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2015.12.30

泣坂ノ頭を一山として歩く

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(泣坂ノ頭山頂直下の緩斜面)

今月は週末の好天が続きますね。おかげで先の週末(12/26)も山歩きが出来たしあわせ。ありがたいことです。

今回は5月以来となる小金沢界隈。これまた長らく懸案となっていたシンナシ沢左岸尾根とも泣坂ノ頭北尾根ともいえる(笑)スバノ沢ノ尾根を登路にとって、12年ぶりに南尾根を下るという泣坂ノ頭を一山として歩くコースを組んで歩いてきました。

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(スバノ沢ノ尾根<泣坂ノ頭北尾根>下部)

まぁ短いコースだし、真冬に朝一の小菅行きバスに乗るのは少々しんどいので、今回は大月駅からタクシーで深城の小金沢公園に出て(¥5860)のスタート。まずは小金沢林道をてくてく歩きます。

林道をのんびり歩いて20分ほどで出る明瞭な沢がシンナシ沢で、目的のスバノ沢ノ尾根はこの沢の左岸側の尾根。今回は沢を少し上がって出る堰堤の辺りから取り付いてみました。

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(1026m峰は岩峰。南の鞍部はギャップになっている)

尾根上は予想通り、植林と若い雑木という少々趣に乏しい林相で、これがこの尾根を歩くのがここまで遅れた理由であったりします。なのであとはこのままこんな感じで上まで行くのだろうな~思っていたのですが、はい、それはあさはかでした(笑)。

登るにつれ徐々に尾根は痩せて、一本ツガの立つ岩峰だった1026m峰に着くと、その先が綺麗に落ちていて一瞬焦りました。でもここは慎重にいけばさほどの難なくギャップ状の南鞍部に降りられます。

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(ヒカゲツツジ)

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(灌木が西から東へ一斉に倒れているのはなぜ?)

↑↑道中、灌木が西がかわら東側へ一斉に倒れていた箇所があったのですが、原因はなんなんでしょう??2014の大雪の影響??

その先も地形図から想像したのとは違う、痩せた尾根の上下が続いて面食らいましたが、これはこれで歩きの良いアクセントになって楽しめました。そしてヒカゲツツジやシロヤシオをぼちぼち見られたのが楢ノ木尾根の枝尾根らしい所ですね。

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(ご神木の風格がある、オノオレカンバの巨樹)

登っても林相は相変わらずですけど、徐々に自然林の名残が現れてくると、そろそろ稜線近しの雰囲気。伐り残されたブナやミズナラの立派な木がぼちぼち見られるようになり、少々気分が良くなってきたところで現れた・・・

↑↑このオノオレカンバの巨樹には驚きました。幹廻り3.5mほどは他の木だとそれなりに見るサイズですけど、その名の通りな木質の堅い=成長の遅いこの木でこのサイズは滅多にいないもので、その様子といい、明らかにご神木たる風格がある立派な巨樹。思わず手を合わせましたよ!

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(このミズナラも見事です)

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(泣坂ノ頭山頂直下のこの岩に上がると)

思わぬ出逢いに気分を良くして先を行くと、今度はカラマツ植林なのに立派なミズナラがいたりと、まさかこの尾根に木を楽しむ要素があったとは。。。

そして山頂間近の所で現れたこの大岩からは、北側の素晴らしい展望も楽しめてもういう事ありません・・・というか今の今まで何でこの尾根を歩かなかったのだろうという後悔しかなかったかも(笑)。

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(北側の素晴らしい展望を楽しめます)

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(泣坂ノ頭山頂直下の緩斜面・Part2)

その大岩からひと登りで泣坂ノ頭の山頂に着いたら、南面の自然林の緩斜面に下りてランチ。ここは水さえ確保できれば何日でものんびりしたい素敵な所で、ここでゆったりランチをとれたのも余裕のある行程のお陰です。

しかしこの辺りは本当にマイナーなところですね。まぁ真木小金沢林道が冬期通行止めになっているのが大きいのでしょうけど、誰も通らない。いやいや静かで素敵な山というのはまだまだあるのだなあ、と。

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(泣坂ノ頭南尾根<山椒沢右岸尾根>上部の大ブナ)

結局一時間以上のんびりしたところで腰を上げて、そのまま南尾根を下り始めます。

南尾根は12年ぶりで、取り付けの山椒沢橋以外の記憶はほぼなし。その上に下りなのでほぼ初めての感じでした。山頂南面の様子からしてそうだけど、林相はこちらの方が断然良いですね!

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(これが泣坂ノタルからの古道?なのでしょうか??)

