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2022.05.13

笹子峠~大洞山~大沢山 新緑を愛でる

B220510a(カヤノキビラノ頭へ・稜線はほぼ岩稜)

今年のGWは天気に恵まれたおかげでもう一回山歩きができました。今回歩いたのはかつて(花のひかりを始める前)はよく歩いた大洞山・大沢山といった御坂山塊の東端辺り。調べてみたらぬあんと14年ぶりに歩いたのでした。

この日は甲斐大和駅から笹子トンネルへタクシーで出てからのスタート。天気は良いものの、北の甲府盆地から吹き抜ける風が冷たくて薄いシェルが欲しいような天気。まずは新緑眩しい雑木林をてくてく登って笹子峠に上がりました。

B220510b(稜線は芽吹き・新緑)

峠からは西の稜線を辿ります。西の方は道標こそ整備されてはいますが今でも入るハイカーは極端に少ないのでしょう、地面が柔らかく急な尾根もすいすい登れます。

今回笹子峠から歩いてみたのは、峠から中尾根の頭までの間の記憶がないからでした。んで実際歩いてみると、かつての伐採跡から雑木が育って芽吹き新緑は美しいし、でも育ちすぎてないので展望が利いて開放感もある快適な道。

B220510c(ハウチワカエデ)

カエデも多いですね。そしてミツバツツジやホウノキ、コナラなどの芽吹きの様子を見ながら歩くのも楽しいです。

1278m峰では「中尾根の頭」の標識が外されて転がっていました。まぁ中尾根の頭というぐらいですから正確には中尾根が派生しているその次のピークが中尾根の頭なのですよね。

B220510d(笹子峠~中尾根ノ頭まではスッキリしていた)

ちなみに中尾根の頭には中尾根方向を塞ぐようにベンチが設えてあって、あれはうまい!と思いました。

んで中尾根の頭から先はかつて歩いていたのですが、久しぶりに歩いてみるとけっこうな岩尾根なんですね。微妙な上下にちょっとした白ザレのギャップもあったりして意外に気を遣いました。

B220510e(ボッコノ頭と大沢山、御巣鷹山方面)

B220510f(カヤノキビラノ頭<三境>)

岩尾根らしく途中で展望を楽しめる岩場もありつつしばらく行くと、突然という感じで尾根が広がって、じきに見覚えのあるカヤノキビラの頭の広い山頂に飛び出しました。

芽吹きのはじまったカラマツ植林に覆われた山頂のあたりにはスミレが姿を現し、植生もちょっと変化してきた感じです。

B220510g(アケボノスミレ)

B220510h(カヤノキビラノ頭~大洞山間は美しい雑木林)

さてここから大洞山までがこの周辺で唯一自然林に近い形の雑木林が残っているところで、しばらくは雑木の広尾根をゆるゆる歩くもの、、、かと思い込んでいたら、意外に痩せた鞍部があったりそれなりに歩きでがあることを完全に忘れていました。

でも芽吹き新緑の尾根道は目に楽しく、なんとも心地よいことに変わりありません。

B220510i(大洞山)

ランチは当然大洞山。この稜線で広いピークはカヤノキビラか大洞山しかないのでどちらかだろうなとは思ってました。

それはそうとハイカーがまったくいませんねえ、、、人出の多いGWなのに。ここってここまで穴場でしたっけ?(笑)

B220510j(トウゴクミツバツツジ)

B220510k(周囲の木々が育って藪はなくなっていた)

ランチを終えたらなおも東のボッコノ頭へ向かいます。14年前に歩いた折りは伐採後に育った灌木が道に被って煩く、かなり歩きづらかった覚えがあったのですが、長い間に周囲の木々も育って難なく歩けるようになっていますね。

相変わらずの岩尾根がつづきますが、新緑やお花を愛でる余裕がありました。

B220510l(ヒメスミレサイシン)

B220510m(ボッコノ頭直下のブナ林)

ここも再訪するまで完全に忘れていたのですけど(笑)この日の目玉と言えるのがボッコノ頭の北面のブナ林。すっかり忘れていたからこそより見事に映りました。

ブナの木々が若いところもいいですね。芽吹きもはじまり木々を愛でるようにゆるゆる登っていく楽しさよ。

B220510n(大沢山へむかうと送電塔が!)

ボッコノ頭に上がり、東へ下り始めるとなんと!!!

周囲の木々が皆伐されて送電塔を造っている最中でした。場所柄リニアがらみでしょうかね?

