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2014.03.25

小坂志川を繞る尾根を登り降り

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(ハンメウ沢右岸尾根中腹の雑木林)

お彼岸の連休は近年の例年ならお花めぐりの時期なのですが、先週の様子から見てもお花はまだまだな感じ。こういう時は行き先に悩みますね。

そんな訳で悩んだ末に思いついたのはこんな時だからこそ馴染みのないところ、ということで先週歩いた矢沢のお隣の小坂志川の流域でちょっと遊んできました。

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(小坂志林道・除雪されていた)

しかし秋川筋連荘なんて「花のひかり」を初めて以来始めてのことではないでしょうか?今回は連休最終日(03/23)なので二番バスで笹平に出て、まずは小坂志林道をてくてく。林道はしっかり除雪されていて問題なく歩けます。

こちらの林道も昔バイクで訪れて以来で歩くのはもちろん初めてのこと。植林が少ないですね。沢の様子は悪くないし、明るい箇所も多くて意外に楽しい道のり。

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(ハナネコノメには逢えないだろうと思っていたら・・・!)

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(この辺りから小坂志川に入渓)

道中、沢は残雪が多かったのでお花は期待していなかったんですけど、なんとハナネコさんに逢えたのは本当にラッキーでした。もちろん今年お初。一気にテンション上がりますネ(笑)。

それでもあとのお花はツノハシバミにフサザクラが開花を始めた程度で、今回の所はこんなものでしょう。一時間ほどでゲートに着いたら、ここから小坂志川に入渓します。

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(フサザクラ・ようやく咲き始め)

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(ハンメウ沢出合<440m圏出合>)

入渓したものの、沢は残雪に大雪のせいか倒木・ボサが煩く、丸腰ビブラムの身では巻きの連続。それでもトウノ木沢出合(430m圏出合)を過ぎ、ハンメウ沢(キットウ沢、キットウ谷沢)出合辺りまでは行けたものの、その先の廊下状でとうとう行き詰まってしまいました。

とはいえこれは想定内のことだったので、ここであっさり尾根歩きに転進。左岸のハンメウ沢右岸尾根に取り付きます。

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(ハンメウ沢右岸尾根中腹の雑木林Part2)

登りはじめはスッキリした植林の中を登る感じでしたが、尾根が右へ右折する辺りで雑木林に変わると、ここからがハンメウ沢右岸尾根のハイライト。美しい雑木林の広尾根をゆるゆる歩けて、本当に気持ちの良いところ。

そんなハイライトも853m峰西鞍部から来たと思われる林道の終点に飛び出すと再び植林に変わって、853m峰も植林に囲まれた少々暗いピークでした。

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(ダンコウバイもこの辺りで咲き始め)

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(853m峰より連行峰・キットヤ谷の雪渓がそそる)

でも853m峰は南側が雑木になっていて、連行峰と小坂志川の本谷であるキットヤ谷の雪渓が梢越しに確認できて、一見かなりそそられましたが、沢の日当たりがかなり良さそうな感じです。

とはいえまだ時間はあるし、このまま尾根を詰めるよりは一応雪渓の様子を見ておこうと、ここから南西の枝尾根を降りてキットヤ谷に出ることにしました。

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(林道は853m峰南西の枝尾根まで出来ていた)

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(キットヤ谷・雪が緩んでかなり危険な状態)

さっそく南西尾根を降りると、中間辺りで林道の終点にぶち当たり、林道はここまで延びていたのかとビックリ。そこからふた下りほどでキットヤ谷に降り立つと(710m圏附近)、沢はもくろみ通り綺麗な雪渓になっていましたが、日当たりが良いせいか肝心の雪はかなり緩んでいる感じ。

試しに歩いてみると水線はまだ締まっていたものの、両側斜面の雪ははすでに腐り始めていて、ストック(持参して良かった・・・)を刺すとバンバン突き抜ける状態。これはアウトですね。慌てて対岸のヒコタ沢左岸尾根の枝尾根に取り付きました。

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(ヒコタ沢左岸尾根の一コマ)

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(陣馬山を間近に見るなんて何年ぶりだろう!)

