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2014.10.24

錦繍の水源林を愉しむ 3(笠取小屋~斉木林道~伝通院)

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(伝通院への登りしな・防火帯が切られていた)

笠取山を登った後は朝食をとりつつテントを乾かしつつのんびり。まわりのテントの人もそんな人が多くて、今や将監なんかもそんな感じなのでしょうか?でもおかげでテントはあらかた乾き、荷物も軽くなって再スタート。昨日登った斉木林道(笠取林道)を今日は下ります。

前日は東向きのために少々暗かった林道も朝は日差しが入って明るく、周囲の紅葉を楽しみつつ歩けます。やはり日差しが入ると紅葉が映えますね。

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(朝の斉木林道はこんな感じ)

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(鳥小屋分岐より先は山道になる)

林道ながらもさすがに下りは早く、鳥小屋分岐には30分ちょいで到着。ここで荷揚げ道と分かれて斉木林道を直進すると、相変わらず道形は広いものの、両サイドを落葉が進んだスズタケの覆う山道に変わって、雰囲気が出てきました。

林相は時々植林を交えますが、大半が雑木林/自然林の続く道。そして晴れているおかげで紅葉が楽しめ、しかも↓↓こんな林道時代の遺物も見られて楽しい道のりです。

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(なんとトラックが!)

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(斉木峠付近は紅が多かったので日差しが欲しかった)

でもこの道中で唯一惜しかったのが、斉木峠付近で雲がかかってしまい、一時的に日差しがなくなっていたこと。この辺りは綺麗な紅が多かったので、尚更です。

しかもその美味しいところを過ぎた途端に、再び日差しが入るようになったのは少々ツイてませんでしたけど、あまり多くを望むのもそれはそれでよろしくないですから。。。

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(日差しが入ればこんな感じ!)

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(周囲のスズタケが枯れると尾根が広がり)

再び日差しが入れば、またまた周囲の紅葉を愛でながらゆるゆる歩く道のりが続いて楽しい限りです。

そんな道のりも周囲の木々がミズナラ主体にかわる頃、なぜかスズタケは枯れてきて、なんかずいぶん様子が変わったなあと思った途端、あっさりと白沢峠に出てしまいました。

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(白沢峠に出ました)

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(倉掛山への登りは防火帯を行く)

白沢峠はなんと8年ぶり。でもこれで長らく課題だったヤブ沢峠と三窪高原の間がようやく繋がりました。峠の印象がずいぶん違うのは年月よりも季節の違いでしょうね。

峠のシンボルとも言えるトラックも健在で、そんなトラックをぼーっと眺めつつ休憩を取ったら倉掛山へ向かいます。

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(サラサドウダン)

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(一旦藪道を介すが再び防火帯に変わる)

8年前は下りにとったこともあってすぐに降り立ったイメージがあり、登りも大したことないだろうと思っていたら、これが大間違い。結構距離あるんですね。

自分の勝手に持っていたイメージとしては、一旦ミヤコザサの藪道を介して防火帯に出れば、すぐに倉掛山、だったんですけど、当然それは大間違いなので、そこからの登りが長いこと長いこと。

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(綺麗に色づくのはやはりコハウチワカエデ)

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(笠取山方面と歩いてきた稜線を振り返る)

そして行く先に見える偽ピークにもダマされつつ、白沢峠から45分かかってようやく倉掛山に着きました。ここはこんなかかったっけ?と納得できないままエアリア(雲取両神)を広げてみると、コースタイムは1時間10分。けっこう距離あったんですねえ。。。

ちょうどお昼時だったので、今回はここでランチにしました。そおいや防火帯があって三角点が西隣のピークにあるって・・・前日の石保戸山もそうでしたね(笑)。

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(倉掛山よりハンゼノ頭方面)

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(ヤマラッキョウ)

休憩を終えたら、そのまま防火帯の尾根を下って絵図小屋とも墨川山とも云われるお隣の1740m圏峰へ向かいます。短い間に立て続けに三人のハイカーとすれ違ったのには驚きましたけど、よくよく考えてみたらたぶん柳沢峠のバス組の方達ですね。

10分ほどで絵図小屋に着いたら、ここで防火帯の稜線とはお別れ。東へ延びる高橋川の右岸尾根を下ります。

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(絵図小屋からの下りは道形が認められる)

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(大ダル峠<上ノ大タル>)

こちらの尾根も地形図やエアリアには破線路が引かれているので様子が気になっていましたけど、薄いながらも残っている感じですね。

でも斉木林道を突っ切るといきなり道がなくなりましたが、ひと下りで尾根の右手から明瞭な巡視路が延びてきて合流。道は尾根の南側を巻きつつ延びていて、じきにツブれた掛小屋の残骸が残る大ダル峠(上ノ大タル)に降り立ちました。

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(大ダル林道が横切る下ノ大タル)

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(絵図小屋と倉掛山を振り返る)

峠を越える明瞭な道筋を確認してから、なおも巡視路を追うと10分ほどで大ダル林道が尾根を乗り越す鞍部に出ます。そこがエアリアで云う下ノ大タル。実はここ20数年ぶりなんです。当時はR411側から林道が延びていて、下ノ大タルを乗り越して高橋側へしばらく下ったところまで道ができていましたっけ。

なので鞍部の広場は何となく覚えていました。そしてそこから先は再び防火帯が切られて、伝通院への登りはその防火帯を登っていきます。

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(伝通院山頂)

