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2014.10.14

大血川から長沢山・酉谷山をめぐる 1

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(新山沢<白石谷>の径路のひとコマ)

この三連休は台風のせいで潰れるのか?と思ったら予想よりも遅くなったおかげで、日帰りどころか泊まりもイケるようになったのは本当にラッキーでした。そうなればそろそろ紅葉の始まったホームのお山へ足が向いてしまいます。

とはいえこの三連休は例年秋一番のハイシーズン。まともに奥多摩から入っていたのでは歩き出す前に疲れ切ってしまうので(笑)、今回は例によって西武秩父駅からタクシーで大血川の東谷ゲート(向岳橋)に出て(¥6310)からのスタート。まずはケンカ平歩道経由で黒ドッケ沢出合先の吊橋へてくてく。

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(大血川東谷にかかる吊橋)

吊橋(奥秩父では「山ノ神橋」なんて記述もある)も付け替えられて5年経つと、踏板が所々割れている箇所も出てきてちょっとヒヤヒヤしますネ。その橋を渡った先にある分岐を今回はこれまた5年ぶりに右へ行くと、すぐに東谷を渡り返します。でもここは先週の台風の影響か?水量が多くて飛び石で渡るには少々面倒でした。

この徒渉さえこなせばあとは薄い径路を慎重に追って、じきに「エアリア奥武蔵で言う新山沢」を渡ると、その先に道が明瞭に分かれた分岐があります。初訪の折は直進して白石尾根に取り付きましたが、今回は上へ延びている径路追うのが目的。

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(下・白岩沢の径路、上・新山沢の径路)

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(なかなか良い渓相です)

初訪の折はこの上の道は周辺の植林道で結局1358m峰の北東尾根にでも登るのか?と思っていたら、いざ辿り始めるとあっさり尾根を乗り越して(笑)新山沢(エアリア奥武蔵では「白石谷」)に沿っていくようになったのは驚きました。

道は時折細くなったり、朽ちた桟道があったりしましたけど基本明瞭で、東京都の水源林巡視路を想起させるなかなか良い感じの道。そして時折見下ろす新山沢の渓相もこれまた意外によろしく、それも辿る愉しさを倍加させていたように思います。

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(植林の中を通って・・・)

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(今回の所はここまで)

ただこれだけ道が明瞭という事は今となってはやはり植林がらみなのでしょうね。手入れ今ひとつな植林の中を通り、沢床が小広くなったところでちょっとした崩落地があり(1000m圏辺り)、道はそこでわからなくなってしまいました。

道はまだその先もありそうな雰囲気なんですけど、重荷の身には少々重荷なので(笑)今回の所はここまで。ここで左岸の尾根というか・・・ただの急斜面に取り付きます。

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(急な枝尾根をひたすらに登り・・・)

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(こんな雑木林を通って・・・)

登りだしこそ植林が絡んでいた急な尾根も、ひと登りで雑木林に変わり、じきに尾根状になって傾斜が緩んだところで一休み。周囲はまだ緑が優勢ですけど、林を楽しみながら歩けます。

やがて手前の枝尾根(850m圏二俣中間尾根)、そして1358m峰北東尾根を合わせると、尾根右手が若木の二次林になって、さほどの時間もかからずに1358m峰に出ました。

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(長沢山北東尾根1358m峰に出ました)

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(コミネカエデ)

周囲が荒れた感じの1358m峰はほぼスルーして、次の長沢山北東尾根を辿ると、紅葉はぼちぼち始まっている感じですけど、色づきは今ひとつ。

しかも長沢山の北東尾根自体が、お隣の北尾根と比べると林相的な妙味も薄く、紅葉は今ひとつ宜しくないこともあって、どうしても登るだけになってしまいます。

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(北尾根を比べると林相は今ひとつ)

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(長沢山・ダケカンバは落葉寸前)

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(長沢谷を見下ろす)

一時間ほどで長沢背稜の稜線に飛び出したらとりあえず長沢山に寄って、南面の日当たりの良い(というか黒木が倒れて日当たりが良くなった)所を見つけてランチにしました。

天気が良いので展望はそこそこ利きますが、見頃に入ったはずの稜線の紅葉が予想どおり余り宜しくない感じ。まともに色づきそうなのはサラサドウダンぐらいで、ぱっと見紅くなっているのも葉っぱを見ると枯れかけている。

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(色づきよいのはこれぐらいか)

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(板小屋ノ頭はパスして)

まぁ低いところのはこれからなので希望は捨ててはいないけど、こればかりはお天道様と木の状態次第。となると今後は日光のパワーが欲しいところですね。

今回は時期が早いので板小屋ノ頭へは上がらず、北面の登山道を行きましたが、オオイタヤメイゲツは色づき始めながら、この状態だとそのまま枯れて落葉してしまいそうにも見えます。なので晴れていた事もあって、この北面の道がなかなか宜しい感じでした。

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(今回は北面の登山道を辿りました)

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(オオイタヤメイゲツは色づき始めたが、今ひとつ)

北面を巻いていた登山道が再び都県界尾根に戻ったところで、登山道と分かれて尾根伝いに水松山へ向かいます。

もう「花のひかり」でも何遍も言ってますけど、↓↓ここが10年ちょい前まではスズタケの海でまともに歩くことが出来なかった所なんてだれが想像出来るでしょう!それぐらい今は気持ちの良いプロムナード。

