常念山脈・未踏の区間を歩く 1
(大天井岳、ようやく姿を現す)
しかし今年の夏は本当にヒドイ夏で、今年初の北ア行きがここまで遅くなるとは思ってもいませんでした。しかも好天の予報が出た先の三連休は今シーズン一の人出が予想され、行き先にもかなり気を遣います。
そこで思いついたのが長らく未踏で、コースも思いつかずにずっと放置してあった大天井岳~常念小屋の間を歩くこと。燕は混むだろうけど、大天井まで足を伸ばせばそれなりにゆったり過ごせそうなので「もうここしかないな」という感じで歩いてきました。
(第二ベンチまではこんな感じ・笑)
この連休の大混雑は早朝から始まっていて、朝一のバスからして自分は20分前にバス停に来たから難なく乗れたものの、バスの時間近くにのこのこ来ていた大半のハイカーはあっさり積み残し。あの人達はいったい何時に歩き出せたのでしょうかねえ。。。
昔(7年前か?)表銀座を歩いた時も中房の人の多さには驚いたものですが、もちろん今回は以上の混みっぷり。でもこちらとて北アはいつまで経ってもおのぼりさんな訳でして(笑)、コレは別の意味で面白い光景でした。
(低木色づき始める・ウラジロナナカマド)
なので歩き出しから道は渋滞というか数珠つなぎ。というか実は少々遅めながらもこれが意外に良いペースで流れていて、思いの外歩きやすかったのにはビックリ。
でもそんな流れも第二ベンチを過ぎると徐々にばらけて自分のペースで歩けるようになります。お花はアキノキリンソウなどなどみんな終わりかけ。綺麗に咲いているのはオヤマリンドウのみと言ったところです。
(合戦小屋)
(ガスが晴れて燕山荘が見えてきた)
晴れていれば合戦小屋でスイカでも食べようかと思っていたけど、少々肌寒く感じる天気ではそんな気にもなれずに、少々休んで先を行きます。
合戦小屋を過ぎるとまもなく森林限界で、このあたりから周囲のガスがとれて、ようやく高山らしい光景が見られるようになると、やっぱりワクワクしてきます。
(燕山は見るだけ)
(蛙岩を通って)
下部ほどでないにしろ相変わらず人が多いのでごにょごにょ山荘に上がって、山荘前でまた小休止。まだ9時過ぎだというのに山荘前のテン場はかなり埋まっています(笑)。噂には聞いていたけど、今は本当にすごいことになっているんですね。
稜線に上がって晴れてくれたものの午後にかけて再びガスりそうな雰囲気だったので、今回のところは燕山ははしょって、そのまま大天井岳へ向かいました。
(ハクサンフウロ)
(槍穂はピーカンだけど・・・)
山荘を過ぎるとまだまだ人は多いものの、それでも合戦尾根と比べるとぐっと減り、それだけで快適に歩けるというもの。こちらより西側はピーカンのようで、懐かしい山山を眺めながら歩ける気持ちよさは高山ならではです。
でもこれで東側が晴れていたらもうチトと気持ちよかったでしょうけど、贅沢言っちゃあいけません。
(快い稜線歩きを楽しめます)
(ウラシマツツジ)
稜線も綺麗なお花ほぼオヤマリンドウのみ。ウラシマツツジなどはすでに紅葉になっていて、お花よりも紅葉の方が目を楽しませてくれる感じでしょうか。
今回も初日は大天井岳までなので、好き勝手に休みながらゆるゆる歩いて行きます。
(安曇野側のガスがなっかなかとれない)
(大天井の登りしな、来た道を振り返る)
道中、目の前の大天井岳がなかなか姿を見せてくれず、やっと姿を見せてくれたのもつかの間。東側からガスがやってきて、いままで楽しめた展望もここまで。
表銀座から分かれて大天荘へ向かうトラバース道がわかっちゃいたものの少々きつく、へろへろになりながらようやく大天荘に着きました。
(大天荘は大盛況)
(夕方、ガスが少しだけとれました♪)
それでも大天荘に着いたのはまだお昼過ぎ。小屋はお昼という事もあって大盛況で、今回は珍しく小屋でお昼にしましたけど、ここは相変わらず食い物がうまいですね。とはいえ決して裕福とはいえないリーマンのくせにお昼にお酒に躊躇なくお金を出せるのには理由があって、今回はテントだからなんですね(笑)。
おかげで今回は気兼ねなくのんびりできた上に、夕方には少々の展望、そして夜には一年ぶりとなる星空も楽しめて、大変有意義な一夜を過ごすことができました。
・・・・・☆
◆ 2014.09.14 (Sun) 晴 後 曇
しゃくなげ荘 05:20→ 中房温泉 06:05/06:10- 第二ベンチ 07:05- 合戦小屋 08:20/08:30- 燕山荘 09:20/09:30- 2699m峰 11:15- 大天荘 12:10
