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2021.10.29

もう一つの尾根から大平へ

B211028a(タキ沢左岸尾根のひとコマ)

なんか例年より暑いんだか寒いんだかを繰り返して季節感がイマイチ定まらない最近ではありますが、そろそろ近場のお山でも紅葉のシーズンに入ってきましたね。

とはいえ今年は紅葉も遅めだろうからまだ高いところがよさそうかな?ということで、その林相もあって長年なんとなーくとっておいてあった日川左岸の尾根の一つであるタキ沢左岸尾根を登路にとって歩いてきました。

B211028b(タキ沢左岸尾根・雑木林が案外多い)

この日はこれまた遅めのバスですずらん荘に出てからのスタート。まずは牛奥ノ雁腹ヶ摺山方面の登山道をひと登りし、林道に出たところで早くも登山道と別れて林道をてくてく南下します。

まもなくタキ沢を渡るともう目的のタキ沢左岸尾根のなのですが、周囲は緩く広々としており到底尾根とは言えない広がりが続くので、尾根状の地形が出てくるまで奥へ分け入り、それから尾根に取り付きました。

B211028c(カラマツ植林の許には枯れたスズタケ)

のっけは意外や雑木林。それをひと登りすると出てきましたよカラマツ植林が、、、しかも林下には大量の枯れたスズタケが斃れており、かつての藪の獰猛さがうかがえます。というか枯れたスズをポキポキ踏み織りながら歩くのもかなり久しぶり。

場所が場所なのでこんなカラマツ林が続くのかなあ、、、と思っていたら案外早く抜けてしまったことに驚いていると、

B211028d(オオモミジ)

B211028e(伐採跡の際を登っていく)

登り着いたピークは尾根の右側が周囲の開けた広大な伐採跡になってまたビックリ!

ここからは雑木林と伐採跡に分けられた尾根上を辿っていきます。

B211028f(ハウチワカエデ)

B211028g(振り返ると南ア全山が一望)

好天の時に伐採跡を歩けばそりゃ展望は絶佳で、南アは笊ヶ岳から鳳凰まで一望。それからなおも登れば徐々に八ヶ岳が見え、奥秩父の山山も指呼の間に迫って見えます。

そして反対側の雑木林は紅葉がはじまっていて、予想通り色づきは今ひとつなれどハウチワカエデはすでに見頃で赤くなっているし、オオモミジやコハウチワカエデも色づき始めていました。

B211028h(ぼちぼち色づいている)

B211028i(登ってきた尾根を振り返る)

そして標高を上げれば今度はオオイタヤメイゲツ。尾根上は明らかな二次林のせいかカエデが多い印象です。もしかしたら色づきの良い年はかなり楽しめそうなのかもとも思いました。

上の鉢巻林道を突っ切ると大平のピークが徐々に近づてくるもカラマツ植林は案外少ない。なんだこの尾根想像よりも楽しい尾根じゃん!(笑)ラッキーでした。

B211028j(大平の手前辺り)

そんな雑木林から再びカラマツ植林が現れると細長い1750m圏の大平のピークに到着。大平は間(あい)ノ尾根と接合するピークでここは間ノ尾根を下って以来ですので16年ぶりの再訪でした。

大平からは合流した間ノ尾根を登っていくのですが、ここから尾根が一気に広がる上に一旦東の鞍部へ下る箇所があり、ここは登りでも進路注意でRFのスキルがちょいとばかし必要な箇所かと思います。技能的なことを言えば左手のタキ沢を意識できれば迷うことなくすんなりいけるのですが、、、。

B211028k(大平、東の鞍部)

同じカラマツ植林でもこういう下草が綺麗なところなら歩いてても気持ちいいんですけどね。

大平の東鞍部に降り立ったら、ここから川胡桃沢ノ頭へ向けての急な登りがはじまります。

B211028l_20211026232001(間ノ尾根・最後の登りは案外急だ)

ここの登りは案外急なのですが、尾根の広さに周囲の雰囲気の良さにあってそれをあまり感じさせないかも知れないですね。

そんな尾根をせっせと登るとじきに尾根が痩せ、露岩の尾根に変わるところがかつてはスズタケとバラ藪のミックスだったところだと思います。

B211028m_20211026232001(川胡桃沢ノ頭)

登って登って周囲に黒木が目立ち始めると稜線の登山道と合流。すぐ先のピークが川胡桃沢ノ頭で、頃合いも良いしここで休むハイカーはいないだろうから(笑)ピークでシートを広げて軽くランチ。

ここでようやく富士とも対面できました。ぬくぬく。

B211028o(稜線は黒木の立ち枯れが進んでいる)

とはいえランチを終えて腰を上げたらもう14時過ぎ。もう余計なお遊びは出来ないのでおとなしく下山することにして、とりあえず南の黒岳へ向かいます。

近年は毎年歩いているわけではないけど、稜線は訪れるたびに黒木が立ち枯れ明るくなった箇所が増えている印象です。そのおかげで関東平野も一望できちゃったりしてるのが良いことなのかどうなのか。

