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2019.04.14

見どころいっぱい石砂山

B190414a(牧馬大滝に虹がかかる)

この時期の山はお花の咲きぐあいに左右されてしまい、けっこう迷うもの。今回は久しぶりにギフチョウ狙いで、いまだ未踏だった東尾根を絡めて石砂(いしざれ)山を歩いてきました。

三ヶ木からのバスに乗るのもかなり久しぶり。とはいえ今はR413の不通でバスは平丸までのようだけど、今回は青野原で降りるので無問題です。その割にハイカーが多かったのはさすが丹沢!といったところでしょうか。

B190414b(道志川のほとりに降りて、あの釣橋を渡ります)

西丹沢通いで乗り慣れたこのバスも、青野原で降りるのははじめて。ここから道志川のほとりの降りるのもはじめてで、ほとりはキャンプ場になってるんですね。桜も満開でキャンプ場は大盛況。ここでのんびりボーっとキャンプするのも良さそうな、好ましい場所でした。

そのキャンプ場の間にかかる立派な釣橋で道志川を渡り、しばらく登ったところから左手の沢に降り、東尾根に取り付く・・・のではなく、まずは伏流となった沢を行き、牧馬(まきめ)大滝へ向かいます。

B190414c(石砂山東尾根上にあがったところ)

沢はじきに水流が現れますが山靴でも行けるレベルで、途中のナメ滝にはロープが張られています。おおよそ30分ほどで大滝に到着しましたがこれが想像以上に立派な滝!15mはあるのかな?その上、滝に虹が架かって、しかも虹が「全く消えない」という素敵なおまけもついて、ほんとうにラッキーでした。

そんな様子に長居をしてしまい、それから戻って、適当なところから東尾根に取り付きました。

B190414d(フデリンドウ)

B190414e(道中、タチツボスミレが群れ咲いていた)

尾根上はすでに芽吹きが始まり、周囲がふわっとしたような柔らかい感じの雑木林の様子にワクワクしてきます。これから新緑あたりにかけて命のエナジーがあふれる(本当に!)一年で一番いい季節。というか、もうなんべんも云ってますが(笑)この時期は山を歩くだけで元気になれる、自分が一番好きな季節です。

お花もぼちぼち咲き始めていて、タチツボスミレもようやくまともに見られました。というかすでに群れて咲いていて、道中を彩ってました。

B190414f(ギフチョウがこんなに普通に飛んでるなんて!)

B190414g(このあたりは淡い芽吹き)

406m峰に上がった辺りで、蝶が飛んでいたのでなんだろう?と思いつつ、うまいこと蝶をカメラに収めると、なんとギフチョウ!なにこのあっさり見つかる感じは?(笑)こちとらギフ狙いで初回は外して、お次は気温が急降下してくれたおかげで奇跡的に一頭だけ撮れただけなのに。。。

しかもこの先、日向では普通に飛び交っていて、その普通さに笑ってしまいました。ちなみに山頂で話を聞いた事情通さんによると、晴れていることと午前中、というのがギフチョウに逢える条件らしいです。

B190414h(ヤマツツジも咲き始めていた)

B190414i(ミツバツツジは見事でした)

ミツバツツジもヤマツツジも咲き始めていて、特にミツバツツジはなかなか見事な咲きっぷり。今シーズンは期待できそうですよ。

こんな感じで、ほかのツツジも続いてくれると嬉しいんですけどね。

B190414j(最後の登りを前にして)

B190414k(ウグイスカグラ)

東尾根は基本雑木林の尾根ですが、中間に植林帯があって、それを抜けるとギフチョウも再び飛び交うようになって、最後の登りにさしかかります。

ここは急ですが、芽吹きの林を愛でながら登っているとあんがいすいすい行けて、石砂山の山頂(東峰)に飛び出しました。が、お昼時なのに人が少ないのにビックリ。事情通の認識的にはギフの時期は過ぎたと云うことなのでしょうか?以前ギフの時期に訪れたときは大混雑していたのでなおさらです。

