« 2014年8月 | トップページ | 2014年10月 »

2014.09.30

黒部峡谷・下ノ廊下を歩く 1

B140930a
(水平歩道のひとコマ)

もう何遍も言ってますけど今年の夏は本当に酷くて、予定していたところが全て潰れてしまい、いったい今年はどうなるんだろう?と途方に暮れていましたが、9月に入って天気が少し持ち直してきましたね。

お陰で裏劔は今年もダメでしたけど、下ノ廊下の方はうまいこと天気と都合が合って、先の週末(09/27・28)にようやく歩いてきました。

B140930b
(立派なケヤキを見ながら登るシジミ坂)

下ノ廊下は行程が長いので、下りの方が楽ではあるんですけど、下りはその勢いでどうしてもぞんざいに歩いてしまう面があるのは否めません。なのでここを歩くのは昔から「登り」と決めていて、となればスタート地点は一年ぶりの欅平。駅前広場?の脇から延びている道にようやく入れるのかと、感慨もひとしおでワクワクしながら歩き出します。

登りだしのシジミ坂は、スタート地点の名の通りなケヤキの立派な木々が目立ち、終わりかけのテンニンソウやオオバアキギリ(!)が咲く中をせっせと登っていく感じ。確かに急ではありますけど距離としては知れたもので、大汗かきつつ30分も登ると、あっさり展望台に着きました。

B140930c
(猫又山はすでに紅葉盛りか・展望台より)

B140930d
(水平歩道に入るといきなり・・・)

270°ぐらい開けた展望台から一番目についたのは東の高峰ではなく、西の毛勝三山。上の方は良い具合に色づいていて、思わず上がりたくなってしまいますけど、今回の所は眺めて楽しむだけ。そんな展望を汗が引くまで楽しんだら先を行きます。

展望台から道はしばらく尾根上を通り、15分ほど歩くと「水平歩道入口」の標識が出てきて、いよいよここからが本番。道はここから細いトラバース道に変わります。

B140930e
(白馬鑓・唐松・五龍を望む)

B140930f
(素掘りのトンネルもある)

実際歩くとそれは写真などで見たそのままの道でちょっと感動してしまいましたが(笑)、道は山側に番線が張られている所からしてしっかり整備されていて、慎重に歩けば全く問題のないレベル。でも薄い鉄板を渡してあるところの、鉄板がベコベコしていて歩くと少々ヒヤヒヤします。

あと当然高度感もあって、最初の頃は見える物全てが新鮮に見える感じ。要は浮かれていたんですね(笑)。お花はダイモンジソウ、オヤマリンドウ、オオバアキギリ、ノコンギク辺りがメインでしょうか。

B140930g
(オオバアキギリ)

B140930h
(奥鐘山西壁を終始見ながら歩く感じ)

B140930i
(こんな所に道を・・・)

道は水平歩道といわれているようにほぼ水平に通っていて、アップダウンも緩やか。尾根や谷の襞を丁寧に捉えていく道のりは東京都の水源林巡視路を想起させますけど、

岩を穿ってつくった道はないし、素掘りのトンネルはないし、奥鐘山のダイナミックな西壁を見ながら歩けるところもない。でもこの高度感を楽しめる巡視路は実はあるんですよね。

B140930j
(・・・よく造りましたねえ)

B140930k
(志合谷のトンネルの入口<東詰>)

B140930l
(入口から対岸の出口を望む)

そして展望台から一時間半ちょいで噂の志合谷のトンネルに到着。ここはライトの要るトンネルなので、さっそく用意をして入ると中は想像したよりは歩きやすかったでしょうか。

でもお昼のトンネルは苦手ですね。長さは150m程のようですが、実際歩くともっと長く感じるところ。まぁ湯ノ島の林道のトンネルよりはマシでしたけど(笑)。

B140930m
(今年初マツムシソウが黒部とは!)

B140930n
(遙か下に黒部川の流れが)

B140930o
(折尾谷・ここもトンネルが通っている)

志合谷を過ぎると、桟道が続く大太鼓を越えて、次の沢は折尾谷。ここも短いトンネルが通っていますが、中は結構な泥濘で焦りました。ここは増水時になるとトンネルの中に水がたまるとか。

トンネルの周囲をよく見てみると、一応高巻きの用意もしてあるようですけど、雪が残っている時に高巻きが使えるかどうかはわかりませんからねえ。

B140930p
(折尾ノ大滝)

そしてその次の沢が折尾谷枝沢の大滝。ここは小広い所で、水平歩道唯一の休憩ポイント。滝しぶきを受けながら皆さん一息つかれています。自分ももちろんここで最後の休憩を取って、一路阿曽原を目指します。