B211028p_20211026232001(オオイタヤメイゲツの林)

B211028q(見頃のはずだが色づきは今ふたつ)

白谷ノ丸手前のオオイタヤメイゲツの林は見頃のはずだけど、緑のまま枯れ始めているのも多く色づきとしては今ひとつ。今年の気温の推移を考えればしょうがないところでしょう。

でも色づきは良くなくても天気が良ければそれなりに見られるんですよね。

B211028r(白谷ノ丸より)

オオイタヤメイゲツの林からひと登りすると白谷ノ丸で、二ヶ月ぶりとなると周囲の草原はほぼ枯れ野原。

↓↓このウスユキソウはもう枯れ始めているのかなあ、、、(笑)。

B211028s(ウスユキソウ)

B211028t(サラサドウダンも今ひとつ)

比較的きれいに色づくサラサドウダンもあまりよろしくないなあ。

B211028v_20211026232401(湯ノ沢の道を下りました)

そんなこんなで湯ノ沢峠にくだり着いたのは15時過ぎ。天目山温泉の方には夏に降りているので今回は桑西へおりてみました。

おそらくハマイバ前に着くのは17時台のバスの時間ギリギリになるかもと思ってたら、実際にはかなり余裕でハマイバ前に到着。あとは大月に出るだけだー!と上手くいったことに気を良くしていたら、帰りのバスが甲州街道の渋滞に見事にはまり普段の倍以上かかってようやく大月駅にたどり着いたのでした。

 

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2021.10.14

御嶽道を歩く

B211014a(白砂山への道すがら)

ここのところお山へ行けないときの天気が本当に良くて、逆に行けるときは目的地に着くとなぜか雨がふってるパターンにはまり込んでいるようで、この前の週末もまさにそれでして(笑)。そんな雨から逃れ逃れてたどり着いたのが久しぶりの昇仙峡。

ということでとりあえず羅漢寺山でも登ろうかと思って、まずは歩いたことのなかった直登路の取り付けを探したんだけど、かつての登山道も今はあまり宜しくないルートのせいか?それらしき箇所はわかったものの、どうにも入れる雰囲気ではなかったので断念しました。

B211014b(麦坂道・整備されていました)

しょうがないのでロープウェイ、、、はさすがにあんまりなのでその脇の登山道へ向かうと、そこには比較的新しい道標があり「麦坂道」と描かれていました。麦でも背負って山越えされていたのでしょうかね。

それはともかく道はしっかり整備されていて、人もそれなりに入っているようでかなり歩きやすいです。当初は沢の左岸を巻き気味に行き、徐々に尾根へ斜上。上に上がるとそこはもう稜線で、すぐ先がロープウェイの終点もある八雲神社でした。

B211014c(八雲神社)

とりあえず参拝して弥三郎岳へ向かおうとしたんですけど、下の昇仙峡は例年に近い人出だったようでロープウェイの終点附近も結構な人出。そんな様子に弥三郎はあっさり諦めて南の白砂山へ向かいました。

南の山道を下ると今までの喧噪が嘘のように静かになってホッとします。

B211014d(コウヤボウキ)

尾根上は雑木林が続いて雰囲気は良いのですが、お花は極少。コウヤボウキにヤマトリカブト、シロヨメナぐらい。

白砂山の分岐には意外に早く着いたので結構近いなと思っていたら、そこから先が意外にあるのですね。

B211014e(白砂山山頂)

白砂山の手前からその名の通りな白砂の素敵な稜線が続くものの、いかんせん天気が、、、。しかも午後もそんなに回っていない時分なのに、周囲がかなり暗くなってるのは季節はしっかり進んでいる証拠でもあるんですよね。

白砂山は晴れていると雰囲気が一変しそうな山頂。残念だなあ。

B211014f(稜線は思いのほか雑木林が多い)

B211014p(上道と外道の違いは?)

白砂山でちょっとだけ休憩したら来た道を戻り、尾根をなおも南へ行きます。

B211014g(白山展望台より)

白山展望台も白砂の斜面が広がる気持ちの良いところ。太刀岡山や金ヶ岳あたりが間近に見えて、自分的には白砂山よりもこちらの方が好みかな。

こちらも晴れていればもっと素敵な光景がみられたと思います。

B211014h_20211011233301(尾根は一旦獅子平への道に沿う)

白山展望台から少し行くと獅子平分岐に出ました。道は分岐で左右に分かれて、尾根上にはもう道がないように見えます。

なのでここからは稜線を忠実に下りました。のですが839m峰を越えると鞍部の右手から明瞭な道が来てこれはなんだと思ってたら、これが獅子平への登山道なのですね。地形図の破線路を見て納得。

B211014i_20211011233301(この辺りはいったいなにが、、、)

次の鞍部で獅子平への道を分けるとその先にさきほども見かけた「御嶽道上道」の道標が出てきて、この尾根上には金櫻神社に繋がる御嶽道が通っていることがようやくわかりました。

山行後、泥縄で調べたところ「外道」は尾根から外れて一旦吉沢へ下り和田峠へ登り返す道。「上道」は尾根通しに下って敷島に出る道のようなのです。

B211014j(道筋はあまり明瞭ではない)

ということはこの先も整備された道が続くのかな?と思っていたら案外そうでもなく(笑)道は不明瞭な箇所も多く、特に下りは初心者ではいささか迷いやすいかも知れませんね。

B211014k(この辺りは林道だったか?)

