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2021.09.06

晩夏の南大菩薩をゆるく歩く

B210905a(この光景をまた見られるなんて、、、)

梅雨が明けてからそれなりに安定した天気が続いたのに、お盆に入った途端天気が不安定になるのはやはり毎年のことでしたね、、、。おかげで北岳でテント滞在もあっさり吹っ飛び、おおよそ一ヶ月ぶりの山行きになってしまいましたよ。

直近の小金沢連嶺に湯ノ沢峠越えと夏のあのあたりを久しぶりに歩くと、お次に歩きたくなるのが点在する草原が続く南大菩薩の辺り。ということでちょっと遅出でたぶん10年ぶり??に通して歩いてきました。

B210905b(せっせと登ります)

ということで歩き出しますわよ(笑)。下界では35度とか云ってても標高高いと涼しいですね。

とはいえ歩き出せばすぐに全身から汗が噴き出します。かつてはスズタケに覆われていたこの辺りもご無沙汰している間にすっかり枯れてなくなり、快適に歩けますけど、案外急なんですね。かつては濡れたスズタケの処理に煩わされていたから気にする暇もなかったのかなあ、と。

B210905c(小広い草原)

かつては花園だったこの草原も今やキオンとノハラアザミ、コウリンカがちょこっと。花が開き始めたススキも風情はあるけど、やっぱりちょっとさみしいですよね。

B210905d(こういうところはマルバダケブキばかり)

まぁシカさんの入ったところにはマルバダケブキしか残っていないのはお約束でしょう。

B210905e(再び草原に出ると)

このあたりはキオンかなあ、、、。

でも晴れた草原を歩くのはホンっとにキモチが良いのですよ!

B210905f(ただただ気持ちよい)

B210905g(ウメバチソウ)

標高を上げるとウメバチソウにノコギリソウが出てきました。ポツポツですけどね。

ウメバチソウを見かけると秋ですねえ、としみじみ感じます。

B210905h(白砂の肩に出ました)

今回は草原が多いので日傘を差して歩いてみたら、強風でもない限りホントに快適!しんどい登りも消耗しないで歩けているのがわかりますもん。

やがて白砂の肩に出るとここで登山道と合流。とはいえまだまだ草原は広いので寄り道しますよ。

B210905i(ヤハズハハコ)

草原にはヤマハハコ。んで白砂の辺りはヤハズハハコ。

こちらにはいないけど御坂の岩場で見かけるのがトダイハハコ。今もシカに食われずに残っているのでしょうかねえ、、、。

B210905q(まさかコウリンカで極相化しているとは)

そしてこの日一番驚いたのがコウリンカで、白谷ノ丸直下の草原はコウリンカだらけになってて極相化してました。はじめて見かける光景なのでビックリしましたよ!

B210905j(来たみち振り返る)

B210905k(イカリソウ)

でもでもコウリンカ一色の中、草原の中をよ~く見るとイカリソウがいて、ツリガネニンジン、ノコギリソウ、カイフウロにタチフウロももちょこっといました。

みんなかつては普通に見られたお花たちです。

B210905l(湯ノ沢峠の草原)

白谷ノ丸のピークでカレーパン食べたら、ここから稜線を南へ行きます。

付け替えられた湯ノ沢峠への下り道もご無沙汰している間にずいぶん道らしくなって歩きやすくなりましたね。

B210905m(スズタケが最後まで残っていたところも枯れたようだ)

湯ノ沢峠に下るとここから再び草原が続くようになるものの、柵はあるのにお花は少ないです。

特に大蔵高丸の辺りがさみしいと思いました。なのでこの先もこんな感じなんだろうなあ、とわかっちゃいながらもガッカリしつつ先を行くと

B210905n(えっ、なにこれ!笑)

なんか↑↑この柵の中は雰囲気違うなとは感じてたんだけど、まあ気のせいでしょうと機械的に中に入ってみると、、、ビックリでした!!

視界に入るだけでもワレモコウ、オミナエシ、タムラソウ、ツリガネニンジン、ハバヤマボクチ、ノコギリソウ、ウメバチソウ、アキノキリンソウ、、、そして

B210905o(マツムシソウがおる!!)

