2013.10.18

ウス尾根から小金沢山

B131019a
(黒岳の広葉樹林・オオイタヤメゲツの色づきはこんな感じ)

あの・・・もう何遍も言ってますけど日川にしろ小金沢にしろ、あちらの流域はほんとうにカラマツ植林ばかりで、個人的にはなっかなか食指が動かない所なんですけど、ネタが切れるとさすがに歩かざるを得ない感じでしょうか(笑)。

という訳でとうとうそんな状況になってしまった翌14日はサラサドウダンと黒岳の広葉樹林のオオイタヤメイゲツの紅葉を狙って、7月以来の小金沢連嶺。雨ノ沢右岸尾根たるウス尾根を登路にとってみました。

B131019b
(ウス尾根<雨ノ沢右岸尾根>・スズタケがかぶるのはごく一部)

10月の連休となると連休最終日でも朝の臨時バスが出た模様で、一番バス直前の時間の電車で甲斐大和に来ても悠々座れたのは意外でした、というかショートコースならこういう狙い方もアリなんだな、と。

今回も大菩薩湖でバスを降りて(お金がかかるので)すぐにウス尾根末端近くから取り付く、のではなく例よって日川林道に入ってウス尾根を乗り越すところまで歩いてから尾根に取り付きました。

B131019c
(途中の露岩より大菩薩湖を見下ろす)

登りだしはウラジロモミとカラマツに分けられた尾根で、当然スズタケは生えていますがカラマツの方にしかいないので、藪こぎもなくすいすい。ひと登りすると尾根左手のモミ林が切れて全編カラマツに変わったので、ここから待望の藪が続くのか?と思っていたら、それらしいところは僅かでした。

結局藪らしいところはほとんどなくて、至って歩きやすいのには面食らったというか、この辺りの尾根はみんなそんな感じでしたね(笑)。

B131019d
(ウス尾根中腹にはちょっとした倒木帯もある)

途中には周囲の開けた露岩や、ちょっとした倒木帯も良いアクセント。しかしシカが増えている上に繁殖期のせいでしょう?かサカリのついた牡鹿がうるさいうるさい。

そんなシカ達をテキトーにあしらいながら登っているといつの間にやらコメツガやシラベが混ざって、じきに防火帯のようなミヨリ尾根(ミオリ尾根・ミヨリ沢左岸尾根)と合流。そこから色づいた木々が散見される中をふた登りぐらいであっけなく縦走路に飛び出しました。

B131019e
(紅葉を見るようになると稜線も近い)

B131019f
(小金沢山附近・サラサドウダンの紅葉は盛り)

そして縦走路を北へ5分ほどで小金沢山に。実働90分ほどというと時間的には小屋平から天狗棚回ってくるより若干早いでしょうか?そのおかげか人も意外に少なかったです。

そしてもっと意外だったのが正直あまり期待してなかったサラサドウダンの紅葉が↑↑良好とは言わないまでも意外に綺麗に色づいていたこと。今年の紅葉は諦め気味だったので、今回はこれだけでもう十二分に満足でした。

B131019g
(牛奥ノ雁腹摺山への道すがら)

B131019h
(オオイタヤメイゲツ・これは綺麗な方)

小金沢山周辺の紅葉のチェックが済んだら、来た道を戻って黒岳を目指します。

道中さすがにお花はもうなくて木々の紅葉が見頃。オオイタヤメイゲツやコミネカエデなどのカエデの系統より、サラサドウダンなどのツツジ系の紅葉がそこそこ綺麗に色づいていて、前日の日原よりもかなり楽しめました。

B131019i
(賽の河原を見下ろしながら下る)

B131019j
(サラサドウダンは想像よりは綺麗に色づいていたが・・・)

でもでも・・・サラサドウダンは綺麗に色づいていたとはいえ、実は心底楽しめなかったのは・・・この二ヶ月の間にドウダンの木々があらかたシカに囓られていたから。本当にほとんど全ての木がやられていました。

サラサドウダンが↓↓こうなってからどれだけ持ちこたえてくれるのかわかりませんが、全ての木に手がつけられていたので、下手するともう来年のお花が危ないかも。というか来年はうまく保ってくれても、このままだとあと数年でこの辺りのサラサドウダンは全滅するかもしれませんねえ。。。

B131019k
(どの木も食痕が酷い・夏から秋にかけてシカに一気に食われたようだ)

B131019l
(黒岳への道すがら)

そんなサラサドウダンが徐々に少なくなってくると、じきに黒岳に到着。一等三角点だけカメラに収めてそのまま下の広葉樹林へ向かいます。

B131019m
(黒岳の広葉樹林その2・今回はこちらでランチ)

広葉樹林のオオイタヤメイゲツは見頃かと思っていたら、まだ緑の葉っぱが多くてビックリ。秋は結構この辺りを歩いていても、ここの紅葉に合わせた事がなかったんですよね。ちょうどいい機会でした。

なので今回は白谷ノ丸ではなく、こちらでランチ。でもランチの間に晴れ間がなくなり、徐々に暗くなって寒くもなってきたのには参りました。というか最低でもハマイバ丸までは足を伸ばすつもりでいたのに、この天気ではそんな気もなくなって

B131019n
(白谷ノ丸より)

B131019o
(湯ノ沢峠への道が新道につけ変わっていた)

結局湯ノ沢峠に降りたら、そのまま焼山沢を降りてしまいました(笑)。

そうそう白谷ノ丸から湯ノ沢峠の道は二ヶ月の間に従来の道の西側に新しい道が造られ、すでにつけ変わっていました。おそらく白ザレの浸食を嫌ってのことでしょうけど、新しい道はまだ足下にスズタケの株が残っていて結構歩きづらいです。これからみんなで踏んで馴らしていくのでしょう。あと新道はカエデが多かったので来週再来週辺りはそれなりに楽しめるかも知れませんね。
 
・・・・・☆
 
◆ 2013.10.14 (Mon)   曇 時々 晴
甲斐大和駅 08:10→ 大菩薩湖入口 08:45- ウス尾根取付 09:00/09:05- ミヨリ尾根と合流 10:05- 稜線に出る 10:15- 小金沢山 10:20/10:25- 牛奥ノ雁ヶ腹摺山 10:55/11:05- 黒岳 12:05/12:55- 湯ノ沢峠 13:25- 天目山温泉14:55
 

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2013.07.23

滝子山・久しぶりに東尾根から登る

B130723a
(一瞬だけガスが晴れた!滝子山より黒岳方面)