枝尾根の方は雑木林で良い感じでしたが、左手からヒコタ沢左岸尾根の主尾根と合わさると、意外や植林メインであれれあれ??な感じ。でもこの尾根の登りしなから見える周囲の枝尾根群は雑木の尾根ばかりでかなりそそられます。

左岸尾根の上部辺りでちょうどお昼になったので、今回は間近に聳える陣馬山を眺めながらのランチとなりました。陣馬は懐かしいけど人が多すぎるから、今のところは眺めるだけで充分です(笑)。

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(国境稜線・雪は少ない)

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(アセビ・稜線で咲き始め)

そんな陣馬の見えるランチ場からひと登りで稜線の登山道に飛び出したら、まだまだ遊べる時間ですけど、今回の所はここまで。先週同様三国峠まで足を延ばして、未踏だった軍刀利神社に出る道を下ってみました。

この道は昔は赤破線でもなかった覚えがありますけど、どうでしたっけ?西回りで降りるとか細いトラバースの道が続いて少々スリリング。南回りのしっかりした道(上野原の道標もこちら周りを推奨している感じ)を合わせると、沢沿いに道は積雪で不明瞭だったものの、道形はしっかり延びているようです。

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(軍刀利神社奥の院と大カツラ)

そんな山道も奥の院に出たところでお終い。今回こちらに降りたのは未踏だったこともあったけど、一番の理由はここの大カツラを見たかったから。実際には幹廻り9mある大変立派なもので、これは花をつけたときに見たかったなあ・・・と気がついても後の祭り。標高的にあと二週間は先でしょうか。

今年はカツラの花をしっかり撮りたいなあ、と思いつつ、道中の無事を感謝して、帰路に就いたのでした。
 
・・・・・☆
 
◆ 2014.03.23 (Sun)   晴
武蔵五日市駅 07:20→ 笹平 07:50- 林道ゲート 08:55- ハンメウ沢出合 09:35/09:55- 853m峰 10:50- キットヤ谷(710m圏)11:10-(途中休憩25分)- 連行峰 12:15- 三国峠 12:40- 軍刀利神社 13:20- 井戸 13:40
 

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コメント

AKIOさん、

名称についてはあまり深追いをしない方なので、話は半分で・・・(笑)。

それでも気をつけていることと言えば、基本的に名称は「通説」であり、「絶対」ではないこと。あと一度や二度歩いたからといって勝手に名付けることをしないこと。それだけでしょうか。

あまり言いたくありませんけど、某山域でいち登山者が勝手に名付けた名称が流通していたりしますが、そういう「下種の極み」としか謂いようのない名称は絶対に使いたくないですね!

投稿: komado | 2014.03.28 19:39

Komadoさん、

早速の解説どうもありがとうございました。
山、沢、峠などの名前は、誰かが何かの拍子に間違ったのを他の人たちが使い続けて、いつの間にか間違った名前が市民権を得てしまうこともあるでしょう。誰かが新しい呼称を使うとそれが市民権を得てしまう場合もありますね。寺田さんはおそらく岩科小一郎氏の言う土民測量をやられて書かれているでしょう。時代が進むと訳がわからなくなってしまうので、長く使われてきた名前を残すのは意義があると思います。

投稿: AKIO | 2014.03.27 20:58

AKIOさん、

小坂志の流域初めて入りましたが、もう少し季節が進むとちょっと面白そうだな、と思いました。また入りたいですね。

さて沢名についてですが、この反応は来るだろうなと思っておりました。ちなみに私見は基本線を宮内本に準じており、その沢の本(複数あるようですが)が誤りだと思っております。そしてAKIOさんが仰るとおり宮内本のハンメウ沢とトウノ木沢の順序が逆でそれもおそらく誤りだと思いますけど、これは当時の陸測図次第ですね。

ちなみに寺田政晴さんも沢の本の「キットウ沢」は誤りとしていまして(新版 秋川谷研究)、寺田さんはトウノ木沢を「白岩沢」、そしてハンメウ沢は「ハンメイ沢」としてあります。寺田さんの仕事ぶりを考えるとこれが地元呼称に近いと思われます。

投稿: komado | 2014.03.26 23:25

Komado さん、こんばんは。

矢沢のレポを見た時、「隣の小坂志川本流も良いのでは?」と思いましたが、1週間経つと雪渓の後退も早いようですね。昨夏に本流を歩いた感じでは、それほど傾斜の強い谷ではない印象だったので、気温がそれほど上がらなければ、快適な雪渓歩きができたでしょうね。水が少なくても足を濡らさずにミニゴルジュを通過するのは、たしかに難しいかもしれません。

宮内本の挿図と地形図を合わせて Komado さんのルートを追いました。宮内本の挿図は枝沢の位置が正確ではないようです。入渓するとまずトウノ木沢が右岸から流入して、その後左岸からハンメウ沢が流入していたと記憶しています。沢関係のガイド本ではハンメウ沢をキットウ沢、キットヤ沢を小坂志川本流と呼んでいるようです。キットウ沢(ハンメウ沢)は以前なるしまさんが何回か画像掲示板に出しておられたので、楽しい沢だろうなと思って小生も昨夏入渓しましたが、滝は適度の難易度で短いですが確かに楽しい沢でした。

投稿: AKIO | 2014.03.26 21:18

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