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2014.05.13

土室川の奥地をちょこっと覗く

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(鉄路が残る、土室森林軌道跡のひとコマ)

GWに入って甲斐大和~上日川峠のバスも再開しましたね。このバスが再開したらまず歩きたかったのが、去年長峰を歩いた時に左手にちらちら見えていた土室川の辺り。今回(05/10)は様子見を兼ねて土室川の上流部をちょこっと覗いてきました。

この日は早く歩き出したかったので臨時便を狙って早めに甲斐大和に出たのですが、GW明けのせいか人出が今ひとつ。それでも何とか人が集まって臨時便が早めに出発してくれて、少しでも早く歩き出すことができました。

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(天狗棚より)

しかし1600m歩き出しだと天狗棚に一時間かからず着いてしまうのには、何度も歩いているのに未だに慣れません。10分ほど休憩したらここからが本番だけど実際はもう下山のようなもので(笑)、牛ノ寝通りに入ってまずは榧ノ尾山を目指します。

牛ノ寝通りに入って驚いたのが大雪の影響でしょう、斜面に生えるツツジなどの低木が倒れかかって道を塞いでいる箇所が多数あったこと。もう何遍も言ってますけど、とても南関東の山とは思えない光景ですね。

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(牛ノ寝通り・荷渡し場への径路分岐の辺り)

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(ホンゴ尾根<榧ノ尾山南東尾根>・この日のおおものは4.5m位の大ツガ)

下るにつれ新緑も復活して、頭上にオオカメノキやハウチワカエデの花を見るようになると、まもなく榧ノ尾山に到着。歩き出しから2時間弱ということは、小菅から上がるより遙かに早いです。

今回はここからホンゴ尾根に下って土室川に出るつもりなのでさっそく下り始めると、のっけは牛ノ寝通りと同じような感じの林相。おかげで?いきなり立派な大ツガが見つかったりして、良い気分で下っていたら

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(林相が良いのはとりあえずここまで)

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(アカマツ植林と中木の雑木林が長峰みたいな雰囲気)

すぐに出てきた立派なミズナラが早くもそんな林のお終いを告げて、そこから先はアカマツ植林と伐採後放置されて育った中木の雑木林に変わったのは、わかっちゃいたけど、その荒れた様子は長峰のような感じでガッカリ感が否めません。

でもそんな区間も意外に短く、再び雑木林に変わると新緑と言うこともあってなかなか良い感じ。1150m附近は広尾根と言うより、すでに尾根が分かれはじめた段差のある二重山稜状で、この辺りの様子も時間があったら寄り道したかったところでした。

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(ところがじきに新緑眩しい雑木林に)

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(妙に明瞭な道に降り立ったなと思ったら・・・)

今回はホンゴ尾根を初めて下ったのでまずは主尾根を辿るのがスジでしょう、と言うことで土室川の790m圏二俣の方へ降りてみましたが、こちらの方は下降の難度が少々高め。末端部は植林で、土室川の沢音が大きくなってきた頃、突然尾根を横切る明瞭な道に降り立ちました。

いきなり現れた明瞭な道にこれな何なの?と思いつつ、とりあえず下りだった東側へ道を辿ってみると、すぐにレールが現れて、ああ!そういうことか!と。要はこの道は岩科本で言う土室の木馬道。とはいえすでに鉄路ということは「軌道跡」と言った方が正解でしょう。(調べてみると土室森林軌道と謂われているようです)

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(なんとレールが!)

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(金小屋沢・当時は橋梁があったのでしょう)

山奥に突然現れた妙なレールにヲタ心にも火がつき(笑)テンション上がりまくり。なおも下るとすぐに金小屋沢の出合に出たのですが、かつてはここで橋梁をかけて渡っていたのでしょうけど、今は朽ちた枕木とレールだけが浮いています。

しかし時の流れというのは怖ろしいですね。山奥にある人工物が朽ちて、周囲と一体化し、どこか味わいのあるものに変貌しているって、よくよく考えると本当に不思議な光景。ランチもこの辺りでとらせてもらいました。

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(金小屋ノ尾根<金小屋沢左岸尾根>・全編ほぼ植林)

ランチを終えたら、予定ではそのまま金小屋ノ尾根(岩科本ではカナゴヤノ尾)を登り返すつもりだったんですけど、この軌道跡を見たらやっぱり辿ってみたい!という思いが強くなるのはしょうがないことかも。

なのでとりあえずなおも東へ軌道跡を辿ってみると、最初は明瞭だった道も金小屋ノ尾根を回り込む辺りにさしかかったところで、突然ちょっとした崩落地に出くわし、まぁ問題なく辿れそうではあったのですけど、今回はここまでにしろとのお達しなのでしょう。なのでここで切り上げて、金小屋ノ尾根を登り返すことにしました。

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(振り返ると、長峰の奥に大樺と雁ヶ腹摺)

