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2014.04.29

尾名手川源流部・雑木美林を愉しむ

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(大寺山南東尾根のひとコマ)

さて、ツツジと言えばこの時期、一度はこちらの方に入りたいですね。今回(04/26)は一年ぶりに尾名手川流域の未踏の尾根を歩いてきました。

この日はこれまた一年ぶりに一番バスだったので、猿橋駅からグランド入口までてくてく。周囲の新緑は美しく、桂川を渡るのも爽快で、バス停までの10分ほどの歩きはこの時期ならではの愉しさでしょうか。

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(左ちちぶこすげ、右さいはら)

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(まさに山笑う)

ということで無事に一番バスを捉えて小寺に出たら、さっそく西原峠みちに入ります。一軒家の脇を潜ってお馴染みの「左ちちぶこすげ、右さいはら」と彫られた石標に挨拶。坪山がシーズンのせいでしょうか?道に刈り払いが入って歩きやすくなっています。

対岸の芽吹きの山肌に目を奪われつつ行くと、じきに植林帯に入って、あとはひたすらに高度を上げる段取り。間伐されている箇所がかなり下まで来ていたのは意外で、そのお仕事の方達とすれ違うと間もなく西原峠に上がりました。

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(ヒナスミレ)

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(稜線下段の林道・藪が煩い)

西原峠から先は稜線上を辿るのが普通ですが、この日は稜線に沿って延びている林道を歩いてみたら・・・最初の分岐は上へ上がるのが正解だったんですね。そこを直進したら道は完全に放置されている状態で、灌木の藪が煩く、結構大変。

さすがに我慢できなくなって小寺山(1165m峰)先の鞍部に出たところで、稜線に這い上がり(笑)大寺山へ向かいました。

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(カタクリ)

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(大寺山南東尾根・雑木美林がひたすらに続く)

西原峠から一時間半近くかかってようやく大寺山に着いたら、今回はここからが本番。少し休憩をしてから大寺山の南東尾根を下ります。

大寺山附近の尾名手川側は以前から「花のひかり」で権現山稜随一の美林地帯だと申し上げていましたが、さっそく下り始めると、その印象そのままの雑木美林が続いて、そんな様子にはもうにやにやが止まりません。

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(アケボノスミレとナガバノスミレサイシン)

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(下るにつれ緑が濃くなる)

右手の雪渓になっている尾名手川本谷の様子に驚きつつ、尾根の雰囲気に浸るのも良いのですが、それを許さなかったのは足下のスミレたち。アケボノスミレとナガバノスミレサイシンがメインで種類こそ少ないけど、たくさん咲いていて、気をつけて降りないと踏みつけそうになってしまいます。

途中に不思議な植林の区画があったのが印象的でしたけど、あとは徐々に濃くなる緑を追いつつゆるゆる下って、尾根が痩せてくるとまもなく尾名手川に着地(800m圏出合)。そこは立派なカツラの立つ出合で、以前尾名手川本谷を下った時に通りがかったときの印象が強かったせいか、この辺りの雰囲気は覚えていました。

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(尾名手川800m圏二俣出合のカツラ)

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(ヨゴレネコノメ)

お花はヨゴレネコノメにツルネコノメ、フタバアオイ、コチャルメルソウ、ハシリドコロと地味目のお花ばかりですけど、驚いたのはその量。前に尾名手川を歩いて感じたことですけど、尾名手川は花の種類こそ地味で少なめながら大きめの群落をつくるのが特徴なのでしょうか。

お次は大滝沢左岸尾根を登り返すので、大滝沢の出合まで本谷の沢床歩き。渓畔林の新緑が見事で、短かったけどここも歩いて楽しい区間でした。

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(コチャルメルソウ)

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(尾名手川・渓畔林の新緑が美しい)

800m圏出合からゆるゆる歩いて10分ちょいで出る二俣が大滝沢出合で、左の大滝沢側に入るとすぐ先で滝の掛かる無名沢が合わさります。その無名沢と大滝沢の中間の尾根が目的の大滝沢の左岸尾根。さっそく・・・ではなく雪渓末端の見えていた大滝沢の雪渓を見物してから左岸尾根に取り付きました。

大滝沢左岸尾根は登りだしから露岩の急登が続いて、そのせいか灌木が少々被ります。なごみ系の大寺山南東尾根とは対称的な感じなのがおおよそ予想していたとはいえ面白いですね。

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(ヒカゲツツジ)

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(大滝沢左岸尾根は終始灌木が被る)

