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2014.02.03

赤沢とセギノ沢の未踏の枝尾根を登り降り

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(大界木山南尾根<赤沢左岸尾根>のほぼ定点ブナ)

今シーズンは久しぶりに世附(世附川流域の山山)通いが続いています。今回(02/01)はおおよそ一年ぶりとなる大界木山南面界隈で、この辺りは世附でもイデン沢(菰釣沢)周辺と双璧をなすブナの美しいところゆえ、枝尾根までくまなく歩くシリーズ、といったところでしょうか。

ということでこの日は大界木山山頂のすぐ北から南西へ延びている短い枝尾根な赤沢1040m圏二俣中間尾根を下降、そしてすぐ下の990m圏二俣から、大界木山直下の南尾根へ延びる枝尾根である990m圏二俣中間尾根を登り返し、南尾根を適当に下降。赤沢出合からは地蔵沢林道を大滝沢橋まで下って、屏風岩山西尾根の二つ北隣の尾根であるセギノ沢(関ノ沢)690m圏二俣中間尾根を登り返し、あとは大滝峠廻りで大滝橋へ下る、というコースを組んで歩いてきました。

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(赤沢1040m圏二俣中間尾根上部)

この日は寒さが緩んだせいか?バスに乗るハイカーが多く少々驚いたのですが、ここでAKIOさんやなおたんさんとバッタリしたのにはもっと驚きました。おかげで道志までの道のりは久しぶりに退屈しないで過ごすことができました。

今回は大界木山なのでサガセ東沢の方へ向かうと、水晶橋から先は道が凍結してスケートリンクになっており、ここから城ヶ尾峠までの道のりが今回一番しんどい箇所。登りだから何とかこなしましたけど、今しばらくはアイゼン必須な状態です。

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(立派なブナも散見される・1040m圏二俣中間尾根)

峠から国境稜線を東に大界木山へ向かうと、稜線は雪が残る程度。しかし一月なのにやたら暖かくて大汗かいてしまいました。せっかくなので大界木山の山頂まで上がってから来た道を戻り、最初の目的である赤沢1040m圏二俣中間尾根の下降に移ります。

尾根は下りだしからスズタケは薄めで、短い尾根に増えすぎたシカさん達が道を作っている感じです(笑)。しかし世附の山は台風の影響もあってシカさんがかなり増えていますね。おねんねしている所はダニーが凄いし(久しぶりに絶叫・笑)、フンの多さはシカ最盛期でもあった2000年代初頭の日原を見ているようです。

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(中間尾根の右側斜面がなかなか・・・)

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(赤沢<右俣>990m圏二俣)

この尾根は尾根上よりも尾根両脇の斜面の林の様子が素晴らしいですね。一部立ち枯れが目立つ箇所も見受けられましたけど、ブナの様子がなかなか素敵で、やっぱりスッスッとは下れない。いろいろ寄り道しちゃいます。

それでも尾根が短いので寄り道しても赤沢まで30分ほどで、お次の尾根の取付である990m圏の二俣へ向かうと、赤沢もこの辺りはまだまだ伏流。それもひと下りで水流が現れると小滝になって990m圏の二俣、という感じでした。

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(赤沢990m二俣中間尾根・中腹以上はこんな広尾根)

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(この双子ブナは立派でした!)

お次の990m圏二俣中間尾根は登りだしこそスズタケの残る痩せた尾根でしたが、じきに尾根が広がるとスズもまばらになって、もうどこでも歩ける感じ。右隣に見える南尾根の近さに驚きつつ淡々と登っていきます。

ただ林相的には期待していたわりに今ひとつでしょうか。それでもこの双子ブナは中間尾根のシンボルのような存在感を醸していました。

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(大界木山南尾根上に上がりました)

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(大界木山南尾根はブナが素敵だ・その1)

最後の急登をこなして大界木山南尾根上に上がると、そこは予想通り山頂直下のV字ミズナラの立つ平地。息を整えつつメロンパンを食べたら、そのまま南尾根を下ります。

一年ぶりとなる南尾根はやっぱりブナの美しさに尽きますね。相変わらずスズは被りますけど、既に枯れ始めているので一頃よりも歩きやすくなっている。おかげでいろいろ寄り道できるのが果たして良いことなのか悪いことなのか。

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(大界木山南尾根はブナが素敵だ・その2)

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(奥がほぼ定点ブナです)

そんな素敵な南尾根のハイライトというかクライマックスが尾根の分岐する1010m圏の平頂でしょう。

まだまだスズタケが残っているので好き勝手に動けるわけではないんですけど、ここはいつ訪れてもドキドキ心が浮き立ちます!

