大栂から織戸沢へ降り、日蔭沢を遡る
(5mを優に超える大モミ・織戸沢710m圏二俣中間尾根にて)
やはり今シーズンは暖かいですね。おかげで氷は緩むけど、雪も減ってくれて世附(世附川流域)の山で遊ぶには大歓迎!なので今週も世附の山で遊んできました。
今回は菰釣山から大栂へ下り、例によって南東尾根に寄ってから、西の織戸沢右岸尾根の南隣の尾根である710m圏二俣中間尾根を下降。下法行歩道、富士見林道をつないで一旦水ノ木へ降りたら、大棚沢林道を上がって日蔭沢(日陰沢)に入り、途中で右岸側の送電線巡視路を捕まえて国境稜線に上がり、平野に出るコースを組んで歩いてきました。
(朝の菰釣山)
この日はバスの乗客こそ少なかったものの、例によって下善の木から歩き出して菰釣山へ向かうと、途中でハイカーを何人も見かけたことにビックリ。
それでも着いた菰釣山の山頂に誰もおらず一安心。朝の晴れはどこへやら、すっかり高曇りとなった山頂からの展望は南アに八ツにと展望は良好。この時期、こんな天気になると寒々しいはずなのに、やたらと暖かかったのはラッキーでした。おかげで歩く気満々です(笑)。
(菰釣~大栂間はブナが素敵だ・その1)
(菰釣~大栂間はブナが素敵だ・その2)
南の尾根はおおよそ一年ぶり。トレースがないのは当たり前?でしょうか?(笑)下りだしこそ雪が深くて焦りましたが、すぐに浅くなって普通に歩けるようになります。暖かい割にダニーもおとなしめですいすい・・・
・・・歩けないのは菰釣~大栂間のブナ林が楽しいからに他なりません。前の菰釣行きの時に話に出たんですけど、菰釣山周辺のブナはどこか雰囲気が違う。本当に不思議なんですけど、あれはいったい何の理由があるのでしょうかねえ?
(富士と鍋釣山、東丸~西丸、三国山稜を望む)
(菰釣~大栂間はブナが素敵だ・その3)
そんなわけで今回もあちこち寄り道してから大栂に上がり、チョコクロワッサンを食べつつちょっと休憩。ここも人のトレース皆無でまっさらな雪面がまた素敵でした。
休憩を終えたらそのまま南尾根を下るつもりだったのに、歩き出すとやっぱり南東尾根の方に寄ってしまい(笑)、しばらく散策。それから南尾根に戻ってなおも下ります。
(大栂より菰釣山を振り返る)
(またまた南東尾根にも寄り道)
尾根上にモミやアガガシの緑が目立ち始めるとじきに織戸沢右岸尾根のピークに出て、そこからひと下りしたところが今回下降する710m圏二俣中間尾根のピーク。ああ、ここでしたか!
意外や尾根は明瞭に分かれていたので、そのまま中間尾根の下降に移ると、のっけから立派なモミやブナの歓迎を受けます。
(織戸沢710m圏二俣中間尾根・世附の1000m以下の典型的な林相)
(トップの大モミ・幹が曲がっているのは珍しい)
そんな様子に気をよくしつつ降りていくと、再びアカガシも現れて、中間尾根は世附の1000m以下でよく見られる典型的な林相に。下っても立派なモミがぼちぼち目に入るので、いちいち寄り道していたら
↑↑このトップの写真にもしたこの大モミが一番のおおものさんでしょうか。なかなかの存在感。そして幹がS字に曲線を描いているのが黒木にしては珍しいですね。
(上のモミとは別の大モミ・これも幹が曲がっていた)
その大モミを見てから気がついたんですけど、この中間尾根のモミって微妙に曲がっている木が多くて、これは何か理由があるのでしょうか??・・・まぁわからないですけどね。
↑↑この大モミもまたキレイに曲がっていて、その曲がり具合はまるでシオジの大木よう。
(富士見林道は20年以上放置されている感じだ)
そんな大モミの傍らで軽くランチをとって、なおも先へ行くとじきにお隣の織戸沢右岸尾根のクランク箇所と同じく、こちらも左へ直角に曲がります。すると間もなく富士見林道に降り立つのですが、林道上は一面若いモミ林になっていました。もう法行沢側とつなげることもないでしょうから?放置しているのでしょうね。
その富士見林道を突っ切ってなおも尾根を下ると、5分ほどで織戸沢に着地。織戸沢をひと下りすると、織戸峠みちである上法行歩道と合流する709mの三俣に出ました。
(織戸沢<下法行歩道>倒木が多く歩きづらい)
(再び富士見林道に這い上がって)