尾根は基本急なものの、時折休み場もあって案外歩きやすいです。そして露岩混じりの痩せた急な尾根、となれば出てくるのはやはりヒカゲツツジ。

でも尾根ではちょこっと見られたら良いな、と思っていたのに実際は意外にあって今年も十二分にヒカゲさんを堪能できました。三ツ森周辺の木を確認していないのでアレですけど、貧弱な木にも花がついていたので花付きはたぶん良好だと思います。 

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(イワウチワ)

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(麻生山南尾根・1040m峰附近)

そんなヒカゲさんが途切れると最後の登りになって、まもなく稜線に。ああ、ここに出るのですね!すぐ先の麻生山(三角点でなく、昔の標識がある方)で最後の休憩を取ったら、下山は長尾根でなく南尾根を降りることにしました。

下りの麻生山南尾根も9年ぶり(尾名手川本谷を下った時と同じ日でした)。尾名手川と違ってこちらはほとんど記憶がなく、こちらも素敵な雑木林の尾根を、本当に新鮮な気分で歩けたのが嬉しかったりします。

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(マメザクラ・間に合いました)

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(南尾根下部も雑木林が多くて楽しい)

初訪の折は浅川から取り付いたので今回はほぼ真南に延びるラインをとりつつ降りましたが、雑木林が意外に長く続いて、傾きかけた日差しを浴びながら降りられるのがフィナーレに相応しかったです。

そして長らく続いた雑木林から尾根が植林一色になるとふた下りほどで公園に降りたち、山歩きはおしまい。ここはイロハモミジの大木が美しい、単にだだっ広い公園で(本当に!)その妙に広い感じからして、ここはおそらく旧浅川小ではないでしょうか。

ベンチも設えてあったので着替えができ、新緑が美しいイロハモミジの大木の元でのんびりお茶ができたのも、この日の素晴らしさを象徴するようですこぶる良い気分。タクシーを呼んでいたのに、タクシーはまだまだ来なくて良いよ!と思ってしまうほどでした。
 
・・・・・☆
 
◆ 2014.04.26 (Sat)   晴 時々 曇
市営グランド入口BS 06:50→ 小寺 07:14- 西原峠 09:00- 大寺山 10:25/10:40-(途中休憩60分)- 尾名手川800m圏二俣 12:20- 大滝沢出合 12:40/12:55- 麻生山 14:25/14:35- 1040m峰 14:55- 松葉BS 15:40
 

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2014.04.23

蕨山へちょこっとお花見

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(大ヨケノ頭附近・ミツバツツジは盛りを過ぎた)

先週末は意外や天気が今ひとつでした。土曜は所用で動けなかったので、お山は日曜(04/20)。ただ気温は低いものの天気が宜しくなく、行きたいところはXだったので、どうしましょうかねえと考えた末に思いついたのが蕨山。

ということで今回は遅出で久しぶりにヒネりなし、で歩いてきました。

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(マルバスミレ)

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(トウゴクサバノオ・咲き始め)

名郷の9時台のバスなんて10年以上乗っていないと思います。ただ予報が良くない割にはハイカーがぼちぼちいたのは意外で、それでも名郷まで乗っていたのは自分ひとり。時間も遅いのでバスを降りたらさっそく歩き出します。

名郷からのルートは6~7年ぶり。最初は植林帯だしさっさと・・・と思っていたのにいきなりお花に目が入るのは、この間にお花をいろいろ覚えたからに他なりません。しかもいきなりこの日一番のお目当てだったトウゴクサバノオに出逢えてしまい、もう帰ろうかしらん?

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(ニッコウネコノメ)

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(コチャルメルソウ・盛りを過ぎた)

なーんて思ってたりもしちゃいましたけど、なにせお花がつぎつぎ現れるものですから、帰るに帰れず、なっかなか先へも進めません。

結局林道から沢に沿っている間がこの日一番お花の濃かった区間で、のっけからエラい時間を食ってしまった感じです(笑)

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(ミツバコンロンソウ・咲き始め)

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(フタバアオイ・満開)

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(ようやく尾根上に上がりました・笑)

そんな楽しみ多い区間も沢から離れるとお終いで、尾根上へ向けて急登をこなしていくとここで往復のハイカーとぼちぼちスライド。アカヤシオは満開との話も聞けたけど、さてどうなっていることやら。

ふた登りぐらいで尾根上に上がると、尾根上もすでに新緑。あとは蕨山へ向けてひたすらに登るだけです。

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(クマシデ)

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(フイリフモトスミレ)

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(岩場を乗り越えると・・・)

