常念山脈の末端部を歩く 2
(翌朝は松本平も安曇野も雲の下)
まぁ星見をしていた事もあったんですけど、リラックスできてた方が大きかったのでしょうか?翌朝は見事に寝坊して、目覚めたのが5時前。あわてて準備をし、20分ほどで小屋を後にして歩き出しました。
昨晩も朝はそんなに気温が下がっているように感じなかったのですが、なんと小屋周辺の背の低い草は霜がついていてビックリ!高山帯とはいえど8月というかお盆に霜を見るのは初めてですよ。
(朝の大滝山荘)
(なんと霜が!)
南へひと登りすると三角点のある大滝山の南峰で、ここも周囲が開けているので最後の展望でも・・・と思っていたら、なんと稜線の東は雲海が!前の晩まで見えていた松本平や安曇野は雲の下。
これならまずは北峰に寄るべきでした。でもでもこの山行きは夏山で見られるものの大半が一泊で見られて、本当にラッキーでした。
(南は富士に甲斐駒~塩見の稜線)
(行く先の稜線の奥に乗鞍・御嶽)
これから下るばかりなので、南峰で最後の展望を心ゆくまで楽しんだら先を行きます。
しばらくは稜線の東側が開けてましたけど、まもなくにシラビソの樹林帯に突入。ひんやりとした黒木の森を楽しみながら、そしてちょっと捜し物をしながら?静かに歩く感じでしょうか。
(中村新道・シラビソの樹林帯を往く)
(槍見台・しっかりしてました)
捜し物の方はだめかなー、とちょっと諦めかけた頃、周囲のシラビソの木で組んだとおぼしきヤグラが現れると、それが槍見台でした。見た目は怪しそうでしたけど(笑)実際登ってみるとしっかりしてたので上まで登ると、をを!これは偽りなく槍見台だ。
ということでここで槍穂の稜線を眺めつつ、朝のおべんとを頂きました。
(これは明神見晴らしより)
(コメツガが多くなってくると徳本峠は近い)
おべんとを食べたらなおも先を行きます。槍見台から40分ぐらいで出た、明神見晴らしという所でも少し展望が楽しめます。
その見晴らしを過ぎるとコメツガが増えてきて、徳本峠へ向けて急降下。じきに小屋のある峠に降り立ちました。
(徳本峠・テント張りっぱなしなのは・・・)
決して広いとは言えない鞍部にテントが張りっぱなしなのは、往復で5時間はかかる霞沢岳へ行かれているからでしょう。そしてテン場は想像よりは広いイメージ。でもテントの張られ方を見ると週末は大混雑してるのも頷けますね。
峠で少し休んだら、上高地には絶対に近づきたくないので(笑)、当然島々の方へ下ります。
(明るい詰めの樹林帯)
(センジュガンピ)
島々谷の道はもちろん初めて。この道は松本から上高地へ出る有名なクラシックルートでもあるので、一度歩いてみたかったのです。
最初は明るい沢の詰めをつづら折れに下り、水場を過ぎた辺りからトラバースに変わると、道はまもなく島々谷沿っていくようになります。
(渓畔林が美しい)
(シナノキの巨樹)
この道、特に上部の白眉はなんといっても渓畔林の美しさ。トチにカツラの巨樹はもちろん、驚いたのはシナノキが多いこと。丹沢では稜線で見かける木ですよ。
そして沢沿いというのは湿り気がある分瑞々しくて、少しホッともしますね。
(すでに10km近く歩いてるんですけどねえ。。。汗)
(岩魚留小屋の大カツラ・幹廻り10mはありそう)
道はしっかり整備されており、歩きづらい箇所が一部ありましたけど、慎重に行けば問題ないレベル。
そして行く先を塞ぐように立つ巨大なカツラが見えると、その先が岩魚留小屋でした。小屋は残念ながら荒廃が進んでおり、もう復活は無理そう?な感じにも見えましたけど。。。
(小屋は荒廃が進んでいるよう)
(沢に沿って道が続く)
小屋から先は道もよりしっかりして、歩きやすくなります。
滝や廊下を交えつつ、徐々に水量が増えていく島々谷を見下ろしながら歩くのは本当に楽しいです。そして何度か渡り返しがあるのも良いアクセント。往き橋、戻り橋と曰くありそうな名前のついた橋の由来も気になりますね。
(両岸が迫っている箇所は桟道ができている)
(島々につきました)
そんなキモチの良い歩きも二俣まで。二俣からは林道歩きが待っていて、ちょっと嫌な気分にもなりかけましたが(笑)、一般車通行止めのお陰で意外に気持ちよく歩けました。