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(伝通院より東は道形が不明瞭な箇所が多い)

10分ほどで着いた伝通院(1560m圏)は雑木と植林に分けられた地形図どおりの広い山頂。東西に展望が利き、手入れされた直後というのもあるのでしょうけど、明るい雰囲気だったのも意外でした。

でも地形図の破線路はよくわかりません。降りた東側はしばらく下ってから明瞭な道が現れましたけど、じきに不明瞭になって判りづらくなったので、下りは特に尾根を追う方が安全でしょう。

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(1322m峰を過ぎると明瞭になる)

でもそこはさすがに水源林、降りている途中で一度尾根を横切る明瞭な巡視路をつっきり、1322mの手前と先の鞍部でもまた明瞭な巡視路が横切っていて驚きました。

日原のようになかなか気軽には行けない山域だけど、あまた通っているであろうこういう巡視路をいろいろ辿ってみるのも面白そうですね。

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(水神社奥宮の遙拝殿跡)

1322m峰を過ぎると、道の方も再び明瞭になってあとはすいすい下るだけ。そして尾根末端部の寺記号は水神社奥宮の遙拝殿跡だそうで・・・ってそれって神社ですよね?広い敷地には立派な石積みが残っていました。でもでも入口の鳥居近くに残された石柱には「遙拝山」って山号は普通お寺のイメージなんですけど、なんか妙な感じではあります。

遙拝殿跡からひと下りで水源管理事務所・落合出張所起点の「100年の森」の立派な散策路に変わりますが、さてこの散策路、いったい年に何人歩いているんでしょうね。散策路は短く、じきに落合出張所の脇に飛びだして山歩きはお終い。目の前に落合のバス停があるのも良いですね。

予想よりかなり早く降りてしまいましたけど、落合自体が久しぶりなのでバス待ちの時間も気になりません。今度はいつ来れるのかなぁと思いつつバスを待っていたのでした。
 
・・・・・☆
 
◆ 2014.10.19 (Sun)   晴 時々 曇
笠取小屋 09:20- 鳥小屋分岐 09:55- 白沢峠 11:00/11:10- 倉掛山 11:55/12:15- 大ダル峠(上ノ大タル)12:50- 下ノ大タル 13:00/13:10- 伝通院 13:20- 1322m峰 13:50- 遙拝殿跡 14:30- 落合 14:35
 
 
バス(落合~塩山駅) ¥1100
 

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2014.10.23

錦繍の水源林を愉しむ 2(笠取山ミニ周回)

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(早朝の笠取山)

さて翌日は前の晩に綺麗な星空を楽しめたこともあって、夜明けまでも快晴。こうも天気が良いとやはり笠取は登っておかなければね、ということで早朝に軽く一歩き。夜明けと同時に歩き出します。

さすがのこの標高では氷点下までは下がらず、想像よりも暖かい朝。日の出を迎えるためでしょうか、小さな分水嶺の辺りにはおそらく泊まりとおぼしき人が数名いた横をすたすたすり抜け、そのまま笠取山を目指しました。

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(さすがに霜は降りていた)

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(笠取山山頂より)

こちら側から登る笠取は短いながらも最後が急でしんどいイメージでしたけど、好天で気分がすこぶる良い上に軽荷ということもあって、快調快調。あっという間に山頂に着いてしまいました。

山頂には先客のカメラマンさんがひとり。快晴の割に空気の澄み方は今ひとつでしたけど、そんなのにこだわるのは贅沢というもの。しばらくお話をしてから、来た道を戻るのではなく、稜線を少し東へ行き水干へ下ります。

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(水干)

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(多摩川の一番はじめの流れ)

すでに稜線の紅葉はほぼ終わりかけで、水干への巻き道あたりもそろそろ終盤でしょうか。水干に着いたらまずは参拝して、それから隣のテーブルへ向かうと、ちょうどそこから朝日が当たっていたので軽く休憩。

休憩を終えたら後は小屋へ戻るだけでしたけど、なんと多摩川の最初の流れが見られるように道も出来ていたので、ちょこっと寄ってから小屋へ向かいました。

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(小さな分水嶺より雁峠・燕山方面)

帰路で意外だったのはこの辺りのカラマツが思ったよりも枯れていなかったこと。もうどこも紅葉は間延びしまくりです(笑)。でも鮮やかな黄金色に輝くカラマツ黄葉ってなっかなかお目にかかれないんですよね。特に近場では。それでも前の小屋平周辺の酷かったので、ようやくカラマツの黄葉を楽しめた感じです。
 
・・・・・☆
 
◆ 2014.10.19 (Sun)   (快晴に近い)晴
笠取小屋 05:35- 笠取山 06:10/06:15- 水干 06:35/06:45- 笠取小屋 07:10
 

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2014.10.21

錦繍の水源林を愉しむ 1(犬切峠~石保戸山~笠取小屋)

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(錦繍の水源林巡視路・鳥小屋分岐への道すがら)

先の週末も良い天気になりましたね。そろそろ低山帯でも紅葉の見頃に入ると行きたくなるのはやはり林の美しい東京都の水源林。でも日原ではなく、長らく課題になっていた多摩川の源流部の方でした。

ということで今回は久しぶりに塩山からバスに乗って落合へ。まぁこのバスは二番ということあるけど、秋の好天というのに人が減りましたねええ。今や大菩薩の表玄関は甲斐大和ということになってしまったのでしょうね。

