三帳から雑木の山越え、折八へ下る
(三帳から1142m峰への径路のひとコマ)
さて、気温が上がって本格的な春になってきましたね。まだ18きっぷのシーズンなので土曜(03/28)は年初以来の芦川南稜方面。長らく課題になっていた未踏の径路を辿りつつ、御弟子の再訪などを組み合わせてみました。
今回は珍しく芦川駅からタクシーで三帳(琵琶首)に出て(¥2800)からのスタート。歩きなら2時間近くかかる所から歩き出せるのはとにかく気分が良いです。三帳から芦川南稜へ延びる径路は1142m峰へ延びる径路と、アンバ峠みちの二本ありますが、今回は手始めに西の1142m峰への径路を辿ってみます。
(この立派なアーチ橋は発電用の水路)
まずは発電用水路の立派なアーチ橋に驚きつつ鑑賞しつつ、梅の香る林道をてくてく。すでにダンコウバイやキブシ、アブラチャンなどの早春の花は満開状態で、そんな様子を楽しみつつ行くと、ほぼ地形図通りの辺りで径路に取り付けました。
径路は今やろくすっぽ歩かれていないはずなのに、熊倉沢右岸の尾根上に明瞭につけられていて、往時の往来の多さを想像せずにはいられません。
(ろくすっぽ歩かれてないながらも径路はかなり明瞭)
(620m圏緩斜面のひとコマ)
とはいえ径路上は落ち葉が積もって歩きづらいので、基本尾根伝いに辿りながら、歩きやすいところだけ径路を辿るという感じで登っていきます。そして尾根のどこかしらにダンコウバイが黄色い花を咲かせていて、見事です。
個人的に少々気になっていた620m圏の辺りは地形図通りの緩斜面。その馴れた感じからおそらくこの辺りは畑があったのではないでしょうか?
(ダンコウバイは満開でどこでも綺麗だった)
(620m圏緩斜面のひとコマ・Part2)
その一つ上の東側の緩斜面もその様子から畑なり建物なりがあったような感じに見えますけど、実際はどうでしょう。
そんな緩斜面の様子を見終えたら、ここから1142m峰への急登が始まります。
(この辺りはアサダ純林っぽい)
せっせと登っているときにふと気がついたのは、この尾根というか径路は植林が少ないし、梢越しに見える両隣の山肌もほぼ雑木山で、そんな光景を見ると無性に嬉しくなってしまいます。こういう所ってありそうで実はなっかなかない、本当に貴重なところなのです。
そんな雑木林を愛でながら急な道をせっせと登っていく、それ自体が楽しいひとときですネ。
(径路は明瞭だったのは850m圏ぐらいまで)
(広い1142m峰の一角)
でも下から明瞭だった道筋も900m圏辺りから徐々に不明瞭になり、いつの間にやら普通の尾根歩きになっていました(笑)。そして最後になってなぜか現れた植林帯の中を登り詰めると1142m峰に到着。
登り出しは曇りがちだったのに1142m峰に上がる頃には天気も晴れて少々暑く感じるぐらい。稜線は広々としているので休憩場所には事欠きません。今回は周辺の平たいところでのんびりとランチをとり、行程的に少しお昼寝する余裕もありました。
(ツノハシバミの小さい雌花)
(地蔵峠へはどうしても二重山稜の底を歩いてしまう)
休憩を終えたら次は地蔵峠へ向かうのですが、ここは毎度ながら稜線でなく、自然と二重山稜状の底を歩いてしまいます。この辺りはいつも落葉している時期にしか歩いていないので、この辺り緑の時期がどうなるのか、一度見てみたいですね。
地蔵峠に上がったら大ツガと六地蔵に挨拶。それからなおも東へ折門峠まで行ったら、ここで縦走路と別れて南の尾根道を下ります。
(地蔵峠)
(折門峠からは尾根を南へ下ります)
この辺りも相変わらず雑木の美しい、歩きやすい尾根道。でも今となっては道の明瞭さの割に歩く人のほとんどいない道。まもなく皇太(こうたい)神社のある山神峠に着きます。
山神峠は二年ぶりでしょうか。周囲に変化はなくまるで時が止まっているかのようです。二年前は西の折門の再訪でしたけど、今回は御弟子へ下るので東の道を下り始めます。
(山神峠の皇太神社)