尾根上はガスで少々涼しい感じでしたけど、空は明るく、雨の心配はなさそう。のっけの沢道から一転してお花が一気に減ったのですいすい登れます。

でも徐々に高度を上げていくと、イワウチワにまだまだみごとなミツバツツジ。そしてアカヤシオも現れてきました。

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(アカヤシオが出てきます)

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(イワウチワ)

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(蕨山・展望台の方)

ミツバもアカもは満開でしたけど、アカヤシオの方は花をつけている木は見事なものの、花をつけていない木も多く、花付きは先週の真名井北稜と同じで、総じては近年の例年並みと言ったところだと思うのですが、

最高点に寄った後の展望台周辺のアカがどうも・・・ねえ、ちょっと心配になる様な花の付き方だったので、まさか三年連続で不作はないとは思うんですけど・・・もう贅沢は言わないので高いところは普通に咲いてくれれば・・・そう願うばかりです。近年はとみに弱気になってしまっているので(笑)。

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(展望台のアカヤシオ・満開ですが・・・)

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(大ヨケノ頭附近のアカヤシオは終わり)

展望台はガスガスにもかかわらず先客さんがいらっしゃったので、お茶を少し飲んだらすぐに下山を始めます。

藤棚山を過ぎ、尾根が平衡になってくる頃から再びアカヤシオとミツバツツジが出てきました。さすがにこの標高では盛りは過ぎていて、アカヤシオはほぼ終わり。でも落下の様子を見ると、アカヤシオもこの標高帯では花付きは比較的良好だったのでは??

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(林道が見える頃からガスが晴れてきた)

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(ミツバツツジも盛りを過ぎたがこの見事さ!)

アカヤシオはお終いで残念でしたけど、ミツバツツジは盛りは過ぎたものの良好な花付きもあってまだまだ見事!

斜面を染める様な所もあるし、これだけの花付きですから落花もミツバとは思えない感じで地面を彩っています。

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(落花も地面を彩ります)

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(下部はすでに新緑)

そんなミツバツツジロードも植林帯を交える様になるとお終い。でも時折現れる雑木林の新緑が見事で、これも春らしい光景。空は曇っていたけど、その明るさに気分もより良くなってきます。

中登坂からは妙な道標も出てきて、後はその道標をこまめに追って降りるだけ。

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(マキノスミレ)

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(金比羅神社は石祠に・・・)

そして最後の休憩地点と目していた金比羅神社に着いたら、ぬあんと社がありません。土台の上に小さい石祠がちょこんと乗っているだけで、これはいったい・・・。と思いかけたところで、ここは以前火事があったことを思い出しました。調べてみると火事は2000年だったんですね。ということは大ヨケより先はそれだけ歩いていなかったことになるんですけど、そんなに久しぶりだった記憶がない(笑)。

でもおかげでこのコースの良いところを再発見することができました。
しかし最初の頃の感動こそ全く感じなくなって、ある時期これはどうなの?って思ったこともあったんですけど、見えてなかったところが見えるようになっていた、その喜びってやっぱり大きいですね。山歩きって本当に深いや。一朝一夕ではそれは理解きないだろうし、下らない執着に囚われていたらその深さにも気がつかなかっただろうなあ。。。
 
・・・・・☆
 
◆ 2014.04.19 (Sun)   曇(850m以上は霧)
飯能駅 09:20→ 名郷 10:20/10:25- 尾根上に上がる 11:25- 蕨山(最高点)12:35- 蕨山(展望台)12:40/12:50- 大ヨケノ頭 13:35- 金比羅神社 14:35- さわらびの湯BS 15:05
 

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2014.04.18

真名井北稜&大丹波川・お花めぐり

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(真名井北稜のアカヤシオ・咲き始め)

春は何かと忙しいですね。先週末は久しぶりに連荘で、日曜(04/13)は奥多摩方面。真名井北稜と大丹波川のお花見ショートコースを組んで歩いてきました。

さて、この日一番驚いたのが、普段はあまり乗らない青梅線奥多摩行き直通615レ(立川06:21発)がなんと10両になっていたこと。もちろん青梅から先は4両ですけど、近年は山ブームと相まって酷い混み様だったのでこれは朗報ですね。

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(防火帯にでもするのでしょうか?)

