2013.12.24

菜畑山東尾根から櫓沢を半分だけ繞る

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(菜畑山東尾根のひとコマ)

せっかく天気の良い週末が続いたの言うのに多忙が続いて・・・ようやく山歩きができるようになったと思ったら、いきなり雪が降ってしまいました(笑)。

ということで先週(12/21)は世附のつもりも降雪直後とあって西沢林道に入れず、すぐに歩きだせる道志へ転進。10年ぶりとなる菜畑山(なばたけうら)を東尾根から登り、あとはブドウ沢ノ頭~本坂峠と主稜を辿って本坂峠みちを下るという、櫓沢(やぐらさわ・ヤツグラ沢)を半分だけ繞るショートコースを組んで歩いてきました。

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(降雪直後で戸渡の様子も一変)

道志への車中は最初こそ雪なんて見当たらない状態でしたが、西野々を過ぎると道脇に雪が現れはじめ、月夜野から道志に入る辺りから周囲は雪景色となって、それはそれは見事な光景でしたけど、西沢林道が冒頭の通りだったので、引き返して今回は道志村役場からのスタート。

なので結果遅い歩き出しになったにもかかわらず、麓の戸渡の辺りはまだ↑↑こんな感じで本当に見事でしたけど、お山の方を見るとすでにあらかた溶けていたのは残念。でもこの時間でそれを望むのは贅沢というモノですね。

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(送電線巡視路から東尾根に取り付いた)

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(中腹には痩せ尾根もある)

のっけから櫓沢沿いの林道を捉え損ねて少々ロスしてしまいましたが、無事に送電線巡視路の入口を見つけたら、さっそく入山。雪がうっすら積もった巡視路を辿っていくと、ひと登りぐらいで菜畑山の東尾根を乗り越すので、そこから尾根伝いの登りに切り替える段取り。

東尾根は最初こそ急なものの、尾根上に枯れたアカマツの大木が現れると地形図通りの緩やかな登りに変わって、あとは新雪を分けながらせっせと登っていきます。

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(梢越しに道志主稜を望む)

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(菜畑山東尾根上部・積雪は10~20cmほど)

しばらくは左手に植林が絡みますが、それが切れると全面雑木林に変わってここからが東尾根のハイライト。雪は多くて20cm程とほどよく歩きやすいし、天気が良いから梢越しの展望も良好です。

地形図を見る限り広尾根が続くのかと思っていたら、途中ではちょっとした痩せ尾根も介したりして、それも良いアクセント。そんな様子にこんな気持ちの良い歩きがまだまだ続いてくれたらいいなあ、と思いつつ歩いていると、行く先がスッキリしてきて、あっけなく菜畑山の山頂に飛び出してしまいました。

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(菜畑山より)

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(アミハリへの下りしなより菜畑山頂を振り返る)

山頂には先客さんがいらっしゃいましたが、じきに下山してくれたのでボロくなった東屋?を使えたのはラッキーでした。

雪のない場所を確保できたら、あとは周囲の展望を楽しみつつのんびりランチ。風がないのもラッキーで、そんな心地よさに珍しくかなり長居をしてしまいました(笑)。

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(アミハリへの下りしな・積雪は同じく10~20cmほど)

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(おそらくオヤマボクチかと・・・)

登りが思いの外時間がかかったのと、山頂での長居のおかげで朝日山までは・・・の予定もそれでは日が暮れてしまうので、この時点で稜線歩きは本坂峠までが決定。実は道志主稜のブドウ沢ノ頭と高丸の間が個人的に未踏だったので、ぜひとも歩きたかったんですけど、また機会を見つけて歩きましょうか(笑)。

休憩を切り上げて北の稜線を下り始めると、予想はしていましたけど、こちらは嬉しいことにトレースなし。積雪も東尾根と同じく多くて20cmとスノーハイクにはほどよい感じで、道中は雑木林も多く、こちらも楽しい道のり。

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(本坂峠<道志口峠>この辺りが一番雪が深かった)

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(本坂峠道のひとコマ)

ブドウ沢ノ頭への登りが少々しんどかったものの、距離としては知れたもの。結局未踏区間を歩けたのはブドウ沢ノ頭から本坂峠までの短い間でした(笑)。

ということで戸渡へ下る本坂峠みちはもちろんはじめての道。以前は荒れていたそうですが、近年はじまった道志のトレラン大会のコースになったおかげで、今は整備されているらしいとのこと。当然去年のエアリアも赤実線の道。

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(大室山は一時的に大荒れ?だったかも??)

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(櫓沢<ヤツグラ沢>に沿う箇所は短いが風情がある)

さっそく下り始めると道標こそ少なめかな?という気はしますが、道は細いながらもしっかり延びていて間違えようのない道になっています。道は沢に沿って延びているのかと思ったら、時折トラバースを交えるものの基本は尾根道といったところでしょうか。

それでも区間としては短かったものの櫓沢に沿っている箇所が雰囲気もよろしく、そこが本坂峠みちのハイライトでもありました。ただ積雪がある時にあの踏板の少ない桟道は結構恐怖で、まあ歩く人は少ないでしょうけど(笑)歩く際はくれぐれも踏み抜きには注意された方が宜しいかと思います。

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(こんな滝もあった)

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(土曜の月夜野07:50発 長又行きは年末年始も運行します!!)

そんな沢沿いの道から再び尾根に戻るも、ひと下りで林道終点に出て桟道はここでおしまい。あとは妙に立派な別荘?見たりしながら、駐車場所である村役場を目指したのでした。

あっ、あと戸渡のバス停に年末年始ダイヤの掲示があって、やはりというか基本は運休のようですが(笑)土曜の月夜野07:50発 長又行きバスは12/28も翌01/04も運行するそうです!この日は乗客0のよう?だった??ので乗れる人はぜひぜひ乗りましょう(笑)。
  
・・・・・☆
 
◆ 2013.12.21 (Sat)   晴 一時 曇
道志村役場 08:15- 巡視路取付 09:00/09:10- 931m峰 10:10- 菜畑山 11:45/13:15- アミハリ 13:45- ブドウ沢ノ頭 14:45- 本坂峠 15:00- 林道終点 16:00- 道志村役場 16:40
 

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2013.12.09

西丹沢登山詳細図の英断

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吉備人出版刊  ISBN-13: 978-4860693787  ¥899

近年話題になっている吉備人出版の登山地図シリーズって、本屋さんで中身を確認してみても個人的に必要性をまったく感じなかったので、正直今まではほとんど気にもしていなかったのですが、今回新たに発売された西丹沢の地図は中身を確認したところ・・・即購入してしまいました(笑)。

その理由はこの地図が河内川上流の玄倉中川世附川流域の山、世間的に「西丹沢」と謂われる山域の山名沢名などの地名が名称図(西丹沢頂稜河川土地名称図)に準じていることの一点。その一点だけで「買い」だと言い切っちゃいます!

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(西丹沢頂稜河川土地名称図の一部・クリックすると大きい画像に)

世附の山を歩いているとよくわかるようになってくるんですけど、昔からこの山域の決して多いとはいえない本やガイド、登山地図などの地名の表記があまりに曖昧で、それは同時にこの山域が山歩きとしては味噌カス・・・要は対象外と言っているようなもので(だからこそ歩き甲斐があるともいえる)ほとほと困っていたのですが、そのときに出会ったのが↑↑この名称図。

名称図をはじめて目にした時は本当に衝撃で、同時にその仕事ぶりにただただ驚嘆したことを覚えています。なので「花のひかり」では従来名称との併記という形をとっていますけど、心情的には確実に名称図寄りだったので、とうとうこういうのが世に出たのか!という思いです。

ということで資料としては既に一級品。去年発売された東丹沢の地図の玄倉側も名称図表記にしてくれたら当然買わせていただきますよ(笑)。登山地図本来の仕事とはまったく別の所で勝手に評価して少々申し訳ない気持ちもありますけど、あとは載っているバリエーションのコースにマーキングがベタベタつけられる惨劇が起きないことを祈るのみ。マジメな話、登山者が山に残すのは足跡だけにしましょうよ、ほんとうに!
 