(分校上の諏訪神社に降りてきました)
御弟子への道は前に登りにとっていたので、おおよそ覚えてて、途中の新しめな山ノ神も健在。
ここまで来れば後は御弟子までひと下りな筈だったのですが、ここで前と違うルートを歩いていることに気がついたものの、登りにとったルートが不明だったので、そのまま降りるとじきに諏訪神社に出て、その下が見覚えのある折八分校跡でした。
(7年ぶりの御弟子・とうとう無住になってしまいました)
(沢へは軒先を通らせて頂きます)
御弟子は7年前にこの辺りの山上集落をつないで歩いた時以来の再訪。集落はその間にとうとう無住になってしまいましたけど、山上集落特有の明るい開放感は以前とまったく変わりません。でも集落の中に咲いていた黄色い水仙がまだ人の気配を残しているようで、切なくなってしまいます。
沢へ下る径路は家の軒先の前を通っていて、集落を過ぎると麓の沢と結ぶ索道を見て、なおも東へトラバースしながら延びています。
(スミレの前になんとヒトリシズカ)
径路は時折不明瞭になるものの、そこは地形を見ながら判断して降りていくと再び径路が見つかる感じ。径路がつづら折れを始める畑跡あたりで、ようやくヒトリシズカにタチキランソウ、タチツボスミレと今春初となる野の花が見られてちょっとウキウキしてしまいました(笑)。
でもそのつづら折れの径路がどうも藪っぽそうなので、ここは新しい地形図には載っている、なおもトラバースして延びている径路の方を追うと、じきに798m峰の尾根に乗り、あとは尾根伝いに降りていきます。
(沢へのトラバース道は明瞭な箇所の方が多かった)
下の県道が見える頃、畑の跡に出て、その先に分岐があったのでここはなんとなく左の道をとると、ふた下りで「地形図の径路が通る沢」の堰堤に出ました。
沢に出ると上流に滝が見えたので、寄ってみるとこれが6m程の意外に素敵な滝。鑑賞したら沢の集落はもう間近です。
(最後は堰堤に降り立ち、すぐ上の滝を鑑賞)
(地形図の破線路を下ると・・・)
集落に出る直前、天神さまなど祠の並んでいたので、道中の無事を感謝してなおも下ると、その先にはなんと双体道祖神がまつられていて狂喜してしまいました!
実は沢へ下ったのは以前まつられていた御弟子が無住になって以降、沢に下りた上折門の道祖神と再会したかったから。左が上折門ので右が沢の道祖神。沢のはおててつないでいて、これは大山の道祖神とおなじですね。
(沢に降りてきた上折門の双体道祖神<左>)
しかし逢いたかった道祖神に難なく逢えるなんて、先ほどの分岐を左にとったからこその奇跡。良いことって不思議と重なるものなんですよね~
・・・な~んて思いつつ県道に出たらあとはタクシーを呼んで甲斐岩間駅へ向かうだけ、と思ったらなんと沢はケータイが圏外!(笑)今や住人が二桁だって怪しい山奥の折八ではまぁこれもしょうがないのでしょう。ということでケータイの繋がる中河原へ向け、県道を下ったのでした。
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ブログの方は簡単にまとめてしまいましたけど、今の御弟子の様子や上折門の双体道祖神の詳細などは、ぐぐたす(Google+)の方へ載せていく予定ですので、興味のある方は →こちら もどうぞ♪
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◆ 2015.03.28 (Sat) 晴 時々 曇
三帳(琵琶首)08:40- 620m圏緩斜面 09:40/09:55- 1142m峰 11:35/12:55- 地蔵峠 13:15- 折門峠 13:35- 山神峠(皇太神社)14:00/14:05- 御弟子 14:25/15:05- 沢 15:50/16:10- 中河原(根子 中村)17:00
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