檜洞丸~大室山・自然林と花花を愉しむ
(シロヤシオ・早くも1000m以上で咲き始めた)
今年は冬の後半から雑木林だったり植林の尾根ばかり歩いていたことを、前の大樺尾根の時に気がついて、これでは身体が自然林不足になるのも当然です(笑)。とはいえ日原は山ブーム以降、奥多摩駅へ出ること自体が鬼門となりつつあるのでちょっと避けたい感じ・・・となると結局足は丹沢の方へ向いていました(05/06)。
とはいえ丹沢だって南側から入ればおおよそ奥多摩と変わらなくなってしまうので、今回は優雅に上野原駅からタクシーを長駆走らせ神ノ川ヒュッテ、ではなく奥の孫右衛門トンネルに出て(\10090)からのスタートです。
(広河原)
神ノ川は去年のシロヤシオ以来の訪問。孫右衛門トンネルからだと広河原がぐっと近くなって良いですね。30分ほどで広河原に着いたら彦右衛門沢に降りてちょっと休憩。それから久しぶりに檜洞丸北尾根に取り付いてみました。
北尾根は10年ぶりの再訪で、最初はガレた沢筋を詰めていたものの、じきに植林帯につけられた仕事道が現れたのでそれを辿ると、北へぐるりと回りこんで尾根に上がりました。あとは尾根をひたすらに登るだけです。
(檜洞丸北尾根は植林帯を抜けてからが楽しい)
(いいですねえ)
植林帯を小一時間ほど登ると、裸地状の平地を介して、ここから待望の自然林が始まります。
すると丹沢らしいブナの立派な木々が次々と現れて、一気にペースダウン。今回北尾根を再訪したのはいろいろ調べ物をしたかったからなので、いちいち寄り道しながらゆるゆる登っていきます。
(オオカメノキ)
(ここまで上がってくると・・・)
ひと登りするとシロヤシオの木が現れましたが、今年は裏年だろうし、お花は期待してなかったのですが、なんと1000mを越えているのにもう咲き始めていてビックリ。今年は早いですねえ。この日は想定してなかったので早々に逢えてラッキーでした。
登るにつれ林のみどりが徐々に薄くなっていくのも良いですね。そしてトウゴクミツバツツジも咲き始め、オオカメノキは既に満開間近。しかもここのは樹高が低いので、花のマクロを簡単に撮れ、もうご機嫌ですヨ(笑)。
(なんとコミヤマカタバミ)
(ここまで来ると山頂は近い)
なおも登って、周囲が明るくなりバイケイソウも目立ち始めるとそろそろ山頂も間近。ここで開きかけたお花がちらちら目に入ったので確認するとなんとコミヤマカタバミ!まさか丹沢で逢えるとは。去年は間に合わなかったので喜びもひとしおです。
そして山頂直下は盛りは過ぎたもののまだ頑張っているマメザクラに、足下はシコクスミレ。そんな花々を愛でながら登ると、じきに山頂に飛び出しました。
(ブナの花)
山頂は10時過ぎとは言え、少々淋しい感じだったのはGW最終日のせいでしょうか?おかげでテーブルベンチは占領できるし、木道のお陰でブナの花を久々に撮れたりと(本当に!)嬉しいことばかりです。
とはいえこの日はここで終わりではなく、まだまだ先があるので、西の犬越路へ向かいます。
(檜洞丸より)
(コイワザクラ・盛りは過ぎたが多い)
すると出てきました出てきました。コイワザクラが。本当に普通に咲いているんですね。盛りは過ぎてましたけど、量が多いので道中十二分に楽しめる量が咲いていて、もう満足です。
あと足下にはワチガイソウにエイザンスミレ、フデリンドウ、ツルキンバイ、タチツボスミレ。オオカメノキは稜線でもかなり咲いていました。
(マメザクラ)
(縦走路は思いの外、人が少ない)
稜線はハイカーが次々と登ってくるのか?と思っていたら案外そうでもなく、人出は想像よりもかなり少ない印象。前に冬場歩いたときの方が多いぐらいでした。普段からこれぐらいの人出ならもっと訪れても良いんですけど(笑)。
この稜線は林相も良いし、展望も良い箇所があるけど、少々荒れた印象があるのはハイカーが多いせいなのでしょう。
(大室山が近づいてきた)
(フデリンドウ)
途中展望の良いピークで軽くランチを取って、なおも下るとここで咲き始めたシロヤシオやトウゴクミツバツツジとも再会。花付きはこちらも宜しくないものの、それでも木の総量が違うので、花期さえ合えばそれなりに楽しめそうな気がします。
そして下りきった鞍部が犬越路で、綺麗な避難小屋が建ってます。11年前に来たときはまだかまぼこ形の小屋だったので、その落差に驚きつつ中を見てみると、土間と板張りの間が半々ぐらいの丹沢の避難小屋でよく見られる間取りのようでした。
(犬越路の避難小屋が見える)
(トウゴクミツバツツジも咲き始め)
時間的にここから下山しても良いのですが、せっかく高いお金払ってきたのですから(笑)もうひとがんばり。西の大室山へ登り返します。
久しぶりに歩いてみると、こちらも林相宜しく素敵な道ですね。犬越路までと違って道の荒れ方も少ないし、こちらの方が山歩きをした気分になれる?かも??