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2013.12.05

菰釣山~地蔵平~屏風岩山をゆるゆる歩く

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(世附のブナ林にはスズタケが良く似合う)

さてさて更新が遅れましたが、先の週末は3月以来となる世附(世附川流域)の山入り。今回はシーズンはじめに世附の現状確認と言うことで、菰釣山シキリ尾根~シキリ沢右岸尾根~地蔵平~屏風岩山西尾根というkomadoが「世附のゴールデンルート」と呼んでいるコースを寄り道しつつゆるゆる歩いてきました。

ということで今回も相模湖からバスを乗り継いで道志・下善の木に出てからのスタート。月夜野行きのバスはそこそこ埋まってましたけど、長又行きの方は私を含めて僅か三名。まぁこのくらいが通常でしょうか(笑)。

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(ブナ沢の登山道は改修された)

道志の奥の方は標高が高いので朝は8:30くらいでもかなり寒いのですが、この日は意外に暖かい感じ。天気は良いし富士もクッキリ。おかげで気分良く歩き出せます。

秋の台風以降、少々気になっていた西沢林道は通行に問題なし(車も)。そして今回驚いたのがブナ沢の登山道が改修されていたことで、道標こそないもののブナ沢の脇から入れるようになったし、貧弱ながら木橋もかけられて面目を一新。ただこれも大雨でも降ればまた変わってしまうのでしょうけど。。。

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(甲相国境稜線を行きます)

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(菰釣山より)

そんな様子に驚きつつブナ沢乗越に上がったら、朝日を浴びるブナが美しい道のりをひとがんばりで菰釣山に到着。この日はさすがに展望よろしく、南側には海が輝いて、富士の脇には南ア南部の稜線。そして御正体の脇には八ヶ岳もクッキリ見えて、もうすっかり冬ですねえ。

そんな展望を楽しみつつメロンパンを食べたら、来た道を引き返しシキリ尾根に入ります。

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(シキリ尾根のひとコマ・Part2)

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(シキリ尾根のひとコマ・Part3)

前の記事でも書いた通り、近年世附のブナも明らかに樹勢が落ちて立ち枯れがぼちぼち目立ってきましたけど、それでもこの尾根のブナ林はやはり出色の素晴らしさ。

特に上部は尾根上だけでなく尾根の右も左も立派なブナが広がっていて、そんな光景を目にしてしまうと、やっぱり歩くペースは自然と落ちるし、尾根のスズタケも枯れてきているので、障害なしにあちこち移動できるようになったのは、果たして良いことなのか悪いことなのか(笑)

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(シキリ尾根のひとコマ・Part4)

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(5m超のモミの大木も健在)

そんな訳で尾根上部のRFさえ間違えなければスズタケはかぶるものの、今となっては比較的歩きやすくなって、周囲に立派なモミを見るようになるとまもなく1000m圏のシキリ沢源頭ピークに到着。

シキリ尾根はそのまま直進なのですが、その先はほぼ植林になってしまうので、今回ももちろん右のシキリ沢右岸尾根の方を下ります。

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(シキリ沢右岸尾根も楽しい)

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(モミとアカガシの区間もある)

今回時間をかけて下ったのが何を隠そうこちらの尾根。まぁこちらもスズタケが枯れたおかげなんですけど、こう自由に歩けるようになるといろいろな発見があって、あれもこれも・・・と(笑)。

そんな様子にもういっそのこと、この尾根とイデン沢(菰釣沢)の間を行ったり来たりしたくもなったのですが、今回の所はこれでも我慢してすうっとなでる程度に下ったのでした。

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(忍橋)

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(イロハモミジ・最後の輝き)

シキリ沢右岸尾根の末端部は植林帯なので、その手前辺りから適当に富士見林道に降りて、とりあえずイデン沢にかかる忍橋に挨拶。それからランチ場を探しつつ地蔵平方面へ少し下ると良い場所があったのでそこでランチとなりました。そこって思いっきり林道上なんですけどね(笑)。

でも富士見林道はせっかく長い時間かけて改修したのに、その直後にあの台風とは・・・何とも不運でした。今は落葉が積もりまくっているだけでなく、何かの草がボウボウ生えているところや、ミツマタが育っているところもあって、思わず笑ってしまいました。

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(林道のど真ん中にミツマタが!笑)

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(この日の地蔵平)

ということで富士見林道の方は白水沢橋手前のデブリと、イデン沢出合附近の路肩の欠損が相変わらずそのままの状態。ここを車が通れるようになるのはまだまだ先のことなのでしょうかねえ。まぁ個人的には通れない方が安心安全に山遊びができるので却って好都合なのですが(笑)。

地蔵平に着いたらお地蔵様に手を合わせて、今度は屏風岩山西尾根に取り付きます。

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(菰釣山とシキリ尾根を振り返る)

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(屏風岩山西尾根のひとコマ・Part1)

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(屏風岩山西尾根のひとコマ・Part2)

シキリ尾根のブナ林はもちろん素晴らしいけど、西尾根の二次林の中にブナ大木がぽつぽつ混じる様子も、これはこれで捨てがたい素敵な光景です。

とにかく低いところからブナの大木が見られるのが、ここに限らず丹沢の凄いところで、尾根上のスズタケが消滅間近なこともあって、やはりあっちへうろうろこっちへうろうろ。でもあんまりのんびりしてるとこの日で最後となる16時台のバスを逃してしまうので、ほどほどにほどほどに。。。

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(屏風岩山西尾根のひとコマ・Part3)

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(屏風岩山山頂)

尾根上部に来る頃には日も傾きはじめて、屏風岩山の山頂に着くともう日陰も多くて休む気にもなれない感じ。まぁ西尾根の登りがのんびりすぎたのでそこで休んだものでしょう(笑)。あとはそのまま東尾根を下って大滝橋へ向かったのでした。

さて、今シーズンの世附の様子は想像したよりもそのまま、って感じで山遊びをする身にとっては少々ホッとしたというのが正直なところです。とりあえずこの秋の台風の影響は少ないようですし、今まで通りの感じで歩けそうかなあ、と。昨シーズンはあまり入れなかったので、今シーズンはぼちぼち入りたいなあと思ってます。
  
・・・・・☆
 
◆ 2013.11.30 (Sat)   快晴
相模湖駅 06:30→ 三ヶ木 06:50/06:55→ 月夜野 07:35/07:50→ 下善の木 08:35- サガセ西沢ゲート 09:20- 菰釣山 10:25/10:35- 1000m圏シキリ沢源頭ピーク 11:30/11:40- 忍橋 12:20/13:05- 地蔵平 13:45- 屏風岩山 15:05- 大滝橋 16:05
 

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2013.12.01

菰釣山シキリ尾根・・・のほぼ定点

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(とうとう左二本とも枯れてしまった・2013.11.30)

当初はぐぐたす(Google+)企画のつもりだったんですけど、思いの外良くできてるので(笑)山歩き本編の前にこの企画自体をブログの方へ。ということで昨日(11/30)は久しぶりに世附(世附川流域の山山)に入りました。

