
(シオジ平の大カツラ)
小屋が貸し切りだったこともあって、珍しく朝の4時過ぎまでぐっすり眠れて、朝は雲一つない天気と同様に快調そのもの。朝食をさくっととって、後片付け&お掃除をしたら、さっそくスタート。まずは酉谷山へ上がります。
酉谷山に上がったら、まずは目の前に広がる展望そっちのけで北へ下ってお花探しも・・・お目当てのコミヤマカタバミは咲き残りがほんのちょこっとだけで間に合いませんでした。時期的にしょうがないとは言え、高温続きがここでも痛い結果となってしまうとは。。。

(朝の酉谷山山頂より)

(タワ尾根を下って・・・)
それでも気を取り直して西へ下り始めれば、林の中に点々と咲くトウゴクミツバツツジは見事だし、足下にはクワガタソウやマイヅルソウが咲き始めていました。
朝の爽やかな縦走路を西へ行き、タワ尾根を乗り越したところでタワ尾根に入って下り始めると、こちらもトウゴクミツバツツジは相変わらず見事。そして実は高温が続いたせいで今回の山行きの行程を入れ替えた(当初はシロヤシオをこの日にする予定だった)ため、思いがけずこちらを歩けることとなったので

(アズマシャクナゲ・盛りは過ぎた)

(アカバナヒメイワカガミ)
アズマシャクナゲとイワカガミに逢うことができました。イワガガミは真っ盛りでなかなか見事な咲きっぷり、シャクナゲの方は咲いてはいたものの、トウゴクミツバツツジと同じく高温と荒天のおかげで傷んでいるのが大半なのが少々残念でした。まぁシャクナゲだったら高いところへ行けば普通に見られますからね。
そんな状態だったので却ってお花の撮影に時間がかかるも、まだまだ朝なので余裕があって嬉しい限り。ウトウノ頭へ登り返したら、お次は四間小屋尾根を下ります。

(チチブドウダンも咲き始め)

(四軒小屋尾根1388m峰の緩斜面・Part1)
四軒小屋尾根もちょっとご無沙汰していたでしょうか。のっけの急な箇所もずいぶんと歩きやすくなって、尾根に乗れば間もなくかの1388m峰の緩斜面に飛び出します。
そして、この素敵な林の広がる緩斜面を目の当たりにすると、やることと言えば例のごとくゆるゆる彷徨うだけです。。。(笑)

(大木はあまた有れど、ここはこの大ミズナラが目を引く)

(四軒小屋尾根1388m峰の緩斜面・Part1)
下りだと心ゆくまで周囲の緩斜面を堪能して1388m峰、というのが一区切り感があって良いですね。
今回は上段歩道廻りではなく、この辺りから直接シオジ平へ降りてみましたけど、この下りもなかな宜しゅうございました。

(シオジ平に寄り・・・)
シオジ平(あくまでkomado呼称です)に降りたら、ここでももちろん散策。秋の時期に訪れているのが大半な事もあるけど、緑の時期って葉が茂って木々の幹が見えづらくなっているのが、意外やどこか物足りないものを感じたりもします。コレってものすごい贅沢な言い方していますけど(笑)。
ここで軽く何かを食べようと思ったら、今の時期は虫が多くてままなりませんね。先を行くしかありません。

(滝谷の深いシオジ林をぬけると)

(上ッ滝:F6に出ます)
シオジ平から滝谷に降り、水量の多い下ッ滝(F4)、両門ノ滝(F5)を眺めつつるゆる捲いて、藤小屋窪に出たら上ッ滝はすぐ先。見事なシオジ林の中を少し上がると上ッ滝(F6)です。
ここは風が少し通るおかげで虫か格段に少なくなったので、ようやく大休止。滝しぶきは涼しくて心地よく、上を見上げると岩壁にはウツギやヤマツツジが咲いて、イワタバコの葉っぱもちらほら。

(滝谷左岸の高巻き尾根がこの緩斜面!)