でも林道歩きよりしんどかったのがせせらぎの湯までの道のりで、梓川を渡ってから700m戻るのが(!)かなり堪えました(笑)。おかげで帰りはタクシー呼んじゃいましたよ。まぁ幸運続きの良い山行きができたから、気分は最高に良かったですけどね。
・・・・・☆
◆ 2018.08.19 (Sun) 晴
大滝山荘 05:20- 大滝槍見台 07:05/07:30- 徳本峠 08:55/09:05- 岩魚留小屋 10:35/10:45- 中間点 11:30- 二俣 12:20- 島々 13:45- せせらぎの湯 14:15
せせらぎの湯 ¥510
タクシー(せせらぎの湯~新島々駅・迎車) ¥1680
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コメント
ba_sobuさん、
そうそうba_sobuさん、霞沢岳行かれてましたものね。山遊記で書かれていた岩魚留小屋のイラストも覚えてますよ。というか岩魚留小屋って自分の中ではあのイメージでした。
なので荒廃しかけた小屋は少々淋しいモノがありました。でもあそこのカツラの巨樹は本当に見事ですね。ああいう木に逢えただけで歩いて良かったと思いましたよ。
投稿: komado | 2018.09.05 21:50
komadoさん こんにちわ
徳本峠~島々 懐かしいです
霞沢岳からこの道を歩いたのが
私にとっての初めての北アルプスだったからです
16年前の記録を読み返しました。岩魚留小屋のこと書いていました ヒデちゃんという小屋番さんの絵まで描いてました
頭の中はすっかりわすれていたのに、
あの道はまた歩きたいです
投稿: ba_sobu | 2018.09.04 22:06
AKIOさん、
さすがに平日は空いてて羨ましいですねえ。中村新道で会った方もテントだったらしく張るのが大変だったとぼやいていたぐらい。あの敷地ですから、そうなるのもしょうがないですね。
島々谷の道は最後の林道が歩きがなければ印象も変わるのでしょうけど、それ込みでも楽しい道のりでした。沢沿いの長いルートって案外少ないからそういう意味でも貴重かと。でも岩魚留がやっている頃に歩いておけばよかったという後悔はあります。
投稿: komado | 2018.09.03 23:19
Komadoさん、こんにちは。
18/19日の週末は、天気/気温共に今年一番の夏山日和の週末だったようですね。
徳本峠の旧道は小生も一度歩いてみたいと思っています。7月下旬に峠でテント泊した時も、島々谷から夕暮れ間際に登ってきて小屋泊される人達もおられましたので、「道は良さそうだけれど長そうだなぁ」と思っていました。
徳本峠のテントの写真を見て多いのに驚きです。
小生は平日泊でしたが、小屋は満員でも写真のスペースは2張のみ、われわれは島々谷への下り口の奥に張ることができました。
投稿: AKIO | 2018.09.03 08:31
ゴン太さん、
自分は上高地が苦手、というか正直あまり好きではありませんのです。帰りのバスは腹立たしいし、実は横尾までのあの道のりも少々。。。。かの涸沢へ行かないのは人が多すぎるのと、あの道のりを考えるときが向かないからというのもあったりします。
なので自分が上高地に降りるときは20000円ぐらい平気で使えるときだけかと(笑)。でも嘉門次の岩魚は一度は食べてみたいと思ってるんですよ。
投稿: komado | 2018.09.02 23:22
komadoさん、こんにちは。
中村新道や徳本峠の様子が知りたかったので、2を楽しみにしていたのですが、なんと、徳本峠からは上高地ではなく島々へと歩かれたのですね。 実は上高地発のバスの混雑ぶりを聞いてみようかと思っていたのですが、こちらのクラシックルートにはとても興味があったので、写真も含め直近の様子が良くわかり、ありがたい情報です。
こちらへ降りると汗を流せないまま松本電鉄に乗ることになるとばかり思っていたのですが、せせらぎの湯が昨年リニューアルオープンしていたのですね。
それにしても、徳本峠から島々まで5時間かからないとは、これは小屋泊まり装備でkomadoさんだから出来ることでしょう。ちなみに私の計画だけたくさんある北アプラン(笑)では、徳本峠を朝出発してこちらに降りてみるというものになっています。。。
投稿: ゴン太 | 2018.09.02 16:38