自分で言うのもなんですけど、これだけ世附の山に入っているとHgさんよろしく「ほぼ定点」が世附の方々にできまして、今回紹介する菰釣山シキリ尾根のこの4本ブナもその一つ。昨年菰釣山山頂にいる大ブナの一本が折れてしまいましたが、他の丹沢の山に比べると比較的マシだった世附の山ですら、近年はブナ林の樹勢が明らかに落ちてきている。それが温暖化のせいなのかシカさんのせいなのかスズタケが枯れたせいなのかブナハバチのせいなのか・・・アホな私には皆目見当がつかないんですけど。。。

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(2012.12.14)

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(2010.05.15)

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(2010.03.27)

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(2009.10.31)

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(こちらがシキリ尾根初訪時・2007.04.01)

撮り方が一定ではないのでわかりづらいのですが(だから「ほぼ定点」)、時間を遡るにつれ木の根元が見えなくなっているのがわかるでしょうか?昔はそれだけ尾根上にスズタケが茂っていたのです。はい。

それにつけても世附の山は植林や荒れた二次林が多く、かなり与しやすくなってきたとはいえ、まだまだスズタケが残っていて、しかもダニーも多い(笑)。そんな良いところがほとんどないようにも思える世附の山の、良いところと挙げろといえば、やはり伐採造林の難を逃れて残された自然林の素晴らしさに尽きるというか、その自然林こそが世附の「核心」であり「神髄」であると珍しく断言しちゃいます。

それに加えて昔の(おそらく大半が造林時の)遺構を訪ね、探し当てる楽しみが加わって、そう思っている人はほとんどいないんでしょうけど、ド変態とってはワンダーランド(笑)ということになっているのでしょうね。いやホントこんな楽しい山域なっかなかないですよ~。世間は山ブームだというのに世附では人に会うことだって滅多にないことですし。
 

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2013.05.10

大沢川から鹿留山に登る

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(鹿留山北西尾根中部にいた、曰くありげなミズナラの大木)

さてセーメーバンの翌日(05/05)はなぜか6年おきに通っている事になっている鹿留山(ししどめやま)。二本の北尾根は歩いたので、この日は大沢川側からの北西尾根(670m圏二俣左俣左岸尾根)を登路にとって訪れてみました。

今回は谷村町駅からタクシーで大沢川のキャンプ場に出て(¥2510)からのスタート。大沢川は初めて入ったのですが、舗装路が結構奧まで続くんですね。とはいえいきなり奥まで入っちゃうと現在地を捉えづらくなるから今回の所はコレでOK。地形図の破線路が延びる巡視路の入口を目指します。

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(鹿留山北西尾根<大沢川670m圏二俣左俣左岸尾根>下部の様子)

やってるんだかやってないんだかわからない?キャンプ場を過ぎ、しばらく行くと目的の巡視路の入口に到着。すぐ先で林道は二手に分かれていました(なんと両方共に舗装)。

さっそく巡視路に入ると、道は沢沿いに明瞭についていて、ずんずん行くとまもなくダートの林道に飛び出し、それからその林道を戻るようにトラバースして810m圏峰南鞍部に導かれる段取り。当初から地形図の破線路の延び方に疑問をも持っていたのでこれはどういう事なのか?と思っていたら、実際には山道と林道がごっちゃになって表記されていただけだったのですね。

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(一旦廃林道に出た)

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(廃林道から相定ヶ峰、倉見山)

ここから北へ行けば鉄塔のある810m圏峰に出れるのですが、今回のところはパス。さっそく北西尾根に取り付くと、のっけは灌木や枝打ちの枝木が煩いヒノキ・カラマツ植林下の尾根。急な上に歩きづらくて意外に時間がかかります。

それでもそんな中をせっせと登っていくと、突然廃林道に飛び出して、ここでようやく一息。目の前に見える新緑に染まった倉見山の山肌がなんとも素敵だし、大沢川を繞る山稜へ延びる尾根の様子も扇状地っぽくてこれもまたそそられる姿ですね。

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(熊剥ぎ熊はぎくまはぎ累累・・・)

熊剥ぎの多さに驚きつつ、ひと登りで着くピークが1024m峰。ここから先も藪のうるさい植林帯が続きましたが、途中で逢ったミズナラの大木(トップの写真)は周囲が丸く綺麗に整地されて、ちょっと違う雰囲気。この木は明らかに何か曰くがありそう、だと思います。

その大木を過ぎるとじきに尾根上に露岩が現れ、ようやく植林を抜けてくれました。

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(北西尾根中部の、これも曰くありげな大岩)

やはり芽吹き新緑の始まった雑木林は素晴らしい。ひと登りすると出る↑↑この大岩も何か曰くがありそうにも見えます。

この大岩から露岩混じりの急登が始まって、岩を左右に捲きつつせっせと登る辺りは少々スリリングでしんどかったけど、後から考えるとこの急な箇所が北西尾根一番のハイライトでした。

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(大岩付近からしばらくは露岩の急登が続く)

尾根上に露岩が無くなり、尾根が広がっても急な登りはまだまだ続きます。左には北尾根、すぐ上に合流点の1500m圏峰が見えるのですが、まだ結構高く聳える感じなのがしんどい所。でも尾根が広い分だけ歩きやすいですね。

そして尾根が再び痩せて、周囲にウラジロモミが目立ちはじめると見覚えのある1500m圏峰に到着。北尾根の方も急なせいもあるけど、あまり歩いている人がいない感じ?にも見えます。

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(北尾根を合わせると自然林に変わる)

この辺りも久しぶりでしたけど、やはりブナが良いですねー。スッキリ延びたのもあれば、異形のもあってあちこち寄りながら歩く感じになってしまうので、時間がかかりますねぇ(笑)。

そして山頂直下の1570m圏峰でもう一つの北尾根と合わせると、なんとそちらには都留でよく見かける無責任な道標がつけられていて驚きました。ご多分に漏れずこちらのは矢印が消えていて、山慣れていない人が下降するのは明らかに宜しくない感じ。道標をつけるならつけるでキチンと責任持って欲しいものですね。。。

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(山頂直下のブナ林)

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(マメザクラ)

もちろんランチもそんな山頂直下のブナ林の小平地で頂き、のんびり休憩してから鹿留山の山頂へ向かったのですが、なんか山頂がスッキリしているようにも感じるのは気のせいでしょうか?

鹿留山からは6年前と同じコースで、次は杓子山へ向かいます。道中サンショウバラの確認をしたかったんですけど、葉っぱがないせいか見落としてしまいました。それでもマメザクラが見頃になっており、目を楽しませてくれます。

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(杓子山山頂)

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(大ザス峠を過ぎた辺り)

GWだし誰かしらいると思っていた杓子山には誰もおらず、山頂は貸し切り。でも人気の山なのにテーブルもベンチも更新されないでボロいままだったのには唖然としてしまいました。富士には雲がかかっていましたけど、天気が回復傾向なのでおそらく下山している間に晴れるはず。

ということで休憩を終えたら下山開始。山頂もそうですが、大ザス峠方面の登山道も土がむき出しで雨後は泥濘になりそうな荒れ具合。ここも本当は丹沢のように木道木段にしなければいけないレベルのように思うのですが。。。

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(杓子山を振り返る)

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(エイザンスミレ)

この辺りは一段標高が高いせいかいろいろスミレが多くて楽しかったのは意外。天気は宜しく、新緑も良い具合だし、良い気分で下って高座山に着いたら、ここからが二番目のお楽しみのはじまり・・・

だったのですがぁ・・・

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(高座山南面の草原は野焼き直後でした・・・)

ぬあんと高座山直下の草原は野焼き直後で、周囲は真っ黒な平原が続くばかり。この時期のお花はどんな感じだろーってかなり楽しみにしていた自分たちが大バカでした(笑)。でもこうやってキチンと手入れしているからこそ、ここは夏から秋にかけて、いろいろなお花を楽しめるんですよね。

