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2015.09.25

表参道から登る金峰山

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(鶏冠のスラブに上がると、五丈石と片手回しが現れた)

シルバーウィークはそこそこ天気に恵まれましたね。自分は所用で遠出なしな近場の連荘で、まずは初夏に平岩尾根を歩いてから懸案となっていた金峰山表参道を歩いてきました(09/22)。

一番バスでアコウ平に降りたのは今回は自分だけ。こうなると金峰山までの一人旅は確定で、まずはてくてく荒川に降り、御堂川出合附近で「奥秩父」に記述のある荒川不動尊を探してみましたが、やはりよくわかりせん。

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(シラベの二次林が続く)

そんな状況では捜索にあまり時間をかけてもしょうがないので、適当なところで切り上げて飛び石で荒川を徒渉(飛石で徒渉できる所は一箇所しかない)。今回は素直に御堂川に沿う道筋を追います。

道は御堂川に沿うと言うより、御堂川から右に離れた枝沢や枝尾根を登っていく感じ。15分弱で涸れた河原に降り立つと、そこが水晶峠からの表参道との合流点でした。

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(御室小屋)

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(小屋奥の神社跡?で参拝してから先を行きます)

合流点から軽く登ると10分ほどで御室小屋に到着。小屋は噂通り倒壊していて使えませんが、小屋の手前にはテントの張れるスペースがあるのでテントならokでしょうか(水場は未確認)。

周囲は何となく荒れた雰囲気は否めないところですけど、小屋奥には神社跡と判読できない石碑があり、なんとなく往時を偲ばせます。そんな雰囲気に浸っていると少々気が引き締まりますね。ここから先は本格的な参道。休憩を終えたら一礼して先を行きます。

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(鶏冠のスラブに出ると周囲が開ける)

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(これが鶏冠でしょうか?)

小屋から右手の尾根に取り付くといきなりの急登ですが、さすがに登山道は歩きやすい。じきに周囲の開けた鶏冠のスラブに出ると、ここで行く先に五丈石と片手回しが目に入って一気にテンションが上がりました。

スラブから登り切った所にある巨岩が鶏冠なのでしょうか?その巨岩を左に巻くと、道は尾根を左右に巻きながら徐々に登っていきます。

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(ダイモンジソウ・咲き残り)

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(シラタマノキ・結実)

さすがにお花はほとんど終わりで、ダイモンジソウの咲き残りが少々。あとはみんな結実していて、周囲の低木も色付き始めています。

道は相変わらず急なものの歩きやすく、あっけなく片手回しの基部に出てしまいました。

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(片手回しの裏手に出ます)

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(片手回しより・右奥に五丈石)

遠くから見ると丸石がちょこんと乗っかっているように見える片手回しも近くから見ると意外にいびつで、当たり前ながら下の岩としっかりくっついているんですね(笑)。

せっかくなので一礼をして登ってみました。さすがに上までは登れませんが、慎重に登れば肩までなら行けます。

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(こんなコメツガの林もある)

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(五丈石が近づいてきた)

道は相変わらず急なものの、というか急なお陰でグイグイ登れて、気がつくと五丈石がかなり近くにいて驚きました。五丈石を見ながら登るというのはなかなかオツですね。いかにも登拝している感があって、いつもとはちょっと違う気分になれます。

この辺りまで上がると周囲はもう紅葉が始まっていて、黒木の山肌に赤と黄色が点在して広がっている感じは高いところらしい色付き方。

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(ナナカマド・尾根上部で紅葉盛り)

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(ダケカンバも尾根上部で盛り)

もちろん目の前のナナカマドやダケカンバももう盛りでしたが、天候のせいもあって色付きは今ひとつ。それでも日差しがあれば綺麗に輝いて、なかなか素敵です。

そんな紅葉を愛でつつ登ると、あっけなく五丈石の裏手に出てしまいました。

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(五丈石と金峰山神社)

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(千代の吹上方面)

まずは目の前の金峰山神社に道中の無事を感謝して、表側に回ると連休とあって周囲は人だらけ。

これでは休む場所がない・・・ことはなくて、こういう時こそというか、御室から登ってきたからこそ、一礼して五丈石に上がらせてもらいました。

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(瑞牆山を侍らす小川山)

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(山頂は人が多い)

上に上がったままだと目立っちゃうので(笑)、南の岩陰に隠れて周囲の展望を楽しみつつランチ。ここは人の多い山頂にあって静かに過ごせるところではあるんです。とはいえ登るのは当然お勧めできないのですけど。

心ゆくまで展望を楽しんだら、五丈石から降りて帰路につきます。

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(ナナカマド黄葉)

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(朝日山より金峰山を振り返る)

大弛峠までの稜線もナナカマドやダケカンバが紅葉の盛り。黒木林なので点在する形にはなってしまいますけど、晴れていたこともあって見事でした。

やはり紅葉には日差しの力が欲しい。ガスっていても綺麗な紅葉なんて、よほど綺麗に色づいたときだけですから。

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(稜線はナナカマドが綺麗でした)

大弛からのルートはよくインスタント登山と言われますけど、確かに標高差こそ少ないものの距離は意外にあるんですよね。今回は長雨の後という事もあって黒木林にも潤いがあって、意外に趣のあった道のりでした。
 
・・・・・☆
 
◆ 2015.09.22 (Tue)   晴 時々 曇
塩山駅 07:30→ アコウ平 08:40/08:50- 御堂川出合 09:05/09:15- 御室小屋 09:40/09:50- 片手回し 10:25/10:40- 金峰山 11:50/12:30- 朝日山 13:30- 大弛峠 14:15
 

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2015.09.17

浅間尾根を通しで下る

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(都民の森、山菜の路へ)