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(犬切峠みち・道形は明瞭)

ということで落合まで乗っていたハイカーは4名ほど。自分も準備を終えたらさっそく歩き出し、まずは新犬切峠を目指しますが、車道を歩いていたのでは面白くないので、地形図に載っている犬切峠みちを辿ってみました。

さてその犬切峠みち、最初こそ林道でですけど、ひと登りして出た分岐から山道に変わります。今となっては滅多に歩かれない道でしょうけど、かつては駄馬も通った道。道形は広く明瞭です。

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(上部はスズタケが被るが道形自体は明瞭)

分岐からしばらくは尾根の東側を行っていたのが、尾根を乗り越して西側を行くようになると、やはりというか出てきましたよスズタケが。先を行くとスズが広い道形を埋めているので(笑)ヤブの薄い谷側を行く感じ。

そしてそろそろ稜線かな?と思い始めた頃、突然という感じで車道のように広い巡視路に飛び出します。これは犬切峠みちの一つ東側の破線路なのでしょうか?その道を下っていくとまもなく犬切峠に出ました。

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(新犬切峠から防火帯が始まる)

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(なんとイタヤカエデの紅葉!)

犬切峠に出たら藤尾山へ延びるの防火帯をの尾根を一瞥。お隣の新犬切峠に出てからが本格的な山歩きの始まりで、こちら側も水源林でよく見かける防火帯で始まります。

下草はすでに枯れていますけど、木々の紅葉は始まったばかり。そのコントラストが印象的です。道中、やけに綺麗に紅く色づいているのがいるなと思ったら、なんとイタヤカエデで驚きました。珍しいのが見られてなんか幸先が良さそうです。

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(恐ろしく静かなのが信じられません)

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(二本楢付近)

水源林の防火帯というと、まずはみなさん石尾根が浮かぶと思います。個人的にもそういうイメージなので、こういう防火帯で人通りが全くないと別の意味で違和感がありますね(笑)。

でも雪積もったらスノーシューで歩くと気持ちよさそう。ここなら人も来なさそうですし。

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(指入峠へ向かうと、一気に展望が広がる)

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(指入峠・大ダル林道が峠の南を掠めている)

二本楢を過ぎて指入峠への下りになると、一気に周囲が開けるのがちょっとしたサプライズ。ここで行く先の尾根や笠取辺りも見えて、急だけど爽快な下りです。

そして下りきると大ダル林道が南を掠める指入峠に降り立ちます。ミズナラの大木が印象的ですけど、林道が通る前の姿を見たかったですねえ。。。

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(防火帯はまだまだ続きます♪)

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(石保戸山・東峰と言ったら良いのか)

指入峠から短い樹林帯を介して、再び防火帯に変わるとあとは石保戸山を目指すだけ。正直紅葉の色づきは今ひとつですけど、そこは日差しの力でカバー。なかなか素敵です。

でもこの尾根はアップダウンが結構ありますね。指入峠から小一時間で石保戸山の東峰?に到着。頃合いもよろしく、今回は当然ここでランチでした。

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(鳥小屋への巡視路に入ると、最初はカラマツ植林だけど)

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(ハウチワカエデ)

ランチを終えたら三角点のある西のピークへ寄って、戻ったら直角に左折するように南へ下っている防火帯をなおも追います。

10分ほど下ると尾根の南を巻いている巡視路に降り立ち、新犬切峠から断続的に続いていた防火帯は歩きはお終い。巡視路の指入峠側は伐採作業のため通行止になっていました。

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(雑木林に変わると紅葉が見られるようになり)

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(これはこれは・・・)

ここからは巡視路歩きで、最初こそカラマツ植林だったもののじきに雑木林に変わると、この日の紅葉はこの辺りがハイライト。

色づき自体は決して良好とは言えないけど、そこは西向きの道。午後の日差しが西からダイレクトに入って、周囲の木々がなんとも良い感じで輝いています!

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(日差しの力は偉大です!)

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(鳥小屋分岐)

そんな道のりが、笠取小屋の荷揚道と合流して、斉木林道との合流点でもある鳥小屋分岐まで続きました。実は石保戸山の三角点峰に寄ったとき、尾根伝いに行くか(スズは被るが近道なので)巻くかかなり迷ったんですけど。今回は巻いて大正解でした!

この辺りは紅の少ないミズナラメインな色づきですけど、これはこれでまた素敵でうっとりしますネ。

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(コミネカエデ)

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(斉木林道は東向きの道なので午後はちょっと残念)

鳥小屋分岐からは斉木林道(笠取林道)を北上します。このあたりでは笠取小屋の軽トラが通るので完全に林道状。道自体も稜線を東に巻いているので午後は少々暗くなってしまうのが残念でした。

でも途中にちょっとした防火帯もあったりして、そんな寄り道をちょこちょこ重ねながら笠取小屋へ向かいました。

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(笠取小屋に着きました)

ということで鳥小屋分岐から小一時間ほどで本日のお宿笠取小屋に到着。といっても今回もテントです。テン場は小屋前の広場と小屋裏のカラマツ林、小屋西側の三箇所に分かれているようで、この日はトータルでも10数張り程度。余裕がありました。

まぁ作場平から近いこともあるんでしょうけど、場所柄登山と言うより気軽に山中キャンプができる場所といった感じですね。素敵な場所で、ここならここにテント張って数日過ごすというのもアリかも。みなさんいい人ばかりだったし、この日は晴れていたので綺麗な星空も鑑賞できて、大変良い一夜を過ごせました。
 