B190414l(ヒトリシズカ)

B190414m(石砂山西峰から東峰をのぞむ)

それでもランチは登山等から外れた西峰でとりました。やっぱり静かな方がのんびりできますねえ。

こっちは誰も来ないだろうと思い込んでいたら、片付けをしている間に団体さんが通り過ぎて冷や汗。あぶなかったあ。。。

B190414n(川上ドッケ<499m峰>へのくだりしな)

B190414o(昨年の台風の爪痕か?倒木が多い)

ランチを終えたら、西峰からそのまま北尾根を下ります。こちらも一部急降下があって気を遣いましたが、雑木林が多くて快適に歩けて楽しい道のり。

祠の建つ川上ドッケからは未踏の右の尾根を下り出すと、ここから突然倒木が増えたのは驚きで、おそらく去年の台風の影響なんだろうけど、いままで歩いた箇所とどこに違いがあるのだろう??

B190414p(尾根下部は伐採されて、鉢岡山が丸見え)

B190414q(篠原の大石神社・舞台が回転する)

尾根の末端部は伐採されて周囲が丸見え。その名の通りの鉢岡山を望みつつ、末端近くで主尾根を離れて神社マークの尾根を下ると、うまいこと篠原に降り立ちました。あとはそのまま帰途につくのではなく、集落にある大石神社に寄ってみると、

本殿の前にある拝殿が舞台になっていて、しかも舞台が回転する廻り舞台!かつてはここで村歌舞伎が行われていたとのこと。偶然にも舞台が回るところ見られたのもラッキーでした。

B190414r(またまた渡しに乗ったのでした)

んで、最後は相模湖の渡しにも乗って、この日は偶然が重なったとはいえ最初から最後まで見どころばかりの一日。こんな日も珍しいというか、石砂山でこんなに見どころがあったんだなあ、としみじみ。でもねえ、この渡しは本当に気持ちいいから、ちょっと高いけど本当におすすめです。対岸の観光施設の昭和っぷりも今となっては見どころでしょう!(笑)

 
・・・・・☆
   
◆ 2019.04.07 (Sun)  晴
三ヶ木 06:55→ 青野原 07:05- キャンプ場 07:15/07:35- 牧馬大滝 08:15/08:35- 尾根取付 09:00- 尾根上 09:30- 石砂山 12:10- 西峰 12:30/13:30- 川上ドッケ(499m峰)13:55- 大石神社 14:55

 

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2019.04.10

巨樹に導かれた坂戸沢

B190410a(坂戸沢のひとコマ)

今年の春は不思議と??ちょこちょこお山に入っていますねえ。

この日(03/31)は午後から所用があったので12時リミットの山。ということで以前はっぴーさん(記事はこちら)に教えてもらった鳥屋鐘沢のカツラの巨樹でも見に行こうかと、一月ぶりに訪れた本間橋から歩き出したのですが。。。

B190410b (フサザクラ・本間橋周辺で満開)

B190410c (この二俣の中間の尾根にとりついた)

天気は回復の予報が出ているにもかかわらず、歩き出しは無情のガス。でも山中は鳥の鳴き声が響いて回復しそう?な?雰囲気です。とりあえず坂戸沢沿いにゆるゆる歩いて、30分ほど歩いたところで出た明瞭な二俣を最奥の二俣と思って、中間の尾根を登りました。

急な尾根を登って登って稜線に出ると、稜線もガスガスで周囲もよくわかりません。そこからひと下りでヌタノ丸との分岐のはずなので、ここで尾根を下りはじめると、あれあれ??なんか変だぞー。

B190410d (この辺りに上がり)

B190410e (725m峰)

