権現尾根を登って三ツ峠へ
(林道より三ツ峠を望む・左から二番目の尾根が権現尾根)
先週一年ぶりに三ツ峠を歩いたら、歩きたいところがあったことを思い出して、珍しく二週連続の三ツ峠。昔、かずさんが歩いた話を聞いて以来、長らく懸案になっていたというか単に忘れていた(笑)権現尾根(柄杓流川 蝙蝠沢右岸尾根)をようやく歩いてきました。
ということで今回(05/23)は三つ峠駅からのスタート。夏の花がまだたくさん咲いていた頃はそれなりに歩いていた表口も10数年ぶり(大久保山でも9年ぶり)で、これだけ間があくと色々変わってますね。そんな様子を見ながら林道をてくてく歩いて、一時間ほどで達磨岩に着いたら、ここで尾根に取り付く登山道と別れて、なおも林道を奥へ行きます。
(権現尾根末端部は扇状地状)
林道はマトモに使われてないようで結構藪っぽく、しばらく行くと林道終点に到着。すぐ先の蝙蝠沢(コーモリ沢)を伝って下りると、ちょうど堰堤の上で柄杓流川(大ブナ沢)に出ました。
権現尾根は蝙蝠沢と柄杓流川との中間の尾根なので、この時点で一応尾根上にいることにはなっているんですけど、尾根末端が扇状地状になっているために尾根感が全くありません。なのでとりあえず適当に上がっていくと踏跡が現れ、じきに植林帯に変わります。
(5.5m程のモミの大木)
その植林帯が妙に広かったので、試しにあちこち歩き回ってみると伐り残されたモミの大木がぼちぼちあって、なかなか先へ進めません。その中でも↑↑これが一番の大木。その太さもさることながら、モミなのに二手に分かれているのが印象的です。
こうやって色々寄り道しながらも徐々に上がっていると、尾根が突然という感じで盛り上がって、ここから先はイヤでもこの急な尾根を登らざるを得ません(笑)。しょうがなし急な尾根をせっせと詰めていきます。しんどいですが藪がないのが救いでしょうか。
(尾根中腹ではスズタケが被るが、距離は短い)
とはいえ尾根がスッキリしているのは良いんですけど、お花も少ないですね。ヤマツツジぐらい。そういえば大久保山の南面もお花がほとんど無かったことを思い出しました。時折、岩が散見されるのも同じような感じ。
なんて思っていると1300m圏辺りからスズタケが現れましたが、藪は見た目よりも濃くなくそのまま歩けます。ただ花粉のようなものが全身ベッタリついたけど、何の花粉だろう??
(巨岩にヤマツツジが彩りを添える)
(これは立派な岩屋でした!)
そのスズタケ帯を抜けるとじきに大岩が現れ、そこから先は露岩の急登が続いて「らしい」雰囲気になってきます。
次々現れる露岩を避けつつ登っていくと、途中には立派な岩屋もあったりしてなかなか面白いですね。
(一旦ツガの平坦地を介すると・・・)
(ここから核心部の始まり)
そんな露岩帯から一旦尾根が平衡になると再び大岩が尾根を塞いで、ここからの露岩帯が権現尾根の核心でした。
自分は例によって丸腰クンで行ってしまいましたが(笑)基本は用意をした上で、実地から安全に行けるルート探す/判断するスキルが必須ですので悪しからず。
(うひょひょひょひょっ!)
(こんな露岩の展望ポイントもありました)
途中で通りがかった、↑↑この岩頭はめっけもんでした!