さて、先の三連休は遠出するには天気いまいちだったのに落胆してお山はお休み。ということはここ二月ほどはまともな山歩きをほとんどしておらず、いい加減少しはまともに歩いておかないとまた古傷が・・・なんてことになりかねません(昔は健康のための山歩きなんてアホちゃう?思っていたクチなのに・・・笑)。

なので今週はきちんと歩いてきましたよ(笑)。そんな今回はおおよそ7年ぶりとなる滝子山東尾根(東稜)界隈。間明野から切目峠を越えて、恵能野川にいったん降りたら、直接鞍吾山に上がって東尾根を辿るルートを歩いてきました。

B130723b
(金山神社は改築中でした)

以前は足繁く通っていたこのあたりもかなり久しぶり。ハマイバ行きの二番バスは貸し切りで、間明野で降りる旨を伝えたら、バス停手前の金山神社の前で下ろしてくれたのにはびっくり。

しかしそれよりもっと驚いたのが↑↑金山神社。参道からして異様に明るくなっていたのでいったい何があったの?と少々不安になりつつ上に上がると、ぬあんと神社の建て替え工事の真っ最中でした。秋口ぐらいには完成しているでしょうから、もう一度訪れてみないといけないですね。

B130723c
(切目峠の馬頭さま)

そんな訳で参拝もできずにそのまま切目峠みちに入ると、相変わらずろくすっぽ歩かれていないであろう割に道はまだまだ明瞭。そして10分ほどで着いた峠の馬頭さまに挨拶したら、道なりに恵能野川へ降り、径路を突っ切って対岸の尾根(鞍吾山の枝尾根)に取り付く段取りです。

恵能野川へは遊仙橋BSから車道を歩くのがマイナーながらもポピュラーですけど、個人的には間明野から切目峠を越える方が風情もあっておすすめですね。(^_-)-☆

B130723d
(滝子山東尾根・おおむね雑木林が続く)

B130723e
(5m超なモミの おおものさん も)

尾根に取り付けばあとはひたすらに尾根を辿るだけ。30分ほどで鞍吾山の三角点峰に上がれば、急登もいったん落ち着いて、御正人ノタルまでは快適な尾根歩き。ガスっているおかげで涼しいのが何より。

しかしこうやって久しぶりに東尾根を歩いてみると、単に忘れているだけなのかもしれないけど(笑)やはり自分自身の視点が変わっていることがよくわかります。尾根上には↑↑こんなおおものさんもいらっしゃったのですね。

B130723f
(御正人ノタル)

B130723g
(ナツツバキは落花を愛でる花・・・)

そして沼ノ沢峰から御正人ノタルへ下る箇所もロープがずいぶんしっかりしたものになっていましたし、降り立った鞍部にはなんと「御正人ノタル」と書かれたのプレートがつけられていました。

でも今回東尾根を久しぶりに歩いて嬉しかったのがマーキングの類いがごく最小限に抑えられていたこと。このままの状態が維持され続けるといいんですけど。。。

B130723h
(東尾根上部は自然林に変わる)

御正人ノタルからは滝子山へ向け露岩混じりの急登が始まりますが、同時に自然林に変わるところでもあるので、個人的にはここから上が見所多いかなと思います。気になっていたブナは虫食いこそ散見されましたけど、今年もブナハバチの大発生はどうやらなかったようですね。

でもお花は少なく、ナツツバキは今年も落花のみ(笑)。そして尾根上部の岩場ではホツツジが咲き始めていて、これからしばらくは楽しめそうです。

B130723i
(滝子山山頂)

B130723j
(ホツツジ・山頂、東尾根上部で咲き始め)

そんな急登を楽しみつつ、小一時間ほどで三角点峰に飛び出せば、滝子山の山頂は一投足。

山頂に着いた途端一瞬ですけど周囲が晴れたのはやっぱり嬉しかった。トップの写真の通り展望も少し楽しめましたし、何より青空が見えるだけで、心が晴れ晴れとしますね!

B130723k
(防火帯は快いけど花が少ない・・・)

B130723l
(イケマ)

お昼時だったのに山頂付近スペースがうまく空いてくれたので、のんびりランチをとったら下山開始。当初は浜立尾根を下るつもりでいたんですけど、登りのお花があまりに少なかったので、ズミ沢コースを下ることにしてさっそく下り始めたのですが

こちらも今や淋しい限り。下りはじめキンレイカとウスユキソウが一株ずつ。防火帯のヨツバヒヨドリが数を減らしているのはシカさんのせいかのか?刈り払いのせいなのか??一番目立ったのはイケマだけという有様。

B130723m
(ヨツバヒヨドリ)

B130723n
(スミ沢沿いは風が通って気持ちよかった)

それでも沢沿いの道は風が通って、まさに納涼ハイクと言うにふさわしい道のり。少ないながらも何とか残っていたレンゲショウマの蕾にちょっとだけ心を躍らせつつ、笹子駅を目指したのでした。
 
・・・・・☆
 
◆ 2013.07.20 (Sat)   曇 一時 雨
大月駅 08:40→ 間明野 09:00- 切目峠 09:20- 恵能野川の径路 09:25- 鞍吾山 10:00/10:10- 送電塔 10:40- 御正人ノタル 11:15/11:25- 滝子山 12:20/13:10- 道証地蔵 14:35- 笹子駅 15:25
 

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2013.07.10

暑そうなので小金沢連嶺へ転進・・・

B130710a
(狼平と小金沢山と富士)

やれやれ・・・天気を選んでいる自分も悪いんですけど、遠出の予定を組み始めるとなぜかヒマと天気とお仕事がシンクロしなくなるから不思議です(笑)。

ということで先週末(07/07)は一月ぶりの山行き。本当は日原あたりでもと思っていたのですが、あっけなく梅雨が明けてしまい、かなりの猛暑が予想されたのに怖じ気づいて、近場で少々高い小金沢連嶺の方に変更してしまいました。

B130710b
(日川尾根でガスが上がり南アはX)

しかし夏になっても上日川峠きのバスは大盛況で小屋平でもかなりの人が下車。今回はのんびりモードと決めていたので、そんな人たちを見送ってからスタートしました。

しかし天気が良いとこの道は本当に気持ちが良い。風が通っているのでなおさらそう思うし、石丸峠に出る手前でぱっと景色が広がるあたりは何度歩いてもちょっと感動的ですらあります。

B130710c
(レンゲツツジ・何とか間に合った)

いつものように天狗棚でメロンパンを食べたら、今回は南へ。ここまでの道中、サラサドウダンは終わっていたのでだめかな~??と思っていたレンゲツツジにはなんとか間に合いました。

