六十里越より浅草岳へ・ヒメサユリの径
(丸10年ぶりのヒメサユリ・ほぼ満開でした)
今年はお花が二週間早く進んでほとほと困っているのに、関東は早くも梅雨明けとは。。。といいつつ遅くなりましたが、先先週(06/24)は日帰り遠出で、夏のお花を見に11年ぶりに浅草岳へ行ってきました。
今回は未踏の六十里越からのルートを歩くのが目的。となるとコレを日帰りで行くには、浦佐駅から長駆タクシーを飛ばすしかありません。でももっと時間がかかると思っていたら意外や9時前には歩き出せて、この時点でこの日の勝負はついていた感じです。
(稜線下部のブナ林)
さすがにヒメサユリの季節。登山口には車が溢れていますが、ここからの浅草岳は長躯になるのですでに皆さん出払い済み。おかげで静かに歩けるのもラッキーでした。
林下には雪で根元の曲がった木々、花はすでにないもののユキツバキのつやつやした葉が懐かしく、ワクワクさせてくれます。じきに道が左へ直角に曲がるところに出ると、そこはすでに県界の稜線上。ここから稜線歩きの始まりです。
(タニウツギ)
ひと登りで開けた反射板の平地に出ると、目的地の浅草岳はまだまだ遠い存在。周囲に咲いている木の花はサワフタギにタニウツギ。自分にとってはありふれたタニウツギだって嬉しいのですよ。
そして足下にはハナニガナ。サンカヨウはすでに結実しており、今回は無理かなあ。。。
(この辺りから痩せた稜線歩きが始まる)
登りだしはまだ曇っていたのに、森林帯を抜けるとピーカンに晴れてくれたのは良いんだけど、日差しが強くて、これは日傘持ってくれば良かったかも。(実は持参するかどうか迷っていた)
足下のお花も徐々に増えて、タニギキョウにサワハコベ、ユキザサ、ムラサキゴケ、ミズタビラコ、ホウチャクソウ、コケイラン、ツクバネソウ、マイヅルソウ、イワカガミ、サンカヨウは何とか間に合い、チゴユリはいっぱい。ツバメオモトもお花はかなりお久しぶりでした。そして木の方はウラジロヨウラクがぼちぼち出てきます。
(アカモノ)
(道中、ヒメサユリがずっと見られた)
そして南岳を過ぎると、待望のヒメサユリが出てきます。すでに満開。ちょうどいい時に来られて良かった!個人的には飯豊の御坪以来、丸10年ぶりなので喜びもひとしおです。
そしてアカモノ、ゴゼンタチバナが足下を占め、オニアザミ、ツマトリソウ、ミツバオウレンが入れ替わり立ち替わり現れ、ベニサラサドウダン、ナナカマド、ヤマグルマ、と木の花も歩を進めるにつれ徐々に増えてきます。
(お次は鬼ヶ面山)
(ゴゼンタチバナ)
(本当にちょうど良かった!)