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(斜面を埋めるミツバツツジ)

それでもこの日は青梅を過ぎてもなぜか車両はガラガラで、今回は川井駅でバスに乗り換え上日向へ出てからのスタート。まずは真名井北稜の取り付けまでてくてく歩いて、北稜に取り付きます。

北稜下部は二年ぶりでしたが、尾根上だけ伐られていた箇所がいくつかあったのは、もしかして尾根上を防火帯にするのでしょうか?雑木の斜面はこちらもミツバツツジが本当に見事で、お花が斜面を埋めている様な所もありました。

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(真名井沢対岸の雑木の斜面を眺めるも良し)

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(ニオイタチツボスミレ)

開けたカヤトから真名井沢対岸に広がる、芽吹きの始まった雑木の斜面を眺めるのが北稜下部の最大の楽しみだったりします。暖かい日が続いたとは言え、想像よりは進んでいない感じでしたが、それでもここでは少しのんびりしてしまいます。

そんなカヤトを過ぎてしばらく登っていくと、アセビの花に混じって・・・

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(この辺りから・・・)

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(アカヤシオがぼちぼち)

アカヤシオがぼちぼち現れてきます。花をつけているのはつけているけど、花芽をつけてない木も多く、花付きはトータルで見るとまぁ近年の平年並みでしょうか。前日の奥武蔵もそうだったけど、ミツバツツジがあまりに素晴らしいから、どうしても期待してしまうんですよねえ。。。

急な登りをこなして1002m峰に上がったら、今回の所はここまで。とはいえアカの確認のためにもう少し先まで行って引き返してから少し休憩。休憩を終えたらもう下山で(笑)雁掛沢の右岸尾根を下ります。

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(アップも撮ってみました)

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(雁掛沢右岸尾根・急降下がひたすらに続く)

こちらの方もアカヤシオはぼちぼち咲いていて一安心。ただイワウチワが思いの外少なかったのは大雪の影響かも。ひたすらに急降下が続くこともあって、斜面が少々荒れていました。

それでもそんな中お花の写真を撮ったりしながら降りていき、芽吹きの始まった大丹波川に降り立つとそこが雁掛沢の出合。ここまで来たらあとは大丹波林道に上がって川井へ戻るだけなのですが、せっかくなのでお花見がてら大丹波川を散策することにします。

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(雁掛沢出合)

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(ユリワサビ)

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(ニリンソウは咲き始め)

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(ヤマネコノメソウ)

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(ナガバノスミレサイシン)

しかしもう何度も言ってますけど、先の大雪は本当に降ったんですねえ。大丹波川の登山道はのっけの橋から雪が現れて、トラバースにスノーブリッジが次々出てくる様子はまさに雪国の春状態(笑)。これでは表向き通行止めなのも納得です。

そんな訳でお目当てのお花はほとんどが雪の下。おかげで今シーズン一番状態の良いハナネコノメに逢えたのは良いんですけど、コチャルメルソウが見当たらず探しに探しまくり。

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(大丹波川の登山道は残雪が残る)

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(ハナネコノメ)

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(コチャルメルソウ・咲き始め)

そんな大捜索の末に雪が溶けたばかりの岩陰に咲き始めていたのを見つけたときはひとり狂喜してしまいました(笑)。

お目当てのお花が見つかればもう深追いする必要もありません。曲ヶ谷の出合に出たところで周囲のアカヤシオを確認(蕾~咲き始め)して引き返します。

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(コガネネコノメ)

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(エイザンスミレ)

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(カタクリ)

帰りは行きがけに確認したお花をカメラの収めつつのんびり戻って、大丹波の登山口上がったらあとは本当に川井に戻るだけ。

でも普段は単調な林道歩きも、この時期は芽吹きにお花にと飽きるヒマがありません。しかもこちらでもミツバツツジが満開大咲きしていて、斜面を埋める様子はなかなか壮観です。

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(大丹波林道はミツバツツジが見事でした)

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(林道沿いの斜面は芽吹きが始まった)

そんな訳で単調な林道歩きも今回ばかりはルンルン気分で歩ける、本当に楽しい道のり。こうなるとあとは帰りバスのことで、果たしてこの時分に清東橋か上日向からバスがあるのか?それとも川井まで歩かなければいけないのか。

登山口から40分ほどで清東橋のバス停に着いたら、まずは時刻表を確認。すると30分後に帰りのバスがありました!30分ならもうバスの方が早いので歩きはここでお終い。のんびり着替えをして、余りのメロンパンを食べ終える頃、帰りのバスがやってきました。
 
・・・・・☆
 
◆ 2014.04.13 (Sun)   晴 時々 曇
川井駅 07:40→ 上日向 07:55- 550m峰 08:35- 1002m峰 09:50/10:15- 雁掛沢出合 10:55- 曲ヶ谷出合 11:15/11:25- 大丹波登山口 11:55- 清東橋 12:35/13:02→ 川井駅 13:16
 

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2014.04.14

お花を探しつつ、二子山を西から東へ

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(今年はミツバツツジが素晴らしい!三角山への登りしな)