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(大界木山南尾根はブナが素敵だ・その3)

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(今回は南西斜面を適当に下ります)

周囲の散策を兼ねて一年ぶりにほぼ定点ブナさんと再会したら、今回は南西の尾根ではなく、歩きやすそうな斜面を適当に降りてみました。

おかげでなかなか素敵な緩斜面もありましたし、奥野歩道の初訪の折、深いスズの中で道を探している最中に見つけた道標と偶然再会できたのも嬉しかったです。

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(赤沢の大カツラ・このクラスの大径木は丹沢では珍しいのでは?)

じきに赤沢に降り立ったら、まずは去年逢えなかった↑↑大カツラと再会。幹周り7mを超える規模のカツラは奥多摩などの水源林ではごくたまに見かけますけど、地質も天候も不安定な丹沢では滅多に見かけないおおものさん。

世附どころか丹沢でもトップクラスのカツラだと丹沢初心者の自分は思っているのですが、実際はどんなものでしょうかね??

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(赤沢に降り立ちました)

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(地蔵沢林道・相変わらずの荒れっぷり)

大カツラとの再会を終えたら、赤沢の出合へ下りちょっと遅めのランチ。暖かいし、風もないし、久しぶりにのんびりすることができました。

休憩を終えたら地蔵沢林道に上がり、大滝沢橋へ。林道は相変わらず荒れたままで、林道と言うより山道のような箇所も多く、林道嫌いの自分には却って楽しく歩けます。

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(セギノ沢<関ノ沢>690m圏二俣中間尾根・下部はスズが残っていたが)

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(こんな大ミズナラも丹沢では珍しい)

大滝沢橋からなおも下って出る枝沢の右岸に延びているのが、目的のセギノ沢690m圏二俣中間尾根の末端部。上流側から回ってくると取付がなさそうにも見えましたけど、実際は枝沢のたもとから明瞭な踏跡が延びていて、難なく尾根に取り付けました。

この中間尾根も登りだしこそ枯れたスズタケが被りましたが、ふた登りぐらいで尾根が広がってくると間もなく消えて、歩きやすくなります。

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(中間尾根中腹以上は素敵な緩斜面が続く)

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(朝降りた大界木山をバックに)

尾根は登るにつれてなおも広がって、周囲はいつのまにやら立派なブナが点在する素敵な緩斜面に変貌していました。

想像以上の光景に少々興奮しつつ、あちこち彷徨うようにゆるゆる登っていく道のりは、間違いなくこの尾根のハイライト。こちらの尾根はさほど期待してなかったのにとんでもねえのが出てきたな、という感じでしょうか(笑)。

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(ここまで来ると稜線はもう間近)

おかげで気分が悪いわけがありません。稜線に上がったら目の前の屏風岩山へは寄らず、大滝峠廻りで大滝橋を目指したのでした。

しかし今回は赤沢周辺のブナもさることながら、最後のセギノ沢690m圏二俣中間尾根の好ましさが印象的。屏風岩山西尾根もお隣の西尾根の枝尾根である650m圏二俣中間尾根も素敵な尾根ですが、この尾根はめっけもんでした。おかげでさらに北隣の尾根も少々興味がわいてきたかも。
 
・・・・・☆
 
◆ 2014.02.01 (Sat)   晴
相模湖駅 06:30→ 三ヶ木 06:50/06:55→ 月夜野 07:35/07:50→ 下善の木 08:30- 水晶橋 09:00/09:10- 城ヶ尾峠 09:50- 大界木山 10:15- 赤沢1040m圏二俣 10:45- 990m圏二俣 10:50/11:00- 大界木山南尾根に上がる 11:40- 1010m圏ピーク 12:15/12:25- 赤沢出合 12:45/13:25- 大滝沢橋 14:10- 稜線に上がる 15:20- 大滝峠上 15:50- 一軒家避難小屋 16:10/16:15- 大滝橋 16:50
 

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【前道志・道志・丹沢】」カテゴリの記事

コメント

はっぴーさん、

マジですかー!稀品かも知れないけど、本に載るぐらいならなんかいそうですねえ。コガネさんは低いところだったらもう咲き始めているだろうから、ハナから決めつけないで、想定してみます。