B220510o(オオカメノキ)

B220510p(北面のブナ林が美しい)

送電塔から先もしばらくは尾根上に防火帯?が切られて、尾根に沿ってモノレールの軌道が通っていました。

軌道が尾根を北へはずれるとようやく以前の稜線の雰囲気に戻ってホッとします。相変わらずの痩せた岩尾根の上下が続きます。

B220510q(アカバナヒメイワカガミ・咲き始め)

となると出てくるのがイワカガミ。もくろみ通り開花がはじまっていました。咲き始めは色が鮮やかで綺麗ですね、たぶんこの週末までが見頃ですが天気が宜しくないのが残念。

そんなイワカガミ帯を過ぎると大沢山の山頂に飛び出しました。ここはたしか山頂の南側が開けて富士山が拝めたはずですが今は木々が育ってました。ちょっと休憩をしたら時間も時間なので、今回のところはおとなしく尾根伝いに笹子へ下山するしかありません。

B220510r(大沢山直下からボッコノ頭)

B220510s(下りしな送電塔より本社ヶ丸)

山頂からひと下りした分岐にある真新しかった道標も、今はすっかり古びて時の流れを感じさせます。というかこの稜線はほぼすべてが県の道標で、大月市の道標が全くないんですけどその辺りの理由が知りたくなってきました。

そのせいか?最後の最後で尾根をはずれてしまい(笑)追分トンネルの北詰近くになんとか降り立ったのはご愛敬。あとは甲州街道をてくてく歩いて笹子駅に着いたらなんと18時をすぎてました。

朝から晩まで一日中山歩きをしたのってかなり久しぶりのような。でもそんなことを感じさせないほど楽しい一日でもありましたね。道中ハイカーに一切会わなかったのも意外でラッキーでしたし、帰りの電車も空いてていいことずくめでした。

 

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2022.05.02

アカヤシオが意外によく咲いていた熊倉山

B220502a(アカヤシオ・稜線でも盛りすぎ)

今年は寒さが続いて遅れ気味だったお花の進行も、気温が一気に上がっていつのまにやら早めの進行に変わっていて、四月末だというのにアカヤシオは稜線ですでに終盤でしたね。

とはいえ結論から言っちゃうと今年は想定外にツツジを楽しめた一日。今年は遅めだったので、例によって宗屋敷尾根を登ってから下りはレギュラーの聖尾根ではなく、日野コースに変更して歩いてきました。

B220502b(フモトスミレ)

ということで西武秩父駅からタクシーで取り付けに出て(¥3720)からのスタート。前の晩はかなりの風雨だったので、お花の状態が気がかりではありましたが天気は最高。尾根を通る風はまだ冷たかったもののいざ登り出せば急登が続いてちょうど良い塩梅です。

当初は尾根上のフモトスミレがあんがい少なかったので、想像よりもお花は進んでないんじゃないかなあ、、、と淡い期待もあったんですけど、

B220502c(1003m峰)

いざ1003m峰に上がると、すでにアカヤシオもイワウチワも終わってて残花すら見当たりません(笑)。

マーラーカオをいただきつつ軽く休憩を取ったら、お花はここからが本番です。

B220502d(ヒカゲツツジ)

いったん鞍部に降りると、新緑ではあるもののけっこう周囲の緑が濃いなあ。

なのでヤマザクラもカタクリもとっくにおしまいでした、、、。

B220502e(この辺りですでに新緑)

途中のヤシオの岩場もほとんど終わってて、定点の岩場もこの通り。1284m峰あたりは大丈夫かなあ、、、と不安がよぎります。

B220502f1284m峰でほぼ終盤

いろいろ寄り道しながらなんとか1284m峰に上がると、ここはなんとか残っててホッとしました。

でも綺麗に咲いているのは北斜面の一部。当然ながらイワウチワはここでも終わっていて、大捜索の末になんとかひと株見つけて狂喜する始末。

B220502g(なのでイワウチワもこれだけ!)

B220502h(まずはギャップ手前の岩峰に上がらねば)

なんとかイワウチワを見つけたら、ここからが宗屋敷尾根の核心。まずはギャップ手前の岩峰を目指します。

でもここからシ奥のシラカケ岩のあたりを見ると、山肌がぼーっとピンクに染まっていたので稜線は大丈夫そうです。

B220502i(枯れたと思いこんでいたヒカゲツツジが復活してた)

そうそう!宗屋敷尾根には外れ年でも花をつけるヒカゲツツジは3本しかなく、その貴重な一本が三年前になぜか枯れてしまって密かにガックリしてたんですけど、その木がなぜか復活してました!

B220502j(小黒と大黒を望む)

ギャップ前の岩峰は当然登る派で、天気がよいと展望も良好。大黒(酉谷山)もひさしくご無沙汰してるなあ。

B220502k(稜線のアカヤシオも復活していた!)