さて、春が本番に入るとそろそろ気になってくるのがアカヤシオのこと。となると様子見の第一弾は自然と奥武蔵の方へ足が向いてしまいます。

ということで今回(04/12)は横瀬駅から長らく懸案となっていた三角山~二子山~甲仁田山を尾根伝いに縦走したあと、時間が余ったのでついでに伊豆ヶ岳も寄るというコースを組んで歩いてきました。

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(これから登る三角山と武甲山を望む)

いやあ駅から歩きだせるって本当に良いですね。しかも横瀬は特急レッドアローが止まるから今回は朝から優雅に特急出勤です。特急は早いしがら空きだし、ゆっくりご飯は食べられて、ちょこっと寝ることもできる。大月へも特急使って1000円で収まれば良いのにね。

そんな訳で朝から気分は上々、天気も良いし、まずは取り付けのある猿田彦神社へ。道は武甲山や札所のコースになっているせいか、思ったよりもスムーズに行けて一安心。そこからなおも先へ行ったところの送電線巡視路の入口から尾根に取り付きました。

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(古御嶽城址)

ひと登りで送電塔に出てからも道筋が尾根に沿って延びていて、じきに様様な神様の石碑が現れるようになって、これはなんなんだ?と思っていたら、古御嶽城址の標柱が立つピークに出てなんとなく納得。

一応城跡のようですけど今はお猿の住処のようで、侵入者にキレたボスザルに威嚇されまくったので(笑)休むどころではなく、先を行くしかありません。

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(ミツバはほんとうに花付きが良い!)

城址を過ぎても植林帯が続いたものの、じきにそれを抜けて露岩混じりの急な登りに変わると、行く先にピンクの塊が見えてきて、これはもしかしてアカヤシオかも?

なんて考えはやっぱり甘くて実際はミツバツツジでしたけど、こちらのミツバも花付きが素晴らしく、尾根の脇の斜面をピンクに染める様子はまさにこの日のハイライト。今年のミツバは大当たりですね!歩く前はもしかしたらアカがいるかも♪・・・なーんてスケベ心を持っていた自分が恥ずかしくなる素晴らしい光景でした。

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(三角山直下もこんな感じ)

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(三角山より先は植林メインだかこんなミズナラもある)

そんな夢の様な光景も再び植林に入っておしまい。登り切った平頂が三角山で、植林に囲まれた暗いピークも、少し東へ行くと目の前に大きく聳える武甲山を眺められるスペースがあって、ここまでのハイカーもたまにはいるのでしょうかね?

三角山から先も植林が続いて少々冗長だったものの、行く先に二子~武川の稜線が近づくと再び雑木林に変わって、ふた登りぐらいで縦走路に飛び出しました。

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(縦走路はアブラチャンが満開)

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(二子山より武川岳・大持山方面)

素敵な雑木林の続く縦走路を見てしまう、とこのまま武川岳へ行ってしまいたくなりますが、今回の所はガマンして北の二子山へ向かいます。縦走路はアブラチャンが満開で、好天と相まってこれも楽しい道のり。

20分ほどで二子山(雄岳)に着いたら、山頂には先客さんがぼちぼちいたのにビックリ。ここまでのハイカーも多いのですね。さっそく南の岩頭へ寄って、確認するのはアカヤシオのことですけど、う~ん、これが意外に少なくて少々がっかりな様子。まぁミツバが良すぎたから要らぬ期待もあったのでしょう。この標高でまだ咲き始め。この分だと高いところはGWに入ってからになりそうですね。

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(イワウチワ・咲き始め)

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(カタクリも咲き始めた)

そんな訳で雄岳の岩頭での休憩のもくろみが外れたので、お隣の甲仁田山へ向かうと、しばらくは岩稜帯が続いてアカヤシオもぼちぼち。でも急斜面に咲いているのばかりでカメラに収められないのがかなりもどかしかったのですが、

それも足下に今年お初となるイワウチワを見つけるとそんな感情も一気に吹き飛ぶから現金なものです。アカにウチワさんとなれば・・・のカタクリももちろんいらっしゃって、甲仁田山に着く頃にはほくほくでした(笑)。

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(アンテナ施設上の平地が甲仁田山の山頂)

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(甲仁田山南東尾根・所々道形が残っている)

甲仁田山は巨大なアンテナ施設が目印ですが、山頂はその上の小広い平地でした。ここでランチはいささか趣に欠けるので北の雑木林へ向かうと、展望の開けたところがあってラッキーでした。

軽くランチをとったらとりあえず下山で、平地の所まで戻って南東尾根に入ります。

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(南東尾根下部は植林帯)

