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2020.10.31

錦繍の日原へ

B201031a(水松山中尾根のひとコマひとコマ)

昨秋の台風の影響で二年ぶりとなる錦繍の日原。例によって諸般の事情によりさっくりとまとめてみました。

日原行きのバスは崩落の影響で小型バスになって驚いたんですけど、今は川苔橋は通過するのでかえって丁度良い塩梅のようです。今秋初ともいえる雲一つない快晴のもと、久しぶりに稲村岩に挨拶をしつつまずは林道をてくてくてくてくてくてく、、、。

B201031b(御供所のあたり・ゲート前から高巻く)

ちなみに日原林道はおろせ橋の先でロープが張られており、八丁橋先のゲートまでも行けない状態になってました。自分はここから孫惣谷へなおもてくてくてくてく。二時間ほどで御供所(ごくうしょ)に着いたら、気は向かないけど大高巻きして孫惣谷の巡視路を辿ります。

冒頭こそ改修されていた巡視路はぼちぼち荒れはじめていますね。でもこの辺りの林の良さはいまずもがな。わくわくしかしない!

B201031c(孫惣谷の巡視路・径は細い)

B201031d(この辺りでわからなくなったので)

径が水松(あららぎ)山の中尾根を乗り越すと、道形はまもなくか細くなり、ここってこんなわかりづらかったっけ、、、と少々心配になるレベル。その先で現れた石組みで巡視路だと確認できる感じ。

んが最初の沢を渡ったところで早くも径があやふやになり、ここはクロスケの足跡を追いながらなんとか枝尾根を乗り越すも、その先でとうとうわからなくなってしまいました。

B201031e(ブナ・綺麗に色づいたのは少ない)

まぁこのまま適当に追っても良いんだけど、そおいやこの枝尾根は歩いたことがなかったな。ということに気がついて、それなら未踏の箇所を歩いてみましょうと、この枝尾根の登りに切り替えました。

尾根は地形図どおりの急登が続きますが、黒木に広葉樹の二次林が続く雰囲気の良い尾根でした。でもぼちぼち見かけた紅葉がいまふたつ、、、。

B201031f(中尾根の枝尾根を登ります)

小一時間ほどで水松山中尾根を合流すると、そこは黒木の多い地点。ああここに出るのか!

あとはひたすらに登り詰め、長沢背稜/都県界尾根の登山道を突っ切ると、三角点のある水松山に上がりました。この山頂も今は休憩の適地ではあるんですけど、少々暗いので稜線伝いに西の板小屋ノ頭を目指します。

B201031g(水松山付近・稜線のオオイタヤメイゲツはほぼ終わり)

このあたりの二重山稜は広々としていつ歩いても気持ちの良いところ。昔はこのあたりもスズタケに埋もれていたのですが(笑)。

稜線のオオイタヤメイゲツはすでに盛りを過ぎ、南面のカラマツは盛り手前ながらも色づきはこちらも宜しくない感じでした。稜線はすでに初冬を感じさせるような明るさに包まれていて、どこかもの寂しい。

B201031h(板小屋ノ頭・ほぼ落葉)

ランチは板小屋ノ頭からちょと下ったところで頂きました。まーここは滅多に人が来ないところですからね。おかげで心底のんびりできました。

あとは下山?なのですが、このあとはさっくり。ちなみに紅葉のレンジは1600m~1500mくらいと妙に狭く、一週間近く遅れている感じでした。

B201031i(ハウチワカエデ)

B201031j

B201031k(コハウチワカエデ・この先もっと色づくの??)