・・・・・☆
 
◆ 2014.10.18 (Sat)   晴 時々 曇
塩山駅 08:30→ 落合 09:30/09:35- 犬切峠 10:45- 二本楢 11:30- 石保戸山 12:20/12:45- 鳥小屋分岐 13:30- ヤブ沢峠 14:05- 笠取小屋 14:20
 
 
バス(塩山駅~落合) ¥1100
テント場(笠取小屋) ¥500
ビール x2(ショート缶) ¥1000
 

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2014.10.17

大血川から長沢山・酉谷山をめぐる 2

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(シラカケ岩附近のアカカシオ紅葉は見頃に入った)

前の晩は遅くなるにつれ空がクリアになっていたので、翌日の天気は意外に良いのでは?と期待していたのに、4時に目覚めたらなんと周囲はガスガス。しかも小雨も降っていてガックリ。

こんな天気では予定していたコースは無理なので、2ndプランに変更。となるとコースが短くなるのでもう一眠りすると、雨はやんでガスガスながらも空が明るくなってきた感じ。濡れたテントも小屋前に張ったお陰で、小屋の軒先を借りてキッチリ撤収できたのはラッキーでした。

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(朝の酉谷山・一旦ガスが切れたが)

7時なると空はかなり明るくなり、鳥も鳴き出したのでようやくスタート。15分ほどで酉谷山に上がるとガスが晴れて、空はほぼ快晴。う~んこれは雲取辺りだったら雲海が見られたんだろうなああ(泣)。

2ndプランは十数年ぶりに熊倉山まで縦走するプランで、さっそく北へ降りはじめと再びガスの中。それでも周囲が色づき始めたこともあって少しは明るく、決して悪い雰囲気ではありません。

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(大血川峠に降りると再びガスの中)

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(小黒からの下りは濃霧)

ただ下るにつれガスは濃くなるばかりで、特に小黒からの下りは二重山稜になっていることもあって気を遣いました。この辺りはスズタケが枯れたせいでトレースが却ってわかりづらくなったことと、近年登山者が増えたこともあって道迷い遭難が多発している箇所。

道中それなりに私製の道標なりマーキングなり見かけましたけど、この状況下ではそれらの目印を頼りに明瞭ではない道筋を追うだけの下降は困難です。まぁ平時であれば慣れている人なら普通に歩けるのでしょうけど、悪天候時の下降はこの道筋を熟知しているか、そうでなければ正確な地形判断を出来るスキルのある人以外は避けるべき、要はエアリア赤破線でも登山道ではなく、すでにバリエーションの範疇の状態だという事です。

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(大血川分岐の辺りは雑木林が続く)

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(檜木岳を過ぎると岩稜に変わり・・・)

そんな道のりも大血川との分岐に着けばほぼおしまい。あとはひと下りで右手(東側)に植林が現れ、その間を辿っていく感じです。しかし尾根上のスズタケがなくなると不思議と深山の感じがなくなりますね。すでに近場のお山のイメージ。

そしてきつい登りをこなして檜木岳(1451m峰)を過ぎると、尾根が痩せて岩稜帯が始まります。

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(アカヤシオが出てくるが、色づきは今ひとつ)

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(シラカケ岩を見上げる)

ここの岩稜帯と言えばもちろんアカヤシオ。時期的にアカヤシオの紅葉も見頃かな?と予想してこのルートを2ndプランにしてみたのですが、もくろみは当たってすでに紅葉は見頃に入っていました。

しかし・・・やはりというか色づきは今ふたつ。すでに茶色になりつつある木が大半で、まぁ遠目や写真で見るとそれなりに紅く見えますけど、贅沢言っちゃうとアカヤシオならハッとするような紅が見たかったなぁ。。。

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(当然「ほぼ定点」は撮れません・笑)

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(綺麗に色づいたのはごく一部)

それでもシラカケ岩の辺りには株が多いせいか、綺麗に色づきそうなのもちょこっとあって、ちょこっとだけホッとしました。

ガスガスのシラカケ岩で休憩してから先を行くと、しばらくはアカヤシオの紅葉が楽しめます。

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(アカヤシオとタカノツメ)

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(熊倉山山頂)

そんなアカヤシオの紅葉が見られなくなると、じきに熊倉山に到着。時間も早いしこんな天気だし、さすがにハイカーはいません。さっきのシラカケ岩で長く休んだのに、なぜかこちらでも普通にのんびり。まあ、あと2時間もあれば下れる山ですからね。

ということで休憩を終えたら本格的に下山です。今回はこれまた10年はご無沙汰している城山コース(小幡尾根)を降りてみました。

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(城山コースはひたすらに急降下)

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(登山口に降りたってようやくガスが晴れた)

今回城山コースを降りたのは熊倉山をめぐる道の中で一番歩いてなかったことと、確認したいことがあったから。このコースは急降下が続いて、下りの苦手な自分には少々歩きづらいのですが、それでも急なだけにすいすい下れて一時間ちょいで登山口に到着。ただ確認事項の方が不発だったのはちょっとショックだったかも。

