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2019.09.22

奥帯那山に届かずも、愉しい尾根歩き

B190921a(昇仙峡の羅漢寺山・奥帯那山南西尾根は展望スポットも多い)

当初は丹沢のあるお花を見に行く予定も、関東の天気があまり宜しくないという予報が出てしまい、どうしようどうしよう・・・と悩んだ末にふと気がついたのが七月に歩いた黒平峠の尾根の南にある、奥帯那山から南西に延びる尾根(塔岩川右岸尾根)のこと。コレはよさげじゃん!と思ったらやっぱり松浦さんが歩かれてましたね。

でもおかげで歴史的な妙味もありそうと、興味がよりわいてきて、さっそく歩いてきたのですが、例によってのんびりペース。途中までの歩きになりました。

B190921b(登りだし。端からいかにも岩の多そうな所でした)

甲府に出たのはおととしの初歩き以来かと。昇仙峡の方へはバスが走っているのですが時間が合わず、タクシーで塔岩林道の入口でもある平瀬バス停へ出て(¥3880)からのスタート。このあたりオニグルミが多いですね。実が沢山なってます。まずは林道をてくてく歩き、例によって適当なところから尾根に取り付きました。

とはいえこれは甚だ不正解だったようで(笑)林道を二度ほど突っ切ってからようやく本格的な山登り。急な露岩帯がいきなり出現したのは予想できたものの、行く先が案じられますねえ。

B190921c(白ザレの斜面・峠みちの名残とおぼしき道形が残っている)

B190921d(こういう緩やかな箇所もある)

せっせと登ってやっとこ南西尾根上にあがれば、ここからからが本格的な尾根歩き。アカマツ混じりの雑木林を抜けるといきなり白ザレの斜面が現れたり、小広い尾根上が白ザレだったり、これがこの辺りの雰囲気なのでしょうね。とにかく新鮮!ぼちぼち天神峠みちとおぼしき道形も確認できます。

なので展望の利く場所にも事欠かず、想定以上に天気が良かったので展望も楽しめるというおまけもついてました。

B190921e(行く先の913m峰を望む)

B190921f(痩せたザレ尾根が続く箇所もある)

ここはここに降りるところがちょっと滑るかな?こういうの見ると個人的には西丹沢を思い出しますね。

とはいえこちらの方がザレが白いから綺麗に見えますし、西丹のような通過が恐ろしい箇所もとりあえず、ない。なかなかいいですよ!

B190921g(イワギボウシ・この日唯一のお花)

B190921h(ちょっとしたことで谷底へ落ちそう・・・曰くありげです)

913m峰まではザレた痩せ尾根に露岩の急登が続いて、ちょっとした嶮所であるこの辺りがこの尾根のハイライトかなあ。地形図を見るとかの天神峠みちは、この尾根の途中から右の斜面へ外れてダアス峠へむかっているのですが、そうなっている理由がよくわかります。

そして登りきった913m峰は展望の良い小広いスペースになっていて、ここは良い休憩場所になるでしょう。

B190921i(ダアス峠)

913m峰の東鞍部が峠みちが鞍部を突っ切るダアス峠。松浦本は馬頭観音が置かれていると書かれてあったので、一同で探したのですが見つからず。今はないのかどこかに埋もれているのか。。。

峠から登り返すと再び露岩が続いて、手がかりには事欠かないものの、気が抜けません。

B190921j(露岩の急登はまだまだ続く)

B190921k(竹日向町の集落が見える)

その露岩帯を登り切った奥にある白ザレのピークがいろいろちょうどよかったので、今回はここでランチ。奥に木陰のスペースがあって助かった!展望は当然絶佳。南アは雲がかかって鳳凰と甲斐駒の頭だけが顔を出している状態でしたけど、もうもう晴れてくれただけで十二分です。

とはいえこのペースでここでは奥帯那山まで行くのは時間的に厳しいので、今回の所は天神峠までとしました。となれば休憩はのんびりとれるわけで(笑)気持ちよく、楽しいひとときでした。

B190921l(白ザレのピーク)

B190921m(17号鉄塔・鉄塔の建替工事中)

