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2014.05.27

シロヤシオ満開の源蔵小屋谷左岸尾根を再び登る

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(シロヤシオわかるでしょうか?源蔵小屋谷左岸尾根上部のひとコマ)

しかし5月に入ってからの高温続きでお花の進み具合が意外に早まって、個人的には少々困り?気味??でもひょんな事から丹沢へ行けることになったので、今の時期ならやっぱり檜洞でしょう!ということで今回は去年年頭に歩いた彦右衛門谷界隈のシロヤシオ花期の様子を見てきました。

さすがにこの時期の檜洞は凄いですね。6時半頃には日陰沢橋に来ていたのに、ゲート近くのスペースはすでに車で埋まっていて唖然。それでも近いところに停められたから良かったけど、これより遅い時間だとどうなっていたのでしょうねえ。。。

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(彦エ衛門谷の堰堤越えも大雪の影響が・・・)

それでも神ノ川は西丹沢と比べたら怖ろしく静かなものです(笑)。まずは広河原まで林道(県道)歩き。丹沢らしいと言えばニシキウツギもその一つですね。道中はノイバラも咲き始めてそろそろ夏の雰囲気。周囲の新緑は素晴らしいし、長い車道歩きもさほど苦になりません。

一時間ほどで広河原に出たら彦右衛門谷の堰堤で一息。ここから源蔵小屋谷の出合までは堰堤越えが続くのですが、去年のことなのにどう行くのか完全に忘れて右往左往(笑)。大雪の影響かボサっぽい箇所もありましたが、慎重に行けば問題はなく、奥へ行くにつれ徐々に思い出して後はスムーズにいけました。

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(源蔵小屋谷・スッキリしているのはこの辺りだけ)

そんな堰堤を確か5、6箇所越えると、行く先に堰堤がなくなってじきに源蔵小屋谷との出合に到着。この時期に来て驚いたのがサワグルミと思っていた木がおおむねシオジだったことでしょうか。ここから左の源蔵小屋谷に入ります。

そして源蔵小屋谷に入るとこちらも大雪の影響でしょう、沢はボサっぽく、渓相が一変してしまいました。間もなく出る890m圏二俣もスッキリしていたのに、ボサのせいで移動はままならないし、1mを超える残雪はあるしで、かの大雪の凄さをここでも感じる事になったのでした。

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(890m圏二俣・ボサっぽい上に残雪あり)

ここでも少し休憩をしたら、890m圏二俣の中間の尾根・・・源蔵小屋谷左岸尾根に取り付きます。ここの取り付けが非常に宜しくないので、今回は別の所から取り付こうと思っていたものの、実際に尾根末端部を見たところ、なんか行けそうな感じに見えたので行ってしまいました(笑)。

でも実際はやはり宜しくなかったです。ここを歩こうと思っているヘンタイさんは極少だとは思いますけど、もし歩かれるのであれば、二俣からなおも源蔵小屋谷を上がれば平易に取り付けますので、安全のためにもそちらから取り付いてもらえればと思います。

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(源蔵小屋谷枝沢<890m圏二俣右俣>の20m大滝)

いうことでなんとか尾根上に上がれば仕事はほとんど終わったも同然で、あとは尾根を登っていくだけ。間もなく右手に↑↑かの大滝が見えてきたので、さっそく撮影。よく見てみると滝の高さはトータルで20mほどですね。訂正します。

滝を撮影した後はもちろん滝の落ち口にも寄りました。枝沢ですので水量こそ知れているものの、尾根歩きなのに滝見が楽しめるなんてなんて至れり尽くせりなのでしょう。でも相変わらずこの滝に関する情報はなく(ご存じの方がいらっしゃったらご一報を!)、この規模の滝が丹沢通にも知られていなかったというのが意外というか、どうにも信じられません。

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(源蔵小屋谷左岸尾根・下部は露岩・岩屑混じりの急登が続く)

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(開けたところから蛭ヶ岳を望めるようになると)

そんな滝見を終えたら、しばらくは伐採後放置された二次林の許、露岩岩屑混じりの痩尾根をせっせと登っていきます。

やがて尾根の左手がちょこちょこ開けるようになると、尾根が広がってようやく自然林に変わってくれました。すると・・・

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(自然林に変わり)

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(シロヤシオが出てくる)

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(これはこれは・・・♪)

出てくるのはもちろんシロヤシオ。思わず歓声が上がります。花はすでに満開で、花付きも良好。シロの立派な木が多いのがやはり丹沢らしいですね。

そして上がるにつれ林相も、お花も良くなって、歩いていてにやにやが止まりません。この辺りから源蔵小屋谷 彦右衛門谷中間尾根と合流する辺りまでが、この日のハイライトでした。

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(花付きも良好)

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(ブナ林に咲くシロヤシオをうまく撮れない)

今回も源蔵小屋谷 彦右衛門谷中間尾根と合流する手前の緩斜面でランチになったのは、偶然と言うより必然なのか。素晴らしい林とシロヤシオの許でランチをとれる幸せ。有り難いことです。

ランチを終えたらひと登りで中間尾根と合流。ここからもブナ林と満開のシロヤシオはまだまだ続いて、嬉しい限り。でもブナとシロヤシオの花を一緒にカメラに収めるのって難しい!でもこんな嘆きが出るのもお花が宜しいからな訳でして、贅沢すぎる悩みなのかも知れませんね。

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(見頃は1300m~1450m辺りか)

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(大ミズナラにももちろん逢ってきました)

さてこの界隈で見物なのが、先の源蔵小屋谷枝沢の大滝と、もう一つはこの大ミズナラでしょうか。

5mほどのミズナラ巨樹は思いっきり稀少というわけではありませんが、他にミズナラをほとんど見かけない丹沢の核心部になぜか鎮座する異色の巨樹。今度は緑覆う時期に逢いたいですね。

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(中間尾根上部はなぜかシロヤシオの花付きが良くなかった)

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(ツルシロカネソウ)

中間尾根と合流してからは上まで、シロヤシオを楽しめるものだろうと思っていたら、意外や1450m位より上のシロはなぜか花付きが良くなかったのが意外でしたが、こればかりはしょうがない。

でもその代わりに足下のお花が出てきたのは幸いで、今年はよく見るツルシロカネソウに、ツルキンバイ、ワチガイソウなどがたくさん咲いていて、そんなお花を愛でつつ登っていくと、まもなく主稜線の登山道と合流しました。