熊倉から下りだしたときは、そのまま城山へ登り返そうかとも思ったりもしましたけど、実際に降りてみると天気も今ひとつだし、結局そのまま白久駅へ向ったのでした。
 
・・・・・☆
 
◆ 2014.10.12 (Sun)   霧
酉谷山避難小屋 07:10- 酉谷山 07:25- 小黒 07:45- 大血川分岐 08:10- シラカケ岩 09:20/09:40- 熊倉山 10:05/10:15- 登山口 11:25- 白久駅 12:10
 

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2014.10.14

大血川から長沢山・酉谷山をめぐる 1

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(新山沢<白石谷>の径路のひとコマ)

この三連休は台風のせいで潰れるのか?と思ったら予想よりも遅くなったおかげで、日帰りどころか泊まりもイケるようになったのは本当にラッキーでした。そうなればそろそろ紅葉の始まったホームのお山へ足が向いてしまいます。

とはいえこの三連休は例年秋一番のハイシーズン。まともに奥多摩から入っていたのでは歩き出す前に疲れ切ってしまうので(笑)、今回は例によって西武秩父駅からタクシーで大血川の東谷ゲート(向岳橋)に出て(¥6310)からのスタート。まずはケンカ平歩道経由で黒ドッケ沢出合先の吊橋へてくてく。

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(大血川東谷にかかる吊橋)

吊橋(奥秩父では「山ノ神橋」なんて記述もある)も付け替えられて5年経つと、踏板が所々割れている箇所も出てきてちょっとヒヤヒヤしますネ。その橋を渡った先にある分岐を今回はこれまた5年ぶりに右へ行くと、すぐに東谷を渡り返します。でもここは先週の台風の影響か?水量が多くて飛び石で渡るには少々面倒でした。

この徒渉さえこなせばあとは薄い径路を慎重に追って、じきに「エアリア奥武蔵で言う新山沢」を渡ると、その先に道が明瞭に分かれた分岐があります。初訪の折は直進して白石尾根に取り付きましたが、今回は上へ延びている径路追うのが目的。

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(下・白岩沢の径路、上・新山沢の径路)

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(なかなか良い渓相です)

初訪の折はこの上の道は周辺の植林道で結局1358m峰の北東尾根にでも登るのか?と思っていたら、いざ辿り始めるとあっさり尾根を乗り越して(笑)新山沢(エアリア奥武蔵では「白石谷」)に沿っていくようになったのは驚きました。

道は時折細くなったり、朽ちた桟道があったりしましたけど基本明瞭で、東京都の水源林巡視路を想起させるなかなか良い感じの道。そして時折見下ろす新山沢の渓相もこれまた意外によろしく、それも辿る愉しさを倍加させていたように思います。

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(植林の中を通って・・・)

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(今回の所はここまで)

ただこれだけ道が明瞭という事は今となってはやはり植林がらみなのでしょうね。手入れ今ひとつな植林の中を通り、沢床が小広くなったところでちょっとした崩落地があり(1000m圏辺り)、道はそこでわからなくなってしまいました。

道はまだその先もありそうな雰囲気なんですけど、重荷の身には少々重荷なので(笑)今回の所はここまで。ここで左岸の尾根というか・・・ただの急斜面に取り付きます。

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(急な枝尾根をひたすらに登り・・・)

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(こんな雑木林を通って・・・)

登りだしこそ植林が絡んでいた急な尾根も、ひと登りで雑木林に変わり、じきに尾根状になって傾斜が緩んだところで一休み。周囲はまだ緑が優勢ですけど、林を楽しみながら歩けます。

やがて手前の枝尾根(850m圏二俣中間尾根)、そして1358m峰北東尾根を合わせると、尾根右手が若木の二次林になって、さほどの時間もかからずに1358m峰に出ました。

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(長沢山北東尾根1358m峰に出ました)

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(コミネカエデ)

周囲が荒れた感じの1358m峰はほぼスルーして、次の長沢山北東尾根を辿ると、紅葉はぼちぼち始まっている感じですけど、色づきは今ひとつ。

しかも長沢山の北東尾根自体が、お隣の北尾根と比べると林相的な妙味も薄く、紅葉は今ひとつ宜しくないこともあって、どうしても登るだけになってしまいます。

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(北尾根を比べると林相は今ひとつ)

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(長沢山・ダケカンバは落葉寸前)

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(長沢谷を見下ろす)

一時間ほどで長沢背稜の稜線に飛び出したらとりあえず長沢山に寄って、南面の日当たりの良い(というか黒木が倒れて日当たりが良くなった)所を見つけてランチにしました。

天気が良いので展望はそこそこ利きますが、見頃に入ったはずの稜線の紅葉が予想どおり余り宜しくない感じ。まともに色づきそうなのはサラサドウダンぐらいで、ぱっと見紅くなっているのも葉っぱを見ると枯れかけている。

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(色づきよいのはこれぐらいか)

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(板小屋ノ頭はパスして)

まぁ低いところのはこれからなので希望は捨ててはいないけど、こればかりはお天道様と木の状態次第。となると今後は日光のパワーが欲しいところですね。

今回は時期が早いので板小屋ノ頭へは上がらず、北面の登山道を行きましたが、オオイタヤメイゲツは色づき始めながら、この状態だとそのまま枯れて落葉してしまいそうにも見えます。なので晴れていた事もあって、この北面の道がなかなか宜しい感じでした。

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(今回は北面の登山道を辿りました)

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(オオイタヤメイゲツは色づき始めたが、今ひとつ)