しばらく下ると植林に変わり、間もなく西側から明瞭な道筋が合わさったのですが、これは泣坂ノタルからの道なのでしょうか?初訪の折りには気がつかなかったのか、作業道と判断したのか記憶にないけど、気になります。

その植林もじきに抜けて、1067m峰への下りにさしかかると現れる露岩帯もすっかり忘れていました(笑)。

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(この岩場のことはすっかり忘れてました)

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(1067m峰附近)

1067峰の平頂に上がるともう日はかなり傾いている感じ。ここも素敵な所なのですが、のんびり歩きすぎて帰りのバスが少々心配になってきたので、少しは急いでみましょうかと思ってはみたものの

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(4mほどのツガに)

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(こちらは4mほどのコナラでした)

こんな大木がぼちぼち現れるから、結局もとのもくあみ。

確かに12年も経つと自分自身の「見る目」が変わっているので、違いはあるんでしょうけど、前は何を見て歩いていたのだろう思ってしまいます。。。

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(尾根末端は本当に急だ)

そんな大木の鑑賞も一段落つくと、あとは末端へ向け急降下。ここは本当に急ですけど尾根が広いのが幸いです。林道に降り立つ直前に尾根を横切る明瞭な山道に降り、そこから山道を東へ追うと無事に林道に着地しました。

着地したところから少し下れば見覚えのある山椒沢橋で、あとは奈良子のバス停へ向かうだけ。奈良子周辺の山里も惹かれますね。特に矢竹は12年ぶりだったこともあって時間に余裕があったはずなのに、結構ギリな時間になってました(笑)。

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(林道の直上に明瞭な道筋が通っていた)

今回泣坂ノ頭を久しぶりにメインに登ってみて感じたのは、お花は知らないけど、ちょっとした岩稜あり、巨樹あり、展望あり、素敵なランチ場あり、自然林もありと、実はメインの素質どころか多彩な魅力があるということ。本当にいい山でした。

そして自分自身の先入観で決めつけてしまうクセを本当に何とかしないとなあ。。。(苦笑) 
 
・・・・・☆
 
◆ 2015.12.26 (Sat)   晴
小金沢公園 07:35- シンナシ沢 07:50- 1026m峰 09:30/09:40- 泣坂ノ頭 12:20/13:40- 1067m峰 14:45/14:50- 山椒沢橋 15:45- 奈良子 16:30/16:40→ 猿橋駅 17:08
 

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2015.12.23

黒岳から、久しぶりに日尻山を訪ねる

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(東ノ沢 西ノ沢中間尾根・上部のミズナラ林)

やれやれ・・・いろいろ予定が合わず山行きがひと月以上もあいてしまいました。その間に紅葉は過ぎ去り、はや18きっぷのシーズン。ということで土曜(12/19)は御坂の未踏の尾根を絡めて、黒岳から久しぶりに日尻山へ縦走してきました。

今回は石和周りで三ツ峠入口に出てからのスタート・・・そう甲府~吉田(富士山駅)のバスがいつのまにか石和温泉駅に入るようになったのでやってみたのでした。ちなみに427M(石和発07:36)で07:35発の富士山駅行きバスと接続をとっているようですが、もちろん保証はしませんヨ(笑)。あとこのバスはバイパス経由なので檜峰神社前や十郎橋は通過します。

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(今年はあっさりシモバシラに逢えた)

ということで雲一つない空もこの時期になると少々寒く感じる季節になってしまいましたけど、久しぶりの山歩きという事で気分は上々。板取沢の道を少し行ったところから、まずは東ノ沢と西ノ沢の中間尾根に取り付きました。

のっけはヒノキアカマツの植林が続きますが、なんと早々にシモバシラを発見。おそらくコウシンヤマハッカかカメバヒキオコシのでしょうけど、幸先良いですネ。

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(中間尾根下部はアカマツ植林が続く)

ひと登りしたところにある1268m峰は植林の中の中間点という感じでほぼ素通り。ただ尾根は想像よりもスッキリしていて、藪も被らず普通に歩けます。

とはいえスッキリ歩けるのは良いけど些か単調な感じは拭えません。でもそれも長くは続かず、じきに植林を抜けるとなんとその先には美しいミズナラの林が広がっていました。

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(植林を抜けるとミズナラの美林帯が現れた)

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(御坂らしく、富士をバックに)

通い慣れた御坂峠みちの様子から予想できたとは言え、やはりこういう美林帯に出くわすのは嬉しいですねえ!行程的に余裕があるので色々寄り道してみると・・・際限なくなりますよ(笑)。

林の美しさもさることながら、振り返ると富士が控えているのはさすがに御坂の山。そして見上げれば、青い空と冬木立のコントラストが見事です。

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(露岩が現れると主稜線への急登が始まる)

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(何か曰くありげ??)