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(尾根上部は露岩の痩せ尾根が続く)

さて、その金小屋ノ尾根はのっけから植林一色で、ひと登りすると林道の終点に飛び出して驚きましたが、そこから先も基本的には植林が続く感じ。藪がほとんどなく、歩きやすいのが取り柄でしょうか。

そして1160m圏の尾根の肩から先は露岩混じりの痩せ尾根が続いたのが意外と言えば意外。展望もそこそこ利いて、振り返ると長峰の奥に聳える大樺と雁ヶ腹摺の姿が新鮮です。露岩混じりの割にはこちらも藪が少なく結局一時間ちょいで牛ノ寝通りに上がってしまいました。

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(牛ノ寝通りに戻りました)

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(ヒゲネワチガイソウ)

牛ノ寝通りに上がったらあとは橋立に下るだけです。とはいえこの辺りから橋立へ下るのに一番早いのは狩倉山の北東尾根か、ショナメからの径路かといったところ。

地図を見ると狩倉の方が短そうだけど登り返しがある、なので実はちょっとだけ遠回りだけど径路のしっかりしているショナメからの径路の方が早いのでは?と個人的には見ているので、手始めにこちらの道を久しぶりに降りてみることにしました。

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(ショナメから北の沢筋をそのまま下ると・・・)

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(5mオーバーの大トチに)

ショナメの径路は9年ぶり。とにかくこの道は下りはじめの沢筋の渓畔林が素晴らしい。個人的にはこの林を見るだけで歩く価値があると思っているルートです。

なにせのっけから5mオーバーの大トチが現れ、そして優美な曲線を描くシオジの幹たちに惚れ惚れし、

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(優美な曲線を描くシオジ)

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(シオジかと思ったらサワグルミでした!)

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(もちろんカツラもいらっしゃいます)

これはシオジだと思っていた大木は実はサワグルミで、もちろんひこばえを侍らせたカツラもいらっしゃいます。

そんな芽吹きを始めた高木に、チドリノキやアサノハカエデなどの中低木の新緑、そして足下のハシリドコロの鮮やかな緑が織りなす光景は一人歓声を上げてしまうほど素晴らしいものだけど、実はそんなに長くは続かず、じきに植林帯に入ってしまうのが玉にきず。

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(高木、中低木に足下の新緑が相まって素晴らしい)

そして植林帯の真っ暗な沢筋をしばらく下ってから、左岸側へトラバースする道筋を逃さないことがこのルートのキモですが、そこが今は判りづらくなっていて、歩く人を選ぶルートになってしまったかも知れません。

そのトラバース道に入れば後は道筋を追うだけで、右手からこれまた明瞭な道を合わせるとすいすい下れて、あっけなく丸木橋に降り立ちました。

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(小菅川に架かる丸木橋・簡素になっていました)

思いの外早く降りてしまったので小菅側の川原で少し休んでから橋立へ向かっても、ショナメから90分ほど。以前と変わらない時間で降りられることが解ったのが収穫でした。今回であちらの距離感もおおよそ掴めたし、さて次回以降はどうやって歩きましょうかね。久しぶりに新しい遊び場を見つけたような気分です。
 
・・・・・☆
 
◆ 2014.05.10 (Sat)   快晴
小屋平 08:30- 石丸峠 09:10- 天狗棚 09:15/09:25- 榧ノ尾山 10:20- 土室森林軌道跡に出る11:25- 金小屋沢出合 11:35/11:50- 1150m圏 12:35- 牛ノ寝 13:10- ショナメ 13:40- 丸木橋 14:30/14:40- 小菅BS(橋立)15:10
 

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コメント

いっきさん、

こちらの方はいっきさんの技量では「到底手に負えない山域」ですので、花のひかりを見て楽しむだけにしてくださいねっ♪

投稿: komado | 2014.05.14 22:11

AKIOさん、

こちらの方は小金沢と一緒でその歴史上、林相が宜しくないので余り食指が動かなかったのですが、今回は思ったよりも良かったかな?という感じでした。

でも毎回毎回こうはいかないと思ってますので、林相的な期待は無しに(笑)遊ぼうかなと思っています。だから帰りの小菅川の方がないと堪能出来ないのかなとも思っております。

投稿: komado | 2014.05.14 22:09

こんばんは 土室川方面 惹かれますね。
奥鬼怒廃軌道を 辿った時も楽しかったので。
ただ 巡視道と違って 橋梁は崩れていたりして
大変なことになっていることが多かったような。

投稿: いっき | 2014.05.14 20:05

Komadoさん、こんにちは。

土室川方面も楽しそうですね。今後行ってみたいと思っています。牛の寝の北面も巡視路がたくさんあるので、小生もいろいろなルート取りを楽しんでいます。真夏でも割合涼しいので、行き先に困ったら巡視路を歩くパターンもありました。今後のレポを楽しみにしています。

投稿: AKIO | 2014.05.14 16:36

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