北面を巻いていた登山道が再び都県界尾根に戻ったところで、登山道と分かれて尾根伝いに水松山へ向かいます。

もう「花のひかり」でも何遍も言ってますけど、↓↓ここが10年ちょい前まではスズタケの海でまともに歩くことが出来なかった所なんてだれが想像出来るでしょう!それぐらい今は気持ちの良いプロムナード。

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(水松山へのプロムナード)

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(林床をカエデの幼樹が覆う箇所が年々増えている)

そんな二重山稜状のプロムナードは水松山を越えてもしばらく続いて、天気が良いこともあって楽しい限りです。それと今回歩いて驚いたのが、スズタケが枯れて以降スッキリしていた林床にオオイタヤメイゲツやウリハダカエデ、コハウチワカエデなどカエデの幼樹が新たな下草?として林床を埋め始め、その範囲が都県界尾根周辺で徐々に広がりつつあること。

まさか笹の後にカエデの幼樹が林床を埋めることになろうとは予想だに出来ませんでしたけど、長い目で見ると今後どうなっていくのでしょうね。ただこうなるとスズタケが枯れた後に大量に見られるようになったコミヤマカタバミは減りそうですが。

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(ヘリポート・展望良好)

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(綺麗に色づいているのはコハウチワカエデ)

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(この辺りも色づき始め)

稜線を東へ行くにつれ緑が目立ってきますが、所々綺麗に色づいたカエデの木も見られて、そんな紅葉を愛でつつゆるゆる歩いて行く感じ。

しかも今回は例えば日帰りだったらバスの時間、避難小屋泊まりだったら早く小屋に入らなければマズい、と言った様様なプレッシャーから解放されているので、心理的な余裕が全然違います。

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(酉谷山より)

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(夕方から夜にかけて雲海が見られた)

ということで長沢山からのんびり歩いても小屋に着いたのは15時前。さっそく小屋に入ると意外や先客さんが3人しかいないので、コレは却って困ったぞ(笑)。でも秋の三連休ということを考えると、17時近くまでハイカーが来る可能性があるので、今回の所は大事をとって小屋の前にテントを張らせてもらいました。

でも結局その後ハイカーがやって来なかったのは、台風の影響もあるのでしょうかね?これなら小屋泊まりにしておけば良かった!と思ったりもしましたけど、テントなら居ながらにして目の前の展望を楽しめるのが良いところ。テン場としては傾斜があって決して良好な場所とは言えないけど、夕方から夜にかけては雲海や星空も存分に楽しめたりして、今回の所はこれで良かったのでしょう。
 
・・・・・☆
 
◆ 2014.10.11 (Sat)   晴 時々 曇
向岳橋 08:25- 吊橋 09:10- 径路分岐 09:25- 新山沢1000m圏 10:00/10:10- 1358m峰 10:55- 長沢山 12:05- 水松山 13:00/13:15- 酉谷山 14:35/14:45- 酉谷山避難小屋 14:55
 

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2014.10.09

ほぼ砥山西尾根を下るだけの山歩き

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(砥山西尾根・下部は明瞭な道が通っている)

先月の下旬はそこそこ天気に恵まれたのに、なんか10月に入ってから台風の影響もあって週末の天気が宜しくなくなってきましたね。

そんな訳で先週の土曜(10/4)も予報が外れて今ひとつな天気。お彼岸の連休から山と仕事の日々が続いているし、お山はお休みしようかな~と思いつつも、近場の紅葉の様子もちょこっと見たいし、またまた超遅出でほんとうにちょこっと山を歩いてきました。

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(自然林が大変好ましい上日川峠のテン場)

ということで超遅出と言えば先月までは御岳でしたけど、今回はもうちょっと標高を上げたいので、午後いちのバスで上日川峠に出てからのスタート。当然ハイカーは自分ひとりで、ロッジ長兵衛で帰りのバスを待つハイカーの中をくぐって、まずは向かいのテン場に上がります。

さてこのテン場、ここはブナやミズナラウラジロモミなどの立派な木々が立つ素敵な自然林が広がるところで、低山帯のテン場としては「目の前の道路さえなければ」出色の環境。今はテントブームのお陰かパレットが敷かれてあって驚きました。

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(砥山までは自然林が続く)

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(紅葉はウリハダカエデぐらい)

そのテン場から南へ尾根伝いにてくてく歩くと、ひと登りで駐車場を乗り越えて、ちょっとした登りをこなして着く三角点のあるピークが砥山。実は本日のめぼしい登りはここまでです(笑)。

今回はここから西尾根を下るのがメイン。なんですけど西尾根は昔から道が通っていて、その道が南の鞍部(砥山峠)から延びているので、ここは尾根伝いに下らず、一旦鞍部へ下ってから径路を辿ってみました。

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(砥山峠・西尾根は西の径路を追う)

んが色づき今ふたつなカラマツ植林(近場の高木の紅葉はあまり期待できないかも・・・)の許、道はスッキリしていて歩きやすいものの、実際はクモの巣がものすごくて数m歩いただけで、服が白くなるぐらい。

ほんとクモの巣ってほとんど見えないし、あの大量のふわふわが身体にまとわりつく感じはかなりイライラしますね~。コレなら大藪こいでいた方が100倍マシです。

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(一旦林道に出る)

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(カラマツ植林の尾根を下り・・・)

ひと下りで林道に出たら、お次は尾根伝いに延びる廃林道を辿って林道終点から再び尾根を下る段取りなんですけど、下りはここの判断がポイントでしょう。ちなみにマーキングはないに等しい状況ですので悪しからず。

再び尾根に入るとカラマツ植林の許結構な急降下をこなしていきます。尾根から離れるのが怖かったので径路は辿りませんでしたけど、径路の方はたぶん尾根の南側を巻きながら延びていると思われます。

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(露岩を交えるところもありつつ・・・)

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(送電塔に出た)

そんな色づき今ひとつなカラマツ林からまだ緑の雑木林に変わると、ひと下りで送電塔に出ました。

送電塔は想像よりもかなり大きくてビックリ。天気は今ひとつながら甲府盆地を見下ろせて、ををを塩の山はわかりましたよ!