しかも風が強いおかげなのか?周囲にツツジらしい香りを振りまいていたのも、爽やかさをより感じられて良かったですね。

B130710d
(ハクサンシャクナゲ・花は少ないが盛り)

B130710e
(ダケカンバの新緑が美しい)

小金沢山への道中もサラサドウダン、ウラジロヨウラクともほぼおしまいでしたが、ハクサンシャクナゲは花は少ないながらも盛り。それでもいつも見かけるより花数は多かったです。

しかし天気が良いと気持ちが本当に晴れ晴れとしますね。もうお花が少なくなったのはしょうがないけど、空は青くて緑は鮮やか。稜線上には涼しい風も通って、今回の所はこちらに変更して良かった。

B130710f
(ナナカマド)

B130710g
(賽の河原)

牛奥ノ雁ヶ原摺山はほぼ素通りして、今回は賽の河原で小休止。ここもお花がもう少しあるとより嬉しいけど(しつこいな)、鞍部と言うこともあって、強めの涼風が通り抜けるこの日一番の気持ちよいところ。

ただ草原が少々コンパクトな上にそのど真ん中に登山道が通っているので、のんびりするには人目が気になってしまうのが玉にきずでしょうか。ホント、こんな日はここでのんびり昼寝できたら最高なのに。

B130710h
(黒岳への道すがら)

B130710q
(ニシキウツギ・咲き始め)

賽の河原から黒岳に登り返して、オオイタヤメイゲツの林を抜けると、そこはもう白谷ノ丸の一角。

でも12時半を過ぎていたこともあってお腹が空きまくっていたので、まずはいつものランチ場へ直行して、ランチ&お昼寝。それから草原の散策を始めると

B130710i
(白谷ノ丸の一角)

B130710j
(ヤハズハハコ)

B130710k
(キンポウゲ・点々と咲いている)

草原のお花はまだこれからといった感じでキンポウゲにニガナ、シロバナニガナ、イワキンバイにヤハズハハコぐらい。とある一角になんとか残っていたヤナギランやグンナイフウロはとうとう絶えてしまったようです。

もちろんお花はこれから秋にかけてそれなりに増えていきますけど、近年歩いてない晩夏の頃はどんな感じになっているのかなぁ。。。

B130710l
(白谷ノ丸の草原・お花はこれから)

B130710m
(シロバナニガナ)

B130710n
(ヨツバヒヨドリ)

そんな草原の散策を一通り終えたら、下山開始。湯ノ沢峠からの南下も気になったのですが、峠より南は気温が一段上がるので、ランチの段階でもう放棄していました(笑)。

ということで湯ノ沢峠から焼山沢の道も改修に刈り払いが入って、ほぼ問題のないルート。このルートもバスのおかげで利用者がひところよりも増えている感じです。

B130710o
(焼山沢の道は改修された)

B130710p
(ミゾホオズキ)

登山口からの林道歩きはモミジイチゴを期待していたんですけど、少々遅かったでしょうか?あー。

でも思いっきり汗をかけたおかげで、自分自身真夏向けの体を作ることができて、猛暑続きの日々も難なく過ごせています。あとはタイミングと天気があって欲しいな(笑)。
 
・・・・・☆
 
◆ 2013.07.07 (Sun)   晴 時々 曇
甲斐大和駅 08:10→ 小屋平 08:46/09:00- 石丸峠 09:45- 小金沢山 10:40/10:50- 牛奥ノ雁ヶ原摺山 11:20- 黒岳 12:20- 白谷ノ丸 12:35/13:40- 湯ノ沢峠 14:10- 登山口 14:45- やまと天目山温泉 15:50


| | コメント (5) | トラックバック (0)

2013.05.18

阿寺沢の径路を探りつつ、大寺山・三ッ森へ

B130518a
(新緑の尾名手尾根)

GWの山行きが続いて更新が遅れましたが、ようやく先週末のお山です(汗)。先週末はあまり宜しくない予報が出ていたので、もうお休みしようかな~って思っていたらなんと日曜(05/12)は天気が回復してどうやらお山日和。

ということで行き先を何も考えていなかったので、急遽思いついたのが二月に歩いた阿寺沢右岸の中腹につけられていた径路のこと。これはちょうどいい機会なので辿ってみる事にしました。

B130518b
(チョウナ沢720m圏二俣・左俣出合の滝上部)

B130518c
(滝の下部はこんな感じ。滝上部の画像の右下角の石の奧を通って沢へ落ちる)

今は五月なので8時過ぎに飯尾行きのバスがあるのが良いですね。でも直前の電車で行っても座る場所を確保できたのには驚きました。阿寺沢入口でバスを降りたら、フジの花が見事な鶴川沿いを下って阿寺沢へ向かいます。

阿寺沢に出たら二月と同様に右岸の径路に入り、まずは中腹の径路の分岐である743m峰西鞍部を目指したのですが、チョウナ沢に出たところでやっぱり立派な左俣出合の滝を見たくなったので(笑)その滝を鑑賞してから(高さは10m弱といったところでしょうか)そのまま左岸の斜面に取り付いて、チョウナ沢左岸尾根上に延びる中腹の径路に這い上がってみました。

B130518d
(阿寺沢右岸の中腹道・東へトラバースしてみました)

径路を15分ほど登ったところで尾根上につけられた道が尾根を右へ外れると、じきに見覚えのある中腹の径路と合流。今回はもちろん左の方。東へトラバースをはじめます。

当初は植林の中延びていた道もチョウナ沢を越えると雑木林に変わって、でも道の状態はまだまだ良好で、これはなかなか良い道だなぁ・・・なんて思っていたら雑木林はそんなに長くは続きませんね。

B130518e
(こんなカラマツ植林の中を行く箇所もある)

それでも暗いスギヒノキの植林はわずかであとはカラマツの割合が多く、この辺りもカラマツの新緑に足下の緑がなかなか素敵で決して悪くない雰囲気。

そんな中をルンルン気分で行くと道は徐々に下り勾配に変わって、じきに「チョウナ沢の一つ東の沢の右岸尾根」に出ると、道は尾根を伝って急降下をはじめたので(下の径路との合流点も予測がついたので)ここで径路を辿るのを打ち切って、尾名手尾根を目指して右岸尾根をそのまま詰めてみました。

B130518f
(径路が本格的に下り始めたので、灌木煩い尾根を直登)

B130518g
(尾名手尾根に出ました)