もうこの頃になると標高を上げているせいか林も自然林に変わって、ブナやミズナラの立派な木々も現れてきます。そして一旦登りになったと思ったら、突然急降下が始まるとゴールも間近。30分ほどで阿曽原温泉に到着しました。

B140930q
(ブナやミズナラが目立ってくると阿曽原も近い)

B140930r
(阿曽原温泉のテン場)

実は今回もテント泊、というか自分がテントを購入したのって下の廊下を歩きたいが為に購入したと言っても過言ではなかったんですけど、まだ9月、そして正式な開通のアナウンスが出る前だったこともあって、この日の小屋はそう混雑していなかったようです(笑)。

それでも小屋は黒部川から二段ほど上がった高台にあり、テン場も対岸の山を望める絶好の立地。黒部の小屋は温泉かお風呂があるところが多くて、汗をかくハイカーには嬉しいところですね。

おかげできれいさっぱりな身になれて、テン場ライフも楽しめ、夜には星空も楽しめたのに、標高が低いせいか気温が高めで、夜でもフリースが要らないぐらい。快適に過ごせたのは気温が高からず低からずだったせいもあるかも知れません。
  
・・・・・☆
 
◆ 2014.09.27 (Sat)   晴 時々 曇
欅平駅 09:05- 展望台 09:35/09:40- 志合谷のトンネル 11:20/11:30- 折尾ノ大滝 12:25/12:45- 阿曽原温泉小屋 14:00
 
 
黒部峡谷鉄道(リラックス車) ¥2240
テント場(阿曽原温泉小屋) ¥700
温泉 ¥500
ビール(ロング缶) ¥700
ビール(ショート缶) ¥500
 

| | コメント (6) | トラックバック (0)

2014.09.27

連行峰を南北縦走、になってしまいました

B140927a
(鎌沢尾根上部の雑木林)

いやぁ参りましたよ。秋分の日(09/23)は当初は小坂志川で遊ぼうと思ってバスに乗ったのに、バスを降りたらな~んか見慣れない風景で、それに少し疑問を持ちつつも先を行くと、そこにあったのはなんと「連行峰」の道標(笑)。要は笹平で降りなければいけないのに先の柏木野で降りると決めつけていたんですね。

さてどうしましょう。まだ8時前とはいえここから笹平へ戻るには20分はかかりそう。しばらく悩みましたが、万六尾根は学生時代に下って以来歩いていないので、久しぶりに歩くのも良かろう、ということでそのまま万六尾根を登ることにして登山道に入りました。

B140927b
(オオバショウマ・咲き始め)

B140927c
(セキヤノアキチョウジ)

さすがに植林の北斜面では周囲が暗いのはしょうがないのですが、道は枝尾根を行くのではなく沢筋に近いところを登っていくんですね。おかげで秋のお花が多く、道中はキバナアキギリが一番目立ったでしょうか。

その中にヤマジノホトトギス、ミズヒキ、ノブキ、カシワバハグマ、オオバショウマ、ツリフネソウ、シラヤマギク、シラヤマギク、オクモミジハグマ、イヌショウマ、シモバシラなどなどが点々と咲いている感じ。ちょっと得した気分でしたけど、少々暗かったのが惜しかったです。

B140927d
(レイジンソウ)

B140927e
(万六尾根の大杉と山ノ神)

思いもかけずお花を楽しめたのでちょっと良い気分で登っていく、とお次はサラシナショウマにお久しぶりだったレイジンソウ。レイジンソウは去年逢えなかったので、この日一番嬉しい出逢いでもありました。

この頃になると万六尾根は間近で、ひと登りで尾根上に上がったら、まずは下手に立つ大杉と山ノ神に挨拶。それから尾根を辿り始めると最初は植林帯が続きます。

B140927f
(万六ノ頭にも寄りました)

B140927g
(尾根上はほぼシモバシラ一色)

せっかく万六尾根を歩くのですから、今回は尾根通し。万六ノ頭にも初めて寄ってみました。

広いピークは自分好みなんですけど、南側の植林がなんとも惜しいですね。山頂にはyuiさんの山名標も残っていて、それだけで懐かしくなってしまいます。

B140927h
(湯場ノ頭)

B140927i
(全面雑木林に変わると山頂は近い)

万六ノ頭からひと下りで登山道と合流すれば、あとはひたすらに登るだけ。お花はシモバシラだけがやたらに咲いて、少々暗い尾根を彩っています。

そんな植林の混ざる林から全面雑木林に変わると連行峰は間近。ひと登りで山頂に飛び出しました。

B140927j
(連行峰山頂)

B140927k
(鎌沢尾根・上部は快い雑木林が続く)