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(青ヶ岳山荘から人が急に増え出した)

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(主稜線は晴れたりガスったり)

ここから先は人の多い登山道。さすがにシロヤシオの時期、人出が多いのは当たり前なのでしょうけど、それでも稜線に上がったのが遅くなったのが幸いして、想像よりは少なかった印象。

ということで檜洞丸の山頂はほぼ素通りで(笑)、山頂の散りかけたマメザクラをカメラに収めたら、いい加減下山のお時間です。

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(主稜線のシロヤシオは蕾~咲き始め)

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(コイワザクラ・まだ咲いていてくれてありがとう)

さっそく下山を始めると、主稜線は風が強くてガスが南から北へ次々と抜ける天気。シロヤシオとトウゴクミツバツツジは蕾から咲き始めで、花付きも宜しく、お花はこの週末が良さそうな感じでしょうか。

でもそのおかげで、終わりかけでしたけどコイワザクラになんとか間に合いました!丹沢のコイワザクラには一度お目にかかりたかったので、今回の所はこれでよし。シロは下で充分楽しみましたしね。

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(オオカメノキとシロヤシオとトウゴクミツバツツジ)

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(この辺りシナノキの大木が多い)

主稜線も緑の時期は雰囲気が変わりますね。荒れている箇所ももちろん多いですけど、それを割り引いても素敵な林がまだまだ残っている。↑↑このシナノキの広場は緑になってもやはり惹かれたところです。

そして今回も遅くなってしまったので、大笄に上がったらあとは素直にヤタ尾根を下りました。

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(ヤタ尾根下りはじめの二本ブナ)

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(ヤタ尾根の林相もなかなか素敵だ)

冬の時期は北斜面の上に日が短いこともあって、イマイチ暗い雰囲気でしたが、この日はさすがに明るく、林相も宜しく素敵な尾根ですね。シロヤシオも少ないながらもいて、そんな残花を愛でつつ日陰沢橋へ向かったのでした。
 
・・・・・☆
 
◆ 2014.05.24 (Sat)   晴
日陰沢橋 06:45- 広河原 07:45/07:55- 源蔵小屋谷出合 08:45- 源蔵小屋谷枝沢出合(890m圏二俣)09:00/09:20-(途中休憩65分)- 中間尾根合流 12:40- 檜洞丸 13:45/13:50- 大笄 14:40- 日陰沢橋 16:20
 

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2014.05.22

権現沢左岸の短い枝尾根をゆるゆる登り降り

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(権現沢<セギノ沢>800m圏二俣中間尾根のひとコマ)

この冬はもっと世附(世附川流域)の山に入る予定だったのに、大雪のせいで予定がことごとく潰れたのには本当に参りましたねえ。。。ということで今回は丸三ヶ月ぶりでしょうか。

とは言っても今回は世附の成分は本当にちょこっとだけ。屏風岩山西尾根から北の権現沢(セギノ沢)左岸の短い枝尾根を登り降りするという、誰も気にもとめないであろう悉くマイナーなプランを組んで歩いてきました。

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(大滝峠への道すがら)

さて、松田の方から西丹沢に入るってかなり久しぶりですよね?(笑)小田急では朝食がとれないので、新松田のおそば屋さんで朝食をとってからバスに乗るなり、谷峨へ向かうのですが、今回は臨時のバスが出るのを横目で見みつつ谷峨へ向かうと、

谷峨にやってきたバスは先ほど見かけた臨時だったのはラッキーでした。でもそろそろ檜洞のシロヤシオの時期となると大半が西丹沢のようで、大滝橋で降りたのはごく僅か。まずは大滝峠を目指します。

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(ギンリョウソウ)

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(ツルシロカネソウ)

三ヶ月空いた間に大雪があって登山道の状況が気になっていたものの、実際はキレイにかたづけられていてごく普通に歩けます。さすがにこの標高だと雪も完全にとけていますね。

沢沿いのお花はツルシロカネソウとツルキンバイがメイン。シロカネソウが普通に咲いているのが個人的にはかなり新鮮です。そおいや世附の沢でもツルシロカネソウばかりで、沢で見かけるお花の典型であるニリンソウをまったく見かけなかったことを思い出しました。

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(屏風岩山が見えるようになると大滝峠は近い)

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(まずは権現沢820m圏二俣中間尾根を下ります)

歩き出しから90分ほどで大滝峠に着いたら、稜線をなおも南へ行き、二つ先のピークから西へ延びる枝尾根を下ります。これが一つ目の権現沢820m圏二俣中間尾根。のっけから屏風岩山西尾根を彷彿とさせるような素敵な林の中、一旦鞍部に降りて登り返すと広い960m圏峰に出ます。

想像通り、ここはブナやイヌブナにミズナラの立派な木も散見される広々とした好ましいピークで、なんかのんびりしたくなるような所でしたけど、まだまだ歩き始めなので、周囲の散策にとどめてなおも下ります。

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(960m圏峰の広い頂)

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(ケヤキの立つ尾根末端部・鞍部を権現歩道が通る)

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(権現沢800m圏二俣)

960m圏峰を過ぎると尾根は一気に痩せて権現沢へ急降下。まもなく権現沢に降り立つ直前に鞍部に降り立つと、その鞍部をやや明瞭な道が横切っていますが、これが権現歩道。この鞍部から径路を伝って権現沢に降りて、ひと下りするとすぐに出る出合が800m圏の二俣で、お次はこの中間の尾根を登り返す段取りです(笑)。

尾根末端は岩崖になっているので少し戻ってから、尾根に取り付けば、同じように素敵な林の許ゆるゆる歩けて嬉しい限りです。

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(イワタバコの葉っぱがいっぱい!)