そんな美林を愛でつつ登っていると、やがて露岩が現れ、尾根も急になってそろそろ稜線近しの雰囲気。

地形図通りのなかなかしんどい箇所ですが、ミヤコザサの緑が眩しい斜面には巨岩が点在していて、またまた寄り道してしまいます。。。(笑)

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(主稜線に出ました・黒岳へ向かいます)

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(黒岳展望台より主稜線と聖赤石荒川)

寄り道しながら登り切るとそこは主稜線で、そのまま西の黒岳へ。稜線には雪も凍結箇所も見あたらず、至って普通に歩けますというか、本当に静かですね。

30分ほどで黒岳山頂についたらまずは南の展望台へ。ここにいた先客さんがこの日初めて見かけたハイカーとは御坂は人が少ない。肝心の展望は目の前の富士は言うに及ばず、西の主稜線の奥には南ア南部の山山もクッキリ。この展望台は自分的には富士を見るより西側の展望を楽しむためのもの、という気がします。

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(黒岳山頂・雪は見あたらない)

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(どんべえ峠への下りしなより、黒岳を振り返る)

思いの外人が少なかったので珍しく30分ほどくつろいでしまいましたが、さすがにやってくるハイカーが増えてきたので適当なところでおいとまして、お次は釈迦ヶ岳方面へ下ります。

さすがに今の時期日の入らない北斜面は寒い。下って下って再び日差しが入るようになってようやく復活し、ちょこっとランチを頂いて、そろそろどんべえ峠というところで・・・

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(コヤツは完全に見落としてた!いちおう幹廻り5mオーバーの大ブナ)

この大ブナを見つけたのが今回の収穫でした。というかここは何遍も通っていたのになぜに気づかなかったのか。まぁここを通るのが花か紅葉の季節が大半なので、尾根に草が被っているという事もあるのでしょうけど、完全に見落としてました。。。

木自体は御坂の稜線でよく見かける背の低めな大木で、下から枝分かれしているのでこれを幹と言って良いのかわかりませんが、なかなかの存在感であることは確かです。

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(蕪入沢上芦川林道より、これから向かう日尻山)

どんべえ峠に着いたら府駒山へは上がらず、ここで林道に入り、そのまま日尻山の下降点までてくてく。峠より北側はゲートが掛かっていたのでお気楽に歩けて、これはコレで楽しい道のりでした。

下降点に着いたら林道歩きもお終い。目の前に聳える日尻山へ向かいます。

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(日尻山の広い山頂・スッキリ!してました)

のっけは痩せた尾根の急降下で気を遣いますが、最低鞍部まで降りるとあとは緩い登り返しで、じきに尾根が大きく広がると左手の高なりが日尻山の三角点峰。そしてその先の大きな高なりが日尻山の本峰といったところでしょうか。

着いた日尻山はなんと10年ぶり。一面雑木に覆われたまろやかな円頂は以前と全く変わってない好ましいままでした。まぁ変わったと言えば、山名標も綺麗になくなっていたことぐらいでしょうか。おそらくどなたかがお掃除されたのでしょう。

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(日尻山西尾根・伐採後の幼木帯の脇を通る)

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(釈迦ヶ岳も丸見えだ)

ここまで来たら時間は早めですが、あとは下山です。北側の尾根は一通り歩いているので、今回は西尾根を下ってみました。

のっけはおそらく山仕事用なのでしょうけど、比較的明瞭な道が尾根上を通っていて驚きました。でも快適に歩けたのも最初だけで、じきに伐採後の幼木帯に飛び出すと、鹿柵の張られた幼木帯の脇を通らされてこれが微妙に煩わしい道のり。

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(幼木帯を抜けたあたり)

その幼木帯は結構続いて、ようやく解放されたのもつかの間、お次は急降下が始まって、これもまた煩わしかったのですが短かったのが幸い。じきに堰堤に降り立つとそこは目途見通りシンボチ沢との出合でした。

出合い附近はシンボチ沢も神座山川も伏流で、いともあっさり対岸へ渡り(笑)、ちょうど檜峰神社の参道の途中にある鳥居の立つところで林道に出ました。

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(まさかこの鳥居に出るとは!)

主立った尾根を歩き尽くした山域で数少ない未踏の尾根にこだわると、どうしても時間が中途半端になってしまいますが、まぁ日の短い今の時期には却って好都合なのかもしれません。今回は短いながらも色々楽しめたので、お花が減ってあまり行かなくなった御坂も、もう少し行ってやらないといけないなあと思いつつバス停へ向かったのでした。
 
・・・・・☆
 
◆ 2015.12.19 (Sat)   晴
石和温泉駅 07:35→ 三ツ峠入口BS 08:13/08:30- 1268m峰 09:00- 主稜線に上がる 10:05- 黒岳 10:35/11:05-(途中休憩15分)- どんべえ峠 12:10- 日尻山 13:05/13:15- シンボチ沢出合 14:00- 檜峰神社前BS 14:35
 

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