しかし8月頭の猛暑が過ぎ去った後は秋の長雨のような天気が続いて、結局今年の夏も予定がつぶれまくりで本当にひどい夏でした。そんなわけで山行き自体も一月近くあいて、日曜(09/13)にようやく歩くことができましたよ。

とはいえ前日の好天とは打って変わってこの日は不安定な予報も、朝一の都民の森行きは意外や2台体制と意外な盛況ぶり。でも都民の森から東の山菜の路に入れば一気に人気がなくなります。

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(ツリフネソウ)

山菜の路は歩いたことがなかったので、今回歩いてみたのですが、道は沢に沿って延びていてなかなか好ましい道のり。お花はカメバヒキオコシもセキヤノアキチョウジも終わりかけ、ツリフネソウとアキノキリンソウが道中を彩る感じです。

いったんシラカバの路に出てからその先が少々わかりづらくなっていたのは、おそらく歩く人がろくすっぽいないせいでしょう。でも却って山道らしくて好ましいかも(笑)。登り切って上段のひぐらしの路に出ると、上はもう稜線だったのでそのまま稜線に上がってしまいました。

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(沢沿いに延びる良い道でした♪)

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(いったい誰の仕業でしょうか!)

先の砥山はこの日の最高峰なので巻かずに寄ると、なんと山頂のT.Yuiさんのプレートがまだ残っていたどころか、綺麗にお色直しされていて驚きました!裏には今年の日付が入っているので最近になって手直しされたようですね。

稜線はまだまだハイカーがいたものの、浅間尾根の分岐から浅間尾根を下り始めれば、しばらくは一人旅でしょうか。周遊道までの下りは一部荒れていたものの、慎重に渡れば問題ないレベルです。

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(なんとこの時期にイチヤクソウ)

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(御林山山頂)

周遊道から先も道はろくすっぽ歩かれてない割に至ってしっかりしており、ここで季節外れの、そして今年お初となるイチヤクソウを見かけたのは8月以降の長雨のせいなのかも。

ということでお花は想像以上にはあってミヤマママコナ、オクモミジハグマ、ヤマジノホトトギスあたりがぼちぼちといったところでしょうか。

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(ヤマジノホトトギス)

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(ツルニンジン)

御林山を過ぎて、仲の平へ下る分岐から東は歩かれている区間ですが、さすがにこの天気では人ではほとんどないようで、本当に人に会いません。これは本当に意外でした。

数馬分岐に着いたところで雨が降り出したものの、様子見しつつランチを取っていたらあっけなく止んで、あとは雨が降らないどころか、どこか明るくなってきた感じすらします。

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(数馬峠を過ぎると馬頭さまを見かけるようになる)

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(ギンリョウソウモドキ)

数馬峠の先で林道が尾根を乗り越していたことに唖然としてしまったのですが、もう地図には書いてあるんですね!なにせ浅間尾根は藤井本が出た直後に松生山へ行って以来16年ぶりでしたので・・・(笑)。

お花は種類こそ少ないものの、前述の花に加えてカシワバハグマにキバナアキギリ。ヤマトリカブトやサラシナショウマはまだ蕾でした。

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(サル岩)

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(これは立派なモミだ)

あと今回久しぶりに歩いて思ったのは尾根の南側は植林が多く、北側は比較的雑木林が多いこと。でも道が北側を行くことはあまりなくて、それが少々残念でしょうか。

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(アズマレイジンソウ)

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(伐採跡より湯久保尾根と尾根通)

人里峠(へんぼりとうげ)の先で道は伐採作業のため巻き道ができていましたが、日曜で作業がお休みだったのでそのまま旧来の道を追うと、ここがこの日一番の展望地。

ここから眺める御前山は大きい存在で見事です。そして湯久保尾根や尾根通りもスケール感たっぷり。尾根に点在する山上集落も見えて、あちらの方も久しぶりに再訪してみたくなりました。

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(浅間嶺)

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(背の高いのはシラヤマギク)

伐採地を過ぎるとじきに休憩舎に出て、ここで浅間尾根に入って初めてのハイカーと遭遇。そこからひと登りで浅間嶺に上がるとやはり山頂には誰もいません。

山頂の周辺はシラヤマギクにユウガギク、ノハラアザミ、アキノキリンソウ、キンミズヒキ、そしてヤマハギなどが咲くちょっとしたお花畑。この時期はこんな感じになるんですね!さすがにのぞき穴は影も形もありませんでしたが(笑)。

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(背の低いのはユウガギク)

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(雑木林が快い)

山頂でどら焼きを食べつつ休憩をしたら、松生山には寄らずに下山です。

実は今回意外に良かったのが浅間例から峠の茶屋までの道のり。上部は雑木林、そして下部は植林ながらも瀬戸沢に沿って下る所が楽しかったです。まぁこれは人が極端に少なかったのもあるのかも。

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(払沢の滝にも寄りました)

とはいえ茶屋に出れば後は舗装路歩きが続いてしんどい所ですけど、秋川筋の集落の様子を楽しみながら降りられるので決して悪くはありません。

そして最後に寄った払沢の滝もまずはウッドチップが敷かれた遊歩道に驚き、そして長雨に台風の後のお陰でしょう、水量豊富で壮観だったにまた驚いたラッキーな一日。たまにはこちらの方も良いなあと思いつつ帰路についたのでした。
  
・・・・・☆
 
◆ 2015.09.13 (Sun)   曇 時々 晴
武蔵五日市駅 08:10→ 都民の森 09:10/19:20- 砥山 10:10:10:20- 浅間尾根駐車場 10:40- 御林山 11:00- 数馬分岐 11:45/11:55- 一本松 12:20- 浅間嶺 13:15/13:25- 払沢の滝 14:50- 払沢の滝入口BS 15:05
 

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