休憩を終えたら先を行きます。詳細は記事の最後に附記として加えますがここからが少々ややこしいところでした。時期に出た17号鉄塔は建替工事をしており、↑↑この通り。もうこの頃にはかなり暑くなっていたので登り返しがしんどいしんどい。。。

それから1030m峰を越えるのですが、ここで注意したいのが天神峠は1030m峰西(手前)の鞍部ではなく、東(奥)の鞍部になること。ここの辺りは地形図が間違えており、松浦本が正しい記述になってます。しつこいようですがくれぐれもご注意のほどを。

B190921n(天神峠から巡視路を下って竹日向町へ向かいます)

B190921o(16号鉄塔も建替工事中)

台風の影響か?倒木が目立つ天神峠の鞍部に降り立ったら、まずは右の塔岩町側の峠みちを確認。松浦本によるとすぐに塔岩町の廃村に出られるようですが、それはまた別の機会にして、今回は左へ明瞭に延びる送電線の巡視路を下ります。

巡視路はまもなく北の尾根(北から1030m圏峰西へ延びている尾根)に乗ると、ひと下りで竹日向町へ下る道が別れて、そのすぐ先で木々のない明るい場所に出たなと思ったらそこが16号鉄塔でした。

B190921p(松浦本に載っていた祠へも寄りました)

16号鉄塔も17号鉄塔と同じく建替をしており、ここから尾根沿いに工事用とおぼしきモノレールの軌道が延びています。その軌道に沿って少し下ると松浦本にも出ている祠があったので挨拶をして、来た道を分岐まで戻りました。

あとは竹日向町へ下るだけ。巡視路は所々不明瞭な箇所もありましたけど初心者でなければ判断できるレベルでしょう。まもなく竹日向町の集落に降り立ったら、細草神社で道中の無事を感謝。とはいえまだ下の県道まで歩かなければいけないんですけどね(笑)。

B190921q(日向沢の旧道が思いのほか素敵でした)

集落を通り抜け、車道にかかる橋のたもとから延びる日向沢の旧道がこれが意外に趣のある道で驚きました。今やろくすっぽ歩かれてないはずなのに綺麗で、基本舗装もされているので一応市道なのでしょう。昔は集落の通学路にでもなっていたのかな?そんなことを想像しながら下る道のりもこれまた楽しいものでした。 

・・・・・☆

といことで、いちおう附記的なもの。

天神峠:松浦本表記の1030m峰を越えた東の鞍部がそれで、地形図の表記が誤りです。

送電線鉄塔の名称について:松浦本では南西尾根上にある鉄塔が18号鉄塔、竹日向町へ下る途中にある鉄塔を17号鉄塔と表記してありますが、実際は17号鉄塔、16号鉄塔が正しい名称でした。これは今現在送電塔の建て替え工事をしており、現場に正式な名称が記してあったからで、松浦本が間違えているというより、たぶんですね、現場に複数ある送電線巡視路の標柱の表記が間違えていたのかな?と思います。たぶん松浦さんもそれから送電塔の名前を判断されたのではないのでしょうか。あとは今現在この送電線の鉄塔を一斉に建て替えているので、その流れで鉄塔が一つ減って番号が移動した、という可能性は考えられませんかね?専門家ではないのでその辺りはわからないんですけど。。。
 
・・・・・☆・・・・・☆
  
◆ 2019.09.14 (Sat)   晴
平瀬入口BS 09:25- 尾根上に上がる 10:10- 913m峰 11:40- ダアス峠 11:50-(途中休憩70分)- 天神峠 14:10- 16号鉄塔 14:35- 細草神社(竹日向町)15:10- グリーンライン昇仙峡BS 15:45

 

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2019.09.08

黒部源流部・未踏の稜線をつなぐ4(薬師岳山荘~太郎平~折立)

B190907a(薬師岳山頂より)

前の晩はお月見してたのでご来光でみんなが起きる時間に起きられず、ほぼ出払った後にのこのこ起きたので朝食はとっても優雅(笑)。ここはご来光を見て戻ってからでも食事ができるようになっているのですね。前はスゴ乗越の方へ縦走したのでそのあたりの事情に無頓着でした。

ということで朝食を終えてからのこのこスタート。山頂は近いので気は楽です。でも朝から晴れてはいるものの台風の影響で微妙に雲がかかり、もう「今日で下山してくださいね」といわれているような天気でした。