先のヒカゲツツジの復活は虫の声だったのか?アカヤシオは稜線もほぼ終盤でしたが、今年が違うのは近年傷んで花を咲かせてなかった木が多かった稜線上のアカがかなり復活していたこと。

前の晩の荒天でお花をかなり落としていたのに、稜線上でそれなりに見られるのは今年はかなり咲いていた証拠ですよ!

B220502l(シラカケ岩・すでに盛りすぎだったが花付き良好)

ということで今年の定点は↑↑こんな感じ。

今年は早かった去年よりも早く、しかも前の晩は荒れていたのになかなか見応えがありました。稜線上の傷んだ木もかなり復活していたし、おそらく今年も「良好」と言える花付きであったと推測できます。できれば週中に歩きたかったよ。去年が良かったから今年は期待してなかったのに、、、これは単純に嬉しいですよね。

B220502m(想定外に楽しめました)

この天気ですからとうぜん展望も良好で、両神はもちろん、奥秩父の奥にはまだ白い八ツのピークがちょこんと見えます。GWなら大抵通過者がいるものですが、今回は誰も来ず、静かに過ごせたのもラッキーでした。

休憩を終えたら来た道を戻り、熊倉山へ向かいます。今回は稜線で終盤だったのでレギュラーの聖尾根はやめて、日野コースを下ることにしました。

B220502n(熊倉越えて大ブナに挨拶)

とはいえここは寄らないとね。まずは熊倉の主にご挨拶。

B220502o(熊倉の宝だよ。ここは!)

この渓畔林は本当に素敵な一角です。

今回は余裕があったのでいろいろ散策したのですが、ここはチドリノキはもちろん、ハウチワカエデも多いんですね。あとはアサノハカエデ。とにかくカエデは新緑も綺麗だし、なによりハウチワは紅くなり易いから、紅葉の時期も良さそうだと思いました。

B220502p(レンプクソウはこれから)

あとレンプクソウも出てました出てました!去年は早かったんですね。でもお花はこれだけ。これも意地で探しましたよ(笑)。

お花はあんがい少なくて、ニリンソウはお終い、トウゴクサバノオにヤマエンゴサクがちょこっと。察しはつくでしょうけどハシリドコロばかりですね、、、。

B220502q(コガネネコノメソウも終盤)

B220502r(日野コース・新緑が素晴らしい)

周囲を心ゆくまで散策したら日野コースに戻ってそのまま下ります。

日野コースは沢沿いの好コースではあるものの、途中の植林下の長い高巻きが玉に瑕。渓流の新緑がとにかく瑞々しく、ニリンソウなどお花も残っていて、、、ってコチャルメルソウも残っていたわ!とにかく楽しい道のりでした。

B220502s(新緑が見事で帰りの林道も楽しい)


林道に出たらもう一度沢道に戻れるかと思ったんだけど、下部の道はとうとう廃道になったようですね。

でも今の時期は林道歩きも楽しいし、寺沢の明るい集落をくぐるのもまた一興。トンネル経由で帰るつもりが、手前の山越えの車道を行ってしまったのがこの日唯一のミスでしょうか。吹き抜ける風は相変わらず心地よく、なんとも満ち足りた気分で武州日野駅へ向かったのでした。

・・・・・☆

最後に今年もしつこく例年と同じ事を申し上げますと、今回のコースは登り下り共に道筋が不明瞭かつ急で、岩場も多く、「地形図とコンパスのみ」で確実な地形判断ができるスキルのある人向けのコース(バリエーション登山においてGPSを利用する際は、ごく基本的な地形判断スキルのあることが前提のはずです)であって、お花目当てでネット情報やガイド片手に安易に入れるコースでは決してありません。

熊倉山は登山道/非登山道問わず遭難の絶えない山です。この点を充分に留意されつつ、自らのスキルを冷静かつ謙虚に判断されて山歩きに臨まれることを切に願います。

ちなみに過去の様子はこちら。参考程度にどうぞ。

2021年 【2021.04.24】

2019年 【2019.04.28】

2018年 【2018.04.21】

2017年 【2017.05.05】

2016年 【2016.04.30】

2015年 【2015.05.03】

2014年 【2014.05.03】

2013年 【2013.04.28】

2012年 【2012.05.13】

2011年 【2011.05.08】

2010年 【2010.05.04】

2009年 【2009.04.29】

2008年 【2008.05.04】

2007年 【2007.05.05】

2006年 【2006.05.03】

2005年 【2005.04.30】

2004年 【2004.04.25】  

 

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