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2017.02.15

世附の森歩き・赤沢を繞る山稜

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(ミズナラの大木・道志歩道上部あたり)

気がつけば世附(川流域)の山も二年もご無沙汰でしたね(汗)。少々遅くなりましたが、先々週の土曜(02/04)は久しぶりに世附の山歩き。赤沢の大カツラとの再会を兼ねて赤沢を繞る山稜を木々を愛でつつ歩いてきました。

今回は赤沢側と言うことで水晶橋・・・と言いたいところも雪のために手前の道志の森からのスタート。久しぶりに歩いた林道~道志歩道もおおむね変わりはなかったのですが、暗い日陰が続く道のりでも明るく感じたのはもう春になった、ということ。まだまだ寒いですけど。

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(城ヶ尾峠まではさすがに白い)

林道から登山道に入り、えっちら登って植林を抜けるとさすがに北斜面は雪が出てきました。でも歩く人も少ないおかげで凍結もなく、すんなり城ヶ尾峠に到着。

しかしこの日は暖かかった。すでに城ヶ尾峠の時点で結構暖かい。ここから先は南斜面を歩くので寒い思いをする心配はなくなりましたが、ダニーが少々心配かも?と思いつつ地蔵平方面へ下り始めます。

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(朝の城ヶ尾峠)

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(下りだしいきなり・ここは高巻いた)

するとかねてより徐々に崩れだしていた赤沢の源頭部が、↑↑こんな感じになっており、ここは慎重に高巻きました。ただ崩落が徐々に進んでいるので、そのうちここの通過はかなりしんどい事になるかも知れませんね。

源頭部の難所を越えれば、あとはすいすい下れます。というか斜面のスズタケが完全に枯れて、美しい自然林に簡単にアクセスできるようになったのは、はたして良いことなのか悪いことなのか。

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(スズタケが枯れたお陰でブナの巨樹にも楽に近づける)

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(富士山もちらり)

おかげでブナやミズナラの立派な木々が現れる度に寄り道するから、先へ進めないことこの上ありません。

とはいえ今回は赤沢の出合に降りれば後のコース取りは思いのままなので(笑)思いのまま寄り道しながら下っていきます。

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(1084m峰)

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(8年前の1084m峰<2009.02.21>)

ということで城ヶ尾峠からひと下りで着く1084m峰でも峠から一時間近くかかる始末(笑)。

着いた1084m峰も予想通りながらもずいぶんスッキリしましたね!ここでも色々散策して、それから南東尾根の下降に移りました。

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(1084m峰南東尾根・中腹辺り)

1084m峰南東尾根を歩くのはなんと8年ぶり。下りだしのっけのスズタケも当然枯れていてすいすい下れます。

ここでも惹かれる木々を確認しつつのんびり下る感じ。中腹は8年前でも藪はなく、スッキリしていました。でも前回は普通に見つかった奥野歩道を今回は見逃してしまったのが残念だったかも。

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(南東尾根下部もスッキリしてしまった)

記憶だと奥野歩道を過ぎると再びスズタケが現れたのが、今回はスズが枯れていたのでその境界も判らず、気がつけばすでに赤沢の流れが見えている状態。

ということでかつてはスズタケの藪をムリヤリ突破した末端部も普通に降りられて、難なく赤沢の出合に降り立ってしまいました。

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(ご無沙汰しておりました・赤沢の大カツラ)

出合に降りたらまずは何はなくとも大カツラにご挨拶。植林に囲まれて少々暗いのがかわいそうではありますが、ご健在でホッとしました。

そしてスズタケが枯れてしまった今、沢沿いでランチできる箇所に事欠かなくなっていたのは今の時期は有り難かった。暖かい日でしたし本当にのんびりできました。昔みたいに上からマダニが降ってくることもありませんでしたし(笑)。

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(奥野歩道・大界木山南尾根側では確認出来た)

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(初訪の折の奥野歩道<2007.01.20>)

出合に降りたのがお昼だった時点で登りは大界木山の南尾根と決まっていたので、休憩を終えたら、目の前の斜面に適当に取り付きました。

ふた登りぐらいで奥野歩道を見つけられたのにちょっとホッとして、なおも登るとこの辺り空が南尾根の核心部。立派なブナが続々と出てきます。

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(4m超の大ブナ)