さすがにカラマツ植林の中だとこの時期は灌木が茂ってかなり歩きづらくなっているのはしょうがないですね。しかも雨後という事もあってちょっと藪を漕いだだけで服はびっしょり。でも気温が高いおかげで服が濡れるのも実は結構気持ちの良いものなのです。ただ後で服が乾かないと生臭さが付きまとうのですが。。。(笑)

でもそんな藪も左手から植林尾根が合わさったのでそちらへ逃げて、ひと登りで尾名手尾根上に上がりました。

B130518h
(オオヤマザクラの花が至る所に落ちている)

B130518i
(麻生山・ひと月でここまで変わりました)

尾名手尾根に出ると尾根上の雑木林は新緑真っ盛り。日差しが入ると緑が一斉に輝く様子はあまりに素晴らしくて言葉が出ません。

お花こそチゴユリぐらいでしたが、オオヤマザクラの花びらが風に乗って吹ぶいている様子がこれまた風情があって、尾根歩きもルンルン。大寺山に出て、三ッ森へ向かってもそんな楽しい道のりが続いて、この辺りがこの日のハイライトでした。

B130518j
(三ッ森への道すがら・この辺りもすでに新緑)

B130518k
(トウゴクミツバツツジ・咲き始め)

天気が回復したので誰かいるだろうと思っていた三ッ森に誰もいなかったのは意外でしたが、↓↓この展望ではしょうがないかな?

山頂のまわりではトウゴクミツバツツジが咲き始め。そして足下にはツルキンバイの黄色が一際目立ちます。

B130518l
(三ッ森より)

B130518m
(イワカガミも咲き始めた)

さて三ッ森に着いたらどうしましょう。とはいっても中腹の径路を探ったのでもう一遊びする時間もなく、ここは久しぶりに鋸尾根を下るのが穏当な線。とはいえそれだと時間が余ってしまうので、どうしよう・・・と思ったのですが、

ここでハッと思いだしたのが麻生山にかけての岩稜にいる(アカバナヒメ)イワカガミのこと。時間もあるのでちょっと東へ行ってみると、おお!咲いてました咲いてました!花はちょうど咲き始めの感じで、春先は早めで推移していたお花の開花もここへ来て平年近く、とこなれてきましたね。

B130518n
(鋸尾根も新緑の道のり)

いやー良かった良かった。イワカガミのことを思い出して本当に良かった!先月こちらを歩いてなかったら完全に忘れていたことでしょう(笑)。そんな幸運に感謝しつつ、あとはこれまた新緑が素晴らしかった鋸尾根を辿って下山したのでした。
 
・・・・・☆
 
◆ 2013.05.12 (Sun)   曇 後 晴
上野原駅 08:08→ 阿寺沢入口 09:00- 阿寺沢の径路入口 09:15- チョウナ沢 10:00- 径路と合流 10:25- 11:25- 尾名手尾根に上がる 11:40- 1098m峰 12:10- 大寺山 12:40- 三ッ森 13:05/13:40- 登山口 14:50- 杉平入口 15:10
 
 

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2013.05.14

新緑の長峰をのんびり下る

B130514a
(白草ノ頭への下りしな・尾根はカラマツ植林と自然林に分かれている)

さてさて鹿留山の翌日(05/06)はお休みの予定だったんですけど、天気の良さに結局三連荘。直前まで行き先に悩んだ末、直近でリブルさんが歩かれていた長峰(ながね)を本当に久しぶりに歩いてきました。

ということで今年初めて上日川峠行きのバスに乗ったのですが、最近の栄和交通さまの甲斐大和駅での根城っぷりはすごいものがありますね。駅前にはバスが早々とスタンバイしてるし、タクシーも常駐している!GWということもあるのでしょうけど、バス運行以前では考えられない光景がそこには広がっていて、もはや別の駅みたい。

B130514b
(ををを・・・タクシー代が下がっとる!)

しかも今は臨時が定時の30分前に出るときもあるようなので思い切って427Mで甲斐大和に出たら、GWの最終日とあってハイカーがかなり少なく、臨時は出たものの実際はほとんど定時便。

でもそれは想定内のお話ですので問題はまったくありません。駅から40分ほどで標高1600mまで持ってってくれるのですから、なんの文句がありましょう(笑)。ひんやりとした空気が心地よい小屋平からまずは石丸峠へ向かいます。

B130514c
(石丸峠付近より)

さすがに5月とあって高い所のカラマツも芽吹きはじめ。急登をこなしてから石丸峠へトラバースする辺りはいつ歩いても気持ちの良い所ですね。でも富士は峠に近づくと消えてしまうので、長峰を下るこの日はこれが最初で最後の富士。

そして石丸峠に着いたらそのまま下るのではなく、やはり天狗棚には寄っておきましょう!ということで風が強いながらも、天狗棚でこれまたこの日最後になってしまう南アの展望を楽しんで、それから米代へ向かいました。

B130514d
(この径路が気になる・・・長峰の下りしな)

天狗棚から10分ほどで、今はなぜか(本当に!)道標のつけられている米代に出たら、そのまま直進するように長峰に入ります。

個人的に長峰を下るのはおおよそ17年ぶりのこと。近年の様子から予想はついていたものの、出だしからスズタケは薄く、本当に歩きやすくなりました。以前は藪は深かったものの、下道は比較的明瞭だったので尚更でしょう。

B130514e
(アセビは高い所でも花付き良好)

B130514f
(こんな黒木帯もくぐり抜けて)

長峰は米代から一気に1300mぐらいまで降りてしまうので、ひたすらに急降下が続くのが少々しんどい所。それでも藪が薄くなったおかげで、今は周囲をいろいろ観察できる余裕があります。途中で左へ分かれる明瞭な径路が気になったし、立派なミズナラもぼちぼち点在していたのも意外。

んが「甲斐の山山」で書かれていたイワカガミは見落としてましたー。(帰宅後確認したときに気がついて地団駄)

B130514g
(急降下を終えると、尾根南側はカラマツ植林に)

やがて枯れたスズタケの中に二又に分かれたミズナラの大木を見ると、そのすぐ下から尾根南側(右)がカラマツ植林、北側が伐採後放置されて荒れた二次林に変わって、尾根も徐々に緩んできました。

カラマツはちょうどこの辺りで新緑。広葉樹とは違った鮮やかな緑が空間を埋める、というか滲むように染まる様子が一際目を惹きます。

B130514h
(尾根北側は放置されて荒れ気味な二次林)

B130514i
(タチキランソウ)