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(次に800m圏二俣中間尾根を登り返します)

こちらもこの周辺の尾根と同じようにブナやイヌブナなどの立派な木々が散見される、これまた素敵な尾根。施行図(第3次国有林野施業実施計画図)を見てわかってはいたものの、歩いていてにやにやが止まりません。

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(こちらの尾根も960m圏のピークは好ましい)

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(立派なミズナラもいた)

急登が落ち着くとそこは960m圏の明瞭なピークで、こちらも先の尾根よりは狭いものの、小広い素敵なピーク。だったのでちょっとだけ休憩させてもらってから、先を行くともう稜線は目の前です。

稜線に出たらすぐ先の989m峰を往復して(笑)、少し南へ登ると今度は見覚えのある尾根が西へ分かれるピークに着きます。この尾根は2月にも歩いた690m圏二俣中間尾根で、今回は尾根を下まで下るのではなく、尾根上部の緩い箇所を散策するのが目的。

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(その次は690m圏二俣中間尾根上部の散策)

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(これは・・・♪)

ということでさっそく散策を始めると、これが想像以上に楽しくて歩みが止まりません(笑)。

この周辺は自然林と言うより二次林なのでしょうけど、ブナは凄いおおものさんこそいないものの、若くて樹勢があるし、花は少なくても十二分に楽しめる素晴らしさ。尾根が短いのでコース取りなど悩みまくったけど、ショートと割り切ったのは正解でした。

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(この日一番のおおものさん・4mほど)

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(ここも素敵です♪)

心ゆくまで周囲を散策をしたら稜線に戻って、屏風岩山へ上がるとちょうど13時。まだまだ遊べる時間ですけど、今回はここまでにして下山をはじめます。

下りは南南東尾根というか笹子沢左岸尾根の径路。大雪のせいなのか、単に植林の手入れが入っていないせいなのか、ミツマタ畑周辺を中心として道が少々不明瞭になってきたように感じます。

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(屏風岩山山頂)

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(笹子沢・径路はやや不明瞭になってきた)

それでも尾根をキッチリ追えるのであればさほど問題ないルートで、このままだど14時台のバスに間に合いそうだったので、急ぎ足であしがら荘のバス停を目指したのでした。
 
・・・・・☆
 
◆ 2014.05.17 (Sat)   晴
大滝橋 08:15- 一軒屋避難小屋 09:15/09:20- 大滝峠 09:55- 権現沢820m圏二俣 10:35- 800m圏二俣 10:40/10:50- 989m峰 11:20- 690m圏二俣中間尾根上部散策&休憩 11:30/12:40- 屏風岩山 13:00- あしがら荘前BS 14:40
 

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2014.05.16

三ツ峠へお花見のつもりが・・・

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(雪渓に埋もれる七福ノ滝)

実は先週末も連荘でしたんです・・・(汗)。ということで翌日曜(05/11)は丸一年ぶりの三ツ峠でした。

しかし富士山の世界遺産登録以降、富士山周辺の街が妙に元気です。河口湖駅周辺はまだまだガンガン変わっているし、人出も多い。なので一本前の電車で河口湖に出たのは正解で、天下茶屋行きのバスは超満員。

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(開運山より・南ア全山が一望)

30分ほどで登山口に着いたら、すぐに歩き出して元の登山道へ。こういう時はボッカ道は歩きません。でも登山道の方もまだ人混みを避けたい向きには歩かれているようですね。近年まで道端で見かけることのできたレンゲショウマはまだ見られるのでしょうか?

稜線に上がったら、とりあえず木無山へ寄り、引き返して開運山へ。お花は極少でマメザクラもまだ咲き始め。これではお花は望めないけど、天気が良いので展望は良好。もちろん人は多すぎるけど、こんな好天の日は皆さん笑顔でこれはこれで悪くない光景ですね。

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(マメザクラ・咲き始め)

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(御巣鷹山直下の草原もまだこんな状態)

そんな人の多すぎる三ツ峠も開運山から御巣鷹山へ向かうと人がガタッと減ります。御巣鷹山直下の草原も↑↑こんな状態でお花はアカフとはいえないようなタチツボスミレとマメザクラぐらい。

なので山頂に着いたらちょっと休憩して、もう下山(笑)です。引き返して北口登山道に入ります。

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(ツルシロカネソウ)

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(コイワザクラ)

北口登山道は12年前の盛夏(この頃はお花がまだたくさん咲いていた頃でしてねえ・泣)に下って以来。ひと下りして着く、コメツガとトウヒの合体木の脇にはなんと思い出ノートがまだ置かれていてビックリ!というかポスト自体がリニューアルされていたことにまだビックリ。

北口登山道は通行止めの期間が長かったのに、こういう光景を目撃するとなぜがほのぼのとしてしまいます。

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(思い出ノートってまだやっていたのですね!)

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(白龍ノ滝からして・・・)

でもでも北口登山道はちょっとしたワイルドさが身上。急降下+か細い道のトラバースが続く道のりは結構スリリングでもあります。

やがて周囲にミツバツツジの咲き残りやツルキンバイを見るようになると、じきに白龍ノ滝に出るのですが、なんと滝はほとんど雪渓に埋もれていて唖然。ちょっとちょっと・・・ここは南関東の山ですよっ?

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(オオヤマザクラ)

ここから道は四十八滝沢に沿って左岸斜面を巻きながら降りていきます。でも沢を見ると下まで雪渓が続いていて、ちょっと困りましたねえ。というのも、途中で一箇所徒渉点があるので、、、

と思っているうちに件の徒渉点に出てしまいました。まず沢へ降りるところからして崩れていてヒヤヒヤでしたし、肝心の雪渓はまだしっかりしていたものの、水流の多い沢なのでちょっと薄いところがありそうな感じ。

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(徒渉点は雪渓・今後の通過は大変危険です)

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(初滝)

今回のところはうまく渡れましたけど、周囲が急斜面なので巻きは厳しく、渡れない時は三ツ峠まで引き返すか(笑)少し引き返して北東尾根を下るという、体力かRFスキルのあるハイカーしか選択肢のない状況はかなり危険ですね。

雪はこれから溶けるのですから、少なくとも御巣鷹側の入口は以前通行止にしていた時と同じく、ロープを張って無用な立入りを制限するようにしないと、少々マズいと思うのですが。。。

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(対岸の新緑が美しい)

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(ここも雪渓を下るが、迂回可能)

このあとも雪渓を二度ほど渡ったり下ったりする所があって笑ってしまいました。というかこの道のワイルドさ+雪渓って、これでお花がもっと咲いていれば、まんま東北の山ですよ!

雪渓の上では倒れたオオヤマザクラのマクロを数年ぶりに撮れたり、フサザクラが咲いていたりと、そんな出逢いがあったのも嬉しかったです。

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(なんと5月にフサザクラ!)

