熊倉山を北から南へ丁寧に縦断する
(省武連指尾根<熊倉山南西尾根>758m峰附近より)
さてさて今年は秋川通いが続きます。ここ二週矢沢と小坂志川を歩いていると、俄然気になってくるのが矢沢と熊倉沢を分ける長尾尾根のこと。
となるとコース取りの関係でもう一つ気になってくるのが熊倉山南西尾根たる省武連指尾根で、今回(03/30)はこの二本の尾根をできる限り忠実に辿って、熊倉山を南北に縦断するコースを歩いてきました。
(矢沢・雪はこれでもかなり減りました)
今回は久しぶりに一番バスでのスタート。やっぱり秋川は近いですねえ。思いっきり早起きしなくても7時前には歩き出せるんですから。ありがたやありがたや。
二週間後の矢沢はさすがに雪もかなり溶けていましたが、それでもまだまだ残っています。10分ほどで熊倉林道を分ける橋に出たところで熊倉沢の出合に降りて、なんとか飛び石で矢沢を徒渉。そのまま長尾尾根に取り付きました。
(長尾尾根474m峰附近は痩尾根が続く)
のっけは岩がちの痩尾根が続いて、474m峰も枯れたアカマツの立つ痩せたピーク。ただそれも長くは続かず、尾根が植林帯に入ると急な広尾根の登りに変わります。
尾根は時折雑木林を交えながらゆるゆる登れる感じ。お花はアセビとダンコウバイが盛りで、岩場で見かけたミツバツツジのつぼみはまだまだ堅い状態。
(844m峰附近・南東斜面が皆伐されている)
(快い雑木林が続く)
そんな登りから一息つけるのが広々とした844m峰なのですが、なんと南東斜面が皆伐されてすこぶる開けて、ちょっと前に歩いた箇所が一望。二週前に矢沢を歩いたとき、皆伐された広い斜面を見上げたのはこの辺りだったのですね。
でも尾根上では数十m位の距離で再び雑木林に変わると、ここから林の雰囲気が一気に良くなります。
(マンサクはまたしても・・・)
(熊倉山より)
そんな様子に気分を良くしていると、今度はマンサクを見つけて狂喜したものの、う~ん今回もマクロは撮れずじまい。周囲にマンサクの木は結構あったのに、お花は一部の高木を除いてつけていない状態で、今年のハズレ具合を考えればしょうがないんでしょうけど・・・しばらく諦めきれないでジタバタ(笑)。
そんなマンサク地帯からひと登りで笹尾根に飛び出し、西へひと登りで熊倉山でした。
(ダンコウバイ・省武連指尾根上部で盛り)
(758m峰附近は雑木の広尾根が好ましい)
しかし一番のバスだと早くて良いですね、熊倉山でまだ9時過ぎです。ベンチのある山頂でメロンパンを食べたら長い長い?下山の始まり。西隣のピークに行き、省武連指尾根の下降に移ります。
のっけは雑木林と植林に分けられた尾根で、758m峰附近までの東側の雑木林の様子が良いですね。ダンコウバイは盛りで、まだまだ茶色のグラデーションの中、樹間をほんのりと黄色く染める様子は、ささやかだけど早春らしい期待を持たせる素敵な光景です。
(618m峰手前の緩斜面)
(今の時期は照葉樹の緑がまぶしい)
そんな光景は758m峰を過ぎて、松浦本やエアリアで紹介されている長泉寺へ下る枝尾根を左へ分けると、まもなく植林帯に突入。それでも尾根は植林一色ではなく、雑木林を交えるので明るく、雰囲気はそんなに悪くないです。
618m峰を過ぎると少々藪っぽくなり、進路に気を遣うようになりますが、基本的なRFが出来ればさほどの難なく歩けるレベル。雑木林は長期間放置されているのか?中低木が照葉樹に推移しており、でもこの時期だからこそ照葉樹の緑がまぶしくて、却って好ましく感じるぐらい。
(470m峰より先は西斜面が皆伐されていた)
(県道に降りる辺りにあった↑↑こちら何でしょうか??)
あとはこんな感じが下の県道まで続くのかと思っていたら、470m峰に出ると西側がキレイに皆伐されていてただ唖然。でもこちらから見える権現山稜や鶴川の様子がとにかく新鮮で、しばし見入ってしまいます。
もうここまで来れば県道は間近で、あとの懸念は地形図を見ると県道の山側が擁壁になっていること。でも実際は藪が被るものの安全に県道へ降りることが出来て一安心でした。
(フサザクラ・黒田川沿いで咲き始めた)
(アブラチャンも咲き始め)
県道に出たら省武連指尾根はお終い。ではなく本当はまだまだ続きがあって、その続きはゴルフ場で尾根が分断されているから意識されないものの、実はその西側に聳える聖武連山こそ省武連指尾根末端の掉尾を飾る山だったりします。なので尾根名の出典元は宮内本からながら、実際は「聖武連指尾根」でもいいのかもしれません。
でも尾根をキッチリ辿ると言ってもさすがにゴルフ場の中は通れないので(笑)、ここは黒田川の方へ迂回して東側から登る段取り。実際も黒田川沿いの道から急斜面ながらうまいこと取付けが見つかり、さっそく取り付きました。
(昭和三十二年の五万分図・上野原より)
(聖武連山へ向かう尾根・急だがこんな一角もあった)
のっけはぐずぐずの急な登りが続いて、落石を起こさないように慎重に登ります。そして東の尾根上に上がったところでようやく一息つけました。
あとは露岩混じりの急登をひたすらに登っていくだけ。でも途中に↑↑こんな緩斜面もあって雰囲気は悪くないです。
(露岩帯も多い)
(聖武連山山頂・三角点は不明)
登って登って、左手から南東尾根の植林帯が合わさると、ひと登りで聖武連山の山頂でした。
山頂には某放送局のアンテナ施設があって広々としています。んが、あるはずの三角点がいくら探しても見あたりません。今はあの施設の中に三角点があるのでしょうかね?
(下りは植林帯の沢筋を降りた)
そんな山頂ですのでランチ場には困らず、ちょっと開けたところでランチをとったら、下山を始めます。とはいえ主尾根たる南東尾根は末端部が鶴川へ急激に落ち込んでいて、とても降りる気にはなれないので、一旦南東尾根を降りつつ、途中から尾根を外れて植林の中を降りてみました。
いくら急でも植林帯は安心安全。じきに急ながらも沢沿いを行くようになり、倒木に悩ませられながらも降りていくと、まもなく右岸に径路が現れて、あっさり県道に飛び出しました。
(中見山トンネル南詰)
県道に出たら向風か新井に出てお終い、なんですけど今回はまだ続きがありまして・・・それは次回へ分けます。
・・・・・☆
◆ 2014.03.29 (Sat) 曇 後 晴
武蔵五日市駅 06:22→ 南郷 06:55- 474m峰 07:20- 844m峰 08:25- 熊倉山 09:20/09:40- 758m峰 10:05- 470m峰 10:50- 県道に降りる 11:00- 取付 11:20- 聖武連山 12:00/12:40- 中見山トンネル 13:05・・・・・