B201031l(見頃は1600m~1500m)

B201031m

B201031n

B201031o

B201031p

B201031q


孫惣谷の方は今度梯子坂ノクビレから降りてみましょうか。

今回は久しぶりによく歩いた。おかげで会心の歩きができたかなと!あー楽しかった。

 

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2020.10.10

権現山・北の腰掛からぐるりとめぐる

B201009a(権現山北尾根のひとコマ)

権現山北尾根をはじめ、尾名手川の右岸側の枝尾根はほぼ歩き尽くしている感があるんですけど、それでも北尾根は下りばかりで登ったことあったっけ?というか、藤井本(中央線の山を歩く)のコースすら実は歩いていないことについ最近気がつきまして(笑)。

それなら一度そんな感じで歩いてみましょうか、と腰掛からの周回コースを組んで、歩いてきました。

B201009b(腰掛・尾名手川にかかる鉄橋より)

今回は平野田のキャンプ場からのスタート。腰掛へ向かう林道脇もお花がけっこう咲いていて驚きかけたのですが、コレっていつもは秋から早春にかけてしか歩いたことがないからなんですね。

20分ほどで腰掛に出たら鶴川を渡り、お次は赤い立派な鉄橋で尾名手川を渡ってそのまま尾根(要は北尾根の枝尾根)に取り付きました。

B201009c(1084m峰辺り)

畑跡を過ぎると急な植林帯が続き、せっせと登っていると曇っているのに大汗をかかされます。

そんな植林帯も北尾根の主尾根と合流すると雑木林に変わって、同時に尾根を風が通るようになってこんどはちょっと寒く感じるくらい。もうこの気温差に気が抜けない季節になってしまったんだなあ、と。

B201009d(痩せた岩稜が続くと山頂は近い)

それでも時折日差しがあったので寒々しい感じはなかったかなと。それにつけても改めて感じたのが北尾根の雑木林の佳さ。緑の時期はそれだけで林が映えますね。そんな中をゆるゆる登れるだけでいいのです。

やがて尾根上に径が現れたのはこの稜線の北面にあんがい共通するもので、じきにちょっとした岩稜に変わるとひと登りで権現山の山頂に飛び出しました。

B201009e(まさかこの天気で富士が拝めるとは)

山頂には先客さんがひとりだけ。10月だしもう少し人がいると思っていたんですが、、、。おかげでランチは山頂でのんびりとれました。

そして山頂にいる間に諦めていた富士や、10年以上ぶりにセンブリを見かけて狂喜したりと、こんな天気でも行ってみれば何かしらあるものですね。

B201009f(センブリ・咲き始め)

B201009g(大ムレ大権現・階段は岩を穿たれている)

休憩を終えたら今度は稜線を東へ。直下の権現さまも久しぶりに参拝しました。久しぶりに下ったこの参道の階段って大岩を穿って造られていたことにようやく気がついたという。

あらためて訪れてみると新たな気づきがあるって、これまた10年以上ぶりに歩いた東側の稜線の様子もそうでした。というか新たな気づきと言うより、もはやはじめて歩いたような気分。

B201009h(権現山より東も10年以上ぶり)

B201009i(雨降山って展望ききませんでしたっけ、、、)

雨降山もこんな感じでしたっけ?もっと展望利いたような覚えもあるのですが、もうなんとも言えない(笑)。山頂のアンテナ施設をひとまわりしたら、北の玄房尾根を下りはじめます。

玄房尾根は20年以上前に登りにとって以来。植林の多さは同じイメージでしたけど、道は明瞭ながら今は登山者がほとんど入ってないんじゃない?と思わせる道の状態です。確かにたまにこちらのバス乗っても、近年は初戸(はと)で降りるハイカーがかなり少なくなっていることを思い出しました。

B201009j(玄房尾根・植林が続く)

B201009k(926m峰直下の緩斜面が見事)

そんな単調な植林帯も992m峰からひと下りすると抜けて、ゆるやかな緩斜面の雑木林に出たところが玄房尾根のハイライトなのでしょう。というかこの辺りが藤井本で「かつては、出色の樹相美で知られた玄房尾根」と記された名残なのかなあ、、、とちょっと思ったり。