朝のバスもそうだったんですけど、休憩中もこれまたやたらにトレランさんが通り過ぎるのでなんでだろう?と思っていたら、ハセツネがもう近いんですね。忘れてました。当日はコッチに来ないようにしなければ。。。

山頂のベンチで早いお昼をとりつつ少々休憩したら、まだ10時ですがもう下山です(笑)。下りは当初の予定どおり鎌沢尾根を下ります。

B140927l
(動物のようにも見える)

稜線を東へひと下りして鎌沢尾根に入ると、尾根は急ながらも雑木林が続いてなかなか良い感じ。明るい感じがするのは南向きの尾根という事もあるのでしょう。

じきに左手が植林になりますが、植林も手入れがされていて、下りだしの明るさは変わりません。あっ、あと尾根上部はマーキングの類いがほとんどないのも意外でしたけど、嬉しいですね♪たぶん手入れされたときに取っ払われたのでしょう(笑)。

B140927m
(下は植林が続くと思ったら)

B140927n
(意外に雑木林も残っていた)

それでもやはりというか、じきに植林帯に入ってあとは下までこのままか、と思ったら、あっけなく雑木林に戻ったりして、これは案外悪くない尾根ですよ!

そして641m峰あたりから道形も現れて、あとはすいすい下っていきます。

B140927o
(尾根末端は茶畑!)

尾根末端部は地形図どおりの急降下でしたけど、それをこなすと茶畑に飛び出して山歩きはお終い。集落の中を抜けて鎌沢入口のバス停に出て時刻表を見ると、次のバスは残念ながら二時間後。

まぁお昼時だからしょうがないでしょう。藤野駅までは一時間ほどなので、そのまま県道を下って藤野駅に出ました。
  
・・・・・☆
 
◆ 2014.09.23 (Teu)   晴 時々 曇
武蔵五日市駅 07:20→ 柏木野 07:55- 尾根に上がる 08:40/08:50- 万六ノ頭 09:10- 湯場ノ頭 09:40- 連行峰 10:05/10:20- 641m峰 11:00- 五法木橋 11:30- 藤野駅 12:35
 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2014.09.24

本仁田山・安寺沢よりひとめぐり

B140924a
(平石尾根のひとコマ)

先週末の南関東は天気イマイチと思っていたら、日曜(09/21)は思いの外晴れましたね。ということで急遽遅出のお山ということで軽く本仁田山を歩いてきました。

雲一つない快晴も11時前となると電車も空いていて快適ですね(笑)。ただ少々暑いのが難ですけど、この時期の暑さは暑いのが苦手な自分でもガマンできる暑さ。まずはてくてく安寺沢へ向かいます。

B140924b
(安寺沢の乳房観音)

40分ほどで安寺沢に着いたら、大休場尾根の登山道に入ったのですが、すぐ先の分岐で「乳房観音」なる道標があったので(15年前はおそらくなかったように思いますが・・・)試しに寄ってみることにしました。

分岐からひと登りであっさり着いたら、さっそく観音様にご挨拶。脇に由来が書かれてあったので読んでみると、要はご神木であるイチョウの木の乳根(ちちね)に由来するそう。これは納得ですね。ちなみに今のご神木は二代目のようなので乳根らしきものしか見られません。

B140924c
(カシワバハグマ)

B140924d
(本仁田山より・まわりの木々が育ってきた)

分岐に戻ったら後はひたすらに登るだけ。前に歩いたのは15年前でその時は尾根に上がるまでの間に間伐跡があって藪っぽくなっていたのが、今はスッキリ。かなり歩きやすくなっていました。

ということで尾根上に上がれば、急がなくても一時間とかからずに本仁田山の山頂に到着。好天のお昼時とあってさすがにベンチは埋まっていましたが、展望の利く東側も木々が育ってずいぶん狭くなった印象です。

B140924e
(まだ残っていたのか)

B140924f
(ミヤマママコナ)

それでもコースの都合上休憩ポイントはここしかないので、立ちっぱなしでおにぎりを食べつつ休憩。立ちっぱなしでも今回はコースが短いので問題ありません。

短い休憩を終えたら、下山開始。今回はこういう時のためにとっておいてあった平石尾根を下ります。

B140924g
(平石尾根・ひと下りでモノレールを横切って・・・)

B140924h
(ツガの大木はおしなべて樹勢が弱い)

北へひと下りした本仁田山の北峰?から分かれている尾根が平石尾根で、さっそく下り始めると雑木と植林に分けられた中をそれなりの踏跡が延びています。雰囲気は悪くないですけど、ぼちぼち見かけるツガの樹勢の弱さが少々気になります。