こういう山をやる前はカラマツって新緑黄葉が美しいから、かなり好きな木だったんですけど、こういう山をやると自然とカラマツが嫌いになってくる(笑)。なんせ手入れが悪いと枝木が邪魔になる上に、明るいから灌木も蔓延る。しかもスズタケのと相性もバツグン!とまるで良いトコロがないのです(笑)。

でも当たり外れある黄葉と違って新緑はハズレなしな分だけ、カラマツ新緑の時期は長峰を歩く適期なのかもしれないなぁ、と思ってしまいました。

B130514j
(意外やミズナラの大木を多く見かけた)

B130514k
(1256m鞍部を過ぎると南側は自然林に)

そんなカラマツの好ましさもさることながら、もっと驚いたのが尾根北側の二次林が適度に育ったせいか、広い尾根上がえらくスッキリしていたこと。なので雰囲気的な贅沢さえ言わなければランチの適所はいくらでもあります。

そしてそれよりもっともっと驚いたのが1256m鞍部から尾根南側に現れた自然林のこと。もちろん執拗な伐採の影響か?樹勢こそ今ふたつなれど、ミズナラの大木が点在していて、これは素通りできません。

B130514l
(広尾根も灌木・スズタケが消えたおかげで楽に歩ける)

南側の自然林は白草ノ頭を過ぎてもまだまだ続くので、ここで一気にペースダウン。気になる木をバシャバシャ撮りまくっていたら、なんとこの時に単独のハイカーさんがやって来て、抜かれ(笑・ヤマレコでご活躍されているwestmalleさんでした!)、ふと気がつくと結構な時間になっていました。

これは上和田16時台発のバスを捉えるのに微妙な時間だったんですけど、ここで無理矢理バスの時間に合わせてもつまらない行程になってしまうので、もうバスの事は諦めて同じペースで歩くことに。

B130514m
(カネツケノ頭を過ぎた辺りだったと思う)

B130514n
(七本木山ノ神)

カネツケノ頭からひと下りすると北への捲き道の分岐に出ますが、今回の所はなおも尾根通し。下るにつれ徐々に植林の割合が増えてくるのはしょうがないところだけど、尾根が広いし、時折雑木林も交えるので決して悪い雰囲気ではありません。

まだ面倒見されていた(!)七本木山ノ神を過ぎると、そろそろ尾根末端も間近です。

B130514o
(この辺りが長峰殿とかトチ平と言われる辺りだろうか・・・)

長峰は基本的にどこも尾根が広いんで確定しづらいんですけど、970m圏峰から939.6m峰あたりの平坦なところが長峰殿(葛野川物語)とかトチ平(岩科本)と言われる所でしょうか。

そして三等点のある939.6m峰に着くと、長らく続いた緩やかな尾根歩きもお終い。もう深城も小金沢橋も撤去されたので南の八丁坂ではなく、北の拓道橋目指して急な枝尾根を駆け下ると15分ほどで拓道橋に出ました。

B130514p
(深城の辺りは新緑真っ盛り)

あとは国道を歩いて上和田を目指すだけ。今は亡き深城の辺りの新緑が最高潮でとにかく見事でした。バスの時間になんとか間に合いそうだったので、ゆっくり出来なかったのが心残りでしたが、おかげでバスの時間には間に合いました♪

でも上和田の16時台のバスは昔みたいに16:30ぐらいに繰り下げて欲しいです。そうなればこちらに限らず、周辺の山遊びの余裕ができて、本当に嬉しいんですけどねぇ。。。
 
・・・・・☆
  
◆ 2013.05.06 (Mon)   晴
小屋平 08:50- 石丸峠 09:35- 天狗棚 09:40/09:50- 米代 10:00-(途中休憩45分)- 1256m鞍部 12:45- 白草ノ頭 13:05- 七本木山ノ神 14:10- 939.6m峰 14:35- 拓道橋 14:55- 上和田 15:50
 

| | コメント (8) | トラックバック (0)

2013.05.08

宮地山からトズラ峠へ・新緑の尾根歩き

B130508a
(宮地山からセーメーバンへの道すがら)

5月に入っても妙に涼しく今ひとつ不安定な天気が続きますが、GW連休後半もそんな始まりでしたね。4日も前日同様に午後から不安定になる予報が出ており、一日歩くのはどうも気が向かない。そこで半日のショートコースとして長らくご無沙汰していた宮地山からセーメーバン、トズラ峠と続く尾根がハッと浮かんで、軽く歩いてきました。

この日は初めて大月営業所発、竹の向行きの一番バスを捕まえる為、電車で偶然会ったおしり道下大先生と一緒に猿橋駅から市営グランド前BSまでてくてく。当初は時刻表を見る限り余裕がないのでは?と思っていた道のりも、実際には10分ほどで着いた上に、バスの発時刻が06:50だったこともあって、結果としてはかなり余裕があったとわかったのは大収穫でした。

B130508b
(道は至って明瞭)

なぜか前のバス停で降りた大先生を横目に、次の奈良子入口でバスを降りたら、まずは取付がある林の薬師堂を目指します。好天と相まって朝の車道歩きはとにかく爽快。ここでもフジの咲きっぷりがとにかく見事で道中楽しませてくれます。

歩き出しから20分ほどで薬師堂に着いたのですが、あれれ?尾根末端に明らかな取付があるのに道標が見あたりません。ここは13年ぶりだけど、宮地山へは今は整備された登山道が通っているはず。とはいえこれ以上探すのも面倒なので、ここから取り付いちゃいました。

B130508c
(ヤマツツジは花付きも良好のよう)

B130508d
(宮地山山頂)

登りだしこそ若干歩きづらかったものの、じきに歩きやすくなり後はせっせと登るだけ。この登りも想像以上に雑木が多かったし、なによりヤマツツジの花付きの良さが嬉しいですね。コレまでのツツジは花付きが宜しくなかったので。

急登をこなしてこなして、なぜか脇にサラブレッドの置物が置かれている山ノ神の石碑を見ると、そこは宮地山の東隣のピーク。ここから尾根が緩くなって、芽吹きの始まった美しい雑木林を行くようになります。

B130508e
(宮地山からセーメーバンへの道すがら・Part2)

B130508f
(大垈山との分岐点附近は伐採されていた)

宮地山を過ぎ、ショウジ峠附近からは植林混じりになるものの、それもそう長くは続かず、再び雑木林に変わった辺りがこの日のハイライト。道をそのまま追っても良いけど、広尾根の中を好きなように歩けるのが楽しいですね。

そして尾根右側が伐採後の幼木帯に変わると、ひと登りで大垈(ぬた)山との分岐に到着。今回は大垈山へは寄らずそのままセーメーバンへ向かいます。

B130508g
(ウリカエデ)

