イモリ谷左岸尾根から七ツ石山へ
(イモリ谷左岸尾根上部)
あの・・・こうやってぼちぼち奥多摩を歩いていると、ある程度の規模の「未踏の尾根」が自然となくなってしまうのは、まぁしょうがないところでして・・・でもそれを一気に歩いてしまうのは、なるべく新鮮な気持ちを持って歩きたい自分にとってはあまり宜しくありません。
なので近年はその未踏の尾根をチェイサー片手に濃いお酒をちびりちびりと飲む感じで歩いていて(笑)、今回(11/22~23)歩いたイモリ谷左岸尾根もその虎の子の一つ(本当に!)。でもただ日帰りで歩くだけでは却ってコース取りにも悩んでしまうので、七ツ石小屋泊の初日のプランとして歩いてみました。
(日原林道・名栗沢橋の手前より)
(名残のイロハモミジが綺麗だった)
三連休の暖かい好天とあって二番バスも大盛況?と思いきやバス一台で収まったのは意外。なので東日原から歩き出せばひとり旅は確定で、久しぶりに日原林道をてくてく歩きます。
道中さすがに紅葉は盛りを過ぎていましたが、所々に残るイロハモミジが想像よりも見事で、そのお陰か?重荷の割にスムーズに歩けて唐松谷の下降点まで休憩込みでちょうど二時間。着いたらそのまま唐松谷林道に入りました。
(唐松谷林道の導入部は素敵な所だ)
(富田新道との分岐・ここも素晴らしい)
唐松谷林道は渓が深くて日陰なのは少々残念ですけど、のっけのマミ谷・唐松谷出合の様子からしてワクワクしますね。そして吊橋を渡ってから登り返す辺りの自然林も本当に見事です!
ふかふかの落ち葉の許、名残のチドリノキの黄葉を愛でつつ、シオジやトチ、ミズナラ、ブナ、ハリギリなどの巨木が林立する中を歩く道のりは、木々の風情を愛でられる裸木の時期こそ一番好ましいとすら思ってしまいます。
(ふかふかの落ち葉道)
(イモリ谷出合・中央の尾根がイモリ谷左岸尾根)
そんな様子にこのまま唐松谷林道を行ってしまいそうになりますけど(笑)、今回はイモリ谷左岸尾根を歩くのが目的なのでそうも言ってられません。尾根末端が延びるイモリ谷出合に出なければいけないので、適当なところで唐松谷へ下降します。
降りたところはイモリ谷出合の手前辺りで、すぐ先に出合が見えるのものの水量が多くて水線は無理。なので巻き巻きしましたけど丸腰さんでは少々厳しいですね。ここは安全のためにも用意をして行くべきでしょう。念のために言っておきますけど、直に出合へ降りるのも丸腰では厳しいですし、上流側に降りたとしても今度は尾根へ取り付くのが厳しくなると思われます。
(初っぱなの露岩を越えると)
ということで出合に着いたら、さっそくイモリ谷側から尾根に取り付くと、のっけは黒木のもと岩屑混じりの急な登りなのは、お隣の桧尾根やマミ谷右岸尾根を想起させますね。
そして傾斜が緩むと、ツガが林立するようになるのも本谷上流域の尾根群ではお馴染みの光景。スズタケが枯れて荒れた感じがあるのが少々難ですが、意外だったのが、そのツガ林がなかなか途切れないこと。
(意外やツガの林がずっと続く)
(1550m圏から尾根左側が二次林に変わった)
1394m峰もそんなツガ林の許の平たいピークで、そこから先もツガ林が続いたのには、石尾根北面のマミ谷より西は二次林のイメージが大きかった(個人的に)故に意外で、驚きでした。
でもそんな様子も左から明瞭な尾根が合わさる1550m圏に出ると尾根の左側が雑木林(二次林)に変わり、その雑木林と黒木林の間を行く感じになります。
(檜尾根と高丸山が懐かしい)
(上部まで上がるとコメツガに変わり)
この辺りになるといつの間にやらツガからコメツガに変わって、二次林と枯れた黒木が見られるようになったこともあって、荒れた感じは否めませんね。スズタケもまだ残ってはいましたけど、もやは藪漕ぎの必要もありません。
そしてなおも登っていくと黒木もなくなり、枯木とダケカンバの明るい広尾根に変わると、もう奥にカラマツの樹形が見えて石尾根は間近だということがわかります。うっすら残っている雪に少々喜びながら上がっていくと、あっけなく石尾根に飛び出しました。
(稜線直下では残雪もうっすら)
(石尾根に出ました)
この辺りは一昨年ふたご座流星群目的のナイトハイクで歩いたものの、自分の記憶が確かならそれを除くと4、5年は来てなかったような。。。
飛び出したところから東にある防火帯は展望も良く、よくランチ場にしていたところだったので久しぶりに寄ってみると、こちらの方は鷹ノ巣と鴨沢みちの間にあるせいか静かですね。ちょっとだけ展望を楽しんだら、七ツ石山は寄らずに直接小屋へ向かいました。
(東のランチ場より・赤指尾根と登り尾根)
(七ツ石小屋の盛況ぶりにはビックリ!!)
小屋は近いので10分ちょいで到着。後はテントでも張ってのんびりしようと思ったら、小屋の人からテントは14時まで待ってくれと言われ、なんで?なんで??と思って前の広場に出てみたら疑問はあっさり氷解。小屋前の広場は整理・整備され、そこにはたくさんのハイカーが思い思いに休憩していたのでした。しかも若いコしかいない!(笑)
運営が変わる前は小屋に寄る人なんてほとんどいなかったので、そのイメージでいたからその光景は個人的には衝撃でしかありません!もちろん小屋の頑張りが一番大きいんですけど、山ブームもここまで来たか・・・いや山の未来を期待できる素晴らしい光景ですよ。本当に!
(小屋のテン場より)
ということで空いていると思い込んでいたテン場も当然のことながら満員御礼。ロケーション等、雲取周辺のテン場では個人的にはここが一番好みだと思いました。空いていれば、ですけどネ。
もちろん個人的には静かなところが一番好きなんですけど、いろいろな方とお話ししたり、宴会で盛り上がる様子を端で聞きながら過ごすのも悪くないですね。というかなんか北アに来たみたい(笑)。好天の割に気温も高く、おかげでよき一夜を過ごすことができました。
・・・・・☆
◆ 2014.11.22 (Sat) 晴
奥多摩駅 07:27→ 東日原 08:00- 八丁橋 08:45- 名栗沢橋 09:30/09:40- 唐松谷下降点 10:00- イモリ谷出合 11:10/11:15- 1394m峰 11:45- 石尾根に出る 12:50- 七ツ石小屋 13:15
テント場(七ツ石小屋) ¥500
ビール (ショート缶) ¥500
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コメント
kbさん、
工事は去年やっていたんですか!
それにしてもあの変わりっぷりにはただ唖然。でも混んでいる中、若い小屋番さんは一生懸命やられていましたよ。とにかく悪い感じはしなかったですね。
小屋番さんは若いけど、小屋は相当ぼろいから今後は予断を許さないでしょうけど、ずっとやってて欲しいな~とは思いました。今度は空いているときに行きたいです(笑)。
投稿: komado | 2014.11.25 23:28
七ツ石小屋の周辺は昨年工事していましたね
小屋番は確か若い方だったと思いますがとても
感じの良い方達で泊まることが出来ました。
小屋が続けられるように若い方達が多いのは
嬉しいですね
投稿: kb | 2014.11.25 09:50