さて丸5年ぶりとなる織戸沢。こちらも台風の影響なのか倒木が多く、歩きづらくなっていますね。上法行歩道の方も道はもう有って無きが如しな感じですので、さっさと富士見林道に這い上がってしまいました。
富士見林道もこの辺りはスッキリしていて、少ないながらも轍も確認できます。林道は織戸沢のすぐ上を通っていたんですね。そんな沢を見下ろしながら20分ほど下ると織戸沢右岸尾根の末端部を乗り越す箇所に出るので、ここで林道と分かれて右岸尾根を下降。またまたスズタケと鹿柵にサンドされながら下って、織戸沢の出合に着地します。
(織戸沢出合に出ました)
水ノ木沢は飛び石で問題なく渡れて、対岸へ移るとそこはもう2週間前に訪れた水ノ木の造林小屋でした。
すぐ先の馬印に出たら、ここから日蔭沢橋までは林道歩き。寄り道が過ぎたので大棚は今回もパス。でも林道歩くと滝もちょこっと見えるし、何を隠そう?こちらは大棚の落ち口が見られるので今回の所はそれで我慢ガマンです。。。
(日蔭沢<日陰沢>最初の堰堤以外は普通に歩ける)
大棚沢林道の方は二週前にも報告しましたけど、林道上の土砂が片付けられて、台風以前と同じようなペースで歩けたのはちょっと感動でした。そんなわけで馬印から40分ほどで日蔭沢橋に着いたらさっそく日蔭沢に入渓します。
すぐ先の堰堤を巻いて沢床に降りればあとは快適な沢歩きで、雪は少なく、沢床も広いので歩く場所にも困らず、すいすい歩けたのは意外と言えば意外。
(こんな小滝が続きます)
植林がないので沢は曇った午後なのにそこそこ明るいし、ナメや小滝が続くので雰囲気は良いけど、遡行対象としては正直どうでしょうか?でも菰釣沢みたいに丸腰ビブラムで歩くにはちょうどいい沢ですね。
本当にささやかな・・・この沢にしては連瀑帯とも言える箇所を過ぎると明瞭な二俣になって、そのすぐ先が以前歩いた送電線巡視路が沢を横切る箇所でした。
(日蔭沢右岸側の送電線巡視路の好ましさも捨てがたい)
さて、ここに着いた時点で15時半。そのまま日蔭沢を詰め上げると平野発の最終高速バスを捕まえられるか微妙な時間です。なので今回の所はここで打ち切って、右岸側の巡視路に上がって平野へ向かうことにしました。
そうと決まれば話は早いものの、さすがにここへ来ての登り返しはしんどいものがあります。それでもこの巡視路は林相がなかなか宜しく、素敵な道なんです。
(国境稜線はまだ白い)
でもヘロヘロしながも国境稜線上の1086m峰に30分ほどで上がれたのは意外で、これなら最後まで詰めちゃっても良かったかも。ここで帰りのバスの予約をして、あとはちんたら平野へ向かったのでした。
今回は大栂や日蔭沢も良かったのですが、やはり織戸沢の上流部の好ましさにつきました。つね日頃「世附はブナだ!」と叫んでいる自分も、世附にはモミもあったなあ・・・と改めて認識した山行き。織戸沢の上流部はもっともっと丁寧に歩いてあげたい、そう思った次第です。
・・・・・☆
◆ 2014.01.25 (Sat) 曇 一時 晴
相模湖駅 06:30→ 三ヶ木 06:50/06:55→ 月夜野 07:35/07:50→ 下善の木 08:30- サガセ西沢ゲート 09:15- 菰釣山 10:15/10:30- 大栂 11:15/11:25-(途中休憩20分)-織戸沢709m三俣 13:00/13:10- 織戸沢出合 13:55- 馬印(水ノ木橋)14:00/14:10- 日蔭沢橋 14:55- 巡視路横切る 15:25- 1086m峰 16:00/16:10- 平野 16:45
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コメント
ba_sobuさん、
驚きましたね。あの曲がり方には。
本文にも書きましたけどあの優美さはシオジの大木を思い出しました。
優美と言えばアカマツも意外に優美に曲がることがありますね。
でもあの尾根のモミだけ曲がっているのは、ものすごく不思議です。
投稿: komado | 2014.01.28 22:41
長時間 お疲れ様でした
ところで モミの曲がっているのが 不思議な気がします
どちらも大きそうな木で、その曲がり具合が優美なので。
モミのイメージが少し変わった?
投稿: ba_sobu | 2014.01.28 12:25