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(この大トチを見ると滝めぐりはお終い)

そして↑↑この大トチを見ると今まで続いた滝めぐりはようやくお終い。

ここから先は頭上から足下まで緑に染まった中をゆるゆる下って行きます。

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(道中、ケヤキの立派な木々が目立った)

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(ルイヨウボタン)

滝めぐりが終わった後はすぐに植林に入るイメージでしたが、植林より雑木林の割合の方が全然多かったです(笑)。

道中は立派なケヤキがかなり目につきました。お花はシロバナエンレイソウにルイヨウボタン、フタバアオイあたり。個人的に狙っていたお花にはフラレてしまいましたけど。。。

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(緑がひたすらに美しい道)

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(北口登山道は通行止めでした・・・)

でもそんな滝めぐりの後の道のりは意外に短くて、再び植林に入るとすぐに見覚えのある登山口に出ました。そしてその登山口のど真ん中には通行禁止の表示が・・・やっぱりそうでしょう!ちょっとホッとしましたー。

まだまだ丁重に面倒見されていた水雲山の権現さまに一日の山行きを感謝したら、あとはてくてく宝鉱山のバス停を目指したのでした。
 
・・・・・☆
 
◆ 2014.05.11 (Sun)   晴
河口湖駅 09:40→ 三ツ峠登山口 10:10- 木無山 11:20/11:30- 開運山 11:50/12:00- 御巣鷹山 12:20/12:30- 白龍ノ滝 13:30- 徒渉点 14:15- 北口登山口 15:15- 宝鉱山 15:40
 

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2014.05.13

土室川の奥地をちょこっと覗く

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(鉄路が残る、土室森林軌道跡のひとコマ)

GWに入って甲斐大和~上日川峠のバスも再開しましたね。このバスが再開したらまず歩きたかったのが、去年長峰を歩いた時に左手にちらちら見えていた土室川の辺り。今回(05/10)は様子見を兼ねて土室川の上流部をちょこっと覗いてきました。

この日は早く歩き出したかったので臨時便を狙って早めに甲斐大和に出たのですが、GW明けのせいか人出が今ひとつ。それでも何とか人が集まって臨時便が早めに出発してくれて、少しでも早く歩き出すことができました。

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(天狗棚より)

しかし1600m歩き出しだと天狗棚に一時間かからず着いてしまうのには、何度も歩いているのに未だに慣れません。10分ほど休憩したらここからが本番だけど実際はもう下山のようなもので(笑)、牛ノ寝通りに入ってまずは榧ノ尾山を目指します。

牛ノ寝通りに入って驚いたのが大雪の影響でしょう、斜面に生えるツツジなどの低木が倒れかかって道を塞いでいる箇所が多数あったこと。もう何遍も言ってますけど、とても南関東の山とは思えない光景ですね。

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(牛ノ寝通り・荷渡し場への径路分岐の辺り)

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(ホンゴ尾根<榧ノ尾山南東尾根>・この日のおおものは4.5m位の大ツガ)

下るにつれ新緑も復活して、頭上にオオカメノキやハウチワカエデの花を見るようになると、まもなく榧ノ尾山に到着。歩き出しから2時間弱ということは、小菅から上がるより遙かに早いです。

今回はここからホンゴ尾根に下って土室川に出るつもりなのでさっそく下り始めると、のっけは牛ノ寝通りと同じような感じの林相。おかげで?いきなり立派な大ツガが見つかったりして、良い気分で下っていたら

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(林相が良いのはとりあえずここまで)

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(アカマツ植林と中木の雑木林が長峰みたいな雰囲気)

すぐに出てきた立派なミズナラが早くもそんな林のお終いを告げて、そこから先はアカマツ植林と伐採後放置されて育った中木の雑木林に変わったのは、わかっちゃいたけど、その荒れた様子は長峰のような感じでガッカリ感が否めません。

でもそんな区間も意外に短く、再び雑木林に変わると新緑と言うこともあってなかなか良い感じ。1150m附近は広尾根と言うより、すでに尾根が分かれはじめた段差のある二重山稜状で、この辺りの様子も時間があったら寄り道したかったところでした。

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(ところがじきに新緑眩しい雑木林に)

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(妙に明瞭な道に降り立ったなと思ったら・・・)

今回はホンゴ尾根を初めて下ったのでまずは主尾根を辿るのがスジでしょう、と言うことで土室川の790m圏二俣の方へ降りてみましたが、こちらの方は下降の難度が少々高め。末端部は植林で、土室川の沢音が大きくなってきた頃、突然尾根を横切る明瞭な道に降り立ちました。

いきなり現れた明瞭な道にこれな何なの?と思いつつ、とりあえず下りだった東側へ道を辿ってみると、すぐにレールが現れて、ああ!そういうことか!と。要はこの道は岩科本で言う土室の木馬道。とはいえすでに鉄路ということは「軌道跡」と言った方が正解でしょう。(調べてみると土室森林軌道と謂われているようです)

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(なんとレールが!)

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(金小屋沢・当時は橋梁があったのでしょう)

山奥に突然現れた妙なレールにヲタ心にも火がつき(笑)テンション上がりまくり。なおも下るとすぐに金小屋沢の出合に出たのですが、かつてはここで橋梁をかけて渡っていたのでしょうけど、今は朽ちた枕木とレールだけが浮いています。

しかし時の流れというのは怖ろしいですね。山奥にある人工物が朽ちて、周囲と一体化し、どこか味わいのあるものに変貌しているって、よくよく考えると本当に不思議な光景。ランチもこの辺りでとらせてもらいました。

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(金小屋ノ尾根<金小屋沢左岸尾根>・全編ほぼ植林)

ランチを終えたら、予定ではそのまま金小屋ノ尾根(岩科本ではカナゴヤノ尾)を登り返すつもりだったんですけど、この軌道跡を見たらやっぱり辿ってみたい!という思いが強くなるのはしょうがないことかも。

なのでとりあえずなおも東へ軌道跡を辿ってみると、最初は明瞭だった道も金小屋ノ尾根を回り込む辺りにさしかかったところで、突然ちょっとした崩落地に出くわし、まぁ問題なく辿れそうではあったのですけど、今回はここまでにしろとのお達しなのでしょう。なのでここで切り上げて、金小屋ノ尾根を登り返すことにしました。

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(振り返ると、長峰の奥に大樺と雁ヶ腹摺)

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(尾根上部は露岩の痩せ尾根が続く)

さて、その金小屋ノ尾根はのっけから植林一色で、ひと登りすると林道の終点に飛び出して驚きましたが、そこから先も基本的には植林が続く感じ。藪がほとんどなく、歩きやすいのが取り柄でしょうか。