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(二子山入口BSに出ました)

のっけは急なものの雑木林の続く明るい尾根で、雰囲気は悪くないですね。一応地形図の破線路でもあるせいか道形もぼちぼち認められます。

ただそれも植林帯に変われば、あとはひたすらに下るだけ。末端部は北の沢筋に逃げると、難なく県道に出ることが出来て、そこはちょうど二子山入口のバス停でした。

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(男坂を登る訳は・・・)

この時点でまだお昼過ぎ。このまま芦ヶ久保に戻ってもしょうがないので、もうひと山となればやはり伊豆ヶ岳になってしまいます。とりあえず名栗元気プラザまで県道を歩いて、その先から登山道に入ってせっせと登り返します。

登山道に入って30分ほどで男坂女坂の分岐に着いたら、ここは当然男坂です。

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(アカヤシオ・咲き始め)

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(男坂の岩頭より・左手に二子山・甲仁田山が見える)

その理由は少ないながらもアカヤシオが見られるから。二子山と同様にこちらも咲き始め。花芽のないものありますが、花がついているのは良い具合です。二子山が意外に悲惨だったのでこれで一安心。

アカが確認できればもうそれで充分なので、とりあえず山頂に寄って、とんぼ返りで今度は花桐の道に入ります。

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(伊豆ヶ岳山頂)

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(ハナネコノメは盛りを過ぎたが多い)

花桐への道も久しぶり。大雪のせいでしょう、のっけの植林帯からして倒木等で道がわかりづらく、ロストしてしまったので適当に降り、沢に降り立ったところで本来の道と合流。この辺りより上はまだ雪渓でしたが、下は溶けていそうです。

さっそく降りていくと、これも大雪と雪崩のせいでしょう、両岸斜面が荒れていて、倒木も多く、本来見られるはずの草花が見られません。ハシリドコロがぼちぼち顔を出しているぐらい。でも水線ではハナネコノメがたくさん見られてホッとしました。

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(大雪の影響で沢の斜面が荒れている)

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(コガネネコノメ)

ということでお花は水線の岩場に咲くハナネコノメとツルネコノメぐらい。斜面に咲くニリンソウやスミレの類いは見当たらないし、ヨゴレネコノメですら極小な感じなのはこの状態ではしょうがない。他のお花の多い沢の状態が気がかりですね。

沢の方は下って行くにつれ倒木が煩くなって、徐々に歩きづらくなっていく感じ。倒木を避けたり潜ったりする歩きが続いていい加減イヤになってきた頃、ようやく林道の終点に飛び出しました。

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(高木も芽吹きが始まった)

花桐の集落はすでに春爛漫の感じでしたけど、ここも大雪の傷跡が所々で見られて少々複雑な気分。でも周囲の春の花々や木々の芽吹きの様子に元気づけられつつ、帰路についたのでした。
 
・・・・・☆
 
◆ 2014.04.12 (Sat)   晴
横瀬駅 07:40- 猿田彦神社 08:20- 古御嶽城址 08:55- 三角山 09:30/09:40- 登山道に出る 10:20/10:30- 二子山(雄岳)10:50/11:00- 甲仁田山 11:35/11:55- 二子山入口BS 12:25- 名栗元気プラザ 12:50- 伊豆ヶ岳 13:50/14:00- 花桐林道終点 15:00- 西吾野駅 15:55
 

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2014.04.07

今度こそ・・・ギフチョウ探して石砂山へ

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(石砂山への道すがら・中低木が芽吹いてきた)

ここのところかなり暖かくなって一気に春めいてきましたね。こうなるとお花も本番に入ってくるのですが、近年課題になっていたのが石砂山でギフチョウを見ること。

そろそろ出てきたという情報が入ってきたので土曜日(04/05)にさっそく訪れてみました。

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(石砂山山頂より)

当初の予定ではバスで入山のハズだったのに、朝起きたらすでに7時を回っていて(笑)、当然のことながらこれでは予定のコース取りは無理な話。しかも時間的にやまなみ温泉行きのバスもダメな時間で、しょうがなし相模湖駅からタクシーで篠原の登山口へ入りました。(¥2710)

朝起きたときは雲一つない快晴だったのが、中央線の車中では大山辺りに雲がかかり、相模湖駅に着いたときには石老山の真上に大きな雲が。。。ということで篠原の登山口についた頃にはすでに曇り空で、これではギフチョウはヤバそうな感じ。初っぱなからテンション低めで歩き出します。

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(山頂は晴れたり曇ったり)