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(かつては密藪に覆われたこの辺りもスッキリ)

飛び抜けたブナこそいないものの、立派なブナがぼちぼちいるのが南尾根中腹の特徴でしょうか。そしてブナも若いせいか樹勢があるのも良いところですね。

こちらもご多分に漏れず、周囲のスズタケが枯れたおかげで尾根の緩斜面が露出しており、そこをゆるゆると寄り道。初訪の折りのことを考えたら、こんな事をできることになったことにただただ驚くしかありません。

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(大界木山南尾根中腹の定点ブナ)

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(4年前<2013.02.17>)

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(8年前<2009.01.17>)

定点ブナ辺り。今回はスズタケの葉が落ちて茎だけになっているのがわかるでしょうか?

次回訪れたときはこの茎もなくなって、スッキリと日原のようになっていることでしょう。。。

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(南尾根1060m圏峰)

定点ブナより上も同じようにスズタケが枯れていて、藪を分ける必要もなくなって、難なく大界木山まで登れました。

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(V字ミズナラを見れば、大界木山は近い)

大界木山に着いたら後は下るだけ。今回は浦安峠経由で下ってみましたが、浦安峠から城ヶ尾峠の登山口までの林道歩きが意外に時間がかかるんですね。すっかり忘れていましたわ。(^ω^ゞ)

今回はショートコースをフルの時間で歩くことで、久しぶりに世附の森を堪能できました。もう何遍も言ってるけど、世附って植林の多い山ながら、残された自然林は普通に一級品。かつては「スズとダニの殿堂」(笑)の形容が相応しかった山も様変わりして、ここも本当に日原のようになっちゃいそうですね。これを機に世附の気になるところをもう一度歩き直そうかな~と思い始めております。
 
・・・・・☆
 
◆ 2017.02.04 (Sat)   快晴
道志の森キャンプ場 07:40- 水晶橋 08:10- 登山口 08:40- 城ヶ尾峠 09:15/09:30- 1084m峰 10:25/10:35- 赤沢出合 11:25/13:00- 大界木山 15:00/15:10- 浦安峠 15:50- 道志の森キャンプ場 16:45
 

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2017.02.01

弓張山地の末端部をゆるゆる歩く

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(神石山より・眼下に浜名湖と遠州灘が広がる)

やれやれ・・・二年前のはくたか惜別乗車の際、実はもうひとつ目論んでいたのが、愛知静岡県境末端部の山山たる弓張山地を歩くこと。ただそれは天気が悪くて流れてしまったのですが、それをようやく土曜(01/28)に実現にこぎ着けることができました。。。

ということで今回は新幹線で豊橋へ向かい、それからタクシーで葦毛(いもう)湿原に出てのスタート(¥3120)。お金はかなりかかってるけど(笑)時間的には御坂の芦川へ行くより早かったりするのが妙な感じ。

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(葦毛湿原のひとコマ)

駐車場から一歩きで湿原に出たら、さっそくぐるりと一巡り。さすがに照葉樹に囲まれた湿原というのは少し雰囲気が違いますね。湿原の一部が荒れているように見えたのは植生復活のためにイヌツゲ伐採・シダ引きはがしを行ったためとか。

今の時期ですから当然お花は見あたらず、シラタマホシクサの名残を見るぐらい。湿原も小さいので花期でもない限り一通り見るのに時間はさほどかからないと思います。

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(1月だというのにマンサクが咲き始めていた)

湿原から稜線へ向かうと低い山稜のせいか間道がやたらに通ってました。道標は一応整備されてますけど、巻き込まれやすいような箇所もありますね。

そのまま普門寺峠へ向かうのもちょっとつまらないので、そんな間道を適当に追っていると、おっとおっと!なんとマンサクが咲いていてビックリ!これは温暖で標高が低いせいでしょうけど、想定外のお花に気分も良くなり、せっせと登るとじきに稜線に出ました。

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(稜線に出ました)

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(ヒトツバ)

