新緑の沢、芽吹きの尾根をたどって大持山へ
(横倉入・チドリノキは新緑、高木のサワグルミ・シオジも芽吹き始めた)
GWに入っても天気は完全に安定はしてませんけど、それでもぼちぼち山日和は続きます。先の日曜(04/26)は大持山~小持山のアカヤシオの様子見を兼ねた山歩き。
今回は名郷から横沢入(ナギノ入)を上がってウノタワに上がり、冠岩沢左岸尾根を下降。それから対岸のヤケヤマ谷左岸尾根~大持山西尾根を辿って大持山に登り返したら、小持山、シラジクボまで稜線歩き。そしてシラジクボから橋立川へ直接に降りて、浦山口駅に出るコースを組んで歩いてきました。
(ニリンソウ)
GWの好天とあって一番の名郷行きは満員。でも大半が棒ノ嶺か蕨山のようで、名郷から西へ向かうハイカーはほんの数名。まずは新緑美しい沢沿いの林道をてくてく歩いていきます。
横沢入の道はこのアプローチの長さが特に登りの時には少々難なのでしょうかね?それでもいろいろ寄り道しながら歩いた割にピッタリ一時間で林道終点に到着。そのまま登山道に入りました。
(横倉入の二俣)
最初の堰堤を越えれば、もうそこには美しい渓畔林が広がっていて、低木のチドリノキは新緑で輝き、高木のサワグルミは青い空をバックに芽吹き始めています。そのコントラストがこの時期らしくて、自然とひとりほくそ笑んでしまう素晴らしさ。ここは朝の順光の時に歩いてみたかったのです。
そして足下はネコノメソウやヤマエンゴサク、ニリンソウ、カタクリなどが彩っていましたけど、歩いた時期はほぼ同じなのにお花は去年よりもずいぶん少ない感じ。去年のは大雪のお陰で見られた光景なのでしょうか?
(ウノタワ)
それでもウノタワまでは渓畔林の新緑と相まって本当に素晴らしい道のりでした。確かにウノタワは特異かつ素敵な場所ではあるけれども、ウノタワよりも横沢入のこの渓畔林こそ「この道の核心」であることを改めて確信しました。これほど手軽にアクセスできる渓畔林ってなっかなかないんですヨ。ほんとうに!
まだ時間も早いせいか広いウノタワには人っ子一人いません。休憩がてら周囲を散策したら、稜線を北へ上がります。
(ハウチワカエデ)
(稜線は低木、イヌブナが芽吹き始め)
さすがに稜線はまだまだ茶色が主体の世界ですけど、低木やイヌブナが芽吹き始め、この標高もそろそろ緑の季節ですね。分岐のピークについたところで冠岩谷左岸尾根の下降に移ります。
下りはじめはアセビが煩いものの、新緑の始まったイヌブナの目立つ雑木林が広がっていて、なかなか良い雰囲気ですね。
(冠岩谷左岸尾根のひとコマ)
(左岸尾根上部はイヌブナ主体の素敵な雑木林が続いた)
尾根上部は尾根が広いこともあって、あちこち寄り道してしまいます。尾根の様子からここは個人的には登りが楽しいかな~と思いました。
でもそんな楽しいひとときも尾根の左側が植林になると、そのすぐ先でとうとう植林帯に突入。あとは植林の中を淡々と下っていきます。
(870m峰・中腹より下は植林が続く)
(冠岩に残されたお地蔵さま)
送電塔を過ぎるとひと下りで鳥首峠みちと合流。その先が冠岩の廃村でした。さっそくお地蔵さまに挨拶するも、もうよだれかけはなく、面倒見もされなくなってしまったようですね。。。
普段ならここで終わっても良いところですけど、今日の所はまだまだ半分も歩いてません。なおも下って、冠岩沢を渡る橋のたもと(去年の大雪で?小屋が倒壊して道を塞いでいた)から、踏み跡を拾って対岸の尾根に取り付きました。
(フモトスミレ)
(送電塔ピークより・隣の送電塔は下った左岸尾根の鉄塔)
当初は踏跡と思っていたその道筋は、ひと登りで明瞭になって北へトラバースを始めたので、これは巡視路かな?と思いつつ追ってはみたものの、すぐ先で小さく崩落していたので早々と尾根の直登に切り替えました。
でも直登も岩場に阻まれたので西へ逃げてみましたけど、結局軽い岩登り。これが正解だったかどうかかなり怪しいですね(笑)。でも岩の上に上がれば後は植林の尾根をひたすらに登って、じきにヤケヤマ谷左岸尾根上に上がると、すぐ先が送電塔でした。
(ヤケヤマ谷左岸尾根・基本雑木林と植林に分けられた尾根が続く)
(植林が切れると1142m峰は近い)
ここでちょうどお昼だったので軽くランチをとって、そのまま尾根を登っていきます。ヤケヤマ谷左岸尾根は12年ぶりの再訪でしたが、改めて歩いてみると、先ほど降りたお隣の冠岩沢左岸尾根と雰囲気が似てますね。
こちらもしばらくは雑木林と植林に分けられた状態が続き、植林が切れた上部がやはり尾根のハイライト。イヌブナの芽吹きの尾根が眩しい尾根はいつまでも歩いていたくなるような快いところです。でもそれは長くは続かず、じきに1142m峰に上がってしまいました。