しかし今年は秋が早いですね。木々もうっすらと緑が抜けて明るくなっている感じ。夏の気候は今ひとつでしたけど、今年の近場の紅葉はどうなるのでしょうねえ。

B140924i
(この露岩帯を過ぎると)

B140924j
(山ノ神がありました)

基本的にはマーキングもあって、それなりのスキルがあれば問題なく下れるレベルの尾根ですが、平石山(1075m)からの下りが要注意と言えば要注意。マーキングは一旦北へ下る巻き道に付いているので、それを見落としてそのまま下ってしまいそうです。

ひと下りで露岩が現れて、その露岩をこなしつつ下りきると↑↑山ノ神がありました。

B140924k
(開けたところから日原の集落が見える)

B140924l
(ヤマトリカブト・咲き始め)

山ノ神に挨拶をしてなおも下るも、ここから830m圏峰にかけての辺りが今までの雑木林と違って、妙に人くさいですね。

まさか畑があったとは思いませんが、尾根上は開けたところもあって明るく、日原の集落を南東側からを見下ろせるのも新鮮だし、おかげ?で今年お初のヤマトリカブトにも逢えました。

B140924m
(830m圏峰の辺りはどこか人くさい)

B140924n
(この道標は!)

830m圏峰を過ぎると再び植林帯に入り、754m峰に出たらあとは平石橋へ向け下るだけ、と思ったら、754m峰から下りだして間もなく、↑↑こんな道標があってビックリ。

道標があることにも驚いたのですが、もっと驚いたのがその行き先。「安寺沢」って・・・どんな道?その上誰かが「奥多摩駅まで葯80分」と書いてあり、たぶん植林ばかりだろうけど安寺沢に出られればバス代浮くなあ(笑)。とここで平石橋へ降りる予定を変更して、この道を辿ってみることにしました。

B140924o
(送電線巡視路は植林の中、明瞭に延びている)

道はやはりというか当然というか植林帯の中を画然と延びていて、少ないながらも道標もあり、迷いようがありません。道中、尾根上を横切るときに送電塔の標柱があったので、どうやらこの道は送電線の巡視路のようですね。

そんな訳であとはそのまま下れそう・・・と思ったら道が妙指尾根(安寺沢右岸尾根・626m附近)にさしかかったところで、道はここでトラバースから尾根上を下るようになり、途中の鞍部から直接安寺沢へ下る形になっていました。

B140924p
(9号鉄塔より・この送電線の巡視路でした)

でもそのまま下るのでは物足りないので、鞍部からひと登りして送電塔にも寄って最後の展望を楽しんでから、来た道を戻って帰路に就きました。
 
・・・・・☆
 
◆ 2014.09.21 (Sun)   晴 時々 曇
奥多摩駅 10:50- 安寺沢 11:25- 大休場尾根に上がる 12:00- 本二田山 12:50/13:05- 754m峰 14:10- 分岐 14:15- 安寺沢 15:00- 奥多摩駅 15:30
 

| | コメント (7) | トラックバック (0)

2014.09.21

常念山脈・未踏の区間を歩く 2

B140921a
(テント場より・浅間山から日が出てきた)

前の晩は夕方から気温が一気に急降下してフライの結露が凍るぐらいだったのに、なぜか20時頃から気温が緩んで想像よりは暖かい朝。ただ空は曇りがちでした。

それでも展望は良く利いて、浅間山からの日の出を迎えたらのんびり片付けをして、まずは前日寄らなかった大天井岳に登ります(笑)。

B140921b
(ちょっとだけタイミングが遅かったのです・・・)

B140921c
(前日歩いた稜線と立山・後立山)

歩き出しが6時を過ぎていたこともあって山頂は貸し切り、少々寒いです。でも空は高曇り、展望は良好で、双六・三俣蓮華の方が間近に見えると、あちらの方もご無沙汰していることに気がつきました。あちらも常念山脈と一緒で黒部五郎と太郎兵衛平の間が半端に未踏区間として残っているんですよね~。

そんな展望を少々楽しんだら、来た道を戻り、常念方向へ向かいます。

B140921d
(小屋への戻りしな・八ツと南アの間に富士も見える)

B140921e
(オヤマソバ)

こちらは地図通りの緩やかな稜線がひたすらに続いて、自分好みの道。アップダウンも極端に少なく快適に歩けます。これで天気がもう少し良ければ最高だったんですけどね。

綺麗なお花はこちらもオヤマリンドウぐらいで、前日同様お花よりも足下の紅葉を楽しむ感じ。去年はその足下の紅葉が霜にやられて今ふたつだったので、昨年の借りを少しは返せたのかも。

B140921f
(緩やかな稜線歩きが続きます)

B140921g
(ミネカエデ)

B140921h
(東大天井岳を巻く辺り・常念が近い)