そうとなるとこの状態からどのように草花が育ってくるのかが気になってきました。でもここは通えないからba_sobuさんに様子を聞くしかなさそうです(笑)。
 
・・・・・☆
  
◆ 2013.05.05 (Sun)   晴 時々 曇
大沢川オートキャンプ場 07:35- 巡視路入口 08:05- 810m圏峰南鞍部 08:20/08:30- 1024m峰 09:25/09:35- 北尾根合流(1500m圏峰)11:45- 鹿留山 12:20/13:30- 杓子山 14:35/14:50- 大ザス峠 15:20- 高座山 16:00/16:10- 忍野村役場 17:15
 

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2013.03.19

春の花探り・阿夫利山と甚之函山を繋いで

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(井戸沢ノ頭直下・雑木の緩斜面)

さて3月に入って急に暖かくなったせいか、ここへ来て春のお花が一気に咲き出した感じですね。そうなると恋しくなるのが道志前衛や前道志辺りの低い山山。そろそろいい具合だろうと久しぶりにそちらの方へ。

今回は富岡入口から井戸沢経由で阿夫利山に上がり、北尾根を下降。キャンプ場に降りたら林道を歩いて小和田に出て、それから三本杉山・甚之函山、そして矢平山まで登り返して、北西尾根を下降、梁川駅に出るコースを組んで歩いてきました。

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(井戸沢の山ノ神)

いつ乗っても比較的余裕のある無生野行きのバスも、暖かくなったせいか想像よりもハイカーがいました。でも車内は相変わらずシブいメンツでちょっとホッとしますね(笑)。

でも富岡入口で降りたのは幸いにも私一人。バスを降りたらさっそく井戸沢の林道をてくてく。こちらのルートは整備されたルートになってはいるものの、バス停から林道終点までの間にあったのは私製の道標二つのみ。まぁハイカーが少ないからさして問題ないんでしょうけど(笑)、整備するならキッチリやって欲しいものですね。阿夫利山自体はいい山なのですから。

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(アブラチャン)

そんな訳で30分ほどで林道終点に着いたらここから山道に入ります。植林の中、終点から10分ほど歩くと明らかに目を惹く巨岩が聳えていたので、あれが山ノ神かなーと思ったらやっぱりそうでした。

そんな山ノ神に挨拶してから先を行くと、意外にあっさりツメのような地形にかわって周囲が雑木林に変わると、今年お初のアブラチャンにキブシ。もう結構花が開いていて、そんな目立たない花花が茶色一色の樹間をほんのりほんのり黄色に染める様子は控えめでこれも春らしい。

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(阿夫利山)

ジグザグに上がって尾根上に出るとそこはもう井戸沢ノ頭の直下。しかしこの辺りの雑木の斜面はなんとも良いですね。既に見頃になっていたダンコウバイに目をやりつつ、落ち葉をふみつつ分けつつゆるゆる歩く幸せ。

しかもこの辺りの特に安寺沢側がほぼ雑木の斜面なのも素晴らしい。山肌に張り付く裸木たちを見ていると、この辺りの枝尾根の一本一本を丁寧に歩きたくなりますね。

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(ダンコウバイはすでに見頃)

そんな風にのんびり歩いても井戸沢ノ頭から15分ほどで阿夫利山の山頂に着いてしまいました。沢ルートは早い!予想よりかなり早く着いたのでメロンパンでも食べつつのんびり休憩して、それから西隣の710m圏峰へ向かいました。

一山越えてすぐに辿り着くこの710m圏峰が北尾根の分岐になっているのですが、藤井本では「高見山」。なんか懐かしい名前だな(笑)。それはともかくこの辺りの名称、今回の所は松浦本に準じてみました。

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(阿夫利山北尾根のひとコマ)

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(次ぎに登る三本杉山・甚ノ函山を望む)

ピークは少々暗い植林なのですぐに引き返して北尾根の下降に移ると、のっけは急な露岩の痩尾根。少々気を遣います。それをこなすと尾根も緩んで歩きやすくなりますが、同時に植林が絡んでくるのはもうしょうがないですね。

それでもちょっとした伐採跡からは次ぎに登る甚ノ函山の方もよく見えて、いい偵察になったし、

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(ツノハシバミ)

ツノハシバミの花があっさりと見つかったのも個人的にはちょっとタイムリーだったので、地味な花なんですけど、これも嬉しかった。

その伐採跡を過ぎるとまもなく緑と太陽の丘キャンブ場の林道に出て、下降の方はここで打ち切り。林道を下って小和田へ向かいます。

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(三本杉山への登りしな)

キャンプ場から10分ちょいで小和田に出たら県道を西へ少し行くと、取付のある鷲尾沢橋に出ます。鹿除けの扉を開けて中に入ると、送電線巡視路と思しきしっかりした道が尾根上へ延びていました。

巡視路は尾根の左側を捲き気味に延びていて、道を追っていくと435m峰は捲いて、送電塔の手前でようやく尾根上に出る段取り。前後して尾根から左右に分かれる巡視路の行方が気になるところだけど、今日の所はガマンして尾根を直登します。

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(阿夫利山と北尾根を振り返る)

送電塔を過ぎると急登が続いてしんどいどころでしたが、それが緩むと尾根が痩せ、やがて南側が開けた灌木帯に変わって尾根上がいっきに明るくなります。おかげでアテのなかったランチ場も見つかってホッとしました。しかし先ほど歩いた阿夫利山を眺めながらランチをとることになろうとはねぇ。これはこれでなかなかオツなモノですけど。

ただそんな楽しい局面もそう長くは続かず、じきに植林帯に入ると、あとはアップダウンを繰り返しながら淡々と登るだけ。三本杉山も甚之函山もそんな植林下の暗い山頂だったのは何となく予想はできたものの少々ガックリ。なので通り過ぎる感じで一気に矢平山まで上がってしまいました。

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(矢平山)

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(矢平山北西尾根・全編雑木の好ましい尾根)

登り着いた矢平山は西側が雑木の快い山頂なのに、この辺りから南風がやたらと吹いてきて、ジッと休める感じなかったのがちょっと残念でした。なので少し水分をとったらもう下山です。

北西尾根を歩くのは初訪の折り以来丸7年ぶりのこと。全編雑木の尾根は変わりなく、いつ歩いても楽しいし、尾根が短いが故に急な箇所があるのも歩きの良いアクセント。

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(509m峰)

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(ハナネコノメも咲き始めた)

しかしゴールが駅だと時間を気にしないで歩けるからいいですね。おかげで前は気がつかなかった北西尾根の美味しそうな所を寄り道でき、いろいろ収穫もありました。

そして帰りの塩瀬沢ではお目当てのユリワサビにハナネコノメも咲き始めていて、マンサク以外の想定したお花にみんな逢えたことに感謝しつつ、ホクホク気分で梁川駅へ向かったのでした。
 
・・・・・☆
 
◆ 2013.03.17 (Sun)   (ほぼ)快晴
上野原駅 08:28→ 富岡入口 08:55- 林道終点 09:25- 井戸沢ノ頭 10:00- 阿夫利山 10:15/10:30- 663m峰 11:05- キャンプ場 11:25- 鷲尾沢橋 11:45-(途中休憩50分)- 三本杉山 13:50- 甚之函山 14:15- 矢平山 14:35/14:45- 509m峰 15:15- 二俣 15:30- いちのせ橋 15:55- 梁川駅 16:25
 

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2013.03.12

菰釣山~大栂~椿丸を通しで歩く

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(大栂南東尾根上部の緩斜面)

登山道がほとんどない世附(世附川流域)の山でそこそこ歩かれている所というと、城ヶ尾峠&二本杉峠越えな さかせ古道(道志歩道)、と山伏峠から西丸・東丸、そして菰釣山の南尾根ともいえる大栂・椿丸辺りがまず浮かぶと思います。

