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2021.04.30

2年ぶりの熊倉山、2年ぶりのアカヤシオ

B210430a(アカヤシオと熊倉山・この辺りで遅め)

今年のアカヤシオは確かに当たり年と言える状況でしたけど、それよりなにより今年は「歩けた」ということがとにかく嬉しかった!ということで先週の土曜は(04/24)は恒例の宗屋敷尾根~聖尾根を歩いてきました。

今年も、というか行けない間に秩鉄との乗り換えがタイトになってしまったので、もう宗屋敷尾根の取付までタクシーで乗り付けるしかありません(¥3720)。以前の台風の影響でしょうか?山ノ神への道がわからなくなっていて、これではその存在も忘れ去られそう、、、なんとか上がって参拝したら、歩き出します。

B210430b(イワウチワ・近年になく花が多かった)

朝はほどよく涼しく、のっけの急登もすいすい登れて、一時間ほどで祠のある1003m峰につくと、さすがにここではアカヤシオはほぼおしまい。でも落下した花が地面を彩り、その量から花つきは良好だったことがうかがえます。

アカの様子は予想通りだったものの、驚いたのがイワウチワが近年になくたくさん咲いていたこと。タイミング的に遅めのはずなのに普通に咲いてていきなり十二分に楽しめちゃった感じです。

B210430c(1003m峰・アカヤシオはほぼ終わり)

B210430d(この辺りは終わりかけなのにこの花の量)

1003m峰を過ぎると植林が減り、アカヤシオはここからが本番、、、の前に、途中のカタクリ帯でカタクリがこれまたたくさん咲いててまたまたビックリ!普段なら斜面を探すのに今年は道ばたに普通に咲いているレベルで、これは単純に増えているだけなのかもしれませんね。

じきに岩場に出るとようやくアカヤシオも出てきました。お花はこの辺りでも遅めですが、花の量が違う!かなり見事で、この先が楽しみになってきました。

B210430e(曇っていたのが残念でした)

宗屋敷尾根で一番好きな↑↑この辺りで一時的に曇ったのが残念。

ヒカゲツツジも花付き良好で、普段は花をつけない木でも花を咲かせていました。

B210430f(ヒカゲツツジも花つき良好)

B210430g(1284m峰の周辺で遅め。でも見事でした)

そして期待していた1284m峰はピーク周辺こそ木が傷んでましたけど、周囲は↑↑↓↓こんな感じで見事咲いていておっさんがうっとり。

コースがコースだから絶対に無理だけど、こんな満開に咲いたアカヤシオのもとで「極楽」なんぞをちびりと飲めたら本当に極楽だろうな、、、。

B210430h(こんな木の許でお酒でも飲みたいねえ)

B210430i(坊主山・小黒・大黒<酉谷山>を望む)

そんな1284m峰をすぎると、ここから満開のアカヤシオトレイルのはじまり。行く先に見えるようになってきた蝉笹のピークも今年はピンクに染まっているのが見え、期待が高まります。

おかげで1370m圏の岩峰の急な登りもるんるん気分で登れて、ピークでは展望を楽しみつつ小休止。ギャップから蝉笹への急な登りも近年になく快調に登れてしまいました。そうそう、途中にある自生下限のアズマシャクナゲ、ぬあんと今年は一つだけ花芽をつけてました!20年通ってはじめて見かけましたよっ!!

B210430j(ギャップの鞍部)

 

B210430k(シラカケ岩より)

ということで今年の定点は↑↑こんな感じ。

今年はシラカケ岩でちょうど満開。今年は早い早いといいながら、一番お花の開花が早かった2018年よりは若干遅めでした。稜線の木は傷んでいるのが多い上に、2週間前の低温の影響で傷んだ花もぼちぼちありましたけど、全体で見れば大当たりだった2016年以来の当たり年と言っていいでしょう。いやあ、見事見事。素晴らしかったです。

B210430l(稜線は傷んでいる木が増えている)

B210430m(山開きは今年もお休みでしょうか)

シラカケ岩で軽くランチをとったら、来た道を戻り熊倉山へ向かいます。今年はハイカーがけっこう多かったですね。しかも泊まりで酉谷へ向かわれる人が多い印象です。

アカヤシオは稜線上のは傷んでイマイチでしたけど、斜面の見事に咲いていて楽しい道のり。ただこうなるとうまくカメラに収められないんですよねえ、、、。

B210430n(熊倉にはこんな渓畔林が残されている一角がある)

シラカケ岩から30分ほどで熊倉山に着いたらほぼ素通りして聖、、、ではなく、2年ぶりだったのでちょこっとこちらへ寄り道。

ここは熊倉山で唯一残された渓畔林の美しい一角。チドリノキの新緑が本当に素晴らしかったんだけど、お目当てのレンプクソウがまったく見つからなくて焦りまくり。

B210430o(大ブナにも逢ってきました)

捜索がてら、もちろん熊倉の主である大ブナにもお目にかかってきましたよ。

結局30分ほど捜索してもあれだけあったレンプクソウはいっこも見つからず。当時同じく咲いていたヤマエンゴサクもひと株しかなかったし、数年の間にいったい何があったのでしょうかね、、、。

B210430p(三門の広場)

いささか失望しつつ熊倉山に戻り、ここでようやく下山開始。聖尾根を降ります。

んが三門の広場から高根の間のもと登山道である巻き道が荒れはじめていて、通過に気を遣いました。谷津川林道は復活しそうにないし、このままだと今後この区間は尾根上の方が安全なルートになるかもしれないですね。

B210430q(1307m峰より・こちらも稜線の木は傷んでいるが)