そうこうしているうちに空が少しだけ明るくなって、日差しも入るようになると、気分もノってきます。

道の雰囲気的には稜線から東大天井岳を西に巻いている間がハイライトでしょうか。のっぺりした広い稜線を緩やかに巻いている辺りは歩いていても気持ちの良いところですし、その上ほとんど終わりかけながらお花畑もあって、もう少し前ならもっと楽しかったかも。

B140921i
(巻き道ではちょっとしたお花畑もある)

B140921j
(東大天井岳を振り返る)

B140921k
(コマクサ・何とか間に合った)

東大天井岳を巻き終えて再び稜線に戻ると、常念岳は間近。横通岳を再び西に巻くと、今までのゆるゆる歩ける区間はお終い。常念小屋へ急降下します。

水平にみる感じだった常念岳をだんだん見上げるようになるとあっさり鞍部に建つ常念小屋に到着。小屋前はもちろん大盛況で、その中を縫うように小屋へ向かい、帰りのタクシーを予約します。

B140921l
(常念ははしょりました・汗)

B140921m
(下りはじめはオオシラビソの林)

小屋番さんに一ノ沢はどれぐらいに時間で下れるか?と聞いたら3時間って答えられたので、念のためにタクシーは3時間半後の12:30にお願いしたら、小屋番さんは少々不満顔。でもそれを無視して(笑)小屋前のベンチで休憩したら下山開始・・・ってなんでここまで来て常念に寄らないのかって?

常念は一度登ったことがあるし、個人的に次に常念に登るときは「松本平をスッキリ見下ろせるとき」と決めていたからなのでした。まあ実際稜線は少々寒々しかったですし。。。

B140921n
(水場に降り立ちました)

B140921o
(ミヤマトリカブト)

ということで休憩を終えたら一ノ沢の道に入ります。のっけはオオシラビソ林の中つづら折れに下り、30分ほどで水場のある一ノ沢の沢床に降り立ちます。

ここから道は高巻きながら沢に沿って行く、雰囲気の良いところだったのですが、いかんせん人が多すぎました。パーティを抜かした先にまたパーティとか・・・道が狭いこともあってまるで無間地獄のよう(笑)。

B140921p
(マルバノリクラアザミ)

B140921q
(高巻き道が面白い)

しかもそこはお花が多くて楽しいところなのに、写真を撮っていたらパーティがやってくるから落ち着けないことこの上ありません(笑)。でも抜かされてでも写真を撮りましたけど(笑)ここは滅多に来れない所ですからね。

お花はキオンにゴマナ(近場ではなかなか逢えないお花になってしまいました)ミヤマトリカブト、マルバノリクラアザミ(だったのですね!葉に切れ込みのないアザミは)辺りが道中の通奏低音となって

B140921r
(ゴマナ)

B140921s
(チョウジギク)

B140921t
(まだまだお花畑らしいお花畑でした)

その上にオニシモツケ、チョウジギク、アキノキリンソウ、オヤマボクチ、ハクサンオミナエシ、シモツケソウ、サラシナショウマ、クガイソウ、シシウド、オオバギボウシ、センジュガンピ、オオバミゾホオズキなどなどなどなどが咲いていて、なんとも楽しい道のり。

B140921u
(シモツケソウ)

B140921v
(イワショウブ)

しかもその上、沢に近いある一角には本当に久しぶりだったイワショウブを見つけて狂喜してしまいました。その下には花が散っていて残念だったキンコウカまで!

歩く前から今回の山行きでお花を望めるのは一ノ沢、とは予想していましたけど、想像以上の収穫にホクホク。これで人がもっと少なければ言うことなしでしたが、自分だってその一人なのですから人のことは言えませんね(笑)。

B140921w
(お花が多くて嬉しい限りです♪)

B140921x
(山ノ神の大トチ)

結局登山口の一ノ沢に着いたのは12:00過ぎ。小屋番さんのいう事をスルーして正解でした(笑)。まぁ人が少なければもっとスムーズに降りられたんでしょうけど。。。

ということで水場で顔を洗い身体を拭いて、着替えを済ませたらちょうどタクシーのお時間。無事車中の人となって帰路についたのでした。
 
・・・・・☆
 
◆ 2014.09.15 (Mon)   曇 時々 晴
大天荘 06:20ー 大天井岳 06:30/06:35- 東大天井岳を巻く 07:20- 常念小屋 08:50/09:15- 水場 09:45- 笠原沢 10:55- 大滝ベンチ 11:35- 一ノ沢 12:10
 
 
タクシー予約手数料(常念小屋) ¥100
タクシー(一ノ沢~穂高駅) ¥5000
 

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2014.09.17

常念山脈・未踏の区間を歩く 1

B140917a
(大天井岳、ようやく姿を現す)