そんな世附の山山に通っている丹沢初心者の私でも、実は菰釣山から浅瀬までは通しで歩いたことがなく、というか浅瀬自体を訪れた事がなかったりします。なので今回(03/09)は電車バス利用で世附のベーシックなコースを、ちょっと寄り道を交えつつ歩いてきました。

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(西沢林道・改修と相成りました)

古傷のこともあって相模湖から道志へ乗り継ぐバスに乗るのも一年以上ぶり。月夜野までは真冬でも結構なハイカーがいた印象でしたけど今回は意外にさっぱり。花粉のせいなのか??トータルで10人もいなかったと思います。

そんな訳で下善の木まで乗っていたのは当然私一人。バスを降りたらさっそくサガセ西沢経由で菰釣山へ向かいましたが、一昨年の台風の影響で道が荒れていた西沢林道はなんと改修済み!おかげでゲートを過ぎて、登山道の入口までは足取りも軽快でした。

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(菰釣山山頂・北側のブナが折れていた)

ハナはずるずるだけど(笑)天気も良いし、これは良い感じだーなんて思っていたのもつかの間。暖かい気候が続いたせいでしょう、菰釣山までの登山道は残雪が溶けて氷化しており、滑り止めを持参していない悪い子にキツーいお仕置き。結局登山口から菰釣山まで一時間以上もかかってしまいました。

ようやく着いた菰釣山もおおよそ一年ぶり。来ない間に山頂北側のブナの大木がボッキリ折れていたのは結構ショッキングな光景でした。ここまで来るのに時間がかかったので、一息ついただけでさっそく南の尾根に入って大栂へ向かいます。

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(大栂への道すがら・Part1)

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(大栂への道すがら・Part2)

薄くはなってきているものの、まだ葉の茂っているスズタケ帯に分け入ると、さっそくひっついてきましたよダニーくん(笑)。気温が高いからまぁ元気でしたけど、数は意外に少なく、折を見てチェックしてもダニがついていないことの方が多いぐらい。

大栂までの道のりはやはりブナが素敵です。大木も多いし。ただこちらもシキリ尾根と同様にまだ数は少ないながらも、ブナハバチによると思われる立ち枯れがありますね。偶然にも訪れる度にカメラに収めていたブナの大木も一本残念ながらやられていました。(そちらの写真はぐぐたすで・・・こちら

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(大栂より菰釣山を望む)

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(南東尾根のY字の大木・ハリギリでしたー・汗)

大栂までは北斜面に僅かに雪が残っていましたが、人のトレースがないところを見ると、雪の多い時期はさすがに歩かれていない?ようですね。30分ほどで大栂に着いたらここで南ではなく、南東尾根の方へちょっと寄り道。

そんな南東尾根に寄り道したのは直下にある↑↑このY字の大木を確認するため。前にイタヤカエデと書きましたが、実はハリギリでした(笑)。いや、昨年の大晦日に檜洞丸からヤタ尾根を下ったときに途中でハリギリの大木を見かけ、その時にもしや・・・とハッと気がついて、それからこの木をどうしても確認したくなっていたのでした。<(_ _)>

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(椿丸への道すがら)

でもトップの写真にもした南東尾根の上部はスズタケがすっかり消滅しちゃったけど、素敵なところですね。そんな一角で軽くランチをとったら南尾根との分岐点まで戻って、一路椿丸へ向かいます。

でもでもかなり久しぶりだったここから織戸峠までの間が個人的にはハイライト。植林もあるけど、残された自然林が素晴らしい。あとこの高度になると常緑樹の緑が目につくようになるのですが、それはモミと照葉樹であるアカガシだったんですね。

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(左のモミ大木はは5m弱ありそう)

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(アカガシの大木・この木はどう育ってきたのだろうか・・・)

5m弱のモミの大木は記憶にありましたけど、↑↑のアカガシは今回初めて気がつきました。どんな状況におかれるとこんな幹になるのか?いろいろ苦労されたのでしょうかね。不思議です。

個人的には常緑樹よりも新緑・紅葉の楽しめる落葉広葉樹の方が圧倒的に好みなんですけど、寒い時期でもその緑で和ませてくれる常緑樹も悪くないものだと、世附へ通うようになってそう思うようになりました。

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(織戸峠)

そんな事を思いつつ下りきった鞍部が織戸峠。雪は全くなく、こちらもほぼ一年ぶりでしょうか。まだ先があるので一息ついてから椿丸へ向け、登り返しのはじまり。

織戸峠からは植林の割合も増えてきますけど、それでもこちらもの残された自然林が見事で、そんな木々を探りながら愛でながら歩いていきます。

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(椿丸より大栂、菰釣山を望む)

そして尾根の左側が展望の良い伐採跡に変わると、椿丸はもう目前。お昼回ったぐらいなので誰かいるかと思ったら、こちらも人の気配はありません。ここは北面が皆伐されたおかげで展望が素晴らしいですね。今歩いてきた山・尾根を振り返ることもできるし、お隣の本権現(世附権現山)の立派さに見入るのもいいでしょう。

でもでもここら先は植林が続いて、あとは淡々と下るだけなのがちょっと惜しいけど、バスの事もあるので先を行きます。

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(椿丸からはしばらく植林が続くが・・・)

椿丸から尾根が南へ左折する838m峰西隣のピークまでは私自身以前歩いたことのあるところで、そこから先がようやく未踏の領域。相変わらず植林は続きますけど、この辺りでも下り一辺倒じゃなくて、アップダウンが激しくまだまだ稜線歩きといった趣なんですね。

登り返しが急で、道中ずっとトラバースの誘惑に駆られていた795m峰西隣のピークにあがると、ここで植林から雑木林に変わってくれたのは意外でしたけどやっぱり嬉しいですね。明るくなるだけで山の印象が変わりますから。

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(780m峰・梢越しに椿丸、大栂、菰釣山を望める)

その795m峰西隣ピークからはなぜか明瞭な径路も現れ、あとはそのまま浅瀬へのつもりも、いちおう780m峰には寄っておきました。この辺りも雑木の広がる素敵な所。なんだ、椿丸もこう歩いてみるとなかなか楽しいじゃないですか!

それにここからでもまだ菰釣山が望めて、あー今日はあそこからここまで歩いて来たんだなぁ、としみじみ思えるのもまたよし。休憩を終えたらあとは浅瀬へ駆け下るだけ

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(浅瀬への下りも雑木林が続く)

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(ミツマタの開花もはじまった)

と思っていたら途中で見かけたミツマタの開花が一部で始まっていて、花はまだ先だと思い込んでいたのでこれはラッキーでした。ミツマタはジンチョウゲ科だから香りもいいですし。

そんな思いがけないお花との出逢いに気をよくしたら、浅瀬へまでもうひと下り。降り立った林道はかなり改修が進んでいる印象ですけど、実際はどうなのでしょうかね。とにかく世附川の川の広さと明るさが印象的で、この辺りだけ見ていると二年半前の台風による豪雨被害がウソのようにも思えてきます。

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(浅瀬はこんな感じなのか)

それでも道を東へ歩き出すと、やはりそこかしこに豪雨の爪痕が目につきます。かの湯山商店だって跡地のみ。もっと早くこの辺りも歩いておけば良かった、と後悔してもしょうがないことはわかっているんですけど。

そして浅瀬入口までの道中は今年初となるダンコウバイにハンノキ。そして開きかけなフサザクラなど、早春のお花とポカポカの陽気と相まった春のはじまりを感じさせる道のりでした。
  