んでその緩斜面の辺りから分岐しているのが腰掛へ延びる破線路の尾根。でもその尾根は植林帯が左方へのびていて、まぁそれはわかっちゃいたけど、ぶっちゃけこの緩斜面から離れたくないなあ、と(笑)。

B201009l(腰掛の枝尾根も急降下が続く)

腰掛への枝尾根は終始ほぼ植林の、岩屑混じりの急降下が続いて想像よりもタフな下り。RF的要素がそれなりにあって自分的にはそっちの楽しみの方が大きかったです。自身の技術・技能を再確認できるような。

そしてしんどいのは下りだけでなく、最後の鶴川へ降り立つところも当初から懸念していたところで、そこは痩せた岩場を介して降り立った尾根突端手前の鞍部から西の緩斜面をなんとなく下っているうちに、川へ下る明瞭な道が見つかって、無事に鶴川の川原に降り立ちました。

B201009m(キッコウハグマ)

やれやれ・・・と川原へ降りる最中の岩場には思いがけずキッコウハグマが咲いていて、ああこれはご褒美だあ!と喜んでカメラに収めていたのですが

B201009n(鶴川に降り立つと橋は取り外されていた)

鶴川の上流側に目をやると、あるはずの橋がないっ!しかもここ地形図に載ってるんですよ!(笑)

周囲を確認してもさすがに鶴川本流では飛び石で渡れるところはなく、しょうがなし徒渉を敢行。でも足を清流に足を踏み入れた瞬間、水の冷たさ、そして流れる水の感触が足先から太腿まで感じられるのがほんとう気持ちよくて、このまま泳ぎたくなったぐらい。今はまだ暖かい時期だということを完全に忘れてました。というか徒渉というと寒い時期の悲惨な徒渉しか記憶にないもので、、、(笑)。

おかげでひとりテンション爆アガりで、秋の花花が咲き、キンモクセイもほのかに香る腰掛の登り返しも、足取りは軽やかだったのでした。

 

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2020.10.02

恵能野川の径路をたどり、滝子山へ

B200930a(恵能野川コブトチ沢出合の山の神)

気がつけば恵能野川の径路も13年ぶりだったのか、、、。よくよく考えてみれば滝子山もご無沙汰していましたし、山の神もまだ健在だと聞いて、ひさしぶりに恵能野川の径路を辿って滝子山へ登ってみました。

いつぞやの雪の岡松ノ峰以来な間明野の金山神社で社は偶然にも例祭が行われていて、こんな華やかな雰囲気の神社ははじめて。いろいろお話も聞けていい気分のまま、まずは切目峠へ向かいます。

B200930b(切目峠)

B200930c(堰堤滝をくぐるように恵能野川を渡り)

堰堤から山道に入るとまもなく橋を渡る、、、はずがその橋はなく、その沢筋自体が大きく削られていたのはおそらく昨秋の台風の影響でしょう。ここは対岸の小尾根を乗り越す道筋を見つければ、じきに切目峠の鞍部に導かれる段取りです。

まだ健在だった道標の許にある馬頭さまに挨拶したら、そのまま峠道を乗り越して恵能野川へ。水しぶきが舞う堰堤滝はいつ来ても気持ちがいい!暑い時期は爽快この上ないところで、そんな堰堤の脇でしばらく涼んでから、対岸へ渡り、林道をひと登りすると林道状の恵能野川の径路に飛び出しました。

B200930d(恵能野川の径路・橋はなし)

B200930e(倒木が多いのは昨秋の台風の影響か?)