しかし今年の夏は本当にヒドイ夏で、今年初の北ア行きがここまで遅くなるとは思ってもいませんでした。しかも好天の予報が出た先の三連休は今シーズン一の人出が予想され、行き先にもかなり気を遣います。

そこで思いついたのが長らく未踏で、コースも思いつかずにずっと放置してあった大天井岳~常念小屋の間を歩くこと。燕は混むだろうけど、大天井まで足を伸ばせばそれなりにゆったり過ごせそうなので「もうここしかないな」という感じで歩いてきました。

B140917b
(第二ベンチまではこんな感じ・笑)

この連休の大混雑は早朝から始まっていて、朝一のバスからして自分は20分前にバス停に来たから難なく乗れたものの、バスの時間近くにのこのこ来ていた大半のハイカーはあっさり積み残し。あの人達はいったい何時に歩き出せたのでしょうかねえ。。。

昔(7年前か?)表銀座を歩いた時も中房の人の多さには驚いたものですが、もちろん今回は以上の混みっぷり。でもこちらとて北アはいつまで経ってもおのぼりさんな訳でして(笑)、コレは別の意味で面白い光景でした。

B140917c
(低木色づき始める・ウラジロナナカマド)

なので歩き出しから道は渋滞というか数珠つなぎ。というか実は少々遅めながらもこれが意外に良いペースで流れていて、思いの外歩きやすかったのにはビックリ。

でもそんな流れも第二ベンチを過ぎると徐々にばらけて自分のペースで歩けるようになります。お花はアキノキリンソウなどなどみんな終わりかけ。綺麗に咲いているのはオヤマリンドウのみと言ったところです。

B140917d
(合戦小屋)

B140917e
(ガスが晴れて燕山荘が見えてきた)

晴れていれば合戦小屋でスイカでも食べようかと思っていたけど、少々肌寒く感じる天気ではそんな気にもなれずに、少々休んで先を行きます。

合戦小屋を過ぎるとまもなく森林限界で、このあたりから周囲のガスがとれて、ようやく高山らしい光景が見られるようになると、やっぱりワクワクしてきます。

B140917f
(燕山は見るだけ)

B140917g
(蛙岩を通って)

下部ほどでないにしろ相変わらず人が多いのでごにょごにょ山荘に上がって、山荘前でまた小休止。まだ9時過ぎだというのに山荘前のテン場はかなり埋まっています(笑)。噂には聞いていたけど、今は本当にすごいことになっているんですね。

稜線に上がって晴れてくれたものの午後にかけて再びガスりそうな雰囲気だったので、今回のところは燕山ははしょって、そのまま大天井岳へ向かいました。

B140917h
(ハクサンフウロ)

B140917i
(槍穂はピーカンだけど・・・)

山荘を過ぎるとまだまだ人は多いものの、それでも合戦尾根と比べるとぐっと減り、それだけで快適に歩けるというもの。こちらより西側はピーカンのようで、懐かしい山山を眺めながら歩ける気持ちよさは高山ならではです。

でもこれで東側が晴れていたらもうチトと気持ちよかったでしょうけど、贅沢言っちゃあいけません。

B140917j
(快い稜線歩きを楽しめます)

B140917k
(ウラシマツツジ)

稜線も綺麗なお花ほぼオヤマリンドウのみ。ウラシマツツジなどはすでに紅葉になっていて、お花よりも紅葉の方が目を楽しませてくれる感じでしょうか。

今回も初日は大天井岳までなので、好き勝手に休みながらゆるゆる歩いて行きます。

B140917l
(安曇野側のガスがなっかなかとれない)

B140917m
(大天井の登りしな、来た道を振り返る)

道中、目の前の大天井岳がなかなか姿を見せてくれず、やっと姿を見せてくれたのもつかの間。東側からガスがやってきて、いままで楽しめた展望もここまで。

表銀座から分かれて大天荘へ向かうトラバース道がわかっちゃいたものの少々きつく、へろへろになりながらようやく大天荘に着きました。

B140917n
(大天荘は大盛況)

B140917o
(夕方、ガスが少しだけとれました♪)

それでも大天荘に着いたのはまだお昼過ぎ。小屋はお昼という事もあって大盛況で、今回は珍しく小屋でお昼にしましたけど、ここは相変わらず食い物がうまいですね。とはいえ決して裕福とはいえないリーマンのくせにお昼にお酒に躊躇なくお金を出せるのには理由があって、今回はテントだからなんですね(笑)。

