小丸越え、熊木沢から蛭ヶ岳へ
(蛭ヶ岳南尾根のひとコマ)
寒中なのに想像よりも冷えない日が続いて、山の雪もかなり溶けてしまいましたね。そこでプランが復活したのが実は丹沢方面で、そのプランの前にまずは丹沢の未踏区間を歩くべく、蛭ヶ岳へ行ってきました(01/09)。
いや~できるだけ避けていた大倉からの歩き出しなんてkomadoも丹沢ハイカーの仲間入りでしょうか(笑)。なんと24年ぶりでした。すっかり変わった周囲を散策してから大倉尾根ではなく、まずは二俣を目指します。
(小丸尾根・上部までほぼ植林が続く)
二俣までの道は初めてでしたけど、林道歩きが長いですね。まぁ日帰りでもないのに無駄なお金は使えないので今回の所はガマンガマン。その二俣の先から分かれているのが小丸尾根の登山道で、普段は県民の森からここへ上がってきて歩き出しのイメージですけど、大倉から歩くともう結構汗かいてます。
さっそく小丸尾根を登り始めると見た目の予想通り植林が続きます。その上お隣の鍋割の道と比べてはいけないんでしょうけど、道筋の錯綜ぶりを見ると入山者の多さに整備がついていけてない印象ですね。
(尾根上部に上がるとようやくく雑木林に変わった)
(鍋割山稜との合流点から小丸尾根を見下ろす)
尾根中腹まではアカマツにヒノキの植林が延々と続きますが、尾根上部にさしかかるとようやく雑木林に変わってホッとしました。
あと上部は結構急で、その急な斜面をつづら折れに上がりながら、周囲に高木がなくなると鍋割山稜と合流。ここも格好の展望ポイントで来た尾根や海なんかも望めて気持ちの良いところですね。行程に余裕があるのでついついのんびりしてしまいます。
(鍋割山稜・登山道はすでに泥濘)
(今回は小丸北尾根を下ります)
休憩を終えたらお隣の小丸へ向かいます。暖かいこともあって登山道はすでに泥濘状態。短い間だったから良かったけど、大倉尾根とか主脈縦走路って、ずっとこんな感じなんですよね・・・??
小丸に着いたら、逃げるように北尾根を下り始めました。
(尊仏ノ土平・中央が降りてきた小丸北尾根)
ほぼ全編植林の北尾根を30分ほど下ると、丸ひと月ぶりとなる尊仏ノ土平に降り立ちます。
相変わらずの荒涼とした感じも、見慣れると本当に静かで良いところです。この日は風もなく、だだっ広い川原の真ん中で軽くランチ。本当に暖かくて快適で・・・軽くお昼寝しちゃいました。
(今回は箒杉沢へは行かず・・・)
(このハシゴを登りに・笑)
尊仏ノ土平に出るとお次はたいてい箒杉沢でしたけど、今回は先月見るだけだったハシゴを登りに熊木沢へ向かいます。
道中オガラ沢の辺りとかも初めて見て、ああこんな感じなのかと思いつつ30分も歩くと、見覚えのある橋が見えてそこが熊木沢の出合です。
(熊木沢出合の大ミズナラ)
林道だと大回りになってしまうので直接橋へ降りてみると、斜面に大木が目に入ったので近づいたら、なんとそれはミズナラでした!
幹廻り4m強でしょうか。というかそれよりなにより、沢沿いに「ミズナラの大木」と言うミスマッチさにもビックリ。渓畔林で大木になりやすいと言ったら普通はトチかカツラでしょう!というかここで丹沢の沢でまともなトチを見かけたことがない事に気がつきました。その代わりなのか??クマシデが多いですね。丹沢の沢は。
(奥の蛭ヶ岳を目指して熊木沢を行きます)
(だだっ広い河床歩きがひたすらに続く)
ハシゴを登って対岸へ渡ったら、熊木沢の奥に蛭ヶ岳が見えて、あとはあの頂きを目指して北上するのみ。
ただ最初こそ新鮮でしたけど、次第にゴーロ歩きに飽きてきますね(笑)。それはともかく今回歩いた川原のルートが正しいルートというか、一番歩きやすいルートだったのか、ちょっと自信がないです。。。
(林道が残っている箇所もあった)
(林道終点・まさか右岸側だったとは!)
