常念山脈・未踏の区間を歩く 2
(テント場より・浅間山から日が出てきた)
前の晩は夕方から気温が一気に急降下してフライの結露が凍るぐらいだったのに、なぜか20時頃から気温が緩んで想像よりは暖かい朝。ただ空は曇りがちでした。
それでも展望は良く利いて、浅間山からの日の出を迎えたらのんびり片付けをして、まずは前日寄らなかった大天井岳に登ります(笑)。
(ちょっとだけタイミングが遅かったのです・・・)
(前日歩いた稜線と立山・後立山)
歩き出しが6時を過ぎていたこともあって山頂は貸し切り、少々寒いです。でも空は高曇り、展望は良好で、双六・三俣蓮華の方が間近に見えると、あちらの方もご無沙汰していることに気がつきました。あちらも常念山脈と一緒で黒部五郎と太郎兵衛平の間が半端に未踏区間として残っているんですよね~。
そんな展望を少々楽しんだら、来た道を戻り、常念方向へ向かいます。
(小屋への戻りしな・八ツと南アの間に富士も見える)
(オヤマソバ)
こちらは地図通りの緩やかな稜線がひたすらに続いて、自分好みの道。アップダウンも極端に少なく快適に歩けます。これで天気がもう少し良ければ最高だったんですけどね。
綺麗なお花はこちらもオヤマリンドウぐらいで、前日同様お花よりも足下の紅葉を楽しむ感じ。去年はその足下の紅葉が霜にやられて今ふたつだったので、昨年の借りを少しは返せたのかも。
(緩やかな稜線歩きが続きます)
(ミネカエデ)
(東大天井岳を巻く辺り・常念が近い)
そうこうしているうちに空が少しだけ明るくなって、日差しも入るようになると、気分もノってきます。
道の雰囲気的には稜線から東大天井岳を西に巻いている間がハイライトでしょうか。のっぺりした広い稜線を緩やかに巻いている辺りは歩いていても気持ちの良いところですし、その上ほとんど終わりかけながらお花畑もあって、もう少し前ならもっと楽しかったかも。
(巻き道ではちょっとしたお花畑もある)
(東大天井岳を振り返る)
(コマクサ・何とか間に合った)
東大天井岳を巻き終えて再び稜線に戻ると、常念岳は間近。横通岳を再び西に巻くと、今までのゆるゆる歩ける区間はお終い。常念小屋へ急降下します。
水平にみる感じだった常念岳をだんだん見上げるようになるとあっさり鞍部に建つ常念小屋に到着。小屋前はもちろん大盛況で、その中を縫うように小屋へ向かい、帰りのタクシーを予約します。
(常念ははしょりました・汗)
(下りはじめはオオシラビソの林)
小屋番さんに一ノ沢はどれぐらいに時間で下れるか?と聞いたら3時間って答えられたので、念のためにタクシーは3時間半後の12:30にお願いしたら、小屋番さんは少々不満顔。でもそれを無視して(笑)小屋前のベンチで休憩したら下山開始・・・ってなんでここまで来て常念に寄らないのかって?