ぬあんとマツムシソウがおる!ここではおそらく10年ぶりでしょう。

さすが往年の群落は望めないものの、これには震えましたよ!!こことその先の広い草原は南大菩薩で最後までマツムシソウの群落が残っていたところなのです。

B210905p(なんやこれ)

こーなるともう先へ進めません(笑)。

ここはオミナエシ、イタドリ(雌花)とオトコヨモギ。

B210905r(ゴマナ)

ゴマナもここでは相当見てないよ!!

B210905s(うひょひょひょひょ)

このあたりはキオン、シシウド、アキノキリンソウ、キンミズヒキ、ゴマナがいっぱい!

B210905t(ヤマトラノオまでおるぞ!!!)

ヤマトラノオも久しぶりだし、イタドリの雄花も普通に咲いているなんて。

B210905u(アキカラマツ)

こういう色合いのアキカラマツも久しく見てなかったわ。

B210905v(コオニユリもおるやん)

そして草原の終わりにはコオニユリにカワラナデシコでフィナーレ。

名残惜しいのですが時間がないので先を行くしかないし、その先の草原もかつてはお花の多かったところなのでどんな塩梅だろうと思っていたら、、、

B210905w(ヨツバヒヨドリが残っていた草原も、、、)

↑↑こちらは広すぎて柵すらありませんでした。ここはお花がごっそり減ってもヨツバヒヨドリだけで極相化したと思い込むほどたくさん残っていたのですが、それも今や見る影もなし。まあこのシカの増えすぎた時代にあんな様子を見られただけでもラッキーでしたよ。

かつての稜線の草原はどこもあんなお花畑だったといえば、かつての様子を少しは想像してもらえるのではないでしょうか。昔のことはあまりいいたくないんだけど、あの頃の真夏の低山はホントにホントにほんとうに楽しかった!暑くて汗みどろになって疲れ切っても真夏は何度でも山に入りたかったもん。

B210905x(大谷ヶ丸と奥に滝子山を望む)

ハマイバ丸から下って天下石に出ると今まで長らく続いた草原はようやくお終いで、あとは樹林帯が続きます。

ので下りはどうしようかと悩んでいたのですが、今回のところは一番手近である先の1626m峰から東尾根・・・大ゴ沢左岸尾根を降りることにしました。

B210905y(1626m峰東尾根<大ゴ沢左岸尾根>上部)

さてその大ゴ沢左岸尾根。この尾根もかつてはお花見の後の下りでよく利用したルートでしたがもう10年以上歩いていません。

さっそく下ってみると藪はすでになく、のっけの急な下り。そして岩場が多くギャップの登り返しがしんどかったのはなんとなく覚えていましたけど、尾根下部の伐採跡にはビックリ!

B210905z(尾根下部は伐採されていていた)

でもこのおかげでRFは平易になったのではないでしょうか。おかげですいすい降りてやがて小沢ドウミからの林道に着地。緩く下って真木川を渡るともとテニスコートだった広場と駐車場に出ると、このあたりが「日向部」と謂われたところで、すぐ先には真木小金沢林道が通っていて、ハマイバ前まで徒歩でおおよそ45分といったところでしょうか。

そうそう日向部とか真木川の周辺、かつての真夏とは違う光景が見られたんだけどここでは敢えて触れません。感想だけ言えば、いやぁここまできちゃったか、、、という感じでしょうか。まぁ別に良いんですけど(笑)。要はですね、この日の山行きはこのあたりで久々に心震えるような山行きになって幸せでしたということです!はい。

 

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【大菩薩・権現山稜】」カテゴリの記事

コメント

ba_sobuさん、

本当はその前の週に歩きたかったんだけど天気がねえ、、、。
今年はそんなことが本当に多くて困ってしまいますよ。

お次はこれまたかなりご無沙汰している米背負の方へも足を延ばしたいですね。

投稿: komado | 2021.09.11 23:31

komado さん 

貴重な晴れの一日を満喫されましたね
あの一帯は 一年いつ歩いても 歩くだけでも満足できるところですね。 裏山!


投稿: ba_sobu | 2021.09.09 23:18

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