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(水松山へのプロムナード)

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(林床をカエデの幼樹が覆う箇所が年々増えている)

そんな二重山稜状のプロムナードは水松山を越えてもしばらく続いて、天気が良いこともあって楽しい限りです。それと今回歩いて驚いたのが、スズタケが枯れて以降スッキリしていた林床にオオイタヤメイゲツやウリハダカエデ、コハウチワカエデなどカエデの幼樹が新たな下草?として林床を埋め始め、その範囲が都県界尾根周辺で徐々に広がりつつあること。

まさか笹の後にカエデの幼樹が林床を埋めることになろうとは予想だに出来ませんでしたけど、長い目で見ると今後どうなっていくのでしょうね。ただこうなるとスズタケが枯れた後に大量に見られるようになったコミヤマカタバミは減りそうですが。

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(ヘリポート・展望良好)

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(綺麗に色づいているのはコハウチワカエデ)

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(この辺りも色づき始め)

稜線を東へ行くにつれ緑が目立ってきますが、所々綺麗に色づいたカエデの木も見られて、そんな紅葉を愛でつつゆるゆる歩いて行く感じ。

しかも今回は例えば日帰りだったらバスの時間、避難小屋泊まりだったら早く小屋に入らなければマズい、と言った様様なプレッシャーから解放されているので、心理的な余裕が全然違います。

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(酉谷山より)

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(夕方から夜にかけて雲海が見られた)

ということで長沢山からのんびり歩いても小屋に着いたのは15時前。さっそく小屋に入ると意外や先客さんが3人しかいないので、コレは却って困ったぞ(笑)。でも秋の三連休ということを考えると、17時近くまでハイカーが来る可能性があるので、今回の所は大事をとって小屋の前にテントを張らせてもらいました。

でも結局その後ハイカーがやって来なかったのは、台風の影響もあるのでしょうかね?これなら小屋泊まりにしておけば良かった!と思ったりもしましたけど、テントなら居ながらにして目の前の展望を楽しめるのが良いところ。テン場としては傾斜があって決して良好な場所とは言えないけど、夕方から夜にかけては雲海や星空も存分に楽しめたりして、今回の所はこれで良かったのでしょう。
 
・・・・・☆
 
◆ 2014.10.11 (Sat)   晴 時々 曇
向岳橋 08:25- 吊橋 09:10- 径路分岐 09:25- 新山沢1000m圏 10:00/10:10- 1358m峰 10:55- 長沢山 12:05- 水松山 13:00/13:15- 酉谷山 14:35/14:45- 酉谷山避難小屋 14:55
 

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コメント

やぎひろしさん、

オオカミのことは話には聞いていたものの、正直気にしたこともなく、他所のことだろうと思っていたんですけど、三峯周辺や大血川の方でも情報があった事に驚きました。

自分の歩きが歩きなので(笑)野生生物との遭遇もぼちぼちあります。イヌ科についてもこれからは気にしてみようと思っています。何かありましたら伺いますね。

投稿: komado | 2014.11.18 23:31

”ほんだなほみ”さんの紹介で訪問しました。
大血川東谷で1件。酉谷山で1件。
その近辺で数多のオオカミ情報が届いています。
・・・と思われる体験をされた方。
お出でになりましたら【二ホンオオカミ・井戸端会議】にお届け下さい。

投稿: やぎひろし | 2014.11.17 20:06

AKIOさん、

ああ、やはりそうでしたか。でもよくよく考えるとなまじ一昨年が良かっただけに忘れかけていましたど(笑)これぐらいが近年の例年並みなんでしょうね。。。

ヤマブドウは先週のバス車中で一人気を吐いていた感じ。綺麗でした。たぶんですね、今年は早く色づくやや高めなところの中低木までが色づき良ということなのかな?と思っております。色づきの遅い高木や低山は明らかに間延びしちゃいましたね。先週の砥山の様子から見ても台風の影響を受ける前から色づきが悪かったと。

投稿: komado | 2014.10.15 19:31

ba_sobuさん、

カエデの類いはダケカンバと同じくパイオニアですから、明るいダケカンバの林床に群れていたことはあっても、そこから徐々に広がりだしたのは予想外でしたね。

まぁシカさんがお好きでないのが一番でしょうけど、あとかつては明らかに生えそうに見えなかったところに生えているのはもしかすると、黒木が倒れて明るくなったからなのかな?とは思います。 でも幼樹はメイゲツが主ですので、標高高いところに限られそうでもあるかな、と。このまま酉谷山の方へ広がるのか?注目しております。

投稿: komado | 2014.10.15 19:24

Komadoさん、こんばんは。

時節柄、興味深く読ませていただきました。

>まともに色づきそうなのはサラサドウダンぐらいで、ぱっと見紅くなっているのも葉っぱを見ると枯れかけている。

土曜日は多摩川源流を歩いていましたが、全く同じ感想でした。カエデ類で時々鮮やかなのもありましたが、樹木に絡み付いているヤマブドウの紅い葉がカエデよりむしろ目立っていました。

投稿: AKIO | 2014.10.14 20:50

(水松山へのプロムナード)
(林床をカエデの幼樹が覆う箇所が年々増えている)

この画像にはワクワクします
これからの変化を長い目で見てみたいですね

日原もそろそろ・・紅葉が・・・
イマイチとはいえなかなか美しいですね

投稿: ba_sobu | 2014.10.14 17:26

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