(大持山西尾根1142m峰より、大持山)
(カタクリ)
以前は足繁く通った大持山西尾根も気がつけば8年ぶり。1142m峰より上は素敵な林が続いて、ここが西尾根のハイライトといっても異論はないでしょう(笑)。
そんな素敵な林もさることながら、足下にはカタクリがぼちぼち咲いていて目を楽しませてくれます。これだけシカが増えても奥武蔵のカタクリは登山道でもまだまだ普通に見られる不思議。昔は行く先をかなり案じていたので、今の状況にホッとはしているんですけどね。
(西尾根も上部は楽しいですね♪)
(大持山~小持山間のアカヤシオはやや盛りすぎ)
1142m峰から30分ほどで大持山に上がると、ここで一気に人が増えます。まあGWだし、アカヤシオの盛りだからでしょうけど、小持山へ向かうとひっきりなしにハイカーとすれ違います。
ちなみにアカヤシオの方は盛りをやや過ぎたかなという感じ。花付きは想像したよりも良かったですけど、まぁ例年並より少なめといったレベルでしょう。
(でも想像よりは見事でした)
(大持山方面を振り返る)
それでもこの稜線を歩く時間をズラしたので、この程度??の人出で済んだのでしょうね。
着いた小持山も先着のパーティがいなくなれば静かなもので、ここで最後の展望を楽しんでから下山です。まずは北のシラジクボへひと下り。
(小持山山頂)
(武甲山を見つつ、シラジクボへ下ります)
この下りは武甲山を眺めながら下れる、少々急ながらも気持ちの良いところ。20分ちょいでシラジクボに降り立ったら、ここから西へ延びる薄い径路を追います。
当初は武甲山の登山道と合流するまでこの径路を追うつもりだったんですけど、道はすぐに植林帯に入ってしまい、つまんなくなってしまったので、適当に橋立川へ降りてしまいました(笑)。
(シラジクボからは西の径路を拾ったが・・・)
(植林が続いたので沢に降りて・・・)
幸い枝尾根・枝沢に難場はなく、800m圏の二俣でオクスヤマ沢というか橋立川に出たら、あとは沢に沿いつつ、径路を追って下るだけです。
こちらも植林が絡むものの渓畔林が美しく、その新緑を楽しみながら下っていきます。でも足下のお花が減っていたのは去年の大雪のせいなのでしょうか。。。
(マルバコンロンソウ)
(橋立川を下ります)
そしてスゲ沢分岐(「エアリアのスゲ沢」の一つ奥の沢)の道標が立つ道を合わせると、もと登山道の明瞭な道が下まで導いて・・・はくれず(笑)、やはり二年前と同様に荒れていました。
ここはもう廃道の扱いなのでしょう。この道はあらゆる障害を安全に回避できる術をもった人のみが歩ける道になってしまいました。足下に沢を見つつ滝を見つつ歩ける風光明媚な道だっただけに残念ですね~。
(径路はかなり荒れている)
(風光明媚な道ですけど、さすがに通行止でした)
そんな道のりも長者屋敷ノ頭からの登山道を合わせるとおしまいで、林道終点はすぐ先です。終点附近の河原で最後の休憩を取ったら、新緑の山肌を愛でつつ浦山口へ向かったのでした。
・・・・・☆
◆ 2015.04.26 (Sun) 晴 時々 曇
飯能駅 07:10→ 名郷 08:10/08:15- 林道終点 09:15- ウノタワ 10:05/10:15- 870m峰 11:00- 冠岩 11:20- 送電塔ピーク 12:00/12:15- 1142m峰 13:00- 大持山 13:30- 小持山 14:10/14:20- シラジクボ 14:45- 800m圏二俣 15:15- 林道終点 16:00/16:10- 浦山口駅 17:15
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コメント
kbさん、
今年はお花の進みが早いですね。それと休みとの兼ね合いは難しいけど、それはもうしょうがないですね。
でもツツジは比較的もってくれるので少し遅い位ならまだまだ大丈夫。そろそろお花も一旦落ち着いて緑のシーズン入り。これはこれでまた素晴らしいから山歩きは楽しいです♪
投稿: komado | 2015.04.30 23:00
4年前の4/29に大持・小持とアカヤシオを見に
歩きましたがその時は咲き始めでちょっと早い
時期でしたが今年はもう遅いのですね。
花を楽しむのは本当に時期が難しいですね。
komadoさんの記事を見て今年のアカヤシオは
堪能しました。新緑がどんどん濃くなっていますね。kB
投稿: kb | 2015.04.30 15:43