(こちらも素敵な道だ)
(大室山の肩直下は木道が敷かれている)
途中で下山に採る予定の手沢左岸尾根の下降点を確認。それからなおも登るとバイケイソウで埋まった木道に変わって、登り切ると大室山の肩に着きます。
ここから大室山までは一投足。そのまま北の山頂へ向かうと、いましたいましたキクザキイチゲが!お花はほぼ終わりかけで、本当に何とか間に合ったという感じ。それでも白い花、青い花がぼちぼち目に入るという事は、花期さえ合えば結構咲いてそうですね。
(キクザキイチゲ・何とか間に合いました)
(大室山の北面はもっと散策したかったが・・・)
そして大室山の山頂に着いたら、そのまま北斜面のブナ林の散策に移ります。ブナの美林は相変わらずですし、トリカブトもまだまだ生えてますね。一時は病気が流行って壊滅的な状況にもなっていたので、今の花のシーズンの様子が気になるところです。
あと大室山も気がつけば9年ぶりで(笑)もう少しのんびりしたかったのですが、帰りのバスのことを考えると長居もできません。適当なところで切り上げて、後ろ髪引かれる思いで来た道を戻ります。
(手沢左岸尾根上部)
(ブナはもちろん)
登りしなに確認した下降点まで下ったところで、そのまま手沢左岸尾根の下降に移ると、のっけは痩せた尾根の急降下。
まぁそれは予想できたんですけど、急降下が落ち着くと尾根は痩せたままながら、林相が良くなります。ブナやモミの立派な木々にアセビが絡む感じは、丹沢初心者の自分が言うのもなんだけど(笑)いかにも西丹沢らしい自然林。
(この辺りはツガとアセビ)
(980m圏の広がり)
そして途中で岩っぽくなった箇所では立派なツガも多いし、尾根が西へクランクする辺りの980m圏の広がりもなかなか惹かれる所で、想像以上に良い尾根ですね~。
というかこの尾根ってバスの時間を気にしながら降りる尾根ではないですよ!(笑)むしろ現れる木々を愛でつつ「登る」尾根だと思いました。こうやって少々雑に降りるのが申し訳なくなってしまうぐらい。
(丹沢らしいザレたギャップもあります)
(812m峰・モミの大木)
812m峰手前のギャップも丹沢らしいアクセントで楽しめたし、812m峰にいた大モミもなかなかの存在感。そして用木沢出合に降りてみれば、植林は駐車スペースの裏だけだったという本当に素敵な尾根でした。
終わってみれば自然林は充分に満たされたものの、手沢左岸尾根は別の機会に歩けば良かったかな~とちょっとだけ後悔。でもそれって贅沢な後悔ですね(笑)。良いことは重なるものでGW最終日のお陰か?帰りのバスも混雑なく、快適に帰途につけたのでした。
・・・・・☆
◆ 2015.05.06 (wed) 晴
孫右衛門トンネル 07:25- 広河原 07:55/08:05- 972m峰 08:40- 檜洞丸 10:30/10:45-(途中休憩15分)- 犬越路 12:55- 大室山 14:15/14:30- 尾根分岐 14:45- 812m峰 15:55- 用木沢出合 16:10- 西丹沢自然教室 16:30
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コメント
AKIOさん、
なんと10日前でキクザキがそんな状況だったのですか!今年は高温が続いてお花が一気に進んでしまった感じですね。普段なら後半でも間に合うはずなのに。。。
でもおかげで種類は楽しめたので、コレはコレで楽しかったです。キクザキは来年楽しむことにしましょうか。
投稿: komado | 2015.05.11 23:52
Komadoさん、こんばんは。
レポを見てビックリでした。
小生はKomadoさんの10日前(連休前の26日)にコイワザクラとキクザキイチゲを狙って北尾根を登ってヤタ尾根を下りました。
コイワザクラは以前連休に見たので、今年はキクザキイチゲもついでにと思ったのですが、歩き出し時刻が早かったのと気温低めだったので、頂上近くのキクザキイチゲがなかなか開かず、待っていました。(苦笑)
この時期の10日間の変化には改めて驚きました。
ハイカーが少ない日で良かったですね。26日は早い時間でも結構多くて、植生保護ロープをまたいで頂上に出るのがチョット気がひけました。
投稿: AKIO | 2015.05.11 21:36