尾根の向きも変だしなにより早戸川の音が聞こえてきて、あーこれは725m峰へ下っているかもーと気がついた時にはすでに725m峰まで下ってました(笑)。あーあ。。。

この日のリミットは12時なので、このまま登り返してヌタノ丸へ向かうには時間的にかなりしんどくなります。なのでとりあえず分岐は確認しましょうと来た道を登り返したのですが、ここで巨樹の影が見えるので寄ってみません?といわれたので、とりあえず寄ってみると・・・

B190410f (これは・・・)

B190410g (圧倒的な存在感)

これがこれが想像以上の風格を持った巨樹で驚きました。幹周り5mほど。すぐ上で二手に分かれた幹も3m級で、この形を見るとまずはミズナラが浮かぶんだけど枝振りが明らかに違う。

ならばケヤキかもと思うも、落ちずに残っている枯れた葉が全縁なのでブナと判断するのは早計で、

B190410h (樹皮で一目瞭然)

ここはアテになることが意外に少ない樹皮を確認するとイヌブナでした。とするとこれは相当の稀品ですよ!

もともとイヌブナは根元からひこばえのように枝分かれするのが大半で、主幹が太く育つこと自体が稀。なので巨樹クラスのイヌブナ自体が稀なのです。

T_p1000065 (お目にかかれて光栄です)

B190410j(ここが直登路との分岐だったとは!)

おかげで敗色濃厚な雰囲気が一変。これがあるから山歩きはやめられない!!巨樹の存在感に身震いしながらも心ゆくまで共にしたら、興奮覚めやらぬ中、本間橋へ向かったのでした。

 
・・・・・☆
   
◆ 2019.03.31 (Sun)   霧
本間橋 07:30- 二俣 08:00/08:10- 稜線 08:50/09:00- 725m峰 09:35- イヌブナ巨樹 10:05/10:30- 下降点 10:45- 本間橋 11:10

 

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2019.04.03

春のうららかな沢を遡って百蔵山へ

B190330a(コタラ沢のひとコマ)

14年もやっていたことがいきなりガラッと変わると、記事作成もいろいろやりづらいですねえ。。。とはいえ、ココログがこのまま放置されないことがわかっただけでも収穫ですし、慣れれば新しい方が便利なのはわかっているので、とりあえずやるしかないですね。

先週の日曜(03/24)はかなり安定した好天。とはいえお花の時期的に長いところはまだまだなので、近場で気になるところということで、遅出で本当に久しぶりにコタラ沢と大洞岩を再訪しました。

B190330b(浅川の指さし地蔵)

落合橋はぼちぼち訪れてはいたものの、奥にある指さし地蔵やコタラ沢はなんと13年ぶり。葛野川左岸の径路は途中の沢の大崩落の改修で工事関係者が通っているようでかなり明瞭。久しぶりにお目にかかったお地蔵様にはお酒も備えられていて、面倒見されている様子にほっとしました。

そんなお地蔵様に挨拶したら、さっそくコタラ沢に入渓します。今回は径路は無視して水線に沿って歩くのが目的で、前に下ったときの様子から山靴でも行けそうな感触があったので、いつか登ってみようと思っていたのです。

B190330c(いざ入渓)

B190330d(カタクリ・咲き始め)

早速入渓すると、いきなり咲き始めのカタクリの出迎えをうけて気分が悪いわけがありません。沢は若干荒れている感じで決して素晴らしい渓相とはいえませんが、沢の向きのせいか明るい日差しが入って、ゆるゆる歩くだけでなんとも春うらら。

沢ゆえの湿度も、流れる音も、その気持ちよさをより増幅させているように思いました。

B190330e(緩い渓相がなかなかよろし)

B190330f(アブラチャンの花がすでに散り始めていた)

驚いたのはすでにアブラチャンの花が足下を埋めていたこと。おそらくここ数日の強風のせいだと思うのですが、その落花もまたまだ彩りの乏しい足下や水面を彩ってくれてます。