稜線は豊橋自然歩道と称しており、しっかり整備されている様子。そして中木位の照葉樹が稜線を覆いながら延びているも、時折岩場などでは開けた箇所があり、意外に飽きさせません。

南側に開けた箇所にはベンチも置かれており、ランチ場は山頂にこだわらなくても良いかも、とも思いました。

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(座談山より神石山方面・富士も見える)

しうばらくは丘陵歩きの風情もあった稜線も、座談山を過ぎるとアップダウンもそれなりになってようやく縦走気分を味わえるようになってきました。

座談山から下りきった鞍部が普門寺峠。葦毛湿原からの直登路がここへ来てますが、無視して稜線を歩いて良かったです。

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(ヤブツバキ・たくさん咲いていました)

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(神石山山頂・盛況です)

普門寺峠から先は一気に人が増えるもののそれも知れたもの。行き交うハイカーの年齢層が高いのは・・・とはいえ5年以上前の低山なんてどこもそんなものだったことを思い出しました。

登り切って神石山に着くと山頂はすごい人出でビックリ。遠州側からのハイカーも来ているせいでしょうね。そうそう、この山の三角点は一等点で、それもなぜだか嬉しいものです。

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(ラクダ岩に降りてランチ)

頃合いも良いので山頂でランチにしたかったのですが、人出が多い上に開けた西側以外は照葉樹に囲まれて少々寒いので、ちょっと無理そうな感じ。でも実はそのことも想定していて(笑)遠州側のラクダ岩に降りることにしました。

神石山から梅田峠方面へ20分ほど下ると、あっさりラクダ岩に到着。目論見通り人はいません。岩の先にはベンチがあって展望はよろしく富士も正面に見えて言うことなし。もちもち当然ここでランチとなりました。^^

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(仏岩にも寄って)

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(開けた露岩にいた、この木なんの木?)

ランチを終えたら仏岩にも寄って、神石山へ登り返します。登りで気がついたのはマンサクがちょこっといたこと。でも花も蕾も皆無で、今年のお花はあまり望めない?のかも??

仏岩から30分ほどで神石山に着いたら、そのまま北へ延びる稜線を歩きます。湖西連峰とは浜名湖の西と言うことでおおむねこの辺りのことなのでしょうかね?

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(多米峠・大木はスダジイか?)

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(稜線は防火帯が切られていて意外に明るい)

稜線は照葉樹林ので少々暗いのかな?と予想していたのに、実際は稜線に沿って延びている送電線のおかげか、防火帯の切られた箇所が多く、明るく展望の稜線だったのは意外と言えば意外。

それにヤブツバキの多さにも驚きで、傷んだ花も多かったけど、それでも冬の稜線を彩る様子はなかなか見事でした。

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(赤岩尾根分岐のピーク)

そんな稜線歩きも赤岩尾根の分岐のピークまで。ここがおそらくこの日の最高点で、ここでようやく下山です。

稜線と別れて赤岩尾根を下り始めると、なぜかヤブツバキが消えてしまった不思議。それでも照葉樹主体の雑木林に植林を交えた尾根は意外に明るく好ましさも感じました。

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(タブノキの見事な大木)

でも後は下りと思っていたのに、意外にアップダウンがあってしばらくは稜線歩きといった感じ。

↑のタブノキの大木はみごとでしたし、↓の石巻山の様子もなかなかそそられるものがありました。

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(石巻山の岩峰がそそられる)

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(ここまで来れば登山口は近い)

下りと決めた身に登り返しは案外しんどいものですが、それでも下ってみれば一時間半ほどで登山口に到着。あとは路面電車の通る赤岩口を目指すだけで、そんな電停の近くに着替えができる公園があったのもラッキーでした。

おかげでサッパリした気分で電車に乗り込み、帰路に就いたのでした。
 
・・・・・☆
 
◆ 2017.01.28 (Sat)   快晴
葦毛湿原P08:30- 葦毛湿原 08:40- 二川TV中継所 10:40- 神石山 11:15- ラクダ岩 11:35/12:15- 仏岩 12:30- 神石山 13:00/13:05- 多米峠 13:50- 赤岩尾根分岐P 14:20- 送電塔 15:10- 登山口 15:50- 赤岩口電停 16:05
 

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