B190907b(前日歩いた黒部五郎と北ノ俣岳)

B190907c(薬師岳山頂)

行ったことのある人はわかるのですが、小屋から見えるピークは山頂ではなく手前のカールが始まるピーク。そこから緩く下って登り返すと薬師岳の山頂に到着します。

薬師の山頂は都合三回目。でも前の二回はことごとくガスられたので、山頂で晴れたのは今回が初めて。まさに念願でした。

B190907d(劔・立山からスゴ乗越への稜線)

展望は東の後立山はガスが上がっていたものの、他は良好。個人的に惹かれるのは立山へ繋がるなおも北へ延びる稜線ですね。

北薬師からスゴ乗越への下りはジェットコースターのようで最高でしたし、スゴ乗越から五色ヶ原の間のタフな道のりも不思議と軽々と、そして風のように歩けたあの感覚が忘れられません。

B190907e(さあ下山しませうか、、、)

B190907f(オヤマリンドウ・まだ花は開いてない)

体力的にはもう二、三日歩いてもいい感じだったんですけど、さすがに台風が近づいているので今回の所は下山するしかありません。

展望を心ゆくまで楽しんだら、名残惜しいですが来た道を戻ります。

B190907g(薬師峠から一山越えるところ)

B190907h(朝の太郎平小屋)

しかし下りはさすがに早い。一時間ほどで薬師峠のキャンプ場まで降りてしまいました。前日通りがかったときはテントが沢山張られて華やかな雰囲気だったのに、もうこの時間ではほとんど出払って寂しいぐらい。

キャンプ場から一山越えると太郎平の小屋に出ました。が、ここはほぼ素通りする感じで右の折立の方へ向かいます。

B190907i(キンコウカ・尾根はおおむね湿地のようですね)

B190907j(太郎平の方を振り返る)

折立への道は初めて。のっけは明るい緩い稜線が続く感じで、気持ちよく歩けそうに見えましたが、実際はゴロタも多く意外に歩きづらいですね。周囲はほぼ湿地のようで、キンコウカやイワチョウブが沢山咲いていて見事でした。

このあたり、ここまで歩かれる以前はもっと神秘的な所だったのかなあ・・・と想像したりもしてしまいますね。

B190907k(道はこんな感じで延びている)

台風の影響で尾根は風が通るとはいえ、降るにつれ気温が上がり徐々にしんどくなってきます。まだ高木がない箇所は風があるのでよかったのですが、樹林帯に入ると一気に暑くなり汗が噴き出します。

しかも急な下りが続き、道が洗掘されている箇所も多く、かなり歩きづらいですね。というか下りだからよかったけど登りは少々しんどそう。まるで飯豊のような(笑)。

B190907m

(ゴヨウマツの巨樹)

B190907n

(ネズコの巨樹も!)

下るのでもしんどい道のりですけど、雪国の樹林帯といえばやはりこういう巨樹がいらっしゃいました。

登りの人も下りの人もあまり気にしないで素通りされてるのはちょっと残念かも・・・。特にこのゴヨウマツは大きさといい樹形といい、見ものなんですよ!

B190907o(折立に出ました)

そして行く先にこれまた立派なミズナラの巨樹が目に入るとその先がもう折立の登山口でした。話には聞いていましたが、ここって自販機以外本当になにもないところなんですね!水道で顔を洗って着替えたら、なんと予定していた一本前のバスに乗れてラッキーだったんですけど、有峰口で降りたのはかなりマズかった。

下界は35度を超えている上に想像以上にローカルな駅前には自販機すらなく、しかも電車は40分以上待たされて、その先の予定していた連絡も悪くて結局地鉄で富山へ向かうという、、、これならバスでそのまま富山駅に出れば良かったじゃん!いやね途中でお風呂に入るつもりだったのです。そのあと富山駅からそのお風呂へ行ったんですけど(笑)。
 
・・・・・☆
  
◆ 2019.08.14 (Wed)   晴 後 曇
薬師岳山荘 05:45- 薬師岳 06:25/06:35- 太郎平小屋 08:10- 三角点ベンチ 09:35- 折立 10:30
 

バス(折立~有峰口駅) ¥2400

 

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