そして1160m圏の尾根の肩から先は露岩混じりの痩せ尾根が続いたのが意外と言えば意外。展望もそこそこ利いて、振り返ると長峰の奥に聳える大樺と雁ヶ腹摺の姿が新鮮です。露岩混じりの割にはこちらも藪が少なく結局一時間ちょいで牛ノ寝通りに上がってしまいました。

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(牛ノ寝通りに戻りました)

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(ヒゲネワチガイソウ)

牛ノ寝通りに上がったらあとは橋立に下るだけです。とはいえこの辺りから橋立へ下るのに一番早いのは狩倉山の北東尾根か、ショナメからの径路かといったところ。

地図を見ると狩倉の方が短そうだけど登り返しがある、なので実はちょっとだけ遠回りだけど径路のしっかりしているショナメからの径路の方が早いのでは?と個人的には見ているので、手始めにこちらの道を久しぶりに降りてみることにしました。

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(ショナメから北の沢筋をそのまま下ると・・・)

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(5mオーバーの大トチに)

ショナメの径路は9年ぶり。とにかくこの道は下りはじめの沢筋の渓畔林が素晴らしい。個人的にはこの林を見るだけで歩く価値があると思っているルートです。

なにせのっけから5mオーバーの大トチが現れ、そして優美な曲線を描くシオジの幹たちに惚れ惚れし、

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(優美な曲線を描くシオジ)

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(シオジかと思ったらサワグルミでした!)

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(もちろんカツラもいらっしゃいます)

これはシオジだと思っていた大木は実はサワグルミで、もちろんひこばえを侍らせたカツラもいらっしゃいます。

そんな芽吹きを始めた高木に、チドリノキやアサノハカエデなどの中低木の新緑、そして足下のハシリドコロの鮮やかな緑が織りなす光景は一人歓声を上げてしまうほど素晴らしいものだけど、実はそんなに長くは続かず、じきに植林帯に入ってしまうのが玉にきず。

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(高木、中低木に足下の新緑が相まって素晴らしい)

そして植林帯の真っ暗な沢筋をしばらく下ってから、左岸側へトラバースする道筋を逃さないことがこのルートのキモですが、そこが今は判りづらくなっていて、歩く人を選ぶルートになってしまったかも知れません。

そのトラバース道に入れば後は道筋を追うだけで、右手からこれまた明瞭な道を合わせるとすいすい下れて、あっけなく丸木橋に降り立ちました。

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(小菅川に架かる丸木橋・簡素になっていました)

思いの外早く降りてしまったので小菅側の川原で少し休んでから橋立へ向かっても、ショナメから90分ほど。以前と変わらない時間で降りられることが解ったのが収穫でした。今回であちらの距離感もおおよそ掴めたし、さて次回以降はどうやって歩きましょうかね。久しぶりに新しい遊び場を見つけたような気分です。
 
・・・・・☆
 
◆ 2014.05.10 (Sat)   快晴
小屋平 08:30- 石丸峠 09:10- 天狗棚 09:15/09:25- 榧ノ尾山 10:20- 土室森林軌道跡に出る11:25- 金小屋沢出合 11:35/11:50- 1150m圏 12:35- 牛ノ寝 13:10- ショナメ 13:40- 丸木橋 14:30/14:40- 小菅BS(橋立)15:10
 

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2014.05.08

新緑の塩地谷・未踏の尾根を絡めて歩く

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(シロヤシオ・低いところで咲き始めた)

GW後半は天気の都合もあって今年も連荘。いろいろ候補はあったのですが、たまには美しい自然林に浸りたいなぁとなると、やはり・・・日原になりますね。ということで今回(05/04)は倉沢スタートで塩地谷を遡り、990m圏二俣中間尾根たる1441m峰南東尾根を辿って三ツドッケに登ってみました。

それにしても山ブームってほんとうに凄い。連荘だったのでこの日は遅出にしてみたら、偶然にも知らなかった臨時のホリデー快速(91号)に乗れるわ、奥多摩駅に降り立ったらもの凄いハイカーの数だわ、なんか別の場所に来たみたいです。

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(新緑眩しい、塩地谷の水源林巡視路のひとコマ)

おかげで日原行きのバスも超満員。まぁそれも川乗橋までの我慢で済んだのは幸いで、倉沢で降りたのは自分と3人パーティさんのみ。さすがにこちらに入る人は少ないようでホッとしつつ、まずは林道をてくてく。

歩き出してすぐに思ったのが、やはり日原の林は良いなあ、凄いなあということ。もちろん新緑真っ盛りなこともあるけど、当たり前のように享受しているこの林相の良さって他所ではそうそうあるものではない、ということを久しぶりに歩いてみると改めて思い知りますね。

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(対岸はシオジクボ小屋跡)

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(ニッコウネコノメ)

左岸側に雪崩で大きく崩れた斜面を見るとすぐ先が魚留橋で、ここから巡視路に入ります。植林帯の急登部分ではフデリンドウが目を楽しませてくれるし、それから水平道に変われば今度は美しい渓畔林の中を歩ける、何度歩いてもここは本当に嬉しい楽しい所です。

そしてシオジクボ小屋跡の手前で巡視路から別れて、今度は塩地谷を遡ります。沢はニッコウネコノメにツルネコノメソウ、コチャルメルソウ辺りかなー、なんて思いつつふと見上げると・・・ある一角に白い塊が目に入ったので、ちょっと寄り道してみると

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(塩地谷・渓畔林の新緑が素晴らしい)

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(シロヤシオ・花付きは良好)

それはもくろみ通りシロヤシオ!まだ咲き始めでしたけど、花付きは良い感じ。今年は楽しみですねええ♪

沢に戻っても相変わらずチドリノキを主体とした渓畔林の新緑は最高潮。沢の水量も多めで、大雪の影響で倒木が少々煩いものの、そんな倒木なんてまったく気にならない素晴らしさです。

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(素敵ですねえええ)

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(このブリッジに阻まれて高巻きました)

雪もほとんどないし、このまま目的の尾根の末端である990m圏の二俣まで行けそうだな、と思った途端、いきなりスノーブリッジに阻まれて、さあどうしましょう。

雪の状態からしてそのまま行けそうでしたが、その先が高い滝(たぶん8m滝)になっていたので、ここは左岸を高巻いて(下降路が宜しくない)、沢に降り立ったらそこが目的の990m圏二俣でした。

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(シコクスミレ)

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(1441m峰南東尾根<塩地谷990m圏二俣中間尾根>下部)