B130508h
(宮地山からセーメーバンへの道すがら・Part3)

大垈山分岐までの道のりも楽しかったけど、セーメーバンへの道のりも標高を一段下げるせいか、雑木林の新緑が進んでこちらもなかなか素敵な道のり。

セーメーバンを過ぎてもしばらくはそんな道のりを楽しめましたが、徐々に植林が増えてくるのはしょうがないですね。

B130508i
(桜沢峠への下りしなだったと思う)

B130508j
(滝子山がチラッと見えた)

それでも高ノ丸を越える辺りは再び雑木林が復活して、そこはまさに新緑のトンネルの中を歩くような感じでした。そして下りきった鞍部が車道の通るトズラ峠(ツヅラ峠)。

ほんとうは稚児落としまでは行くつもりだったんですけど、周囲は曇って急に風も吹いてきたし、ここから日影へ下れば大月駅行きのバスに間に合いそうなこともあって、今回はここで打ち切り。さっそく東の日影へ降りる為に、峠道を探したのですが、

B130508k
(トズラ峠道・基本的には明瞭だが歩きづらい)

やはりというかサッパリわかりませんね(笑)。しょうがないので倒木を乗り越えつつ、地形図通りに左岸側のそれらしき所を行き、やがて現れる左岸側の沢をトラバると、なんとその先から明瞭な道形が現れました。

こうなればあとはその道形を追うだけでしたが、地形図と違って道はずっと左岸側に付いており、じきに畑を通り過ぎて日影の集落に出ました。でも最初にまごついた分、日影のバス停に着いたのはちょうどバスの発車時刻。危なかった~。道探しより、バスの時間に間に合わす方がスリリングでしたね、今回は(笑)。
  
・・・・・☆
  
◆ 2013.05.04 (Sat)   快晴
猿橋駅 06:35- 市営グランド前06:45/06:50→ 奈良子入口 07:05- 薬師堂 07:25- 715m峰 08:05- 宮地山 09:20- ショウジ峠 09:35- 大垈山分岐 10:15- セーメーバン 10:50- サクラ沢峠 11:20- トズラ峠 11:45- 日影 12:10
 

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2013.04.24

オクリ沢から麻生沢へ・新緑の雑木林を愛でる

B130424a
(芽吹き始まる、オクリ沢670m圏二俣中間尾根を行く)

先の週末は天気が今ひとつでしたね。でもでも新緑の季節は変化が激しいので一週たりともお休みしたくない!ので土曜(04/20)にちょっと早出で権現山稜界隈の未踏の尾根歩き。

ということで今回は浅川から龍滝沢右岸尾根とオクノ沢ノ嶺南尾根(オクリ沢右岸尾根)の間の尾根であるオクリ沢670m圏二俣中間尾根を登路にとって権現尾根に上がり麻生山へ。それから二年ぶりに麻生沢をそのまま下るコースを組んで、のんびり歩いてきました。

B130424b
(オクリ沢・少々荒れている印象)

この日は夕方から雨という予報がでていて、普段利用している浅川行きのバスで動き出したのでは少々遅い感じ。なので今回は珍しく大月駅からタクシー利用(¥3770)での歩き出し。まずはオクノ沢ノ嶺南尾根に取り付きます。

尾根を少し登るとじきに右に明瞭な道が分かれるのですが、これは初訪の折りから密かに目的の尾根方面へ行けるのでは?と踏んでいた道。さっそく辿ってみると最初こそ歩きやすかったものの、すぐに灌木茂る中トラバースするようになり、道もあっという間に不明瞭に。

B130424c
(対岸の尾根の山肌も良い感じ)

これならさっさとオクリ沢に降りて歩いた方が良さそうだったので、沢に降りて水線沿いに歩くと間もなく明瞭な二俣に出て、これが目的の尾根の末端でもある670m圏の二俣。少し休んでからさっそく中間の尾根に取り付きました。

のっけは植林下の暗い尾根。それでも足下のヒトリシズカが気分を和ませてくれます。尾根は地形図通りに痩せていて、両側の沢が緩むと水線が見えたり滝が見えたり、畑なのか炭焼なのかな石垣が見えたりと、少々独特な雰囲気なのが印象的。

B130424d
(まだ晴れ間があったのはラッキーでした)

B130424e
(この辺りまで来ると芽吹きは中低木がメイン)

そして植林を意外に早く抜けたのはちょっとしたオドロキで、ここから先は芽吹きの始まった雑木林を愛でる尾根歩きのはじまり。尾根上の木々芽吹きも、対岸の柔らかな山肌もそこにいるだけで、見てるだけでわくわくして元気が出てきます。

それにすぐに曇るかと思っていたのに、この辺りでもまだ晴れていたのはラッキーでした。日差しがあると緑の輝きが違いますから。

B130424f
(アケボノスミレ)

B130424g
(中間尾根上部は露岩混じりの急登が続く)

植林を抜けたあとは地形図通りの緩やかな尾根歩きが続いたものの、徐々に尾根が傾斜を増していくと、両隣の尾根と同様に露岩が現れて、そんな岩を捲いたり直登したりするようになってきました。

お花は終わりかけのミツバツツジぐらいと思っていたら、上がって行くうちに日当たりの良い所ではスミレもぼちぼち見られましけど、基本的には少ないですね。

B130424h
(フモトスミレ)

B130424i
(フタバアオイも咲き始めた)

相変わらず続く露岩混じりの急登をこなしてこなして、ようやく権現尾根上に飛び出すと、意外やここからがお花のはじまりで、飛び出したピークではフモトスミレがいっぱい。

そんなピークでスミレの撮影を兼ねて少し休んでから稜線を西へ向かうとエイザンスミレにアケボノスミレ、タチツボスミレ。灌木に埋もれた北面にはフタバアオイにシコクスミレ。そして何より驚いたのがまだ蕾は小さかったもののルイヨウボタンの多さで、5月に入ってからも楽しみがありそうです。

B130424j
(稜線は中低木とカラマツが芽吹きはじめ)

そしてオクノ沢ノ嶺の辺りでは盛りやや過ぎなマメザクラがまだまだ頑張っていて目を楽しませてくれるし、ミツバツツジはこの辺りだとちょうど良い塩梅だし、カラマツ植林の芽吹きも素敵で、稜線歩きもなかなか楽しいです。

ただこの辺りから徐々に曇って暗くなってくると、風がそこそこ吹いていたこともあって、ちょっと寒くなってきました。

B130424k
(エイザンスミレ)

しかも気温は午後にかけて徐々に低下していたようで、ランチをとった後にはぱらぱらと雪が。。。実は今回このことを見越して真冬に近い格好にしたんですけど、結果として大正解だったようです。

それにつけても麻生山周辺の北面は熊棚が多いですねー(笑)。クリが多いせいでしょうか??あとピンクの濃いヤマザクラ・・・近づけなかったので確認できませんでしたけど、おそらくオオヤマザクラの意外な多さも今回の収穫でした。

B130424l
(ヒカゲツツジ・三ッ森周辺でなんと満開!花付きも良好)

そんな季節外れの寒い思いをしたので??ちょこっと見られればイイや、と思っていたヒカゲツツジが三ッ森周辺で満開だったのにはビックリするやら嬉しいやら。

花付きも良好でなかなか見事でしたが、このぶんだと坪山の方は盛りを過ぎたようですね。もしかしてあちらはイワカガミがもう咲きだしてるとか!?

