尾根が広がって、じきに見覚えのあるカヤノキビラの頭の広い山頂に飛び出しました。
芽吹きのはじまったカラマツ植林に覆われた山頂のあたりにはスミレが姿を現し、植生もちょっと変化してきた感じです。
(アケボノスミレ)
(カヤノキビラノ頭~大洞山間は美しい雑木林)
さてここから大洞山までがこの周辺で唯一自然林に近い形の雑木林が残っているところで、しばらくは雑木の広尾根をゆるゆる歩くもの、、、かと思い込んでいたら、意外に痩せた鞍部があったりそれなりに歩きでがあることを完全に忘れていました。
でも芽吹き新緑の尾根道は目に楽しく、なんとも心地よいことに変わりありません。
(大洞山)
ランチは当然大洞山。この稜線で広いピークはカヤノキビラか大洞山しかないのでどちらかだろうなとは思ってました。
それはそうとハイカーがまったくいませんねえ、、、人出の多いGWなのに。ここってここまで穴場でしたっけ?(笑)
(トウゴクミツバツツジ)
(周囲の木々が育って藪はなくなっていた)
ランチを終えたらなおも東のボッコノ頭へ向かいます。14年前に歩いた折りは伐採後に育った灌木が道に被って煩く、かなり歩きづらかった覚えがあったのですが、長い間に周囲の木々も育って難なく歩けるようになっていますね。
相変わらずの岩尾根がつづきますが、新緑やお花を愛でる余裕がありました。
(ヒメスミレサイシン)
(ボッコノ頭直下のブナ林)
ここも再訪するまで完全に忘れていたのですけど(笑)この日の目玉と言えるのがボッコノ頭の北面のブナ林。すっかり忘れていたからこそより見事に映りました。
ブナの木々が若いところもいいですね。芽吹きもはじまり木々を愛でるようにゆるゆる登っていく楽しさよ。
(大沢山へむかうと送電塔が!)
ボッコノ頭に上がり、東へ下り始めるとなんと!!!
周囲の木々が皆伐されて送電塔を造っている最中でした。場所柄リニアがらみでしょうかね?
(オオカメノキ)
(北面のブナ林が美しい)
送電塔から先もしばらくは尾根上に防火帯?が切られて、尾根に沿ってモノレールの軌道が通っていました。
軌道が尾根を北へはずれるとようやく以前の稜線の雰囲気に戻ってホッとします。相変わらずの痩せた岩尾根の上下が続きます。
(アカバナヒメイワカガミ・咲き始め)
となると出てくるのがイワカガミ。もくろみ通り開花がはじまっていました。咲き始めは色が鮮やかで綺麗ですね、たぶんこの週末までが見頃ですが天気が宜しくないのが残念。
そんなイワカガミ帯を過ぎると大沢山の山頂に飛び出しました。ここはたしか山頂の南側が開けて富士山が拝めたはずですが今は木々が育ってました。ちょっと休憩をしたら時間も時間なので、今回のところはおとなしく尾根伝いに笹子へ下山するしかありません。
(大沢山直下からボッコノ頭)
(下りしな送電塔より本社ヶ丸)
山頂からひと下りした分岐にある真新しかった道標も、今はすっかり古びて時の流れを感じさせます。というかこの稜線はほぼすべてが県の道標で、大月市の道標が全くないんですけどその辺りの理由が知りたくなってきました。
そのせいか?最後の最後で尾根をはずれてしまい(笑)追分トンネルの北詰近くになんとか降り立ったのはご愛敬。あとは甲州街道をてくてく歩いて笹子駅に着いたらなんと18時をすぎてました。
朝から晩まで一日中山歩きをしたのってかなり久しぶりのような。でもそんなことを感じさせないほど楽しい一日でもありましたね。道中ハイカーに一切会わなかったのも意外でラッキーでしたし、帰りの電車も空いてていいことずくめでした。