おかげで今回は気兼ねなくのんびりできた上に、夕方には少々の展望、そして夜には一年ぶりとなる星空も楽しめて、大変有意義な一夜を過ごすことができました。
 
・・・・・☆
 
◆ 2014.09.14 (Sun)   晴 後 曇
しゃくなげ荘 05:20→ 中房温泉 06:05/06:10- 第二ベンチ 07:05- 合戦小屋 08:20/08:30- 燕山荘 09:20/09:30- 2699m峰 11:15- 大天荘 12:10
 
 
バス(しゃくなげ荘~中房温泉) ¥1200
テント場(大天荘) ¥700
水(3L) ¥600
天ぷらそば ¥800
ビール(ショート缶) ¥600
チューハイ(ショート缶)¥450
 

| | コメント (6) | トラックバック (0)

2014.09.08

神苑の森を歩きに、再び御岳山へ

B140908a
(神苑の森のひとコマ)

先の週末、土曜(09/06)はまぁましな天気でしたでしょうか?普段なら早出逃げ切りの天気でしたけど、訳あって今回も遅出の御岳山でした。

ぐぐたのすの方に書いたんですけど、遅出の御岳山を続けていると、その中でいろいろ楽しみも出来てくるから不思議ですね。今回は先々週と同じく御岳平14時前のスタート。まずは御岳神社へ向かいます。

B140908b
(こんな大トチもおはました)

B140908c
(カシワバハグマ)

下りのハイカーと逆行して歩くのが三度目となるともうなれたもの(笑)。神社の鳥居に出たところで今回は階段を上がらず右の道に入り、しばらく行くと「神苑の森」と書かれた山道の入口に出ます。今回はこの神苑の森を歩くのが目的なのです。

さっそく入ると、道は雑木林のもと細い道がしっかり延びている感じで、南側の植林下のメインルートとは違ってなかなか快い道ですね。道がろくすっぽ歩かれてないように見えるのも好ましいかも。

B140908d
(ツルリンドウ)

B140908e
(良い道ですけど、ろくすっぽ歩かれてない感じ)

そんな様子に御岳にもこんなところがあったのか!と驚きを隠せませんでした。

途中トチの大木やお花を撮りつつ歩いても、神社から天狗の腰掛杉まで15分弱の道のり。時間的にもメインルートと大して変わらないのではないでしょうか?というか今後自分がこの辺りを歩くとしたら100%に近い割合でこちらの道を歩くでしょうね。たぶん。

B140908f
(一旦縦走路に出たら)

B140908g
(ロックガーデンを下って・・・)

B140908h
(お花はヤマゼリが大半)

メインルートに出たらこのまま大岳まで足を延ばしたいところですけど、今回の所は自重して、先月訪れなかった七代の滝に寄る事にしてロックガーデンを下ります。

この辺りは散策路にもなっているせいかこの時間でも歩いている観光客もまだまだいますね。それでも人出はこの辺りの事を考えたら、ほとんどいないようなもので快適に歩けます。お花の方はイワタバコはもちろん終わっていて(泣)、道中はほぼヤマゼリ一色。その中にタマガワホトトギスなどがちょこっと混ざる感じ。

B140908i
(オクモミジハグマ)

B140908j
(七代ノ滝)

七代の滝へ下る所は急なのに、観光客が大汗かいてよくこんな所を歩くなぁ・・・って大昔に訪れたときもそう思った事を思い出しました(笑)。

なのでせっかく降り立った滝もしばらくは観光客の方が遊んでいたので、滝が空くまでちょっと休憩。空いたところで滝をカメラに収めて、長尾平へ登り返します。

B140908k
(長尾平の展望台より)

B140908l
(さて下山しますか)

ここの登りも急ですけど、短いのでさほどの難なく登れます。それよりちょっとの間雨に降られて、そっちの方がちょっと嫌でしたね。長尾平に上がったら、人がかなり少なかったので、寄った事のなかった奥の展望台まで行ってみました。

ハイシーズンだったら人だらけの長尾平もこんな時分ではもう誰もいません。展望台に出たら少しだけ展望を楽しんで、そろそろ下山のお時間です。

B140908m
(かなり暗かったので丹三郎尾根を降りました)

予定では寸庭沢の左岸尾根か夕日向フ尾根を降りるつもりだったんですけど、大塚山附近辺りでまたまた雨が降り出したので、おとなしく丹三郎尾根経由で古里駅へ下りました。
 
・・・・・☆
 
◆ 2014.09.06 (Sat)   曇 一時 雨
御岳平 13:55- 天狗の腰掛杉 14:30- 綾広ノ滝 14:45- 七代ノ滝 15:15/15:30- 長尾平 15:50/16:00- 大塚山を捲き終える 16:30- 丹三郎登山口 17:20- 古里駅 17:30
 

