桑西から金山へ・雑木林の尾根を辿りながら
(このミズナラの巨樹には気がつかなかった??)
以前は本当に足繁く通っていたこの辺り。桑西(ハマイバ前)から歩き出すなんて何年ぶりだろう?でも一旦歩き出せば、林道の様子はやはりよく覚えていて、嬉しさと懐かしさで足取りも軽かった、かなぁ?
じきに着く尾根の突端に赤い鳥居があって、今回はそこから延びる参道から取り付く段取りのはずも・・・実際その場にあったのは真新しい石造りの立派な鳥居と祠。どうやら久しく後無沙汰している間に神社が下に降ろされたようですね。
(大山津見神社はいつの間にか下に降ろされていた)
おかげで神社の名前が大山津見神社と言うこともわかったのが収穫。挨拶がてらさっそく参拝したら、使われなくなった?参道へ。ひと登りで出た、大岩と枯れた大ブナ?の許に小さいながら新しい祠が置かれており、おそらくここがもともと神社のあった場所ではないでしょうか?
そしてこの辺り、妙な径が通っているのがかなり気になりました。もしかして林道が通じる前の真木川沿いの径かも?とも思ったけど、もちろん正解かどうかは不明ですよ(笑)。
(これこそ自然のgateway)
奥社から先は尾根をそのまま辿ります。急ながらも雑木林の尾根は快いです。風が冷たくてかなり寒いけど。
今回は↑↑この木がこの日一番のヒットでした。自然のゲートウエイとでも言いたくなるミズナラの立派な木。木は樹皮まわりで生きているというのがよくわかりますね。こんな状態でも樹勢が案外良好なのも地味に凄い。
(尾根のスズタケは消滅していた)
やがて野分沢の右岸尾根上に上がり、当面のピークである中双里を目指します。
この尾根は12年ぶりで、当時は藪で歩きづらかったイメージも、ご多分に漏れずここもスズタケの類いはすっかり枯れて、歩きやすくなっていました。
(この辺りも)
(12年前<2006.12.02>のおおよそ同じ辺り)
藪がなくなれば、地形図通りの広い広い尾根をゆるゆると歩けて嬉しい限りです。おかげでいろんな発見があって、トップのミズナラの巨樹はほぼ意識していなかったみたい。大きな枝が折れてなければ幹廻り6m超えていたと思われるかなり立派な木です。
今まで続いた雑木林から、なぜか暗い植林帯を介して出たすぐ先が中双里の山頂。この辺りも下生えのミヤコザサ?がすっかり消えてました。
(大ケヤキダルの辺り)
おかげで大ケヤキダルあたりの広い鞍部が、どこか玄倉の水晶平にも似た雰囲気・・・とか言っちゃうと、それは盛り過ぎだろうと思いっきり否定されそうだけど、でもそれっぽい雰囲気を少し感じたんです。
(アリノトワタリ・実は下に巻道あり)
鞍部から先は左手に明瞭な径が通っているのですが、ここはもちもち尾根伝い。アリノトワタリを渡ってあげないとね(笑)。
こういうザレたギャップというのは別に西丹沢の専売特許ではなく、この辺りでも掘抜ドウミや御正人ノタルあたりがすぐに浮かぶくらい結構あったりします。
(奈良子林道より、富士と大谷ヶ丸)
奈良子林道に上がった辺りで予想通りお昼になったので、ランチ場を探しながらの林道歩き。
もくろみ通り、うまいこと風の避けられる暖かい場所が見つかって良かった。これが山中だったら見つかってたかどうか。寒い中思わぬご馳走が出て(!)、なんとも感謝しかござりませぬ。
(野分ノ頭東尾根・こちらも上部は尾根が広い)
ランチを終えたら林道をなおも東へ行き、野分ノ頭の東尾根が乗り越すところで、東尾根の下降に移ります。
こちらを歩くのは中双里の初訪以来15年ぶりのこと。これまたどこでも歩けそうな広尾根の雑木林がなんとも楽しいのですが、尾根が広い故に下りは進路には要注意かも。
(気持ち良いが、進路に注意が必要)
(南の中村・金山側は斜面がおしなべて落ちている)
久しぶりに歩いて驚いたのが、尾根の中村・金山側である南側が、おしなべて落ちていたこと。しかもかのザレた地質で!
中村川とか土沢・金山沢の上流部って実は案外魔境なのかもね。ちょーマイナーだから誰も知らないだけで(笑)。
(金山峠<ドウミ>)
金山峠はとうげではなく、ドウミと呼んであげたい今日この頃。
金山へ下る尾根道ができて久しいのですが、やっぱり従来の沢道の方が早いよね、ということで沢道の方を降りてみたのですが・・・
(沢道は手入れが最小限で、思いの外荒れていた)
これが結構荒れてて驚きました。というかこの道を歩くこと自体20年以上ぶりでほとんど覚えてなかったのですが、改めて歩いてみると、ザレた嶮谷が続いて、よくもこんな所に道がつけられてて、しかも雁ヶ腹摺山のメインルートになっていたなんて・・・と。
金山沢の水量もその流域の狭さからすると異常に多くて、橋はないし、徒渉に少々手間取りました。
(氷の造形もちょこっと)
なので今は時間的に見ると尾根道とさほど変わらないのではないでしょうか?橋を架けてなかったり、道の手入れ自体が最小限にとどめられているのも、おそらく道が安定している尾根道の方をメインにしたいからなのかも。
林道に出て、満開の冬桜に出迎えられれば、金山鉱泉はもうすぐ先。周囲はすでに暮れかけてて、しんしんと冷え込んでも、それをよい風情と思えたのは、山歩きが充実していたからでしょう。
・・・・・☆
◆ 2018.12.15 (Sat) 晴
大月駅 07:00→ ハマイバ前 07:30- 大山津見神社 07:50/08:05- 中双里 11:20- 奈良子林道に出る 11:40-(途中休憩70分)- 野分の頭東尾根を乗越す 13:30- 金山峠 14:30/14:40- 金山鉱泉 16:15
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コメント
ba_sobuさん、
うーん自分にはよくわからないけど、そうですか。でも写真を見てると今は一番昏い冬至前後の日差しの色なのがよくわかります。冬至を過ぎて、これから徐々に明るくなっていく。その光の移り変わりを愛でるのも冬の山歩きの愉しみかなと、改めて思いました。おつきあいいただきありがとうございました。
投稿: komado | 2018.12.23 09:03
落葉の雑木尾根、陽射しに溢れ、そして透ける青空・・
komadoさんの山って感じがします(勝手なおもいこみ?)
投稿: ba_sobu | 2018.12.22 06:46