夏の岩手山、まったり縦走 2
(お鉢より、カルデラと屏風尾根・裏岩手の稜線を望む)
岩手山の朝は早い。2時を過ぎると誰かしら起き出し、ごそごそご来光の準備でしょうか。自分は行く気はなかったんですけど、妙にぱっちり目が覚めてしまったのでご来光を見に行くことにしました。
ということで3時過ぎに小屋をスタート。八合目小屋からもぼちぼち人が登ってきているようで、真っ暗な中灯りがぽつぽつ見えるのが、なんとも「らしくて」これはこれで良い光景ですね。
(盛岡の夜景と登山者の灯りが見える)
(この日のご来光)
さすがにお鉢になると足許は火山砂で、お鉢の形状からしてもなんか富士山のようですね。でも富士と違うのはお鉢の中に妙高岳という立派な山があることでしょうか。
40分ほどで山頂の薬師岳に着いたら、ご来光を待ちます。気温は13度ほどと意外に暖かく、待っている間にもハイカーが続々とやってきますが、ここも山ブームのお陰かみんな若い!自分は明らかに最高齢の方でしたよ(笑)。
(コマクサ・お鉢で盛り)
(イワブクロは咲き始め)
完全に日が上がったらお鉢の続きを歩きます。周囲が明るくなってわかったのは、周囲にはコマクサが咲いていてすでに満開だという事。ここで満開だと下のコマクサロードの様子が少々心配ですけど、コマクサは花期が長いからおそらく大丈夫でしょう。
そしてコマクサの脇ではイワブクロが咲き始め。タカネスミレは盛りややすぎといった感じでしょうか。
(山頂を振り返る)
(タカネスミレはこんな感じで咲いている)
そしてもう一つ気がついたのはお鉢に沿って様様な?石仏が点々と並んでいたこと。さすがに信仰の山ですね。
妙高岳は今回寄らず、途中でお鉢を外れて中の岩手山神社の奥宮に寄ってみました。ここは岩の間から噴煙が少し出ていて、やはりこの山は活火山なんだなあと改めて思った次第。参拝を終えたら、来た道を下って不動平に戻りました。
(岩手山神社の奥宮)
(お鉢巡りを終えたら、不動平へ戻ります)
不動平に戻ってもまだ5時過ぎ。このまま下ってしまうと下の温泉があく前に着いてしまうので(笑)、時間調整を兼ねて小屋の前で朝食をとり、のんびり朝寝?して、そろそろかなあと腰を上げたのは6時半前。
今回は焼走りコースを下るので、もう一度お鉢に上がって(笑)山頂手前の分岐へ向かいます。
(ミネウスユキソウ)
(もう一度お鉢に上がって)
(お鉢の中にある山は妙高岳)
もう一度お鉢にあがったとはいえ、もう一度山頂に寄る気はサラサラなく(笑)焼走りコースの道はその手前のピークから分かれています。分岐に着いたら、一息ついて左の道を下り始めました。
のっけは足下にカルデラや裏岩手の手稜線、そして屏風尾根と平笠不動の小屋を見ながらの爽快な下りを楽しめます。
(イワギキョウ)
(右の平笠不動へ向けてひたすらに下ります)
(平笠不動避難小屋)
お花を撮りつつのんびり下ると30分ほどで平笠不動に到着。さっそく避難小屋をのぞくと、こちらも綺麗でよさげな小屋でした。ただこちらは水場がないのが最大のネックですね。
そして来た道を振り返ると、さっきまでいた岩手山はもうかなり大きな存在になってました。
(振り返ると岩手山がすでに大きい)
(オオヤマオダマキ)
(ここでムシトリスミレに逢えるとは!)
