鉄五郎新道から御岳山、大岳山へ
(越沢右岸の径路・金刀比羅神社への道すがら)
う~ん、梅雨が明けてもどこか不安定な天気が続きますね。なので先の週末も遠出はやめて御坂方面でもと思ったら日曜(07/27)はもっと不安定らしく、エスケープが多彩でお花も望める所でにふと思いついたのが、御岳山のこと。未踏の鉄五郎新道から登ってみました。
しかしこちらの山は近い。思いっきり早起きしないでも7時前に歩き出せるのですから盛夏は助かります。鉄五郎新道の起点である金刀比羅神社までは複数?ルートがあるようでイマイチよくわからなかったので、とりあえず出たとこ勝負で越沢の右岸をトラバースする道を選んでいってみることにします。
(オオバジャノヒゲ)
(越沢バットレスの上なので、下を覗くとこの高度感)
トラバース道は植林の元細いながらも明瞭に延びていて、足下にはヌスビトハギにミズヒキ。タマアジサイは蕾が割れはじめて、汗もだくだく(笑)。でもそんな中てくてく歩いていると、あの香りがほんのりと漂っていて、もしやと思ったらやはりヤマユリ!この花もかなり久しぶりでした。
そんな訳で実際歩いてみるとほぼ一本道で、一時間ほどで鉄五郎新道の起点でもある金刀比羅神社に到着。ここは越沢バットレスの真上で、遙か下の越沢を見下ろせるところもあって納涼には良いのでしょうか(笑)。
(金刀比羅神社)
(バイカツツジ・まともな花はこれだけ)
少し汗を引かせてから金刀比羅神社に参拝して鉄五郎新道を登ります。道は広沢山の北西尾根に明瞭についていて、基本植林ですが、露岩帯も多く、それに時折雑木林を交える感じ。確かにツツジの季節は面白そうですね。
なのでこの時期に咲くバイカツツジも木はたくさん見かけたものの、花付きが良くない上にお花自体が終わりに近い事もあって、まともに咲いている花は保険でカメラに収めたこの花だけ。それでも今年はなんとか逢えてよかったです。
(鉄五郎新道・こんな大ツガもいるが基本は植林が続く)
(大塚山)
金刀比羅神社から急登をこなす事一時間。尾根が緩むと植林下の広沢山で、ここから先は緩やかな稜線歩きの趣。アンテナ施設を越えると左手から丹三郎尾根の登山道を合わせるとベンチのある大塚山に出ました。
この辺りは人の少ないイメージでしたが、ベンチで休憩中に数人のハイカーが通り過ぎていったのはさすがに御岳山、といったところでしょうか。休憩を終えたら富士峰園地のレンゲショウマ群生地へ向かいます。
(御岳山のレンゲショウマ・咲き始めた)
レンゲショウマは下の方で5,6株開花が始まったばかりで、見頃は一週間ちょい先でしょうか。でも近年は近場のお花見を熱心にしなくなったので花を見たのは久しぶり。夏の花と言えばかつてはレンゲショウマが一番のお目当てでしたから、やっぱり嬉しいですね。
そういえば園地を訪れたのはレンゲショウマの宣伝を大々的に始めた2003年以来のこと。前もって関係者の方には謝っておきますけど、当時はレンゲショウマなんて他所で腐るほど見られるじゃん!って内心小バカにしていたのに(笑)それから5年ほどで他所のレンゲショウマはあらかたシカに食われて、今や風前の灯火になるなんて・・・なんたる皮肉でしょう。
(久しぶりに参拝しました)
(ヤマユリも久しぶり)
レンゲショウマの様子を見終えたら御岳の集落の中を通って、御岳神社に参拝。お次は大岳山です。
とはいえ、すでに汗だくの身では奥の院経由の尾根コースはとてもじゃないけど歩く気がしません。なのでちょっと遠回りだけどイワタバコで見られたら~ということでロックガーデン経由で向かう事にしました。
(御岳沢・なかなか涼しかったです)
(綾広の滝)
そのロックガーデンから御岳沢沿いの道は風が通ってなかなか涼しく、人出も想像よりはかなり少なく、コース選択は正解でした。イワタバコが咲き始めだったのが少々残念でしたけど、道中涼しかったので無問題です。
そんな涼しい道のりも綾広の滝までで、ここから先は大岳へ向けてひたすらに汗をかかされる登りが続きます。
(キバナアキギリ)
(大岳山山頂)
大岳山への道のりも、さすがに盛夏だと人もまばらとは言わないけど、大岳にしてはかなり少ない印象。着いた山頂も20人はいなかったと思います。
ちょうどお昼時だったので軽くランチをとっても空はまだまだまっ晴れで、ホントに今日は不安定なの?と思いつつも、念のために早めに下山開始。今回はかなり久しぶりに海沢探勝路を下ってみました。
(ギンバイソウ)
(越沢右岸道のようなトラバース道が続く)
さてその探勝路ですが、歩く前までは人なんてほとんどいないんじゃないかと思っていたら、これが実際下ってみると人とすれ違うことすれ違うこと。遡行の方からトレランさんまで15人ほどいたでしょうか。
道はトラバース道で大雪の影響か一部わかりづらい箇所がありましたが、そこも慎重にたどれば問題のないレベルです。
(ヌスビトハギ)
(海沢大滝・水量多く爽快でした!)