常念は一度登ったことがあるし、個人的に次に常念に登るときは「松本平をスッキリ見下ろせるとき」と決めていたからなのでした。まあ実際稜線は少々寒々しかったですし。。。
(水場に降り立ちました)
(ミヤマトリカブト)
ということで休憩を終えたら一ノ沢の道に入ります。のっけはオオシラビソ林の中つづら折れに下り、30分ほどで水場のある一ノ沢の沢床に降り立ちます。
ここから道は高巻きながら沢に沿って行く、雰囲気の良いところだったのですが、いかんせん人が多すぎました。パーティを抜かした先にまたパーティとか・・・道が狭いこともあってまるで無間地獄のよう(笑)。
(マルバノリクラアザミ)
(高巻き道が面白い)
しかもそこはお花が多くて楽しいところなのに、写真を撮っていたらパーティがやってくるから落ち着けないことこの上ありません(笑)。でも抜かされてでも写真を撮りましたけど(笑)ここは滅多に来れない所ですからね。
お花はキオンにゴマナ(近場ではなかなか逢えないお花になってしまいました)ミヤマトリカブト、マルバノリクラアザミ(だったのですね!葉に切れ込みのないアザミは)辺りが道中の通奏低音となって
(ゴマナ)
(チョウジギク)
(まだまだお花畑らしいお花畑でした)
その上にオニシモツケ、チョウジギク、アキノキリンソウ、オヤマボクチ、ハクサンオミナエシ、シモツケソウ、サラシナショウマ、クガイソウ、シシウド、オオバギボウシ、センジュガンピ、オオバミゾホオズキなどなどなどなどが咲いていて、なんとも楽しい道のり。
(シモツケソウ)
(イワショウブ)
しかもその上、沢に近いある一角には本当に久しぶりだったイワショウブを見つけて狂喜してしまいました。その下には花が散っていて残念だったキンコウカまで!
歩く前から今回の山行きでお花を望めるのは一ノ沢、とは予想していましたけど、想像以上の収穫にホクホク。これで人がもっと少なければ言うことなしでしたが、自分だってその一人なのですから人のことは言えませんね(笑)。
(お花が多くて嬉しい限りです♪)
(山ノ神の大トチ)
結局登山口の一ノ沢に着いたのは12:00過ぎ。小屋番さんのいう事をスルーして正解でした(笑)。まぁ人が少なければもっとスムーズに降りられたんでしょうけど。。。
ということで水場で顔を洗い身体を拭いて、着替えを済ませたらちょうどタクシーのお時間。無事車中の人となって帰路についたのでした。
・・・・・☆
◆ 2014.09.15 (Mon) 曇 時々 晴
大天荘 06:20ー 大天井岳 06:30/06:35- 東大天井岳を巻く 07:20- 常念小屋 08:50/09:15- 水場 09:45- 笠原沢 10:55- 大滝ベンチ 11:35- 一ノ沢 12:10
タクシー予約手数料(常念小屋) ¥100
タクシー(一ノ沢~穂高駅) ¥5000
| 固定リンク
「【その他の山域】」カテゴリの記事
- 先月のゆるい山キャンでも、、、(2022.09.24)
- 編笠山へようやく登る(2020.08.31)
- 黒部源流部・未踏の稜線をつなぐ4(薬師岳山荘~太郎平~折立)(2019.09.08)
- 黒部源流部・未踏の稜線をつなぐ3(黒部五郎岳~北ノ俣岳~薬師岳山荘)(2019.08.31)
- 黒部源流部・未踏の稜線をつなぐ2(鏡平山荘~三俣蓮華岳~黒部五郎小舎)(2019.08.24)
コメント
リブルさん、
いやホント、前の記事のレスでも書きましたけど、山ブームが全てでした。冗談抜きで何とか歩けそうだった山がこのブームで近寄れなくなってしまった(笑)。
でもやってみると今はいろいろ軽量化されて、想像より楽でしたね。少なくとも昔の避難小屋3・4泊の荷物よりはかなり軽い。コレなら2泊までなら問題ないと思いました。
そうそうテントは新しいものです。軽量化のためでしょうけど今のテントは薄すぎますよ、特にボトムが。昔のツーリングテントなんて100Dが当たり前でしたから今の30Dなんて怖すぎて・・・(笑)
投稿: komado | 2014.09.23 19:53
komadoさんが、テントとはこれはびっくり!
あの重さ、やっぱりきついですよね。
でも、テントだからこその楽しみもありますね。
自分は今年はまだテント泊はゼロ。
果たして今年はテント泊に行くことがあるのかなぁ、という状況です。
2Kgのテント最近買ったものでしょうか?
自分のフライシート込みと同じくらいの重さですね。自分はもう16年もので、ウィスキーかっていうぐらい。(笑)
投稿: リブル | 2014.09.21 20:04