雰囲気はだいぶ違うけど、酉谷山南東尾根の岩頭のような、ひとり座るとお山の大将・お猿さんになった気分になれるステキな所です。
(この枝振りの松を見れば核心部はお終い)
風が通るところなのか??こんな趣のある枝振りの松を見ると、核心部はお終い。
あとは下草の生えた緩い尾根を詰めると、じきに一字一石供養塔の裏から飛び出して表口登山道と合流。その先が神鈴権現社でした。
(あとは尾根を詰めるだけです)
(神鈴権現社)
さすがに表口は人通りがかなり多いものの、すぐ脇の神社に来る人は全くいません。道中の無事を感謝したら、こちらでランチも取らせていただき、ちょっと休憩。休憩を終えたら、お次は開運山には寄らずに(笑)御巣鷹山へ向かいます。
でも開運山を巻いたお陰でタチカメバソウやタカトウダイにも久しぶりに逢えたので、今回の所は正解だったのでしょう。
(タチカメバソウ)
(御巣鷹山の草原はまだまだ淋しい)
御巣鷹山の草原も一週間ではあまり変化はありません。でも少ないながらも、ホソバノアマナが咲き始めていたので、個人的には十二分に満足です。(^^)
御巣鷹山に着いたらちょっと休憩。それから来た道戻って、北口登山道を下ります。
(ホソバノアマナ)
(コヨウラクツツジ・盛り)
北口登山道は去年同じ時期に下りたのに、なぜに再び下りるのかと言えば、今回は久しぶりに水雲山の尾根を下りるから。去年水雲山との分岐を通りがかった時、私製の道標がついていて気になっていたのでした。
分岐から水雲山の尾根に入ると、一頃と比べて明瞭になった道筋にマーキングが続いています。するとさっそくコヨウラクやムラサキツリガネ、トウゴクミツバツツジと、ツツジの類いが目に入ります。
(今回は水雲山へ向かいます)
(アカバナヒメイワカガミ・上部で盛り)
足下はもちろんアカバナヒメイワカガミ。クモイコザクラはほとんど終わってました。
イワカガミはこの辺りで盛りだったのでいろいろカメラに収めて、さぁ先を行こう!とふと見上げると、なんとそこにはシロバナフウリンツツジ。すでにほぼ満開でした。
(シロバナフウリンツツジ・ほぼ満開)
(水雲山の祠は再建されないようですね・・・)
お花を撮りつつ行った割に水雲山には思いの外早く着いてしまった感じ。倒壊した祠はどうやら再建は難しいようですね。
と、ここで突然二人組のハイカーが現れてビックリ。でもこんな所を歩いているのですから、さすがに慣れた方達で、有意義なお話をいろいろ聞かせてくれました。
(水雲山よりチヨ沢<大幡川>の扇状地を見下ろす)
(ムラサキツリガネツツジ・一部咲き始めた)
そんな訳でちょっと長居をしてしまいましたが、帰りのバスが決まっているので、適当なところで切り上げてなおも下ります。
ムラサキツリガネはまだ蕾が大半だったものの、ほんの一部ですけど咲き始めたのもありました。
(登拝路の名残とおぼしき十九丁目石)
水雲山の尾根って実は古くからの三ツ峠への登拝路で、道中はその名残とも言える丁目石がいくつか残っています。
前に歩いたときに見つけたもの以外の丁目石を探すのも今回の目的だったんですけど、結局新たなのは見つけられずじまい。う~む。。。
(マイヅルソウ)
(尾根上の踏跡は明瞭になった)
結局マーキングは下までしっかり続いていて、チヨ沢を渡る箇所には上の分岐にあったのと同じような私製の道標がありました。でも対岸に渡って林道に出たところにはマーキングもないので、登りは判断するしかないようですね(笑)。
二週連続の三ツ峠。やっぱり山は下から登ると面白いし、充実感も違います。権現尾根はかなり楽しめたけど、お花の少なさは本当に意外でした。というか先ほども書きましたけど。大久保山の南面も同じような感じだったので、地質的な違いなのでしょうかねえ。。。
・・・・・☆
◆ 2015.05.23 (Sat) 晴 時々 曇
三つ峠駅 08:30- 達磨石 09:25- 林道終点 09:35- 神鈴権現社 11:50/12:10- 御巣鷹山 12:50/13:00- 水雲山 13:35/13:50- 林道に出る 14:55- 宝鉱山 15:40/16:20→ 都留市駅 16:40
| 固定リンク
「【御坂・天子・富士】」カテゴリの記事
- 御坂山・美林の稜線(2024.10.27)
- 色づき始めた御坂主稜へ(天下茶屋~八丁山~女坂峠)(2022.10.08)
- 笹子峠~大洞山~大沢山 新緑を愛でる(2022.05.13)
- またその3週間後の三ツ峠(2021.06.20)
- おおよそ3週間後の三ツ峠(2021.06.06)
コメント
れれちゃん、
今回表から上がったのはそれもあったんですけど、なにせ歩き出しから暑くて暑くて結局それどころではありませんでした(笑)。
でもまだチャンスはありそうなので気にしてみます。表口はおっしゃるとおり、キバナコマノツメとツルキンバイの黄色でしたね。自分は開運山より北しか知らなかったから、あそこまでいたのかと驚きましたヨ。
投稿: komado | 2015.05.27 23:43
AKIOさん、
なかなか面白かったですよ。
三ツ峠は岩の山だと改めて思った次第。かずさんに感謝ですよ。
AKIOさんなら問題ないと思います。お気をつけて。
投稿: komado | 2015.05.27 23:40
komadoちゃん、
まさかの2週連続。しかも途中まで表口とはビックリしました~!
オトシブミ。見つかりましたか?(^^)
神鈴権現社、すぐ近くにあったとは気付きませんでした。
草原で「無いなぁ~」って言ってたのは、ホソバさんだったんですね。
キバナノコマノツメは道中に沢山♪タカトウダイも見ましたよ~
そして、もう消化されましたが…お宝も少しゲット出来ました(サンショです・笑)
投稿: れれちゃん | 2015.05.27 22:41
Komadoさん、こんばんは。
権現尾根は面白そうですね。「酉谷山南東尾根の岩頭のような」と言われると行ってみたくなります。
屏風岩はともかく、三つ峠の枝尾根も岩っぽい所が多いようですね。
投稿: AKIO | 2015.05.26 22:10