タラの芽は良いですね!そうそう自分はハリギリも覚えました。たぶん(笑)。今シーズンはもしかするとツツジが良いかもしれないんですよ。

投稿: komado | 2014.04.11 19:45

komado さん

そうでしたか。
もしかしたら、と少し期待したのですが・・・

実は20年前には(笑)丹沢湖の西側の山を歩いて、
下って来た方が写真を撮られています(「丹沢讃花」)

で、2年前に発行された「丹沢の自然図鑑」山口喜盛著
にも、世附で撮られたコガネネコさんが載っているんです!
やっぱり、会いたいなぁ、会えたらいいなぁ、
と思ってしまいます、丹沢のコガネネコさん。
どこかに隠れて生きててほしいです。
コガネさんの写真、楽しみにしています♪

個人的にはタラの芽~!食欲の春です(笑)

投稿: はっぴー | 2014.04.10 21:17

はっぴーさん、

コガネさんは丹沢どころか南側では正直コガネさんのイメージが全くないんですよ。

ボクがよく見かけるのは奥多摩より北の山域です。あちらではハナネコさんなんかよりも遙かに多いのに(笑)。個人的にはそろそろアカヤシオとコガネさんの季節到来って感じです。春は何かと忙しいですね。

投稿: komado | 2014.04.10 20:03

ありがとうございます。
一度、5,6年前に赤沢遡行していますが、
その時はまだ大木に目覚めていませんでした(笑)
機会があったら再訪してみたいです。
・・・木は花より、ずっと難しいですね。

ところで、丹沢でコガネネコさんに会われたことは
ありますか?
もう、いなくなってしまったのでしょうか。

投稿: はっぴー | 2014.04.10 00:58

はっぴーさん、

ご無沙汰しております、あちらに入られたのですね。
やはりハナネコが素敵です。世附の沢は不思議とハナネコが多いですけど、今年は大量の残雪のおかげで場所によっては遅くまで見られそうでちょっと楽しみだったりします。

赤沢の大カツラを見て思うのは丹沢は地質が不安定なせいか水際に大木をほとんど見かけない。だから赤沢のも水際より高いところにいたから大きくなれたのだと思います。はっぴーさんの鳥屋金沢のもそんな感じに見えますね。ちなみに大カツラは出合から赤沢を注意深く遡ればおそらく見つけられると思いますよ。

投稿: komado | 2014.04.09 23:04

komadoさん

こんにちは。
いつも憧れとダニの恐怖におののきながら、
拝見しているこのエリアのホンの一画ですが、
6日にハナネコ探索で歩いてきました。

いつも地蔵平から眺めていた大界木山は初登頂で、
この南尾根をズズーッと赤沢・バケモノ沢出合まで下ったら
さぞかし気持ちが良いことだろうと(^^)
でも、1150付近でチャンと細尾根に乗れるか難しそうです。

赤沢の立派な大カツラ、一見してみたいなぁ。
今年1月に鳥屋金沢で出あったカツラ(たぶん)も
大木でしたよ。下記、ご覧になってみてください。

http://hapimero.blog133.fc2.com/blog-entry-361.html

投稿: はっぴー | 2014.04.09 11:05

ba_sobuさん、

確かに枝尾根に関して言えばスズタケは大したことなかったですね。むしろ南尾根の方がまだまだしっかり残っているという(笑)。でも南東尾根の方は、まだまだ残っていたので今の状況はどうでしょうか。少々気になっています。

去年は南尾根のブナはお見せできましたが、大カツラの方は時間の都合で割愛せざるを得なかったのが残念でした。今度はカツラの香る時期にでも思っております。

あと奥野歩道の道標は後日ぐぐたすの方に載せるつもりですのでお待ちくだされ。

投稿: komado | 2014.02.04 23:10

上記のコメント
赤沢=ややサブ は 赤沢=ササやぶ
のまちがいです  <(_ _)>

投稿: ba_sobu | 2014.02.04 22:12

外は今、雪です・・・こんばんわ komadoさん

今回はまじめに(笑)地形図やナンタラ図を広げながら、後追い歩きを楽しませていただきました。

大界木南尾根、ステキですね
オオカツラや、オオミズナラは堂々としてお会いしてみたい木たちです。
それ以上に、ブナさんと「再会」なんて、しゃれていますね。
わたしは、赤沢=ややサブ凄し のイメージがぬぐえませんが、お写真からは そのような雰囲気は見えませんね。

「奥野歩道の初訪の折、深いスズの中で道を探している最中に見つけた道標と偶然再会できたのも」

おお! 
あれか???
よく見つけられましたね!!

投稿: ba_sobu | 2014.02.04 16:51

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