久しぶりに菰釣沢・イデン沢の懐へ
(菰釣沢<イデン沢>の大ケヤキ)
二月に久しぶりに世附(川流域の)の山に入って、改めて世附の山の佳さを再認識したら、次に行くのはやはり菰釣沢(イデン沢)のふところの美林帯でしょう!
ということでGW前半の日曜(04/30)は西沢から菰釣山に上がり、シキリ尾根を下降。途中で横切る城ヶ尾歩道を西へ辿って、大ケヤキに再会。それからなおも西へ行き大栂に登り返して菰釣山に戻るコースを組んで歩いてきました。
(菰釣山より)
西沢から歩くのは丸二年ぶり、そして林道ゲートから歩くのはもっと久しぶりの事。ここからの歩き出しだと申し訳ないぐらいに菰釣が近いですね。この二年の間に林道は改修されるし、登山道の方もブナ沢から直接入る所にも道標が設置されていました。
ブナ沢に入るとお花もぼちぼち。ハナネコノメは終わりでしたが、ニッコウネコノメソウにおそらくニリンソウの代わりであろうツルシロカネソウも咲き始めていて、通い慣れた道なれど少々新鮮でした。
(シキリ尾根・ブナが美しい)
着いた菰釣山は結構な人出で、それでも富士の展望を楽しみつつ少々休憩。それからシキリ尾根の下降に移ります。
シキリ尾根は4年ぶり。かの西丹沢の地図で紹介されて以降は初めてなので様子が気になっていましたが、場所が場所ゆえにそのあたりのお節介はなく(笑)、むしろスズタケがより枯れてかなりスッキリしたという印象。
(マメザクラ・見頃でした)
そして今回歩いて驚いたのが、マメザクラの多さ。もちろん丹沢だから不思議ではないんですけど、自分が世附を歩くのって紅葉から翌4月頭までか5月の中以降で、実はその間の時期に歩いたことがなかったのでした。
そんなマメザクラとミツバツツジがささやかに尾根を彩り、下るにつれてブナが芽吹き、新緑になって行く様子もこれまた新鮮で良かったです。
(ずんずん下っていきます)
(この辺りの標高でブナの芽吹き)
ただ以前から何度も言っていますけど、ブナの樹勢が年々に弱くなっているのが気がかりではあります。おそらくブナハバチの影響でしょうが、雰囲気的には主稜線など東の辺りとさほど変わらなくなっている感じするなあ。。。
そんなことを思いながら下っていくとあっさり城ヶ尾歩道が横切る箇所に着いてました。横切る箇所と書いてますけど、それを見る目がないと判断できないレベルですので悪しからず。
(フデリンドウ)
(城ヶ尾歩道・この辺りは明瞭だが)
さてこちら側の城ヶ尾歩道は調べてみたらなんと6年半ぶり。歩道の状況が気になってましたが、最初のザレ場はまだ通過できたものの、次のザレ場は崩落が進んでおり、ここは高巻きました。
歩ける箇所でも以前よりも道が不明瞭になっているのは、おそらくスズタケが枯れて地表面の流出が続いている影響かと思われます。
(ヤマウツボ・見かけたのは5年ぶりか)
この日一番嬉しかったのが↑↑このヤマウツボ。おそらく5年以上見てなかったと思います。特段珍しいお花ではないのですが、日原ではよく見かけてたお花でしたからねえ。。。
そして枝尾根を乗り越し、菰釣沢の枝沢へ降りる箇所も道形はほぼ消えかけていました。
(城ヶ尾歩道は以前より道形が薄くなっていた)
(これも4mちょいの立派なケヤキ)
そんな途中で見かけたのが↑↑この立派なケヤキ。4mちょいでしょうか。これでも立派な巨樹だけど、本命ではないのです。
もう近いのはわかっていたのでそこからドキドキしながらひと下りすると・・・いましたいました!
(ツルシロカネソウも咲き始めた)
(大ケヤキ・お久しぶりでした)
周囲には立派なケヤキがまだまだいる上に、この大ケヤキ自体が端正すぎることもあって、見る目がないと見逃すかも(笑)。でも近づけば5m超ストレートの立派な巨樹。
下部のあがりこが完全無欠のスタイルを誇る大ケヤキのチャームポイントかも知れませんね。
(ニッコウネコノメソウ)
(菰釣沢を横切ります)
枝沢に降りたら、ここから城ヶ尾歩道と分かれて枝沢を下ったのですが、菰釣沢の本谷の直前に滝があって(完全に忘れていた)、結局ここは高巻いて本谷に降り立ちました。
予定ではここから再び城ヶ尾歩道を辿るつもりも、のんびりしすぎてしまったためそれはカットして、北東尾根を直接大栂へ登り返すことに。
(この緩斜面を上がり)
(対岸の新緑の見事さよ!)
北東尾根下部は尾根が広いので、周囲の新緑を楽しみながら登れます。
とくに沢沿いの芽吹き・新緑が最高潮。この日一番緑の美しかったところで、今の時期新緑を楽しむには沢も交えた方がより堪能できますね!
(大栂北東の枝尾根を登ります)
(大栂より・バックは菰釣山)
北東尾根を登っている最中に対岸にヤマザクラのカタマリが見えたとき、そおいや今の今までヤマザクラをほとんど目にしてなかったことに気がつきました。やはり丹沢はマメザクラがメインの山域なんだなぁ・・・と。
小一時間登ってようやく大栂に上がっても、まだ行き先に聳える菰釣山まで行かなければいけません(笑)。
(スズタケが減りましたねえ)
(S字ブナもとうとう枯れてしまった・・・)
とはいえ標高差は100mちょいしかなく、実際は見た目ほどでなない道のり。
こちらもスズタケの枯死がすすんで、ずいぶんスッキリしました!もはや上部以外は藪をこぐ作業も不要な状態です。
(菰釣山に戻りました)
ということで40分ほどで菰釣山に戻ったら、ぼんやり薄くなってしまった富士に挨拶して、西沢へ降りたのでした。
世附の山は相変わらず静か。いい山なのに相変わらず人がいないのはこの時期特に有り難いことですね(笑)。さて、次はどこへ行きましょうかねえ。。。
・・・・・☆
◆ 2017.04.30 (Sun) 快晴
西沢林道ゲート 08:00→ ブナ沢乗越 08:40/08:50- 菰釣山 09:25/09:40- 城ヶ尾歩道分岐 11:15- 大ケヤキ 12:15/13:30- 菰釣沢<イデン沢>本谷 13:55- 大栂 14:50/15:10- 菰釣山 15:50/16:00- 西沢林道ゲート 16:45
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コメント
私は、世附川流域の山好きです。
初コメントです。よろしくお願いいたします。
特に。菰釣山の南側に広がるブナ林は、シキリ尾根を下って以来大好きな場所になりました。
いつもHPを参考にさせていただいております。
本稿に出てきる、城ヶ尾歩道から行く、大きな5m超ストレートケヤキを是非見てみたいと思っております。
本稿と林班図を見ていますが、場所の特定が出来ません。
申し訳ありませんがもう少し詳しく場所を教えていただけませんか?
投稿: 世附好き | 2020.04.09 14:05