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(駄馬も通れるような明瞭な道が続く)

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(道を追ったら最後は倒木が煩かった)

送電塔で天狗パンを食べてからなおも下ると、ここから道は尾根伝いに通るようなり、しかも駄馬も通すような広い道に変わったことにまたビックリ。昔は登山道だったようですけど、ここはその前から峠みちとして利用されていたようにも見えます。

ひと下りで再び林道を突っ切り、そこから先で道は尾根を外れましたが、道を追った方が面白そうに見えたので、追ってみたら実際は倒木の連続で、これなら尾根伝いに降りた方が良かったかも(笑)。

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(設置してから何年経ったのだろう・・・)

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(林道に出れば大久保平は近い)

そうこうしているうちに早々と林道に降り立ってしまい、山歩きはあっけなくお終い。これなら小屋平から歩いても問題なかったかも、と思いつつ県道に出たらバスの時間にピッタリだったので、今回はコレで良かったのでしょう。
  
・・・・・☆
 
◆ 2014.10.04 (Sat)   曇
甲斐大和駅 13:50→ 上日川峠 14:35/14:45- 砥山 15:00- 送電塔 15:45/15:55- 尾根を横切る林道 16:05- 林道に出る 16:20- 大久保平 16:30
 

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2014.10.05

黒部峡谷・下ノ廊下を歩く 2

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(旧日電歩道・S字峡への道すがら)

まぁ周囲に気兼ねなく過ごせるせいなんでしょうけど、テントは小屋よりもよく眠れるような気がします。おかげで3時にパッチリ目が覚めて、星空の広がるもと朝食をとって、さっさと撤収。5時ちょい過ぎにはスタートできました。

お彼岸過ぎると5時でも周囲はまだ真っ暗。阿曽原峠に上がり、仙人谷ダムへ向かうと周囲も明るくなって、もうライトも要らないなと思うようになった頃、ものすごく立派な関電の人見平宿舎に出ます。

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(温いトンネルを歩きます)

水平歩道はここで終点。ここから先は旧日電歩道となって、しばらくはダム施設内のトンネルを歩くことになります。中は高熱隧道が近くを通っているせいかぽかぽか暖かくて、涼しい朝にはちょっとだけ快適です。

そんな中をしばらく歩き、「踏切注意」の看板が出るとその先は本当に踏切で、高熱隧道から出てくる関電の黒部専用鉄道の線路が通っているのでした。

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(高熱隧道を抜けると一般人は乗れない仙人谷駅)

そしてその線路はすぐ左手に延びている橋梁で黒部川を渡っていて、その橋梁上には関係者だけが乗降できる仙人谷駅があるのですが、当然カタギのハイカーは乗れません。

試しにホームに寄ってみると、きちんと時刻表やガイドまであって、なんかくやしいなあ。。。。欅平か黒部ダムまでなら一万。通しなら二万まで出してもいいんですけど・・・ダメデスカ?(笑)

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(仙人谷ダムと雲切谷の滝・ガンドウ尾根)

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(東谷吊橋)

踏切に戻ってからなおも先を行くと、こんどはなんと建物(仙人谷ダムの事務所)の中を通り、ようやく外に出るとそこは仙人谷ダムの真上。ここで対岸(右岸)へ渡ると、そこから先はしばらく林道歩きが続きます。

そして行く先に黒四地下発電所からの送電線が見えるようになると、東谷吊橋で再び左岸に戻って、旧日電歩道もここからが本番です。

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(吊橋を渡ると旧日電歩道も本番!)

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(S字峡)

左岸に戻ると少し登り返して、ここからが下ノ廊下の一般的なイメージでもある岩盤をくりぬいたような高巻き道の始まり。

道はこの時期あまたのハイカーを通すこともあって、細いながらも想像よりもかなりしっかりしており、遙か下に黒部峡谷の流れを見ながら歩く道のりは、程よいスリルを味わえます。とはいえ、一歩誤れば確実に命を落とす区間ですので、慎重に歩かなければいけないのは当然のことですね。

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(オヤマリンドウ)

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(こんな道のりが続きます)

そんな道なのでちょっとした休憩場所にも気を遣います。今回は人が少なかったからさほど問題はありませんでしたけど、これからは人も格段に増えるでしょうから、そうなるといろいろ大変でしょうね。混んでいるときは自分のペースで歩くのはかなり難しそうだし。

S字峡、半月峡と黒部の谷の深さに驚嘆しながら歩いていくと、徐々に水線が近くなって、次の剱沢にかかる吊橋が十字峡。もちろん吊橋からも眺められますけど、ここはぜひとも下の展望台へ降りたいですね。

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(十字峡・もちろん展望台に降りました!)