時折現れる堰堤は難なく越えられるし、小滝もゴアの山靴ならまったく問題なく、たいへん快適に歩けて気分も上々です。

B190330g(埋もれそうな石垣が気になる)

B190330h(ヨゴレネコノメ)

お花の方はカタクリのほかはユリワサビと咲き始めのヨゴレネコノメ。木の花はアブラチャンとフサザクラ。残念ながらハナネコ、コチャルメルソウはいなかったなあ。。。

あとニリンソウは葉っぱだけだけどぼちぼちいそう。イワタバコもぼちぼちかなあ。

B190330i(沢を辿ったのはこの640m圏二俣まで)

結局捲いたのは途中の廊下だけで、廊下の入口の滝が迫ってて捲きましたが、そこも沢靴だったら問題なくそのまま行けます。

やがて水流が減ってくる頃、ほぼ最奥ともいえる640m圏の小広い二俣に出ました。ここで軽くランチを取ったら遡行は打ち切って、中間の急な尾根をひたすらに詰めます。

B190330j(百蔵山山頂より)

地形図通りの急な尾根を登ること20分ほどで稜線の登山道に飛び出しました。とはいえここから百蔵山まではもうひと登り。普段はハイカーで賑わう百蔵山も、この時間になると人っ子一人いません。

ここで展望を楽しみつつ、下山はどうしましょう?ここで大洞岩もご無沙汰していたことに気がついて、そちらへ久しぶりに降りることにしました。

B190330k(大同山<907m峰>南西尾根のひとコマ)

お隣の大同山に出たら、ここで南西尾根の下降に移ります。この尾根も大洞岩に寄った以来だと思うのですが、前は灌木がうるさかった覚えがあったのに、こんなにスッキリしていたっけ?ってぐらい歩きやすくて驚きました。とはいえ尾根は少々急なのでそれなりの技術は必要ですけど。

お花もダンコウバイやツノハシバミが地味ながらもちょこっと咲き始めて、尾根もう春ですねえ。

B190330l(大洞岩より大同山・百蔵山を振り返る)

B190330m(同じく・葛野の辺り)

いったん林道に出たら、林道を適当に追って、再び尾根に分け入るとじきに大洞岩に飛び出しました。南の猿橋から見るとあまり目立たない姿も、北の葛野の方から見ればキリッと聳えて見える立派な岩峰です。

そしてその姿の通り展望もよろしく、特に葛野側の広がりが新鮮で、しばし見入ってしまいます。

B190330n(ヤマツツジが咲いていた!)

B190330o(大洞岩からの下りは高度感があり、要注意)

最後の展望を楽しんだらあとは葛野へ下るだけ。とはいえ岩峰ですから↑↑この通り、急で高度感もあって侮れません。

ただ踏み跡はしっかりしているので慎重に降りればさほど難しくはなく、かえって途中の急崖を捲く辺りの方がしんどいかもしれませんね、

B190330p(捲きも急で気を遣う)

B190330q(葛野川より大洞岩の様子)

その急崖を捲き終えれば、一くだりで祠に出て、ここから先は明瞭な径に導かれて、間もなく県道に降り立ちます。そこから少し戻ると宮古橋のバス停で、バスの時間を確認すると40分以上ありません。となればここは歩いて猿橋へ向かう方が得策です。

葛野川沿いのサイクリングロードは空が広くて、開放的で気持ちがいいですね。晴れ晴れとした気分になれたのは、もちろんロケーションのおかげでしょうけど、短いながらもなかなか充実したコースでかなり楽しめたこともあったのでしょう。

 
・・・・・☆
   
◆ 2019.03.24 (Sun)   快晴
落合橋 11:25- 指さし地蔵 11:35- 640m圏二俣 13:00/13:25- 百蔵山 14:00- 大同山 14:20- 車道に出る 14:55- 大洞岩 15:15/15:20- 宮古橋 15:45- 猿橋駅 16:15

 

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