そんな下りで驚いたのが尾根上の雑木林の多さと植林の少なさ。この日は天気がイマイチでしたけど、落葉時の日だまりハイクなんかかなり良さそうだなあ、と思いながら下っていました。

B211014l(道標はどれもまともに機能していない)

いちおう道標はあるんですけど各々が勝手に設置したようなものが多く、その場では意味わからないから、特に下りでは道標としての機能はぶっちゃけしてないよね、コレ(笑)。

クラインガルテンクラブハウスってどこにあるんだよ?と調べたら、この尾根の対岸の尾根上にあってかなり遠いですよ。まぁ登山口附近に新しい橋梁(車道)が出来ているので、それを辿ればまあ徒歩圏内なのでしょうけど。はあ。

B211014m(尾根末端部は荒れている箇所あり)

B211014n(これも御嶽道のひとつだったのですね!)

さきの道標からまもなく周囲が明るくなると棚田に出て、そこが登山口でした。

B211014o(棚田が広がる高台に出ました)

ここは尾根上の高台にある棚田で、地元の方々が保存しているようですね。尾根上の田んぼなので周囲が開けて展望もよく、気持ちの良いところですけど、よくもこんなところまで開墾したものだ。先人の苦労が忍ばれます。

とはいえここはまだゴールではなく、バスの通るところまでまだ下らなければいけないので、甲府行きのバスを捕まえるべく荒川沿いの県道を目指したのでした。

 

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2021.10.08

いつもの草原へ

B211007a(水を含んだチカラシバ)

もう繊月じゃなくて先月下旬の頃のなんですけどね。あの辺りのお山と絡めていつもの草原も歩く予定だったんですけど、山中湖に着いた時点で無情の雨。これでは山歩きは楽しめないので、いつもの草原の散策に切り替えました。

B211007b(ヤマトリカブト)

B211007c(遠景ほとんど撮ってない、、、)

こんな天気にもかかわらず駐車場はほぼ満杯!まぁお花めあての散策なら傘差してでも行けるところではあるんですけど、お好きな方が多いのですね。

B211007d(コシオガマ)

B211007e(シシウドの実)

歩き出し当初こそ雨は止んでいたものの、草原に出た頃には再び雨が降り出し傘を出します。

草原の花はそろそろお終い近しの様子。トネアザミ、ワレモコウ、ノコンギク、アキノキリンソウ、ヒキオコシ、タチフウロ、フタバハギ、シラヤマギク、オトコヨモギ、、、そして枯れていたおそらくナデシコ科の株がやたらと目につきます。

B211007f(ハバヤマボクチ)

B211007g(ノコンギク)

B211007h(ヒルガオとヒキオコシ)

B211007i(フシグロ)

行き交う人たちは皆さん親切にいろいろ教えてくれるので、お目当てのお花の居場所もおおよそわかってきました。

んで冒頭に書いた枯れたナデシコ科の株はぬあんとフシグロでした。梨ヶ原以来の再会。その姿の通り小さくて地味ながらも明らかにマンテマの仲間とわかる花の造形が愛らしい。

B211007j(キツネノマゴ)

B211007k(シラヤマギク)

シラヤマギクは盛りすぎていたのにお花は妙に綺麗だったなあ。

B211007l(ヒナノキンチャク)

んでお目当てのお花もようやく見つかりました!何年越しだよ!

しかもそこは何度も何度も歩いている場所。あまりのアホらしさに倒れそうになりましたよ(笑)。さすがにお花は遅めでこの日がラストチャンスだったでしょう。来年はもう少し早い時期に行ってブリブリに花をつけた姿にお目にかかりたいですね。

B211007m(ぬあんとハナハタザオ)

そしてもっと驚いたのがこのハナハタザオ。矮小化したのが返り咲いていたのでした。

ちっちゃすぎて最初なんの花かわからなかったのです。

B211007n(マツムシソウ)

マツムシソウが残っているのは一角だけになっているのですね。

B211007o(ムラサキセンブリ)

ムラサキセンブリは今年も逢えました。

見れば見るほどセンブリではなく、低山型のミヤマアケボノソウといった雰囲気ですよね。

B211007p(ナギナタコウジュ)

B211007q(富士山見えないよう)

B211007r(レイジンソウ)

ということで雨の中、ろくに休憩も取らずに5時間もかけてのんびりお花見をしていたのでした。よく探して見て歩いたなあ(笑)。

もちろん満員だった駐車場はスカスカ。雨のせいでお昼もとってなかったのでランチ場探しに駐車場を後にしたのでした。


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