ということでもちろん展望台に降りましたけど、降り口の道標が壊れているせいもあって、展望台で休んでいる間もみなさん通り過ぎるばかり。これは本当にもったいないと思いました。

あっあとその降り口に立つ双頭ネズコの大木も見事。朝食が3時過ぎだったので、展望台で早くも昼食です(笑)。

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(ここは水を浴びながら通り抜けるしかない)

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(水線に近づくと朝日が差し込んできた)

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(チョウジギク)

十字峡を過ぎると道はより水線に近づき、今までの岩をくりぬいた道から樹林帯、草原なども交えて少々雰囲気が変わってきます。そしてここでようやく黒部の深い谷にも日差しが入るようになって、明るくなるのは単純に嬉しかったんですけど、日差しが強烈で、暑い(笑)。

でも日差しが入るのもさほど続かず、再び谷が深くなると再び岩の続く道に変わって、白竜峡に入ります。

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(白竜峡のひとコマ)

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(水流の勢いが凄まじい)

個人的には白竜峡が旧日電歩道の中で一番のハイライトでした。相変わらず岩をくりぬいた道が続くのですが、違うのはすぐ下を川幅が狭まり、ごうごうと音と立てる黒部の流れを間近に見られること。

その道の様子、流れの迫力もさることながら、ここで下り組とのスライドが始まったのも良いアクセントでした(笑)。ホント混んでいる時期はいったいどんな様子になるのでしょう。。。

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(黒部別山が見えるようになると)

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(黒部別山谷・壁尾根は綺麗に色づいていた)

そんな白竜峡を抜け、ふたたび川幅が広がると黒部別山谷の出合で、落石に注意しながらもここでようやく一息つけます。

別山谷を渡る箇所にもう雪はなく、奥にブロックをいくつか見るだけ。でも谷の奥に延びる壁尾根の紅葉が見事で、しばらく見とれてしまいました。

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(残雪は新越沢出合付近のみ)

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(シナノナデシコ・今年も逢えるとは!)

黒部別山谷から先は川床が広がってほぼ水線に近いところを歩くようになります。

雪のブロックが残っていた新越沢出合の辺りも高巻きのハシゴ・桟道が造られており、難なく通過。整備の方には本当に頭が下がりますね。

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(内蔵助谷と丸山東壁)

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(行く先に赤沢岳西尾根を望む)

その先も道は相変わらず水線に近い所を通っているので、このまま川床歩きが続くのかと思ったらやはり甘くて(笑)、川床に近いからこそ小さい高巻きを繰り返す道のりは少々しんどいかも。

それでも徐々に標高を上げていることもあって、周囲の低木は色づき始めているし、ふと山の斜面を見上げれば綺麗に色づいた山肌が目を楽しませてくれる楽しい道のりです。

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(ハウチワカエデ)

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(この辺りは低木類が色づき始めていた)

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(トガクシコゴメグサ)

じきに着いた内蔵助谷で真砂沢からの道を合わせると、そろそろ終盤。相変わらず続く高巻きの連続は、真砂沢の方の道もそんな感じなのでしょうかね??

周囲の山山や紅葉を楽しみつつ先を行くと、まもなく平坦な歩きに変わって、ようやく見えてきましたよ、ラスボスが(笑)。

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(ようやくラスボス登場!)

放水の水煙で良い具合に煙っている黒部ダムを間近にいるともうゴールの様な気になってしまいますけど、まだくゴール「間近」なんですね。じきに現れる橋で右岸へ渡ると、最後の200mの登り返しが待っています。

思いの外早く着いたので橋のたもとで10分ほど休憩してから登り返したのですが、想像通り、ここがこの日一番しんどい所。最後の最後でコレはきついけど、しょうがない。ガマンしつつ何とか登っていると、徐々に周囲が見えるようになり、

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(立山方面もよろしい感じ♪)

今さっき歩いてきた方向には黒部別山と大タテガビンが一望。ようやく見られたその姿に感動していると、今度は中段辺りが綺麗に色づいた立山が目に入って、ひとり声を上げてしまいます。

本当はこの辺りでトローリーバスの駅に入るのが正式な道なんですけど、それを見過ごし、黒部ダムの展望台まで行ってしまいました(笑)。

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(黒部ダムに着きました)

でもでもそのまま行ってしまったお陰で大回りすることもなく、ダムに出られたのはラッキーでした。湖面がきらきら光るダムの様子はちょっとオーバーな言い方をすれば神々しく、まさにフィナーレに相応しい光景。

うまく行くときは得てしてこういうものなのですが、今回はちょっとデキすぎだったかも。帰りもハナから諦めていて考慮にすら入れてなかった白馬発のあずさに乗れたし。今年の夏が酷かったこともあって、本当に久しぶりにいろいろな意味でスッキリしたというか突き抜けた山行きになった事には感謝の言葉しかありません。紅葉の時期もこんな歩きができたら嬉しいなあ。。。
  
・・・・・☆
 
◆ 2014.09.28 (Sun)   快晴
阿曽原温泉小屋 05:10- 仙人谷ダム 06:20- 東谷吊橋 06:40- 十字峡 08:00/08:30- 白竜峡 09:20- 黒部別山谷出合 09:50/10:00- 内蔵助谷出合 11:40- 黒部川を渡る橋 12:30/12:40- 黒部ダム 13:05
 
 
ほうじ茶(PET350ml) ¥140
黒部ダム~扇沢(トローリーバス・荷物代込) ¥1740
扇沢~信濃大町駅(バス) ¥1360
 

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