そして大岳山から一時間ほどで海沢大滝に降り立ちました。滝は冬の時より水量が格段に多くて、周囲はとにかく涼しくて快適。ずっとここにいたかったのですが、ふとごろごろ妙な音がするなと思ったら・・・
やっぱりそれは雷の音で、気がつけば周囲は曇り始めているし、これは明らかにマズいサイン。慌てて園地に下って林道を早足で下っていると、なんとここで車に拾われて!
(海沢カタクリ山のレンゲショウマ・開花は次の週末か)
途中まで車で送ってもらった上に、今回は諦めていたカタクリ山のレンゲショウマの様子も見られて、しかも雨に遭わずに済んだと幸運が重なりまくりで、なんとも良いかたちで山行きを終える事ができました。いっきさん、ほんとうにありがとう。
・・・・・☆
◆ 2014.07.27 (Sun) 晴 後 曇
古里駅 06:45- 寸庭橋 07:00- 金比羅神社 07:40/07:45- 広沢山 08:40- 大塚山 09:00/09:10- 御岳神社 09:50- 綾広の滝 10:45- 芥場峠 11:05- 大岳山 11:45/12:00- 海沢大滝 13:00/13:10- 海沢園地 13:25
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コメント
リブルさん、
そうでした!松浦さんの記事のあと歩かれていましたよね。改めて拝見しましたが、すでに荒廃が進んでいるようですね。
でもあの岩場は植生など少々気になっているんですよ。
投稿: komado | 2014.08.02 20:05
komadoさん、こんにちは。
鉄五郎新道はまだでしたか。
そうそう、以前、自分がバットレスキャンプ場から入って登ったのは、垂直の岩がある道ですよ。
とても直登の鎖なんかは怖すぎて、巻きましたが、そちらもなかなか厳しかったです。
そういえば、そろそろレンゲショウマの時期ですね。
見たくなりましたが、台風のせいか、暑さがしんどいですね。
投稿: リブル | 2014.08.01 21:49
AKIOさん、
をを10月号でしたか。
新ハイは立ち読み会員なので、とりあえず図書館で見てみる事にします。ありがとうございました。
投稿: komado | 2014.07.31 20:04
いっきさん、
やはりそんな感じですよね。
仮に歩くとしてもあの手の物は信用しないで歩く事が肝要かなと思っております。
投稿: komado | 2014.07.31 20:03
SAKURAさん、
お暑うございます。夏が苦手なのは自分も同じで、昔はお花がたくさん咲いていたから歩けたようなもので、近年は夏の山行きががくっと減っております(笑)。
ギンバイソウは御岳沢にもいましたよ、というか海沢ノが綺麗に咲いていてかつうまく撮れたから載せたのでした。鉄五郎は団扇も良いけどツツジもいろいろありそうですね。
投稿: komado | 2014.07.31 20:02
Komadoさん、
新ハイをチェックしたら、載っていました。
新ハイ696号(2013年10月)71頁の挿入図に、「垂直の岩(直登、巻き道ともクサリ設置)」と書いてありました。
でも、直登部のクサリを登降するのは、スタンスが小さいのでちょっと勇気が要ると思います。
投稿: AKIO | 2014.07.31 07:57
先の道は バットレスキャンプ場の人が整備?したと聞いていますが キャンプ場が閉鎖して 手が入ってないので
もともとかなり怪しい道だったのが 更に怪しい感じになっているようです。鎖も怪しくなってそうな気がします。
投稿: いっき | 2014.07.31 06:11
26日と27日は猛暑でしたが、下から歩かれたんですね。
沢沿いが恋しい季節、ロックガーデン辺りは良さそうですね。
ギンバイソウは蕾のみ見てるだけなので、何時か行こうと思ってますが、駅まで行くだけでも暑そうと腰が上がりません。(夏はえらく苦手です。)
行ってもケーブルだと思いますが、レンゲショウマと2種なら、何時か腰が上がるかも…
ロックガーデン辺りにもギンバイソウあった記憶がありますが、咲いてませんでしたか~?
8月の初旬の涼しい日を狙わなくちゃ~♪
鉄五郎新道はイワウチワ狙いで一度歩いたのみです。
大昔、海沢を詰めた事があったなぁ…
蜘蛛の巣がいっぱいで。。。
投稿: SAKURA | 2014.07.30 23:04
AKIOさん、
金刀比羅神社の先の道、やっぱりあるんですね。
実際の状況はわからないんですけど、藤井本にはキャンプ場から金刀比羅神社の間に線が入っていて「けものみち(くさり場あり)」とだけ記されています(笑)。去年だったか松浦さんが新ハイでこの辺りのを載せていましたけど、これは載っていたかなあ??ちょっと興味が湧いてきましたね。
投稿: komado | 2014.07.30 22:19
Komadoさん、こんにちは。
鉄五郎新道は数年前に一度下りましたが、写真の金刀比羅神社の祠からそのまま直進したら、鎖場になり、その先はクサリの付いている10mくらいのスタンスがほとんどない垂壁で、「こんなところ下るの?」という感じだったので、祠まで戻って越沢右岸のトラバース道(おそらくKomadoさんが登った道)を下りました。
今でも垂壁のクサリの意味がわかりません。岩トレならば懸垂で下るのでクサリは不要ですし、クサリを付けて一般ルートとするには、傾斜がチョットきつすぎると思いました。
投稿: AKIO | 2014.07.30 18:19