(4mほどのブナのおおものさん)
そんな滝の許できなこ揚げパンを食べたら人心地もついて、行動再開。今回は滝谷の右岸ではなく、左岸の高巻き尾根に取り付きます。
のっけは露岩の急登が続いてしんどいものの、それをこなすと尾根が一気に広がって、またまた気持ちの良い緩斜面歩きの始まり。

(喜右衛門尾根の枝尾根らしい、うねる緩斜面が・・・)

(まだまだ続いて・・・)
よくよく考えてみたらこの尾根ってもう喜右衛門尾根(上滝尾根)の枝尾根なんですよね!
ここは本当に大海原がうねっているような感じの緩斜面で、そんな中をゆるゆる彷徨っていると、自分の位置感を失くなるような感覚に陥ってしまうぐらい。まぁ要は夢中になっているだけなんです(笑)。

(喜右衛門尾根の1480m峰に上がりました)

(お次は骨谷右岸尾根を下って)
いつの間にやら喜右衛門尾根と合流すれば、ちょっとだけ急になって1480m峰に到着。ここまで来たらあとは都県界尾根に上がって・・・じゃなくて、もうひと遊び。東の骨谷右岸尾根を下ります。
右岸尾根もちろん素敵で歩きやすい尾根なのですが、骨谷出合に直接降りる末端部が結構急なので、ここは手前で一つ南の枝尾根に移ると、穏当に酉谷の登山道に降りられて安全でしょう。

(骨谷出合)
さて酉谷に降り立ったら、かなり暑くなったことですし、このまま酉谷に沿う登山道を行きたくなりますが(笑)、登山道の方は昨秋歩いているので、お次は骨谷の出合から迫り上がる酉谷山の南東尾根を登り返します。
酉谷沿いの素敵なシオジ林を横目で見つつ急な尾根に取り付くと、のっけから露岩の急登が続いて、それだけで汗をかかされる上に、急なだけに少なからず気を遣うかも。

(酉谷山南東尾根<骨谷左岸尾根>登りだしは露岩の急登が続く)

(途中の岩頭より酉谷を見下ろす)
でもそんな登りも、周囲の開けた岩頭に出ればおしまい。開けたところは数有れど、ここの気持ちよさはちょっと格別で、それは高度感とちょっとだけハングしているからなのでしょうかね?
そんな岩頭の突端にどかっと座って、ここから酉谷を繞る尾根たちを見下ろしていると、まさにお山の大将!お猿さんになった気分になれるステキな所です。

(同じ岩頭より、錦繍の時期<2009.11.03>)

(枝振りが印象的な大ミズナラ)
頃合いも良かったし岩頭でランチとも思ったんですけど、さすがに日差しがまともに当たるので先を行くと、すぐ先の痩せた鞍部からこれまた尾根が一気に広がり、少々急ながらも素晴らしい林の広尾根歩きに変わるという、このギャップが南東尾根の面白いところですね。
そしてひと登りすると尾根も緩んで、この先は先ほどと同じような緩斜面歩きが続きます。

(この酉谷山南東尾根も岩場を抜けると)

(素敵な緩斜面が・・・)
尾根が緩めばランチ場には困らないので、立派なブナやミズナラの立つ良いところを見つけて、さあ休もう!と思ったら暑い上に、登りが続いて大量に汗をかいたこともあるのでしょう、またまた大量の虫にまとわりつかれるようになって、お休みどころではありません。
こんな林の許で心ゆくまでのんびりしたかったのにー、と悔しがってもコレばかりはしょうがない。空腹を抱えつつ、しかも寄り道はしつつ、なおも続く広尾根を登っていくと30分ほどで縦走路に飛び出したので、酉谷山まで上がるのはやめて、さっさと避難小屋へ向かったのでした(笑)。

(ずっと続くのでした)
避難小屋に着いたら水場で顔を洗い、体を拭いたら、さっさと小屋の中に逃げ込みます。ふう・・・ここなら虫を気にすることなくランチをとれるけど、まさかお昼まで小屋でとることになろうとは。。。
それでも今は快適にランチをとれることだけで幸せです。ランチを終えて落ち着いたら、あとは前日に歩いた道を戻って日原へ下りました。
・・・・・☆
◆ 2014.06.02 (Mon) 晴
酉谷山避難小屋 05:25- 酉谷山 05:40/05:45- タワ尾根分岐 06:30- ウトウノ頭 07:30- 1388m峰 08:00- シオジ平 08:25- 上ッ滝 09:00/09:15- 1480m峰 10:00- 骨谷出合 10:40/10:50- 岩頭 11:05/11:15- 酉谷山避難小屋 12:10/12:40- ハナド岩 13:50- 一杯水避難小屋 14:15- 日原小学校跡 15:40