B130424m
(麻生沢右俣左俣中間尾根中腹の緩斜面)

思いがけずヒカゲツツジを楽しめたので、三ッ森へは寄らずそのまま下山する事にして、麻生沢の右俣と左俣の中間尾根を下ると、こちらも上部の岩稜帯のヒカゲツツジがとにかく見事。ここも盛りにはこれだけ咲くのか!

この尾根を下るときはいつも坪山でも早めの時期に歩いているから、数輪咲いていれば充分という感覚だったので、これはかなり嬉しい光景。おかげで今年のヒカゲさんはもう充分楽しめた感じです。

B130424n
(麻生沢の二俣)

中間尾根をゆるゆる下ってやっとこ麻生沢の二俣に降り立ったら、もう周囲は新緑。下りしなは雪だった天気も、ここではとうとう雨に変わっていましたけど、雨に濡れると緑がより鮮やかに映えて、いいですね。日差しがなくても素晴らしい。

そして周囲が新緑だったので二俣の例の大木、何の木か調べてみたんですけど、う~ん葉っぱが小さくてイマイチわかりません。おそらくサワシバ、クマシデ、チドリノキのいずれかかと思われますが、チドリノキの大木なんてあまり聞いたことないぞ。まぁ普段から木にじゃなくて気にしてないだけかも知れないけど。

B130424o
(麻生沢・新緑が殊の外美しい)

B130424p
(林道に馬頭さまがいらっしゃったとは!)

麻生沢ではとうとう雨中の下山となってしまいましたが、新緑が本当に鮮やかで、うっとりしてしまうような道のり。もう少し早い時期と比べるとお花は少なくなっているけど、「歩く楽しさ」はこのぐらいの時期の方が上なような気がするなぁ、と思いつつ、麓の駒宮を目指したのでした。
  
・・・・・☆
 
◆ 2013.04.20 (Sat)   曇 後 雨
浅川 06:55- オクリ沢m圏二俣 07:15/07:30- 稜線に出る 09:40-(途中休憩70分)- 麻生山 12:40- 麻生沢の二俣 14:20/14:45- 林道終点 16:00- 富岡BS 16:45
 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013.02.17

阿寺沢の径路を大回りしつつ、なんとか辿る

B130217a
(阿寺沢径路の山ノ神)

さてさて連休の山行き第二弾は翌月曜日(02/11)。植林の多さに長年食指の動かなかった阿寺沢の径路をようやく歩いてきましたーと、とりあえず申し上げておきます(笑)。

ヒカゲツツジの花期以外で上野原駅から飯尾行きのバスに乗ったのって、果たして何年ぶりでしょうか・・・。連休中にもかかわらず乗客はバスはまばらで、というかこちら方面の冬はまぁこれぐらいがデフォルトでしょう。

B130217b
(径路自体は明瞭)

そんな訳で阿寺沢入口でバスを降りたらひとり旅は決定で、先ずは阿寺沢へとことこひと下り。あとは松浦本の通りに集落に入ってしばらく行った所の橋を渡ると、自然と径路に入る形になりました。

径路は雪に埋もれたところもあったりしましたが、道筋自体は明瞭。ほぼ植林の中、順調に奥へ奥へと進めます。

B130217c
(チョウナ沢にあった看板・実はこの右手に径路が延びていたのだが・・・)

しばらく行くと今までで一番水流のあったチョウナ沢に降り立った所で、なぜかこれを「阿寺沢と思い込んだ」上に、ここで道を失ってしばらく周囲を右往左往。でも道が見つかりません。。。

しょうがないので少し沢を遡ると・・・

B130217d
(チョウナ沢720m圏二俣・左俣の立派な滝)

すぐ上で両側共に滝の掛かる二俣(実はチョウナ沢の720m圏二俣)に出てビックリ。

特に↑↑左の滝は見事で、阿寺沢にもこんな滝があったのかー!と勝手に感動しつつ(笑)、本谷っぽかったベルグラの張りつく右の滝をビブラムで無理矢理登ってしばらく行くと、あれれ??これは方向がちょっとおかしいゾ

B130217e
(しょうがないのでチョウナ沢を遡ります)

と言う事に気がついて、ここでようやく地図とコンパスを出し、川下の景色と記憶を頼りに現在地を確認すると、ここでチョウナ沢を歩いていることがわかって・・・愕然。

ならばそのまま戻るのが一番いいのですが、丸腰の身でさきほどの氷った滝を下るのはちょっと危険な作業。高捲いて下るにしても左俣はもっと高い滝だし、右斜面も行けないことはないけど、斜面が急で登る気が起きません。

B130217f
(明瞭な径路に惹かれてを西へトラバースすると・・・)

なので、もうそのままチョウナ沢を詰めて尾名手尾根に上がったら後のことは考えよう、とチョウナ沢を詰めていくと、こちらは滝はぼちぼちあるし、意外に明るいし、雪のお陰もあるのかも知れないけどなかなかいい雰囲気。

そんな雰囲気に沢を詰め切るつもりでいたら、おそらく1050m前後だと思うんですけど、登山道と見まごうばかりの明瞭な道が沢を横切っていて(!)気がついたらその道を西へ辿っていました(笑)。

B130217g
(1207m峰北尾根の「西隣」の尾根を下って・・・)

道はチョウナ沢左岸尾根に上がった所で下へ下る道を分け、なおもトラバースして1207m峰北尾根を越え、その西隣の1170m圏峰北東尾根に上がると、なおもトラバースする方向にも踏み跡らしきものが延びてはいるものの、明瞭な道はここでその北東尾根上をに下りだし、あとは阿寺沢へ向け急降下。