径路に出ればあとは山の神まで一本道、なーんてお気楽になったのはやっぱり甘かったですね。なんとか残っていた橋はとうになく、周囲の斜面は崩れて、本来の道筋を捉えるのも一苦労。

まぁ自分的に径がないのはさほど問題ではなく、それより一番イヤだったのが緩斜面の歩きやすかった箇所が倒木のジャングルに変わっていたところでした。倒木は乗り越えなければいけないし、なにより植林帯が大半で、しかも倒木がすでに苔むしてすべるという(笑)。ここはもうのろのろ乗り越えるしかありません。

B200930f(ここは歩きづらかった)

そんな倒木帯を避けられるようになると、じきに左手にコブトチ沢の出合が見えてきて、その先に巡視路の標柱が見ればその先が徒渉点。しっかしこんな状況では径を探しながら辿るより、歩きやすい箇所を選びながらコブトチ沢の出合を目指した方がいいのかも知れないですね。

ここで対岸へ渡るとおひさしぶりの山の神がなんとか残っていました。もう屋根しかない!(笑)まぁ面倒見されなくなって相当経つので、保っている方の方がむしろ不思議なんだろうけど。

B200930g(山の神からは巡視路を辿ってみましたが、、、)

山の神に手を合わせたら、いまだ未踏だった巡視路を辿って東尾根に上がろうとしたんですけど、コブトチ沢を渡って急な斜面につけられた道を追うも、じきによくわからなくなり(笑)。しょうがないので西へトラバース気味にせっせと登って東尾根に上がりました。

東尾根に上がったら、ひと登りで白ザレに覆われた沼ノ沢ノ峰に出ました。そこから急なギャップを下った底が御正人ノタル。

B200930h(御正人ノタル)

御正人ノタルのような白ザレの、崩れやすい痩せたギャップの鞍部というのは別に西丹沢の専売特許ではなく、この附近でも案外ぼちぼちあるんですよね。

しかもここはギャップ底の割りに明るく、あとは登り一辺倒ですから、少人数なら休憩にも向いているようにも思います。

B200930i(尾根上部は自然林が美しい)

B200930j(イワカガミのお花を見たかったですねえ)

あとは滝子山へ向けせっせと登るのみ。中腹の自然林は雰囲気がいいし岩場にはイワカガミがいっぱい。もちろんお花とっくに終わってますけど。今年はイワカガミが見られなかったんだよねえ、、、。

岩場を乗り越え、尾根が広がると、ようやく三角点峰に飛び出しました。とはいえ山頂はもうひと登り残っているのですがそこは滝子山、お昼過ぎてても結構な人がいたのでそのまま素通りして(笑)P2へ下ります。

B200930k(P2より南尾根を見下ろす)

ひとりならこっちのほうが圧倒的に気持ちがいいし、心底のんびりできよ。

B200930l(ヤマトリカブトはさすがに健在)

かつてはあれだけ豊富だったお花はほんとうに少なくなりましたね。さすがにヤマトリカブトはいましたが、群生しているのはすでに病気持ちで、このままだとトリカブトですら危ないのかも。

この日は南尾根か浜立尾根どちらを下るか迷っていたのですが、林相をとって南尾根を下りました。ああ悪い子、、、。

B200930m(岩場を慎重に下ります)

B200930n(南尾根は中腹の自然林も見どころの一つ)

南尾根は上部の岩場を慎重に下れば、あとはすいすい下れるし、しかも中腹の自然林はいつ来ても素晴らしく、いつ来てもワクワクします。

もうなんべんも言ってる?かな?あまた通る滝子山の登山道の中で一番推奨する道はと聞かれれば、自分は南尾根と即答するでしょう。もちろん登り限定ですヨ。

B200930o(吉久保の稲村神社)

無事に林道に出たらあとは笹子駅のつもりだったんですけど、吉久保に出たところでバス停の時間を見たらかなりいい時間だったので、山歩きはここで切り上げました。

これまた十数年ぶりに吉久保の稲村神社で道中の無事を感謝し、着替えを終えたら丁度よくバスがやってきて大月駅へ直行~のつもりだったんですけど、連休のもの凄い人出のおかげかR20は渋滞が酷く、手前の初狩駅前で下ろされたのは想定外でした。ここのところずっと空いているイメージでしたから。でも山間の一般道の渋滞なんてずいぶん久しぶりに見かけたような気がします。

 

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