平笠不動からは樹林帯に入って、ここから徐々に暑くなってきます。それでもまだ風が通っているのでマシでしたけど、スライドする人たちを拝見すると、今日の登りはなかなかきつそうに見えます。
途中で完全に諦めていたムシトリスミレに逢えたのには狂喜してしまいましたし、あと不動平でもたくさん咲いていた、近場で見るヤマオダマキよりかなり大ぶりなヤマオダマキは、やはりオオヤマオダマキでした。
(立派なダケカンバの樹林帯を抜けると)
(コマクサロードに出ます)
道を下るにつれ、周囲には立派な、そして少々異形のダケカンバが目につくようになるのも東北の山らしいですね。そんな木々を愛でつつ歩いていると、突然という感じで樹林帯を抜け、周囲が開けた火山砂の道に変わると、そこが今回のお目当てだったコマクサロード。
お花はさすがに盛りを過ぎていましたけど、それでも量が凄い!そしてお花も大株で見事でした。いわゆる有名な群生地とされる所の比じゃないですね。他の緑のお陰で花のピンクが際立つのもここの特色でしょうし、道を挟んで上も下もみんなコマクサの斜面。日本一と言われる理由がよーくわかりました。
(斜面いっぱいにコマクサが咲いている)
(下ではイワブクロも見事です)
もうかなり下っているのでコマクサはここで終わりかと思っていたら、下の第一噴出口跡でもまだ咲き残りがあってビックリ。
そしてイワブクロは第一と第二の噴出口の辺りで盛りで楽しめました。岩手山では普通に咲いてますけど、この花も北に来ないと逢えないお花なので、満開な大株のお花も見られて幸せでした♪
(第二噴出口跡より)
(噴出口を過ぎるとミズナラの疎林に変わった)
第二噴出口跡を過ぎるとスッキリしたミズナラの高木林に変わり、再び風も通るようになって、すいすい下れます。
そしてそろそろ登山口が近くなった頃、おとなりの溶岩流に出られそうな踏み跡があったので、時間に余裕がありまくりだったので出てみたら、↓↓こんな感じ。なかなか壮観な光景でしたけど、直射日光当たりまくりでただただ暑い・・・(笑)。
(焼走り溶岩流にも寄ってみました)
なので早々に引き返して、登山口の近くにある焼走りの湯を目指したのでした。
今回は結果として泊まりになってかなり余裕のある行程でしたけど、天気に恵まれ、山にも人にも恵まれ、しかもかなり暑かったので、結果泊まりで大正解。皆さんに感謝です。次はもう少し快適な時期に歩きたいですね。今夏は不安定な予想も出ているけど、本当に当たるのでしょうか??
・・・・・☆
◆ 2015.07.12 (Sun) 晴
不動平避難小屋 03:10- 薬師岳(岩手山)03:45/04:30- 岩手山神社奥宮 04:55- 不動平避難小屋 05:10/06:25- 焼走りコース分岐 06:55- 平笠不動避難小屋 07:30- ツルハシ分れ 08:15/08:25- 第二噴出口跡 09:00/09:05- 焼走り登山口 10:00
焼走りの湯 ¥600
タクシー(焼走りの湯~大更駅・迎車) ¥2970
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コメント
SAKURAさん、
ご無沙汰しております。相方さんが骨折とは大変でしたね。自分なんかは一人の方が却って気楽ですけど(笑)慣れないと一人は大変だとは思います。
東北の山は基本避難小屋ですけど、岩手は八合目小屋が管理人さんが入っていて、基本本当の素泊まりですけど、お金を出せが毛布を貸してくれますよ。土日混んでいるらしいのが難ではありますけど。。。東北の山は自然度が高くて夏は暑いけどやっぱり魅力的だと思いました。
投稿: komado | 2015.07.24 00:17
久しぶりに伺って北の山の岩手山拝見で~す。
富士山のようにお鉢めぐりができる山だったんですね。
新幹線で行けば1泊で…と思ったら避難小屋泊まり…
日帰りは辛いしと、やはりご縁が無い山かなぁ…
北の山でも若い方が増えたなんて嬉しい事ですね。
イワブクロさんに出合ってみたいなぁ~♪
好天で展望もお花も綺麗ですね。
今年は、なかなか登れない年のようです。
夏山に一緒に行く予定だった方が骨折、ソロでとも思いながら足慣らしに行った所です。
投稿: SAKURA | 2015.07.22 11:38