本来は廃林道をひたすらに追うのが正解なのですが、西沢と東沢の出合が見えたところで、そちらへ行ってしまい、あれ?目印の廃車がないけどどいうこと?と思っていたら、単に自分が間違えていたのでした(笑)。
しかもその廃車は尾根の取付にあると思い込んでいたんですけど、実際には手前(右岸側)にあったんですね。
(蛭ヶ岳南尾根・急登が続くと思ったら)
ということでようやく南尾根に取付くも、廃道となって8、9年経っていると道標もないし、のっけの沢筋のつづら折れが少々わかりづらいです。
それからじきに左手の枝尾根に移れば、あとはひたすらに尾根伝いに登ります。
(なんとブナ林が出てきた)
(ふたごブナ)
痩せた急な尾根だと最初は予想通り灌木混じりの二次林。尾根が尾根なので、こんな感じが上まで続くのだろうな~と当初は予想していたのですが、実際には間もなくブナ林が現れて驚きました。
しかも尾根は基本急ながらも、緩急交えて歩きやすかったのも意外で、案ずるより登るが易し。歩いていても楽しいです。もちろん急ではあるんですけど、さすがに登山道をつけていた尾根だった事はありますね。
(高木が減ってくると山頂は近い)
(熊木沢と南尾根を見下ろす)
それに急な尾根だとぐんぐん標高が上がるのも楽しいところで、ついさっきまで見上げていた山稜が同じ高さになり、あっという間に足下に収める感じもちょっと快感。
やがて尾根上に高木がなくなると、ひとがんばりで蛭ヶ岳の山頂に飛び出しました。
(山頂の手前あたりからだったかな?)
(今回はコレが見たかったのです♪)
今回の行程は蛭ヶ岳でお終い。そう蛭ヶ岳山荘に泊まるのが目的で、だからこそ大倉発でのんびり休憩を交えつつ歩けたのです。
ということ蛭ヶ岳山荘はいつもまわりからは見ていたものの、中に入るのも今回は初めてのこと。小屋の中はもちろん綺麗で小屋の方も良い方でしたし、この日は宿泊者がわずか3名で快適すぎました。空いてる小屋サイコー(笑)。ただ噂通り、少々寒い小屋なので防寒の準備は必須でしょう。
同宿者もいい方でしたし、晴れた夜は寒いけど星空は綺麗だし、夜景も素晴らしく、冬の蛭ヶ岳を十二分に堪能できた一夜でした♪
・・・・・☆
◆ 2015.01.09 (Fri) 快晴
渋沢駅 07:16→ 大倉 07:30/07:35- 二俣 08:50-(途中休憩30分)- 小丸 11:00- 尊仏ノ土平 11:30/11:55- 熊木沢出合 12:25/12:35- 南尾根取付 13:40- 蛭ヶ岳 15:20
蛭ヶ岳山荘(素泊り) ¥5000
水 (2l・PET) ¥1200
お茶 (500ml・PET)¥500
水 (500ml・PET)¥500
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コメント
AKIOさん、
確かに宿泊者は意外に少ないと思いました。連休初日の翌日で30人の予約なら、真冬の蛭ヶ岳なら土日でもよさそうな事がわかったのが収穫かも。ただしみやま山荘は混みそうですけど。
自分も腰の都合でしばらく日帰りオンリーでしたけど、去年から久しぶりに近場の泊まりをやってみると、これはこれでなかなか宜しく、しかも新たな発見もあって、改めて近場の山の良さを知ることになった次第。今年も花粉シーズンが開けたらぼちぼちやろうかと思っています。
投稿: komado | 2015.01.14 22:54
Komadoさん、こんばんは。
小屋は金曜日の夜で3名ですか。冬ですが、金曜日の夜となるともう少し宿泊客がいるのかなと想像していましたが。丹沢の尾根筋の小屋は避難小屋も含めて、水がないので泊まりにくいのかもしれません。
それと、最近は東野〜大倉を日帰りするハイカーも結構多いようです。昔は主脈や主稜といえば、一泊または半泊がほとんどでしたが、楽しみ方が変わってきているようです。自分自身も日帰り派なので大きなことは言えませんが(苦笑)、写真のような夜景を見ると泊まってみたくなりますね。
投稿: AKIO | 2015.01.12 20:02