篠原はさすがにメインの登山口。人が多いですね。でも植林は登りだしてからじきに途切れて、それから先は雑木林が続いたのは意外で、中低木が芽吹き始めたこともあってなかなか良い雰囲気。パーティが多かったのでやり過ごしながらのんびり登っても一時間で山頂に着いてしまいました。

山頂も大パーティさんが休んでいて凄い人出。蝶マニアの方もかなりいらっしゃっていろいろお話を聞くことができましたが、おしなべてこの天気では絶望的(泣)とのこと。せっかく来たのだからと40分ほど粘ってみたものの、この天気ではやはりダメでした。じっとしている間に寒くもなってきたので、諦めて石老山へ向かうことにします。

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(カンスゲ)

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(ミツバツツジはなかなか見事)

登山道と離れて北東へ延びる尾根を捉えると、ここから石老山までは未踏の尾根で、ここを歩けば小さい穴はあるものの杓子山から石老山までおおよそ繋がるのです。でも意外やこちらも明瞭な道が通っているんですね。牧馬峠から来ているハイカーも多くて驚きました。

こちらも植林は少なく雑木林メインなのが好ましい。ここで今年初のミツバツツジと逢えましたが花付きはなかなか良いですよ!今年のツツジはこんな感じで推移してくれると本当に嬉しいんですけど。。。

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(牧馬峠への稜線も雑木林が多い)

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(完全に諦めていたのに!!)

そんな訳でちょっとだけテンション上がったのに、いつの間にやら風が吹き出し、暗くなり、なんと雨も落ちてきたのには参りました。でも雨具を出すほどではなかったのは幸い。

雨が降ってきたので急ぎ足で歩いていたら、行く先に人が立ち止まっていたので、通りかかる際に「どうしたんですか?」と聞いてみると、その足許にはなんとギフチョウがいるではありませんか!どうやら天気の急変で気温の急降下に対応できずに動けなくなっているとか。ギフチョウは完全に諦めていたので、これは本当にラッキーでした。

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(ヒトリシズカ)

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(スミレはタチツボスミレのみ)

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(牧馬峠)

ということで想定外に目的を果たせてしまったので(笑)これで心おきなく石老山へ向かえます。じきに牧馬峠に降り立ったら、道路沿いには凄い車。そしてここには市で立てた?テントがあって、ギフチョウの時期は関係者さんが常駐されているのでしょうか?

そんな光景をよそ目に稜線の続きに取り付いたら、あとはひたすらに登る感じ。こちらも雑木林がメインだったのは意外で、石砂~石老の間がこんなに好ましい所だったとは。もっと早く歩いておくべきでした。

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(ウグイスカグラ)

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(大ケヤキと山ノ神)

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(篠原からの登山道と合流するまでは雑木が多い)

一面雑木から雑木と植林の尾根に変わると急登になって、それをこなすと篠原からの登山道と合流。あとは植林の中せっせと登るとふた登りぐらいで石老山でした。

石老山は学生の時以来だから25年ぶりぐらいでしょうか。少し遅い時間でしたが、さすがにここはパラパラながらもハイカーが途切れませんね。南側が開けて石砂山から歩いてきた稜線が一望できるのがなんとも宜しく、しみじみしてしまいます。

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(石老山山頂より・大室山と石砂山から歩いてきた稜線を見下ろす)

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(お花はこちらがぼちぼち)

山頂で休憩がてら明太フランスを食べたら、今回の所はおとなしく鼠坂へ下ることにします。

この鼠坂への道も初訪の折以来でしたけど、植林メインながら、尾根道に展望に沢道にとバラエティに富んで想像よりも悪くない道のり。

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(今は里が春真っ盛りですねええ)

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(せっかくなので渡しにも乗ってみました)

山頂から一時間ほどで箕石橋に出たら、あとはバスに乗って帰るつもりだったんですけど、春本番の山麓を歩いていたらふと「渡し舟」の看板が目に入って・・・そうだ、ここは渡しがありましたね!珍しくこちらに降りたのですから、これは良い機会で、乗らない理由はありません。

さっそく船着場に降りてみると、舟がいないのでどうしようと思ったら、そういう時は近くのドラム缶を叩いて舟を呼ぶシステムとか(笑)。でもたまに舟に乗ると本当に気持ちいいですね!バスと比べると少々お高い(¥600)ですが、船頭である若おかみから貴重なお話を聞くことができて、なかなか有意義な舟旅でした。

・・・・・☆
 
◆ 2014.04.05 (Sat)   曇 後 晴 一時 雨
篠原登山口 10:00- 石砂山 11:00/11:40- 牧馬峠 12:35- 石老山 13:30/13:40- 大明神展望台 14:10- 箕石橋 14:40- 渡し舟乗場 15:00/15:07→ 相模湖 15:18- 相模湖駅 15:30
 