この稜線はヒメサユリが想像以上多く、花の香りが風に乗ってほんのりと漂うと、歩みもよりはかどります。
鬼ヶ面山は意外に人が多く、ここまでのハイカーもかなりいる感じでした。確かに浅草岳まで足を延ばすのは少々長いし、ヒメサユリ目当てなら、鬼ヶ面往復のショートコースでもいのかも知れませんね。
(南岳を振り返る)
(オノエラン)
オノエランもご無沙汰。緑色のランはキソチドリ辺りでしょうかね??(笑)緑のランは個人的に鬼門なものですから。。。
そして北岳のピークには誰も気にしないコメツツジがすでに咲き始めていました。丁字型でないコメツツジも久しぶりです。でも誰からも相手にされてない感じなのが悲しいねえ。
(北岳が近づいてきた)
(ベニサラサドウダン)
北岳から貉沢カッチの間のアップダウンは結構きつそうに見えましたが、歩いてみるとのっけの急な下り以外は案外そうでもなく、歩きの良いアクセントかも。なんとここでヤマツツジが出てきてビックリ。ハクサンシャクナゲ、ツクバネウツギはもしかしたら別の種かも。
標高が少し上がったせいかお花の顔ぶれも少し変わって、ヒメサユリは相変わらずいますけど、ウスユキソウ、カラマツソウ、ミヤマキンバイ、そしてニッコウキスゲ・・・はまだ咲き始めで残念。ヒメサユリとニッコウキスゲが同時に咲いたところが見られるかもー、と楽しみにしていたけど少々早かったか。
(貉沢カッチの奥には浅草岳)
(前岳を過ぎると雪渓が残っていた)
貉沢カッチを過ぎると前岳への登りに変わって、強烈な日差しの中せっせと登っていきますが、風のお陰で案外快適で気持ちよいくらいです。まもなく前岳の西を回って乗り越すと、桜曽根の登山等と合流。ここから先は乾いた?頂稜の湿原を抜けていきます。
思惑通りすぐ先には雪渓が残っていて、ここで少々お休み。虫は来ないし風が通ると涼しいし、といい事ずくめのようでいて、実は日焼けしやすく、万が一滑ったらかなり危ないなので、基本は素直に通過しましょう(笑)。
(オオイワカガミ)
(コバイケイソウ・咲き始め)
山頂手前の湿原はすでにワタスゲの白い穂(花ではない)がなびいていて、こんな光景を見るのも本当に久しぶりの事。周囲を散策しつつ、しばし眺めていました。
散策を終えたら、すぐ先が山頂。ひと登りでようやく到着しました。
(湿原にはワタスゲの白い穂がなびく)
(浅草岳山頂)
13時半となればさすがに人も少なく、結果遅出になったおかげでなにもかもが良い塩梅でした。
すでに霞み始めていたもののまだまだ展望は利いて、目の前の守門。足下の只見川には愛らしい蒲生岳。朝日~杉村の奥には丸山がちょこっと顔を出し、最奥の燧はさすがにこの辺りのランドマークたる存在。駒の稜線の手前にはいまだ未踏の未丈~毛猛が聳えて、そのどれもがもはや懐かしい。
(歩いてきた鬼ヶ面の稜線を振り返る)
(コメツツジ)
周囲の展望を心ゆくまで楽しんだら、西の天狗の庭(雪渓あるし・ああシラネアオイ・・・)にも寄りたかったのですが、今回は帰りのタクシーを予約してしまったので泣く泣くカット。そのまま田子倉への道を下り始めます。
この道は自分が浅草岳を繞る道の中で一番歩いている道なので、やはりしっかりと覚えていて、あとは急な尾根道をすいすい降りていきます。
(足止平)
(剣ヶ峰より浅草岳を振り返る)
道中お花見しながら降りても、二時間ほどで田子倉の登山口に到着してしまいました。広い登山口には車はもう2台ほどしかいません。田子倉駅はすでに廃止になってしまったので、あとはこの日の山行きをぼんやり反芻しながら、予約したタクシーを待ったのでした。
この時期の雪国の山は自然度高くて、お花も多くて、やっぱり楽しいですねえ!こういうチャンスはめったにないので強行しましたが、行って良かった。たまにはこういう所も歩かないとね。あとはこれまた間が空いてしまっている飯豊もそろそろ・・・と思っております♪
・・・・・☆
◆ 2018.06.24 (Sun) 晴 時々 曇
六十里越登山口 08:50- 南岳 10:35- 鬼ヶ面山 11:15-(途中休憩20分)- 貉沢カッチ 12:30- 前岳合流点 13:10- 浅草岳 13:35/13:50- 大久保沢 15:40- 只見沢登山口 16:05
タクシー(浦佐駅~六十里越登山口・小型) ¥13970
タクシー(田子倉駅跡~只見駅・迎車) ¥4020
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