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2014.09.04

御岳山から越沢をぐるりと下る

B140903a
(鍋割尾根のひとコマ)

遅くなりましたが、先の週末も不安定でしたね。先週も土曜が所用だったので山行きは日曜(08/31)でしかもこれまた同じくというより、もっと遅くなってしまったのですが。。。(汗)

今回は御岳山から西回りで奥の院~鍋割山に出たら、久しぶりに鍋割尾根を下降。でも大楢峠からは峠から下は未踏だった裏参道を歩いて鳩ノ巣に出るコースを歩いてきました。

B140903b
(天狗の腰掛杉)

B140903c
(杉並木が続く・奥の院への道すがら)

いやですね。先週でも14時歩き出しというかなり悪い子だったのに、今週はもっと遅く、ぬあんと御岳平15時前のスタートです(笑)。当然ながら下りオンリーのハイカーに逆らって、まずは登山道を西へてくてく。

そんな少々後ろめたい歩きも天狗の腰掛杉から尾根道に入れば、ハイカーもほとんどいなくなり、ようやく落ち着いて歩けるようになります。

B140903d
(奥ノ院を越えて、鍋割山へ向かいます)

B140903e
(鍋割山山頂)

尾根道に入ればもう立派な登山道なのに、奥ノ院まで来ている観光客に驚きつつ、山頂でパンを食べつつちょっと休憩。ひと登りすると涼しくてもまだまだ大汗をかきますね。そうこうしていると周囲がガスってきて、ようやく山らしい雰囲気になってきた?かな??

奥ノ院から緩いアップダウンをこなして10分ちょいで鍋割山に着いたら、めぼしい登りここまで。左へ曲がるように延びている道の他に、山頂からは北へ通せんぼされた道が延びていて、これが今回下る鍋割尾根の道。

B140903f
(ホツツジ)

B140903g
(藪が若干被る箇所もある)

鍋割尾根を下るのもかなり久しぶりで、下りだしは伐採跡だったところも今は下生えが育って少々藪っぽくなってはいるものの、道筋は至って明瞭です。

でもガスっている上にいい加減夕方とも言える時間になっているので、周囲は結構暗い感じ。そんな様子からも秋を感じますね。あと三週間もすればお彼岸ですし。

B140903h
(左・神社記号<御岳山??>、右・山道)

尾根はまあまあ快いのですが、お花は少ないし、見所もあまりないだろうと思っていたら、途中で見かけた↑↑この古い石標には驚きました。前に歩いたときは尾根上を忠実に歩いたこともあって、これは完全に見落としていましたね。

石に彫られた左の神社記号は尾根道で?おそらく御岳神社。右の山道が?と思っていたら、尾根を乗り越して海沢へ下る道筋が認められてちょっと気になります。

B140903i
(大楢峠の大楢)

B140903j
(キンミズヒキ)

その石標から10分ほどでコナラの大木が立つ大楢峠に降り立ちました。話には聞いていましたが、ここの大ナラは樹勢が今ふたつで徐々に弱ってきている感じ。。。

ここからは時間の関係もあり、個人的に未踏だった裏参道の下部を下る事にします。

B140903k
(裏参道下部は植林帯が続く)

B140903l
(マツカゼソウ)

その裏参道をさっそく下りはじめるると、さほど多くないながらもお花が出てきます。

キンミズヒキ、ミズヒキ、ヌスビトハギ、フシグロセンノウ、タマアジサイ、ヤマジノホトトギス、キバナアキギリ、マツカゼソウなどなど。下草豊富で道を覆うような勢いですけど、裏参道はさすがに道がしっかりしているので歩いていて藪が被る事はほとんどないでしょう。

B140903m
(タマアジサイはそろそろお終い)

B140903n
(一旦新しい林道に出る)

そして越沢キャンプ場?の展望台を過ぎるとまもなく真新しい林道に飛び出してビックリ。鳩ノ巣から来ているのでしょうか?道の状態からしてまだまだ延びそうな雰囲気ですね~。

しばらくはその林道を歩いて、道標(草深いので見落としやすいかも)のあるところから再び山道に入ると、ひと下りで古里との分岐になる展望台に出ました。

B140903o
(古里との分岐にある展望台より)

展望台からは鳩ノ巣の辺りが一望。しばらくはそんな展望を楽しんだら、近いであろう鳩ノ巣へ向けかなり暗くなった道を急ぎ足で下っていったのでした。
 
・・・・・☆
 
◆ 2014.08.31 (Sun)   曇
御岳平 14:55- 奥ノ院 15:40/15:50- 鍋割山 16:05- 大楢峠 16:45- 展望台 17:20- 鳩ノ巣駅 17:45
 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2014年8月 | トップページ | 2014年10月 »