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2014.04.03

能岳から上野原駅へ里山をつないで歩く

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(さきほど登った聖武連山とダンコウバイ)

さて熊倉山・省武連指尾根を下り終えてもまだ時間はあるし、バスの時間もバス便が減りまくっている今となってはかなり怪しいです。

ならば、と思いついたのが長年気になっていながら、まだ歩いたことのなかった能岳・八重山の事。この標高の里山は、春の花が咲く今の時期が一つの好機なので、ついでに歩いてみました。

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(下は植林だったが、頂稜は雑木林が主になる)

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(能岳山頂・ベンチあり)

さすがにこちらはれっきとした登山道。先ほどの聖武連山とは違い至極明瞭な登山道が、しっかりと、そして大変歩きやすく延びています。最初は植林下の緩いトラバースの登りが続いて、頂稜に上がったところで雑木林の尾根歩きに変わる段取り。

隣のゴルフ場は目障りだけど、その分展望は宜しいわけでそんなに雰囲気が悪いわけではありません。辿り着いた能岳もそんな印象の山頂でした。

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(キブシ)

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(ウグイスカグラ・お久しぶり!)

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(能岳南鞍部は能岳峠<向風峠>とか)

能岳から下りきった鞍部には馬頭さまが置かれており、そこには「能岳峠(向風峠)」と書かれていました。確かに昔の地形図でもここには峠越えの径路が入っていますね。

お花はダンコウバイにキブシ、そして久しぶりとなるウグイスカグラ、とまだまだ木の花がメイン。野の花はスミレもまだで↓↓コヤツぐらい・・・と思っていたら、八重山の辺りに出た頃から大株が次から次へと現れるようになったので何でだろう??と思っていたら

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(おっとこれは大株!)

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(やたらにいらっしゃるなあ・・・と思ったら)

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(シュンランコースだそうです・笑)

なんとシュンランコースと銘打って整備をしていたのでした。こりゃたくさんいる訳だ。これは間伐で林床をわざと明るくして生やしでいるのでしょうかね?そのシュンランはすでに見頃に入っていて、今度の週末が盛りでしょうけど、周囲を見てもとても人が数多入る所のようには見えません(笑)。おそらく一日数名程度ではないかと。

とはいえわざわざシュンランコースに入らなくても、もう十二分に堪能できたのでそのままメインのコースを下ります。

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(植栽のサクラも咲いている)

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(左山道、右八王子・登山口にあった庚申塔)

道は八重山を過ぎると間もなく沢沿いを行くようになって、駐車場のある上野原中に出たところでお終い。お次は秋葉山なので車道を南へ下ると、登山口には道標がしっかりあって見落とす心配はありませんでした。

さっそく山道に入ると、南側の展望が大きく開けたなんとも羨ましいロケーションな墓地(富士も望める!)の脇を通って、ひと登りで秋葉神社の祀られた秋葉山に着きました。ここには4等点があるんですね。

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(秋葉神社が祀られているから秋葉山なんですね)

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(新鮮な展望ですねえ)

神社で参拝したら、お次は根本山。さすがに里山。道は車が通れそうなぐらい広くて歩きやすく、道標も私製ですが一応完備しているので、迷う心配もないでしょう。

ちょっと開けたところから上野原の町並みを見下ろすのはかなり新鮮な光景でしたし、後半は日大明誠の脇をぐるりと回る感じで、野球の試合のかけ声を聞きながら歩くのもいいものですね。

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(山道は車も通れそうなぐらい広い)

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(根本山・だだっ広い山頂)

山・・・とは思えないやたらとだだっ広い平地に出たなあ、と思ったらそこが根本山でした。思いの外長くなってしまったこの日の山道歩きはここでようやくお終いで、あとは上野原駅へ降りるだけ。でも根本山から甲州街道(R20)に出るのは一本道ですけど、登りだと道標がなく、かなりわかり辛いかも知れません。
 
・・・・・☆
 
◆ 2014.03.30 (Sat)   曇 後 晴
武蔵五日市駅 06:22→ 南郷 06:55- 474m峰 07:20- 844m峰 08:25- 熊倉山 09:20/09:40- 758m峰 10:05- 470m峰 10:50- 県道に降りる 11:00- 取付 11:20- 聖武連山 12:00/12:40- 中見山トンネル 13:05- 登山口 13:15- 能岳 14:00- 上野原中学校 15:00- 秋葉山 15:20- 根本山 15:40- 上野原駅 16:15
 

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