頃合いが宜しかったので軽くランチをとってから、目の前に延びている目的の1441m峰南東尾根に取りつこうも、末端部は荒れた急斜面で直登は少々しんどい感じ。ここは二俣の右俣を少し上がってから、慎重にトラバースして尾根上に上がりました。

尾根上に上がれば後はひたすらに上り詰めるだけ。のっけは岩屑混じりの痩尾根でしたが、じきに尾根が広がったなと思ったら、いきなり植林に変わってかなりガッカリ(笑)。でも再び尾根の広がる1200m圏辺りまで上がると、ようやく植林を抜けて待望の自然林に変わります。

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(立派なオノオレカンバ)

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(1200m圏附近からようやく自然林に変わった)

今はゆるゆる歩けるナゴみ系な感じの尾根も、僅かに残るスズタケの枯れ枝に、かつてはスズタケの密叢に覆われていた姿を想像してしまいます。

一旦尾根が迫ってから再び広がるところが、短いこの尾根のハイライトでしょうか。

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(ゆるゆる歩けます♪)

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(これが一番のおおものさん?5m弱の大ミズナラ)

今回は↑↑こちらがこの日一番のおおものさん。立派なブナやミズナラが目に入るとどうしてもあっちこっちへ寄り道してしまいます。

そんな状況から再び急になれば、さほどの時間もかからずに都県界尾根の縦走路を突っ切って1441m峰に着きました。

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(1441m峰)

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(三ツドッケ北峰を望む)

少し休んでから西の三ツドッケへ向かうと、静かめの稜線もGWのせいでしょう、ぼちぼちハイカーさんとすれ違いました。

辿り着いた三ツドッケの山頂もやはり先客さんがいたので、帰りはシャクナン尾根を下る予定だったこともあって、北のテラスで休憩をとっていたのですが・・・ふと山頂方向へ振り向くと、な~んか見たことのあるような人がいたので、山頂に戻って確認してみると、なんとba_sobuさんご夫妻!

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(ツルキンバイ)

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(横スズ尾根・滝入ノ峰より下はミツバツツジが多くて驚いた)

お二人はアカヤシオのお花見だったそうで、車で東日原発、と聞きつければやはりこちらへついて行ってしまいます(笑)。ということであとは横スズ尾根を滝入ノ峰経由で下ってみたら、

滝入りノ峰より先のミツバツツジの多さ、見事さにビックリするやら嬉しいやら。いやあここはミツバの尾根だったんですね!もしかすると今年みたいな当たり年限定なのかも知れませんけど、この日はこのミツバツツジのことを知ったのが一番の収穫でした。

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(尾根通しはブナやミズナラの大木が多い)

ツツジが途切れた後は、ブナやミズナラの大木が点在する広尾根に変わって、そんな大木にいちいち寄り道しながらのんびりと東日原へ向かったのでした。
 
・・・・・☆
 
◆ 2014.05.04 (Sun)   快晴
奥多摩駅 08:35→ 倉沢 08:50- 魚留橋 09:30- シオジクボ小屋跡 10:00/10:15- 棒杭沢出合 10:50- 990m圏二俣 11:30/11:50- 1441m峰 13:00/13:10- 三ツドッケ 13:30/14:00- 滝入ノ峰 15:30/15:50- 東日原 17:00
 

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2014.05.05

今年のアカヤシオは・・・

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(二本のアカヤシオ・花の色みの違いがわかるでしょうか?)

山行き後直後にぐぐたすや掲示板の方では速報という形でお知らせしてましたが、GW後半の初日(05/03)は恒例のアカヤシオのお花見で、例によって宗屋敷尾根~熊倉山~聖尾根のお馴染みコースをのんびり歩いてきました。

この日は去年同様寝坊して一番電車に乗れなかったので、タクシーで宗屋敷尾根の取付に出て(¥3430)からのスタート。歩き出しからすでに気温が高かったので、汗をかく前に登り出せてちょっと良い気分。植林帯の尾根をせっせと登っていきます。

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(落花からしてこの量)

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(ヒカゲツツジとアカヤシオ)

山ノ神のある1008m峰からアカヤシオが出てくるのですが、普段ならこの時期花は終わりに近いのに、まだまだ咲き残っていたのは花付きがかなり良い証拠。蕨山や小持大持の様子から心配していたので、驚きました。足下のイワウチワも今年はなぜかたくさん花をつけていて、これは大雪効果なのでしょうかね?(笑)

のっけからそんな状態なので、なおも登って行くにつれ現れるアカヤシオはますます見事になるばかり。こうなるとそんな様子に驚きつつも、お花を愛でつつゆるゆる登っていく感じになってしまいます。

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(1284m峰への登りしな)

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(1284m峰附近で盛りすぎ)

1284m峰附近も盛りすぎながら、こちらも当然なかなかの咲きっぷりで、このピークでこれだけ咲いていたのは久しぶり。そして熊倉山側や行く先の尾根の山肌がぽつぽつピンクに染まっているのが見え、これはもしかするかも?と期待は膨らむばかり。

そして1284m峰から先へ行くと、そこから1370m圏の岩峰手前の鞍部までがこの日のアカヤシオの最初のピーク。両サイドに咲き乱れるアカヤシオに酔いしれながら歩けるなんて本当に久しぶりのこと。もうこの時点で完全に浮かれていました(笑)。

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(熊倉山をバックに)

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(ヒカゲツツジも花付きは良好)

1370m圏の岩峰手前の鞍部からは当然直登して岩峰に上がりましたが、大岩を縫いながら登る箇所のアカヤシオもなかなか見事でした。

登り切った岩峰で、なおも途切れぬお花に展望を楽しんでから北のギャップへ降りれば、あとは蝉笹までひたすらに登るだけです。

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(小黒・大黒<酉谷山>・檜木岳の稜線を望む)

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(稜線でなんと満開でした)

そして蝉笹に出たら、驚いたことにお花はなんと満開。もう少し蕾がある状態かな~と踏んでいただけに意外でしたけど、この花付きでお花は満開なのですから、

シラカケ岩からのほぼ定点は↓↓こんな感じ。(^^)
タイミングの誤差を考慮しても3年前の2011年よりも花付きは上。当たりのレベルでした。ここまでキレイに染まった山肌を見られたのがとにかく嬉しかった。ここ二年の様子からこんなのはもう見られないのかもと思っていたぐらいでしたので、、、

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(まさかここまで良いとは・・・シラカケ岩より)

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(透明感すら感じる色もいい!)