そして雪に滑りながらも20分程下ると、↓↓ここで阿寺沢の径路と合流しました。

B130217h
(ここで阿寺沢の径路と合流しました)

ここで再び地図を広げると、道を失ったチョウナ沢までさほどの距離がないようなので、とりあえず径路を東へ戻ります(笑)

しばらく行くと出た「一升瓶のコル」と云いたくなるような743m峰西鞍部では尾根伝いに明瞭な道が分かれていました。おそらく先ほどの水平道の分岐から下ってきた道でしょう。ここまで歩いてみても阿寺沢の径路は植林が多く、正直う~んって感じでしたが、この水平道のおかげで今後の楽しみができました。

B130217i
(一升瓶が転がる743m峰西鞍部)

その一升瓶のコルからひと下りすると朝来たチョウナ沢に到着。先ほど降りた所から20分ほどでしょうか。しかも行きがけにわざわざカメラに収めた看板の右脇へ降りてきたのでした(汗)。

ただチョウナ沢は日陰になっていたので、一升瓶のコルへ戻って軽くランチをとり、ここからマヌケにも再スタート(笑)さっき来た道を西へ戻ります。

B130217j
(水線を行きたいが倒木に阻まれ)

先ほど降りてきたところから先を行くと、阿寺沢が徐々に近づいてきて、じきに水線に近い所をいくようになります。

この辺りから道は対岸の左岸側を行く所もあり、その道を見逃さなかったおかげで山ノ神にもなんとか逢えました。ただこの辺りまで来ると、径路を捜すよりも水線を行った方が遙かに楽・・・と思ったら今度は累累と重なる倒木に邪魔される始末。(-"-;)

B130217k
(阿寺沢880m圏二俣・ここで正面の尾根を上がった)

周囲は相変わらず暗い植林の中だし、でも今回は雪化粧されたおかげでそれなりに趣があったように思うので、このルートは案外今の時期が適期なのかも知れません(笑)。

RFがあまりできない人でも860m圏の三俣はおそらく現在地を確認できるポイントになるでしょう。そしてその三俣の先の880m二俣に出た所で個人的にはもうお腹いっぱい。パンパンですよ(笑)。なので径路を辿るのはここまでにして中間の尾根に取り付きました。

B130217l
(この明るさが未だになじめない西原峠みち)

急な尾根を15分ほど登るとちょうど坪山の分岐で林道に飛び出し、そこから南へゆるく下るとようやく西原峠に到着。結果として「ものすごい寄り道」をしてしまったので、帰りのバスの事を考えると残された選択肢は西原峠みちを下ることしかありません。

ということでその西原峠みち。伐採後はもちろん初めてで、おおよそ7年ぶりでした。伐採されて明るくなった上部は別の所を歩いているようでしたが、その伐採跡を抜けると以前の記憶がよみがえってくる感じ。

B130217m
(伐採跡を過ぎればこんな雑木林も交える)

B130217n
(たいへんご無沙汰しておりました)

道は相変わらずしっかりしており、ここはいつ歩いてもほんとうに歩きやすい道だと思います。ただ麓近くで道が崩れて無くなりかけてた箇所が少々あったのが、今後気がかりといえば気がかり。

そして↑↑の「是より、右は さいはら、左は ちちぶ こすげ」と刻まれた石標にも久しぶりに再会。一軒家にもまだ住人さんがいらっしゃるようで、そんなことにホッとしつつ小寺のバス停へ向かったのでした。
 
・・・・・☆
 
◆ 2013.02.11 (Mon)   晴
上野原駅 08:28→ 阿寺沢入口 09:20- 阿寺沢の径路入口 09:35- チョウナ沢 10:20- 径路を見つける 11:45- 阿寺沢の径路と合流 12:40- チョウナ沢 13:00/13:10- 山ノ神 13:55- 880m圏二俣 14:25- 西原峠 14:50- 小寺BS 15:40
 

| | コメント (6) | トラックバック (0)

その他のカテゴリー

◆ カテゴリーのご案内 【その他の山域 2004・2005】 【その他の山域 2006】 【その他の山域 2007】 【その他の山域 2008】 【その他の山域 2009】 【その他の山域 2010】 【その他の山域 2011・2012】 【その他の山域 2013】 【その他の山域】 【前道志・道志・丹沢 2004】 【前道志・道志・丹沢 2005】 【前道志・道志・丹沢 2006】 【前道志・道志・丹沢 2007】 【前道志・道志・丹沢 2008】 【前道志・道志・丹沢 2009】 【前道志・道志・丹沢 2010】 【前道志・道志・丹沢 2011】 【前道志・道志・丹沢 2012】 【前道志・道志・丹沢 2013】 【前道志・道志・丹沢】 【大菩薩・権現山稜 2004】 【大菩薩・権現山稜 2005】 【大菩薩・権現山稜 2006】 【大菩薩・権現山稜 2007】 【大菩薩・権現山稜 2008】 【大菩薩・権現山稜 2009】 【大菩薩・権現山稜 2010】 【大菩薩・権現山稜 2011】 【大菩薩・権現山稜 2012】 【大菩薩・権現山稜 2013】 【大菩薩・権現山稜】 【奥多摩 2004】 【奥多摩 2005】 【奥多摩 2006】 【奥多摩 2007】 【奥多摩 2008】 【奥多摩 2009】 【奥多摩 2010】 【奥多摩 2011】 【奥多摩 2012】 【奥多摩 2013】 【奥多摩】 【奥秩父・秩父・奥武蔵 2004】 【奥秩父・秩父・奥武蔵 2005】 【奥秩父・秩父・奥武蔵 2006】 【奥秩父・秩父・奥武蔵 2007】 【奥秩父・秩父・奥武蔵 2008】 【奥秩父・秩父・奥武蔵 2009】 【奥秩父・秩父・奥武蔵 2010】 【奥秩父・秩父・奥武蔵 2011】 【奥秩父・秩父・奥武蔵 2012】 【奥秩父・秩父・奥武蔵 2013】 【奥秩父・秩父・奥武蔵】 【御坂・天子・富士 2004】 【御坂・天子・富士 2005】 【御坂・天子・富士 2006】 【御坂・天子・富士 2007】 【御坂・天子・富士 2008】 【御坂・天子・富士 2009】 【御坂・天子・富士 2010】 【御坂・天子・富士 2011】 【御坂・天子・富士 2012】 【御坂・天子・富士 2013】 【御坂・天子・富士】 つれづれ つれづれ 2004・2005 つれづれ 2006・2007 つれづれ 2008・2009