・・・・・☆
 
◆ 2013.03.09 (Sat)   快晴
相模湖駅 06:30→ 三ヶ木 06:45/06:55→ 月夜野 07:35/07:50→ 下善の木 08:35- サガセ西沢ゲート 09:20- 菰釣山 10:30/10:35- 大栂 11:15-(途中休憩40分)- 織戸峠 12:45- 椿丸 13:10/13:15- 780m峰 14:05/14:15- 浅瀬橋 14:50- 浅瀬入口BS 15:40
 

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2013.02.26

塔ノ岳へ・玄倉側からの登降にこだわる

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(大金歩道<小金沢右岸尾根>の下しりな)

あぐあぐ。先週は久しぶりの世附だったので当初はそちらのつもりだったんですけど、日曜(02/24)の天気がかなり良さそうなので、んならばすんごく久しぶりに塔ノ岳へでも行ってみようかと・・・22年ぶりに行ってしまいました(笑)。

もちろん私が歩くわけですから塔ノ岳とは云っても大倉や表尾根から登る気はさらさらなく、今回は二週間前と同様に県民の森からマルガヤ尾根を登り、小鍋沢右岸尾根経由で尊仏ノ土平に一旦降りたら、塔ヶ岳歩道を登り返して塔ノ岳へ。それから小金沢右岸尾根を通る大金歩道を下って箒杉沢に降り、尊仏ノ土平に戻ったら、今度はコシバ沢(越場沢・寄コシバ沢ではない)右岸尾根を登り返して鍋割山に上り、寄へ降りるコースを組んで歩いてきました。

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(マルガヤ尾根のひとコマ)

できるだけ大倉から歩きたくない偏屈な向きにとってマルガヤ尾根はかなり使えますね。本当は寄大橋から歩きたいところなのですが、いかんせんタクシー代がかかります。その点県民の森だとタクシー代が安く(¥2330)、これなら御坂へ行く交通費と変わらないので、私でも気軽に使えて朝も早い。肝心の尾根も植林少なくてなかなか素敵だし、これはいいじゃないですか!

そんな訳で歩き出しから2時間ほどで鍋割山稜に飛び出したら、今回は小丸ではなく西隣の1280m圏峰へ向かいます。稜線は圧雪で歩きやすかったですけど、次の週末は溶けて凍結してるかも。

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(蛭ヶ岳と不動ノ峰はかなり白い)

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(小鍋沢右岸尾根・徹頭徹尾急降下)

緩く登り返して1280m圏峰に着いたら、最近のテイタラクを反省して(笑)今回はピークの周囲を一回りして小鍋沢右岸尾根の下降点をしっかりと確認。それから下降に移りました。

まぁこの規模の尾根なので尾根が急なのはわかってましたけど、のっけからやっぱり急ですね。積雪でわかりませんが上部はおそらく露岩の急斜面で、右側がザレた箇所(おそらく)までの間が積雪もあって気を遣いました。

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(右岸尾根下部では滑りたくなるような箇所も)

そんなザレ場まで降りれば、この先も急降下の痩尾根が続きはしますけど、とりあえずは一安心。自然林の続く中を徹底的に下ります(笑)。

そして下り出しから右手にずっと併走していた枝尾根が切れると、尾根が広がって↑↑こんな滑りたくなるような広尾根に変わったところが小鍋沢右岸尾根のハイライトでしょう。

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(小鍋沢出合<中鍋沢910m圏二俣>)

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(2週間ぶりの尊仏ノ土平)

それでもその広い所を下ってると中鍋沢へ降りてしまうので、適当な所で尾根上に復帰すると、ここから尾根末端までは岩屑混じりの痩せ尾根が続いて、あっけなく小鍋沢の出合に降りてしまいました。

出合から堰堤を一つ越えると、そこは二週間ぶりの尊仏ノ土平。週中に降雪があったはずなのに、二週間前の足跡がぼんやり残っていることに驚きつつ、遠い対岸へ渡ったところで一休み。対岸がスギ植林なのはわかっていたけど、国有林にしては珍しく(本当に!)最低限の手入れの入った大木の林だったのには驚きました。この林の歴史が気になります。

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(塔ヶ岳歩道・中腹はこんなブナ林も)

休憩中、強風が吹きつける度に林からもやのようなものが巻き上がっていたので、花粉か!と怯んでいたら、単に木々についた雪が風に飛ばされていただけだったことにホッとしつつ、腰を上げて塔ノ岳を目指します。

この道は冒頭に「塔ヶ岳歩道」といういかめしい名前を持ち出しましたが、ここは今でも普通の登山道。意外やトレースはあるし、主脈で見かける木道や木の階段がこちらにもあって、マイナーながらもしっかり整備されている様子。

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(塔ヶ岳歩道・トレースあり。積雪は多くて40cmほど。)

そして植林を抜けると、広尾根のもと立派なブナ林が続くのがいいですね。3m級はポンポン居ますし、樹勢も稜線のブナ達に比べるとかなり良好なのも好ましいところ。

そんな木々を愛でつつ登っていき、やがて1234m峰を右から捲き終えると、尾根が痩せて、塔ノ岳への最後の登りが始まります。

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(こんな展望が望めるようになると頂上は近い)

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(塔ノ岳山頂)

もうこの辺りではヘロヘロだったので、トレースがあって助かりました。登っていくうちに高木から低木に変わってくると水場に出て(水はちょろちょろ)、そこからひと登りで塔ノ岳の山頂に飛び出しました。

山頂は天気の割に人出が少ない様子、というより風が強いので小屋に逃げてる人や単に山頂が広いのでそう感じるのかも知れません。おかげで風を避けられる休憩スペースも難なく確保できて、眼下に広がる展望を楽しみつつランチをとる事ができました。

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(大金歩道・上部はこんな感じ)

それでもまだ先が長いので休憩は早めに切り上げて、あまり下山とも思えない下山開始(笑)。来た道を戻り、小金沢右岸尾根を通っていた大金歩道に入ります。

大金歩道は名称図(西丹沢頂稜河川土地名称図)にその名の出ていた道で、当然のことながら今は廃道。雪が積もっていることもあって、道形らしきものはさっぱりわかりません。

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(この木なんの木。シデの類?クマシデ??)

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(大金歩道は尾根が広く、歩きやすかった)

それでもこちらは過去に径路が通っていただけあって尾根は広くて歩きやすいし、林相もよろしく、雪もそこそこ積もってるのでとにかく快適快適。ここがこの日一番歩いて楽しいところでした。

中腹より下では植生調査?みたいなことでもやられていたのでしょうかね??その名残をいくつもに見ながら降りていくと、徐々にツガの大木が目立つようになって、右手を流れる大金沢の沢音も聞こえてきます。

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(小金沢出合・尾根末端部のツガの大木達がわかるでしょうか)

そんなツガの目立つ中、一際大きい4m級のツガを見るとなぜか一旦藪っぽくなって、それを抜けると小金沢の出合に降り立ちました。

すぐ先にはもう箒杉沢が見えているのですが、それより先に見える弁当沢ノ頭の尾根の末端から富士がチラリと姿を見せている感じがなんとも印象的。こんな所からでも富士を眺められるのはちょっと幸せですね。

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(箒杉沢の廃林道を下ります)

さて小金沢出合に着いた時点で13時半。大倉を避けて寄の17時台のバスを捕まえるには、鍋割山に15時過ぎまでには上がらなければいけないので、さてどうしましょう。。。

予定ではもうふたヒネリぐらいするつもりだったんですけど、それはさすがに無理なので、3年前に歩いたコシバ沢右岸尾根を登りかえす事にして尊仏ノ土平へ向かいます。

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(コシバ沢<越場沢>右岸尾根・下部は痩尾根が続く)