そして先週の小持山でも書きましたけど、今年のツツジは色が良いというのはここでも当てはまって、週中の雨で若干しわがあったものの、綺麗な色づきは健在。今年はカメラに収めるより、この色を見ておこう、目に焼き付けておこう、という思いの方が強かったかも知れません。

シラカケ岩から熊倉山までの稜線ももちろんお花は見事で、30分ほどで着いた熊倉山の山頂にハイカーが一人しかいなかったのは時間が少々早かったから??その空きっぷりも意外でした。

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(1307m峰・尾根上は今ひとつでしたけど・・・)

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(西斜面が特に素晴らしかった)

熊倉山から二年ぶりに聖尾根に入ると一旦ツツジは途切れますが、この辺りは少ない自然林が見事な道のりです。じきに林道コース(通行止めです)を分けて1307m峰に緩く上がると、勝ちゃん新道の道標が少々くたびれた感じでしたが、道は今でもそれなりに通れているのでしょうかね?

そして下のテラスへ下ると、あれあれ?尾根上のお花は意外にスカスカでお花は少ないんじゃないの?と思っていたら、ここは西斜面のお花が凄かった。急な岩峰なのでカメラに収めづらいところですけど、ここが3回目のピークで、今回はもう十二分以上に楽しめました。

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(イワウチワもなぜか多い)

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(802m峰へ向かうと緑一色)

1308mから下はアカヤシオがグっと減るのですが、それでも1165m峰への道中もかなり楽しめたのは久しぶりのこと。

1165m峰を過ぎると周囲の林は新緑になって、あとは徐々に濃くなる緑を楽しみながらすいすい下っていきます。

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(ヤマツツジも咲き始めた)

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(聖山より・・中央やや右より奥の▲が熊倉山)

802m峰は2年の間に植林の木が育って、完全に展望は望めなくなってしまいましたけど、これはしょうがないですね。そこから西へしばらく下ると三峰口へ下る道の分岐があるのですが、そこの道標はもうなくなっていました。

今回は聖山に寄ってから、廃道となった旧登山道を下ったのですが、尾根道とトラバース道の分岐にあった山ノ神↓↓が綺麗さっぱりなくなっていたのに驚いたと言うよりショックでした。ここは上の聖宮(完全に倒壊していた)のよりも祠がしっかりしていたはずだし、訪れていなかった三年の間にいったい何があったのでしょう??

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(山ノ神の祠がなくなっている・・・)

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(レンプクソウ・今年も逢えるとは!)

それでも今はなくても嘗てはあった所なので手を合わせてからなおも下ると、沢筋でレンプクソウに逢えたのは神さまに歓迎されたのでしょうか?野の花は極少なコースながら、今年は諦めていたレンプクソウに逢えたのですから!沢筋の道は大雪の影響で倒木がかなり多かったものの、想像よりは荒れていない印象でした。
 
・・・・・☆
 
さて・・・最後に今年もしつこく例年と同じ事を申し上げますと、今回のコースは登り下り共に道筋が不明瞭かつ急で、岩場も多く、「地形図とコンパスのみ」で確実な地形判断ができるスキルのある人向けのコース(登山においてGPSを利用する際も、ごく基本的な地形判断スキルのあることが前提のはず)であって、お花目当てでガイド片手に安易に入れるコースでは決してありません。熊倉山は登山道/非登山道問わず今現在でも遭難の絶えない山です。この点を充分に留意されつつ、自らのスキルを冷静かつ謙虚に判断されて山歩きに臨まれることを切に願います。

ちなみに過去の様子はこちら。参考程度にどうぞ。

2013年 【2013.04.28】
2012年 【2012.05.13】
2011年 【2011.05.08】
2010年 【2010.05.04】
2009年 【2009.04.29】
2008年 【2008.05.04】
2007年 【2007.05.05】
2006年 【2006.05.03】
2005年 【2005.04.30】
2004年 【2004.04.25】
 
・・・・・☆・・・・・☆
 
◆ 2014.05.03 (Sat)   晴 一時 曇
宗屋敷尾根取付 07:20- 1003m峰 08:35/08:45- 1284m峰 09:35/09:45- 蝉笹 10:40- シラカケ岩 10:45/11:05- 熊倉山 11:40- 1307m峰 12:00/12:15- 1165m峰 12:45- 802m峰 13:20- 聖山(725m峰)13:45/13:55- 三峰口駅 14:45
 

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2014.05.02

峠越え、岩尾根登って再び小持山へ

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(小持山~大持山のアカヤシオ・見頃に入った)

さてさて春は忙しくて、GW前半は天気も宜しく当然?連荘です。翌日曜(04/27)はアカヤシオの様子見も兼ねて大持・小持山方面でした。

前日はマイナーな権現山稜だったのでハイカーはほとんどいなかったけど、遅出と言うこともあってこちらの方は飯能駅から凄い人出!結局さわらびの湯までは立ちっぱなしでしたが、案外平気でしたね。バスを降りたらさっそく妻坂峠へ向かいます。

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(妻坂峠)

林道を一時間ほど歩くと登山口である林道の終点に出て、ちょっと一息。でもGWなのにマイカーが一台しかなかったのは意外で、コレはハイカーも少なめなのか?と思って妻坂峠に出たら、休憩中にハイカーが何人も通り過ぎて(笑)やはりお山はGWまっただ中だったのでした。

休憩を終えて生川へ下り始めるとここからしばらくはお花が楽しめるところなのに、先の大雪の影響でしょう、斜面が荒れてお花が激減していたのは、まぁしょうがないですね。

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(コガネネコノメ)

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(峠みちは大雪のせいで斜面が荒れていた)

そんな荒れた斜面にはコガネネコノメやニッコウネコノメ、ニリンソウ辺りが本当にぽつぽつ。カタクリはお終いで、期待していたトウゴクサバノオはどうやら雪崩で流されてしまったみたいです(泣)。

去年は一の鳥居まで降りましたが、今回は林道に出たところで林道を降りて小持沢に出てみました。

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(小持沢左岸尾根・下部から岩屑混じりの痩尾根)

さて、小持沢に出たらお次は小持沢の左岸尾根を登り返すつもりなので取付を探すも、尾根末端部が崖や急斜面になっていて取り付くしまが全くありません。

ここはしょうがなし小持沢をしばらく上がってから、ちょっとはましな急斜面をムリヤリ登って尾根に取り付きましたけど、これはかなり危険で非常に宜しくないやり方でした。。。