バス(しゃくなげ荘~中房温泉) ¥1200
テント場(大天荘) ¥700
水(3L) ¥600
天ぷらそば ¥800
ビール(ショート缶) ¥600
チューハイ(ショート缶)¥450
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コメント
ゴン太さん、
以前から花のひかりでもぼちぼち書いていてはいたのですが、自分の場合はかなり特殊で、そもそも小屋泊でも日数分の服を担いでいたので、小屋泊なのに15kgとか(笑)かなりアホみたいなことやっていたんですね。んで一昨年辺りからメリノウールの服に切り替えたことで服が劇的に減り、テント泊が現実的になったので実質的な重さはさほど変わらない、ということなんです。あと普段の日帰りの時から40Lで行動していたのも、避難小屋やテント泊の時にスピードが落ちないようにというトレーニングの意味もあったりします。
それでもテントを購入するにあたりULを研究できたのは収穫でしたし、あと個人的に大トピックだったのが立ち読みした高橋庄太郎さんの本に書かれてあった「縦に入れるパッキング」あれで避難小屋装備も40Lで収まるようになりました。
ちなみに今回は55Lのザック(パーシュートクラシック)。腰に持病があり短いマットは使えないのでモンベルの180cmマットに、ダウン450gのシュラフと比較的かさばる内容ながら、かなり余裕がありました。重さは水抜きで12kgぐらい。あっテントは軽量なのではないですヨ(2kg)。
投稿: komado | 2014.09.19 19:53
ごぶさたしてます。
なんと、komadoさん、テントですか!テント引退宣言した私からすると(笑)、ものすごく刺激的なお話です。
なるほど、北アだとお昼分の軽量化可というのは素晴らしいアイデアというか、ヒントになりました。ありがとうございますです。
今年は北アで小屋泊の予定でためていたお金をエアコンに擦られてしまって、がっくりきていたのですが、、お話を聞くと北アの小屋泊まりはアイデア寄せ集めて避けるが正解のようですね。
ところで、腰の方は大丈夫でしたか?軽量化と言ってもやはりテント装備はずっしりくるでしょう。何リットルで何キロぐらいだったのか、記事中でもいのでご紹介くださると嬉しいです。
投稿: ゴン太 | 2014.09.19 07:35
AKIOさん、
自分は小屋泊まりこそいろいろな方との話も聞けて、それが縦走の醍醐味の一つだとは思っているのですが、混雑だけは自分も我慢できないたちで、一人の布団は絶対に譲れない線。近年の山ブームが少々恨めしいです。
でも仰るとおり北アは小屋が充実しているから、お昼の分の軽量化は可能ですね。しかも今はどこも美味しいし。ただテン泊にも食事を出す小屋は減りましたねえ。これで劔と穂高もいつか行けそうになりました(笑)。
投稿: komado | 2014.09.18 23:42
ba_sobuさん、
大天荘にはそんな思い出があったのですね。確かにあの辺りは北ア初めての方も多いところ。
ボクは前に訪れたときからあそこのテン場は良さそうだなと思っていて(風が吹けば大変だけど)、今回購入したときも最初はここが良いな、と漠然と思っていたんです。
それが今回あっさり実現したのは呼ばれていたのでしょう(笑)。
投稿: komado | 2014.09.18 23:34
Komadoさん、こんにちは。
今回はテントですか!
連休の北アルプス、なんとなくお気持ちを察することができます。
個人的にも、混雑している小屋ほど居心地の悪い場所はないと思います。最近はテントの軽量化が進んでいるため、友人でもテント持参で小屋の近くに設営して、食事は小屋の夕食が始まる前までにカレーやラーメンなど単品を注文して済ませる人がいます。もちろん、北アルプスの大きな小屋限定でしょうが。テントに戻れば「狭いながらも楽しい我が家」ですから。コースによっていろいろな山行形態を試みるのは面白いかもしれません。
一ノ沢はあまり歩かれていないようですが、どんな様子なのかレポが楽しみです。
投稿: AKIO | 2014.09.18 14:00
komadoさん こんにちわ
そうか 大天井小屋だったのですか?
わたしの初めての北アで、はじめて高山病にかかり
小屋の中で休ませて貰った記憶の小屋、昼間だったし大天井のことはあまり記憶なかったわけです
真っ赤なウラシマツツジ 久しく見ていません
秋山もいいですね
続きが楽しみです・・・!
投稿: ba_sobu | 2014.09.18 12:46