廃林道を繋いで30分ほどで尊仏ノ土平に戻ったら、時間もないのでそのままコシバ沢右岸尾根に取り付きました。

尾根下部は急で雪も薄いのでズルズルスベって大変でしたが、それをなんとかこなすと積雪も増えてようやくマトモに登れるようになって、周囲の木々を愛でる余裕も出てきました。3年前の初訪の折りは曇っていたので、晴れていると木々の見え方が違いますネ。

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(朝降りた小鍋沢右岸尾根を望む)

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(右岸尾根上部は素敵なブナ林)

そんな様子にヘロヘロながらも喜びつつ登っていき、鍋割山には15時10分着。寄下山のリミットギリギリでした。ということで今回も鍋焼きどころかコーヒーすら飲めずに、一息ついただけで寄へ向かったのでした。
 
・・・・・☆
 
◆ 2013.02.24 (Sun)   (ほぼ)快晴
表丹沢県民の森 07:15- ヒズヒ沢出合 07:45- 稜線に出る 09:15- 尊仏ノ土平 10:10/10:25- 1234m峰 11:15- 塔ノ岳 11:55/12:35- 小金沢出合 13:25- 尊仏ノ土平 14:00- 鍋割山 15:10- 後沢右岸尾根径路分岐 15:40- 寄大橋 16:30- 寄 16:55
 

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2013.02.20

世附のブナに逢いに大界木山南面、バケモノ沢の辺りへ

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(畦ヶ丸南西尾根<水晶沢右岸尾根>のひとコマ)

いやいや・・・去年の紅葉シーズンは天気が合わずに泣く泣く中止して、それから藪山のシーズンも終盤にさしかかってようやく世附(世附川流域の)の山に入ることができました。

今回(02/17)は世附のブナ林と云えば・・・菰釣山南面・イデン沢(菰釣沢)と双璧をなす大界木山南面・バケモノ沢(地蔵沢)の辺り。赤沢左岸尾根たる大界木山南尾根を下降し、水晶沢右岸尾根たる畦ヶ丸南西尾根を登り返す定番コースをのんびり?歩いてきました。

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(忘路峠への道すがら・積雪は10~40cm)

今回はショートコースながら久しぶりとなる世附のブナ林を心ゆくまで堪能したかったので、早めに野外活動センターへ向かったのに、ある事情から車が深雪に嵌ってしまい、キャンプ場の方に救出してもらうというトラブルがあって(ほんとうにご迷惑をおかけしました<(_ _)>)結局歩き出せたのは8時半近く。

それでもショートコースなので予定通りに歩けるコースで良かった。忘路峠への道は当然トレースなどなく、雪は深くて40cmほどでしょうか。ふかふかの新雪にトレースをつけながらの歩きは少々しんどいですが、すこぶる気持ちがよいです。

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(大界木山南尾根<赤沢左岸尾根>上部)

朝は綺麗に晴れていたのに忘路峠に着く頃になるとなぜか高曇り。でも展望は良好、というか近場の山は光の反射がない分却ってクリアに見えて、これはこれで新鮮かも。そんな展望を楽しみつつ大界木山へ上がったら、さっそく南尾根の下降に移ります。

大界木の南面はおおよそ二年ぶり。南尾根は以前降りていることもあって、のんびり気楽に降りましょー・・・てな感じで適当に降りていたら、なぜか南尾根の下降点がわからず右往左往。急斜面にも関わらずジグ切りを敢行してなんとか南尾根を捉えましたが、ここは一度山頂まで戻って、それから地図で確認しながら下降するべきでした。先週の阿寺沢といい、我ながらヒドすぎますね。手の抜きすぎは事故を呼びおこしかねません。次回からはもっともっと丁寧に歩かねば。

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(スズタケの中、ブナが美しい)

そんな訳で南尾根を捉えるのに小一時間かかってしまい、この時点でもう11時過ぎ。結構な時間ですけど、これでもコース的にはまだ大丈夫だったのは幸いでした。

でも南尾根はやっぱりブナだ!飛び抜けた大木こそないものの、立派な木々の散見される様子はさすがの一言。そんな様子に思わずニヤけてしまいます。尾根上はもちろんスズタケが被りますが、初訪だった4年前と比べたら歩きやすいぐらいなのは

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(南尾根中部辺りの定点ちっくなブナ)

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(初訪の折り2009.01.17の同じブナ・スズタケの差が一目瞭然)

以上の定点ちっくな二枚の写真を見てもらえれば一目瞭然。丸四年でこれだけスズタケが減ったのです。もうここでも何度も申し上げていますけど、世附のスズタケもあと5年もすればほとんど丸裸になってしまうのでしょうね。

スズが枯れれば確かに楽にはなるんですけど、枯れたスズタケというのは実は凶器で(本当に!)これはこれでかなり気を遣うんです。尾根を横切る奥野歩道(旧東海自然歩道)もずいぶんとハッキリしていたし、歩道は以前に比べるとかなり与しやすくなっているんじゃないかなぁ。。。

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(南尾根末端部・920m峰からの下りしな)

奥野歩道を突っ切ってから小広い緩斜面状を少し登り返すと920m峰で、ここまで来るともうバケモノ沢と赤沢の沢音がけっこうな音で聞こえていて、そこからひと下りで赤沢との出合に着地。ランチの適地ともくろんでいた所には日がしっかりと当たっていてホッとしました。

ショートコースとはいえこの時点でお昼を大きく回っていたので、休憩はやや早めに切り上げて、お次は水晶沢の出合へ向かいます。

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(水晶沢出合)

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(畦ヶ丸南西尾根・登りだしは鉄砲登りが続く)

バケモノ沢を緩く遡ること20分ほどで水晶沢の出合に到着。目の前に聳える中間の急な尾根が登り返す畦ヶ丸南西尾根で、急登を前にまずは一息。

それから意を決して尾根に取り付くと、尾根は急ながらもスズタケの枯死が進んでいるので、二年前よりは楽に行ける感じです。

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(急登を登り終えると・・・)

それにこの急斜面の周囲にも素敵なブナが散見されるので、しんどいけれど、これはこれで楽しい道のり。

そしてかなり上がった所で奥野歩道を再び突っ切ると、ひと登りで尾根が緩くなって、ここからがこの尾根のハイライトであるテーブルリッジのはじまり。

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(南西尾根のハイライトなテーブルリッジがはじまりました)

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(倒れブナ・まだ生きてます)

こちらはスズタケがほぼ枯れかかっているし、樹勢が少々弱ってきている木だって見受けられますけど、この尾根を歩いていると、こんな様子の尾根がいつまでも続く錯覚に陥ってしまうような、そんな気さえしてしまいます。

というか、これは単純にうっとりしてるだけなんですね(笑)。

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(世附で熊棚を見かけるのは久しぶり)

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(長いハイライトもそろそろ・・・)

そんな夢見心地なひとときも、↑↑この辺りから1140m圏鞍部へ下った所でおしまい。畦ヶ丸へ向け最後の登りにさしかかります。

しかし最後の登りもスズが減っているおかげで案外楽に行けて、登り切ったところで大滝峠からの登山道と合流。ひと登りで畦ヶ丸の避難小屋に着きました。

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(モロクボ沢ノ頭への下りしな)

この時点ですでに15時半過ぎ。日が延びたとはいえ畦ヶ丸の山頂に寄る時間はなく、あとはそのまま帰路に就いたのでした。

しかしこの日はいろいろありすぎたけど(笑)、それでも世附の山はやっぱり良いなぁ、と久しぶりだったこともあってか、しみじみそう思いました。以前はスズタケがもっと深かったとはいえ、これだけの自然林が残されている所が山歩きの対象外というか、歩く価値なし味噌カス、とされていたのが本当に不思議でなりませんです。