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(フデリンドウ)

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(芽吹きの大持沢左岸尾根を望む)

それでも尾根上に上がればとりあえず一安心。尾根はこの近辺らしく岩屑混じりの痩せ尾根が続き、それにアセビが少々煩く絡むぐらい。ふた登りぐらいで左手が開けた箇所に出て、去年登った芽吹き美しい大持沢の左岸尾根を一望できたのはちょっと嬉しい光景でした。

そこからひと登りすると今度は大岩が行く手を塞いで、さあどうしましょう。これがあるから情報のない秩父のマイナー尾根は侮れません。見たところ直登は可能そうだけど、尾根の両側に巻道らしきものも確認できて、途中にギャップでもあったら面倒だなあ。。。と思いつつやはり最初は直登してしまいます。

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(838m峰を前にこれは・・・)

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(838m峰)

ということで直登してみたら案外行けました。じきに出る細長い平頂が838m峰で展望も良いし、終わりかけながらもアカヤシオもいてそこそこ雰囲気の良いピークなので、ここで休憩がてら軽くランチ。

838m峰から先も、一部ちょっと慎重に通過する箇所がありましたけど、ほぼ尾根通しに行けました。次の明瞭な岩こぶを越えると岩尾根はお終いで、それからひと登りで登山道の通る林道に飛び出しました。

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(岩尾根まだまだ続きます)

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(林道に出ました)

林道に出たらしばらくは登山道に沿って歩く段取りなんですけど、シラジクボからのこの道も結構歩かれているんですね。道が尾根を外れるまで10人近くとすれ違ったのには驚きました。

持山寺跡への分岐からひと登りすると道は尾根を右へ外れるので、ここで再び尾根を忠実に登るとマーキングが現れたのは、ここが小持山からのショートカットに使われているからでしょう。あとは植林尾根をひたすらに登ると、あっけなく稜線に飛び出します。

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(稜線は低木が芽吹き始め)

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(振り返ると武甲山が巨きい)

稜線に出たらただちに小持山へ向かいます。自分のことを差し置いてなんですけど、この時間でも小持方面へ向かうハイカーがぼちぼちいたのにはこれまたビックリ。

登るにつれアカヤシオもぼちぼち出てきて、自然とドキドキワクワクしてきます。

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(小持山山頂)

そしてようやく辿り着いた小持山はハイカーがあぶれる大盛況ぶりにまず驚き、そして山頂に咲いていたアカヤシオの綺麗さにまた驚きました!一見自生の花とは到底思えない鮮やかなピンクこそ、アカヤシオのアカヤシオたる所以。こんなの久しぶりに見ましたよ!

辿り着いたハイカーみんなが歓声を上げるくらいな状態の良さは、蕾から傷まずに開花したとか、咲き始めのタイミングとか、好天だけでなく、ミツバツツジの頃から薄々感じでいたのが、今年のツツジはやはり「色が良い」ということではないでしょうか。

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(これぞアカヤシオ!今年は色が素晴らしい!)

そんな綺麗なアカヤシオが大持山までの間にぼちぼち見られて、花付きこそ「近年の例年並」ですけど(期待したんですけど・・・)、ここ二年はハズレ年だったので今年はもうこれで十二分です。

そして周囲にアカヤシオが見られなくなるとじきに大持山で、とりあえずここがこの日の最高点。なので休憩がてらメープルメロンを食べていたら、団体さんがやってきたので慌てて撤収。下山を始めます。

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(大持山山頂)

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(ウノタワへの道すがらは自然林が美しい)

大持から妻坂峠へ直接降りても良いんですけど、時間もあるし、久しぶりにウノタワに寄ることにして先を行くと、こちらの道の相変わらずな林の美しさに引き込まれます。

大持からウノタワにかけての道は自然林も多く、奥武蔵の登山道随一の美林帯。ただ周囲のスズタケが枯れて久しいですけど、スズタケが枯れたことによって林自体のの潤いがなくなってしまったのが(それはここだけの話ではないのですけど)残念で、少々気がかりでもあったりするのですが。。。

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(ミツバツツジもまだまだ)

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(ウノタワ)

そんな林や足下のスミレやカタクリなど愛でつつ歩いて、大持山から30分ほどでウノタワに着きました。だだっ広いとしか言いようのない不思議な鞍部。もう何遍も言ってますけど東側の植林が本当に惜しいんですよねえ。。。

さすがにこの時間になるともう人通りはありません。久しぶりだったので周囲を少し散策したら、今回はここから横倉入へ下ります。

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(アサノハカエデ)

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(道脇に普通に咲いているのが奥武蔵らしい)

横倉入への道を歩くのはなんと13年ぶり。当時は深雪で沢筋をサクサク直滑降できたのを覚えているぐらいで、道の様子は全く記憶にありません。道は一旦北の尾根に乗って、しばらく降りてから南の沢筋へトラバースして、あとは沢筋をひたすらに下る感じなんですね。

でも意外だったのが沢筋のサワグルミ主体の渓畔林の美しさで、こちらも北側の植林が惜しかったんですけど(笑)こんなに「沢らしい」ルートだったですね。

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(道は急ながらも、こんなサワグルミの林だったのか)

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(チドリノキの新緑は最高潮)

やがて水流が現れると今度はチドリノキの新緑が最高潮。谷底ながら夕日が少々入って、そのおかげで周囲が様様な緑で輝いている様子に言葉が出ません。

その上、足下にはネコノメソウやニリンソウなどの花が再び現れて、想像以上に楽しい道。

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(ニリンソウ)

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(まだスノーブリッジも残っていた)

やがて行く先にスノーブリッジが現れ、それを乗り越えると林道終点でした。

終点に出たら名郷までは林道歩き。この道は林道歩きの長さがネックですけど、素敵な沢沿いの道に心も体も?潤って、今回の所はこちら廻りで大正解。ほくほく気分で名郷へ向かったのでした。
 
・・・・・☆
 
◆ 2014.04.27 (Sun)   快晴
飯能駅 08:30→ 名郷 09:30/09:35- 林道終点 10:25- 妻坂峠 10:50/11:00- 小持沢 11:35- 838m峰 12:10/12:30- 稜線に出る 13:15- 小持山 13:40/13:50- 大持山 14:15/14:25- ウノタワ 14:50/14:55- 林道終点 15:40- 名郷 16:40
 

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