権現山・北の腰掛からぐるりとめぐる
(権現山北尾根のひとコマ)
権現山北尾根をはじめ、尾名手川の右岸側の枝尾根はほぼ歩き尽くしている感があるんですけど、それでも北尾根は下りばかりで登ったことあったっけ?というか、藤井本(中央線の山を歩く)のコースすら実は歩いていないことについ最近気がつきまして(笑)。
それなら一度そんな感じで歩いてみましょうか、と腰掛からの周回コースを組んで、歩いてきました。
(腰掛・尾名手川にかかる鉄橋より)
今回は平野田のキャンプ場からのスタート。腰掛へ向かう林道脇もお花がけっこう咲いていて驚きかけたのですが、コレっていつもは秋から早春にかけてしか歩いたことがないからなんですね。
20分ほどで腰掛に出たら鶴川を渡り、お次は赤い立派な鉄橋で尾名手川を渡ってそのまま尾根(要は北尾根の枝尾根)に取り付きました。
(1084m峰辺り)
畑跡を過ぎると急な植林帯が続き、せっせと登っていると曇っているのに大汗をかかされます。
そんな植林帯も北尾根の主尾根と合流すると雑木林に変わって、同時に尾根を風が通るようになってこんどはちょっと寒く感じるくらい。もうこの気温差に気が抜けない季節になってしまったんだなあ、と。
(痩せた岩稜が続くと山頂は近い)
それでも時折日差しがあったので寒々しい感じはなかったかなと。それにつけても改めて感じたのが北尾根の雑木林の佳さ。緑の時期はそれだけで林が映えますね。そんな中をゆるゆる登れるだけでいいのです。
やがて尾根上に径が現れたのはこの稜線の北面にあんがい共通するもので、じきにちょっとした岩稜に変わるとひと登りで権現山の山頂に飛び出しました。
(まさかこの天気で富士が拝めるとは)
山頂には先客さんがひとりだけ。10月だしもう少し人がいると思っていたんですが、、、。おかげでランチは山頂でのんびりとれました。
そして山頂にいる間に諦めていた富士や、10年以上ぶりにセンブリを見かけて狂喜したりと、こんな天気でも行ってみれば何かしらあるものですね。
(センブリ・咲き始め)
(大ムレ大権現・階段は岩を穿たれている)
休憩を終えたら今度は稜線を東へ。直下の権現さまも久しぶりに参拝しました。久しぶりに下ったこの参道の階段って大岩を穿って造られていたことにようやく気がついたという。
あらためて訪れてみると新たな気づきがあるって、これまた10年以上ぶりに歩いた東側の稜線の様子もそうでした。というか新たな気づきと言うより、もはやはじめて歩いたような気分。
(権現山より東も10年以上ぶり)
(雨降山って展望ききませんでしたっけ、、、)
雨降山もこんな感じでしたっけ?もっと展望利いたような覚えもあるのですが、もうなんとも言えない(笑)。山頂のアンテナ施設をひとまわりしたら、北の玄房尾根を下りはじめます。
玄房尾根は20年以上前に登りにとって以来。植林の多さは同じイメージでしたけど、道は明瞭ながら今は登山者がほとんど入ってないんじゃない?と思わせる道の状態です。確かにたまにこちらのバス乗っても、近年は初戸(はと)で降りるハイカーがかなり少なくなっていることを思い出しました。
(玄房尾根・植林が続く)
(926m峰直下の緩斜面が見事)
そんな単調な植林帯も992m峰からひと下りすると抜けて、ゆるやかな緩斜面の雑木林に出たところが玄房尾根のハイライトなのでしょう。というかこの辺りが藤井本で「かつては、出色の樹相美で知られた玄房尾根」と記された名残なのかなあ、、、とちょっと思ったり。
んでその緩斜面の辺りから分岐しているのが腰掛へ延びる破線路の尾根。でもその尾根は植林帯が左方へのびていて、まぁそれはわかっちゃいたけど、ぶっちゃけこの緩斜面から離れたくないなあ、と(笑)。
(腰掛の枝尾根も急降下が続く)
腰掛への枝尾根は終始ほぼ植林の、岩屑混じりの急降下が続いて想像よりもタフな下り。RF的要素がそれなりにあって自分的にはそっちの楽しみの方が大きかったです。自身の技術・技能を再確認できるような。
そしてしんどいのは下りだけでなく、最後の鶴川へ降り立つところも当初から懸念していたところで、そこは痩せた岩場を介して降り立った尾根突端手前の鞍部から西の緩斜面をなんとなく下っているうちに、川へ下る明瞭な道が見つかって、無事に鶴川の川原に降り立ちました。
(キッコウハグマ)
やれやれ・・・と川原へ降りる最中の岩場には思いがけずキッコウハグマが咲いていて、ああこれはご褒美だあ!と喜んでカメラに収めていたのですが
(鶴川に降り立つと橋は取り外されていた)
鶴川の上流側に目をやると、あるはずの橋がないっ!しかもここ地形図に載ってるんですよ!(笑)
周囲を確認してもさすがに鶴川本流では飛び石で渡れるところはなく、しょうがなし徒渉を敢行。でも足を清流に足を踏み入れた瞬間、水の冷たさ、そして流れる水の感触が足先から太腿まで感じられるのがほんとう気持ちよくて、このまま泳ぎたくなったぐらい。今はまだ暖かい時期だということを完全に忘れてました。というか徒渉というと寒い時期の悲惨な徒渉しか記憶にないもので、、、(笑)。
おかげでひとりテンション爆アガりで、秋の花花が咲き、キンモクセイもほのかに香る腰掛の登り返しも、足取りは軽やかだったのでした。
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コメント
SAKURAさん、
権現の方もシカが増えてお花はずいぶん減ってしまったイメージだったので、センブリもキッコウハグマもまさかの出逢いでこれはほんとうに嬉しかったです。
キッコウハグマ、もしかしたら今年は開花したのを見やすい年かもしれないですよ。伊豆ヶ岳の男坂は確かに歩くひとが減っているように自分も思います。みんな女坂上がってたので。
投稿: komado | 2020.10.21 23:35
3年前の1月に登ったので、何処を歩いてらっしゃるんだろうと地図を眺めました。
権現さまは無かったと思ったら北峰コース下山でした。
富士山は綺麗に見えて、ソロの方に3人出合ったようです。
下山の鶴川の橋は台風で流されたのかと思ったのですが、荒れては居ないご様子ですよね…
去年の台風であちこち沢沿いは荒れていて、年配者は特に用心です。
咲き出しのセンブリ、キッコウハグマが良いなぁ~♪
2週間前に久しぶりに伊豆ヶ岳に行ったのですが、人はいっぱい居たけど、誰も岩を登る方は無く断念しました。
岩が楽しみで毎回登ってたのに…残念!!
投稿: SAKURA | 2020.10.19 23:12