高根から緩く登り返して着く1307m峰は↑↑こんな感じ。

ここも尾根上の木は傷んでて、ヒカゲツツジは全滅に近いんじゃないかなあ(幼樹はあまた生えてるけど)。でも斜面のお花はこちらも見事でした。

B210430r(斜面の木々は見事でした)

B210430s(カタクリも近年まれに見る豊作)

1307m峰直下の急降下をこなすとしばらくは安泰な区間で、このあたりもアカヤシオが見事で楽しい道のり。

でもこちらでもカタクリが例年になく方々に咲いていて、これは豊作と言えるレベルでしょう。大岩の巻き道分岐のピークまでカタクリのお花がしっかり見られたのははじめて。こちらもやっぱり増えているのでしょうね。

B210430t(1308m峰を振り返る)

B210430u(巻道の辺りで新緑はじまる)

ちょっと心配していた大岩の巻き道は細いながらもまだ歩けるレベルでホッとしました。

この山域はただでさえ事故の多いところなんですから、歩けるうちは安全な巻き道を歩くべきだと思います。というかあそこでリスクを取る意味がわからないし、野良のロープに頼って大岩上り下りしてもなんの、、、。

B210430v(ここまで下ると緑一色)

大岩を巻き終えて尾根に復帰したら、自身が緑に染まってしまうような新緑の尾根をぐんぐん下ります。

今回は余計な寄り道をしてちょっと疲れちゃったんで、聖山(聖岩)には寄らずにそのまま降りようかと思っていたんですけど、やっぱり近づくとねえ、、、寄ってしまうんですよ(笑)。

B210430w(聖山より・・中央やや右より奥の▲が熊倉山)

B210430x(レンプクソウ・なんとか見つけました)

聖宮は倒壊した祠の残骸がなんとか残っている状態で、ここもそろそろただの平らになってしまいそう。そんなお宮に道中の無事を感謝したら、お山に上がり定点撮影↑↑。そおいやここでヤマツツジの花を見かけなかったことを思い出しました。

今年はいろいろ寄り道したせいで三峰口駅に降りたのが珍しく17時ちょい前になってしまいました。よく歩いたなあ、、、。というかここまでフルに歩いたのって錦繍の日原以来よね(笑)。それぐらい久しぶりなのに全然普通に歩けたのは、ここひと月ほど毎週歩いているからかな。やっぱ新緑の時期は山に入るだけで元気が出ますから!
   
・・・・・☆

B210430y

さて・・・最後に今年もしつこく例年と同じ事を申し上げますと、今回のコースは登り下り共に道筋が不明瞭かつ急で、岩場も多く、「地形図とコンパスのみ」で確実な地形判断ができるスキルのある人向けのコース(バリエーション登山においてGPSを利用する際は、ごく基本的な地形判断スキルのあることが前提のはずです)であって、お花目当てでネット情報やガイド片手に安易に入れるコースでは決してありません。

熊倉山は登山道/非登山道問わず遭難の絶えない山です。この点を充分に留意されつつ、自らのスキルを冷静かつ謙虚に判断されて山歩きに臨まれることを切に願います。

ちなみに過去の様子はこちら。参考程度にどうぞ。

2019年 【2019.04.28】

2018年 【2018.04.21】

2017年 【2017.05.05】

2016年 【2016.04.30】

2015年 【2015.05.03】

2014年 【2014.05.03】

2013年 【2013.04.28】

2012年 【2012.05.13】

2011年 【2011.05.08】

2010年 【2010.05.04】

2009年 【2009.04.29】

2008年 【2008.05.04】

2007年 【2007.05.05】

2006年 【2006.05.03】

2005年 【2005.04.30】

2004年 【2004.04.25】  

 

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【奥秩父・秩父・奥武蔵】」カテゴリの記事

コメント

ba_sobuさん、

ほんと秩父はカタクリを普通に見かけます。昔シカはカタクリ好きなんて話がありましたけど、あれウソですよね(笑)。シカがあれだけ増えているのに減る気配がない。

大持の辺りは昔から普通に道ばたでも咲いていました。今年はあの辺りでシカのフンをかなり大量に見かけてたので案じていたのですが、お話を聞いてホッとしましたよ。

投稿: komado | 2021.05.03 00:29

AKIOさん、

今は良い時期ですからいろいろと行き先にも迷いますよね。
まぁアカヤシオをもっとたくさん見たければ本場の北関東へ行けばいいわけで(笑)。

でも今年はツツジが良さそうなので、北関東は見事でしょうね。当たり外れの落差が大きいシロの具合が気になります。

投稿: komado | 2021.05.03 00:24

komadoさん おはようございます
さすがうっとりするような アカヤシオの渦ですね。みせてくださって ありがとうございました。
カタクリが多いと書かれていましたが 先日の大持山でもたくさん咲いてました。「さすが秩父」と思ったのですが、あれは例年のことだったのか、今年は多いのか?と 考えてしまいました
ヒカゲツツジ いわうちわ・・いいなぁ、今年は見られそうにありません。それを承知でGW中に 坪山に行く予定です。静けさを期待して。

投稿: | 2021.05.02 06:12

Komadoさん、こんにちは。

熊倉山のレポを今年も楽しませてもらって、ありがとうございました。今年のアカヤシオは噂通り良いですね。
小生も今年は久しぶりに熊倉へ・・・と思っていたのですが、この時期は行きたい場所も多くて、結局見送りになってしまいました。
気の早い話ですが、来年以降を楽しみにしているところです。

投稿: AKIO | 2021.05.01 09:05

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