そうそう、あとこの日は今なにかと話題のマダニさんには全くツかれませんでした。まぁ乾燥した寒い日が続いたせいなのでしょうけど、スズが減っている影響もあるのかなぁ。。。確かにベットリつかれるとゾッとするんですけど、これはこれで一抹の寂しさも・・・(笑)。
 
・・・・・☆
 
◆ 2013.02.17 (Sun)   晴 時々 曇
横浜市野外活動センター 08:25- 忘路峠 09:40/09:50- 大界木山 10:10/10:25- 1070m圏峰 11:40- 奥野歩道横切る 12:20- 920m峰 12:30- 赤沢出合 12:35/13:20- 水晶沢出合 13:40- 奥野歩道横切る 14:05- 1140m圏鞍部 15:05- 畦ヶ丸避難小屋 15:40/15:50- 忘路峠 16:25- 野外活動センター 17:00
 

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2013.02.12

久しぶりの丹沢縦断(小丸~箒杉沢~不動ノ峰)

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(箒杉沢のひとコマ)

先の三連休は先週歩けなかったこともあって、いろいろ歩いてきました。そんな連休の山行き第一弾(02/10)は丹沢方面。

まずは表丹沢県民の森からマルガヤ尾根を登って小丸へ上がり、中鍋沢右岸尾根たる小丸北尾根を下降。尊仏ノ土平に降り立ったら箒杉沢を左俣出合(1050m圏二俣)まで遡り、草鞋沢右岸尾根たる不動ノ峰南東尾根を登り返し、蛭ヶ岳~青根と3年前とは逆に丹沢を南北に縦断するコースを歩いてきました。

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(マルガヤ尾根下部・快い雑木林が続く)

ということで表側から丹沢に入ったのって20年ぶりぐらい。なのでいっそのこと大倉から歩いてみようかとも思ったんですけど、行程が長いので今回は渋沢駅からタクシーで県民の森に出て(¥2330)からのスタート。

上を見上げると金冷シの辺りは霧氷で真っ白だけど、おそらく間に合わないだろうなー。名前だけは聞いていた登山訓練所に寄りつつ、ミズヒ沢との出合までは基本林道歩き。こちらはさすがにハイカーが多い。桁が違う感じですね。

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(草原状のマルガヤ尾根上部)

出合に着いたら少し休んでマルガヤ尾根に取り付きます。意外にも植林は短く15分ほどで抜けると、あとは好ましい雑木林が続く素敵な尾根。両隣を見ても雑木が多く、なかなか魅力的ですねぇ。

なのでそんな雑木林が上まで続くのだろうと思っていたら、中腹辺りから草原状に変わったのには驚きました。展望も宜しいし、シロヤシオもぼちぼちいるけど、ヒル出るんですよね?ここ。

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(富士と鍋割山)

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(小丸北尾根<中鍋沢右岸尾根>・全編ほとんど植林)

おかげでルンルン気分で登れて、あっという間に鍋割山稜の登山道に到着。東へ緩く登ると小丸の山頂でした。

ちょっとしか歩けなかったけど小丸も鍋割山稜もブナが美しそうな所のようですね。そんな小丸の山頂を少し散策したら、北尾根の下降に移ったんですけど、そのまま北へ降りたら東の枝尾根だったので慌てて西へトラバースして、ようやく北尾根に。

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(塔ノ岳西尾根の奥に不動ノ峰)

北尾根にトレースがなかったのは快適に下れて嬉しい事だったのですが、こちらは思いの外植林が多くて、正直趣的にはどうでしょう?3年前に登ったコシバ沢右岸尾根は地形図とは違って植林なしの好印象だったのとは対称的になってしまいました。

あと今回歩いた小丸北尾根と不動ノ峰南東尾根は名称図(西丹沢頂稜河川土地名称図)に名前こそついてないものの径路が通っていたようで、でも北尾根の方の道筋はその径路とは関係なさそうな、おそらく植林みちでしょう。

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(尊仏ノ土平・晴れているとこんな感じなのか)

積雪に尾根が短いこともあってスイスイ下れて、30分ほどで広々とした河原の尊仏ノ土(ど)平に出ました。晴れているとこんな感じなんですね。あと雪が残っているのも、そこをより趣あるものにしているのかもしれません。

そんな再訪をしばし愉しんだら、左岸側の林道を下って今度は箒杉沢へ向かいます。

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(箒杉沢の治山運搬路・道路だった名残も見受けられる)

初訪の折はただただ荒涼とした光景に見えた箒杉沢も晴れていると印象はやはり違って、トップの写真でもわかるように広々としたガレ沢の奥に白くなった主脈が聳える光景はどこかアルペンチック。新穂高を思い出してしまった、と言ったらちょっと褒めすぎでしょうかねぇ(笑)。

棚沢出合までは広い河原のどこでも歩けますけど、出合先の堰堤から奥は堰堤が続くので、荒れた廃林道(治山運搬路)を辿りつつ、左岸右岸と何度か渡り返しながら登っていくしかない感じです。

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(箒杉沢左俣出合・中央の尾根がみやま新道の尾根)

棚沢出合から30分ほどで草鞋沢を渡り、廃林道の終点である箒杉沢の左俣出合に到着。堰堤ばかりなのが難ではあるけど、明るい所で、いい平坦地もあったので今回はここでランチ。目の前に延びているみやま新道の通る左俣右岸尾根が気になるところです。。。

が、今回は休憩を取ったところがすでにお次の予定な不動ノ峰南東尾根の末端部。休憩を終えたらそのまま南東尾根に取り付きます。

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(不動ノ峰南東尾根<草鞋沢左岸尾根>下部)

南東尾根はのっけから自然林(厳密に言うと二次林)でなかなか良い雰囲気。

じきに雪も出てききますが、さすがに南斜面だと雪が腐っていて、そんな雪にときおりズルッと滑ったりしながら登っていきます。

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(尾根上部にさしかかる所でようやく自然林に)

しかし尾根が急だとしんどいことはしんどいけど、ぐいぐい標高を稼げるから悪くはありませんね。登り始めは見上げても見えなかった丹沢山や塔ノ岳がいつの間にか見えるようになって、しかも間もなくそれよりも上に上がれるところがなんとも快感。

やがて良い感じのブナが出てきたなと思ったら、じきに林が途切れ、小笹の敷き詰められた笹原に変わると最後の登りにさしかかります。

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(尾根上部は笹原)

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(来た尾根を振り返る・中央奥に塔ノ岳)

さすがに尾根上部は雪が膝上の箇所もありましたけど、距離は知れたもの。ヘロヘロながらもそんなラッセルを楽しんでいるとさほどの時間もかからずに主脈の登山道に飛び出しました。

そこから西へひと登りで不動ノ峰の山頂。南側は3年前にはなかった柵ができていましたが、これはもうしょうがないですね。

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(蛭ヶ岳はこんな感じ)

不動ノ峰に着いたのは予想よりも少し早い13時ちょうど。なのでせっかくここまで来たのだから、予定を変更して蛭ヶ岳へ向かう事にしました。

主脈はほんの一部だけ泥濘箇所がありますが、基本はトレースもしっかりついていて、氷化してない程よい圧雪ぐあい。スイスイ歩けます。あと道中、暖かい割に霧氷が残っていたのはラッキーでした。

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(蛭ヶ岳山頂)

そんな光景に展望にと楽しみつつ、のんびり歩いて小一時間程で蛭ヶ岳に到着。山頂の広場にこしらえてあった大きい雪だるまが微笑ましいです。

この時間になると人も少ないですね。ボーッとしつつカレーパンを食べたら、ようやく下山です。

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(姫次への下りしなは程よい積雪)

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(姫次・奥に蛭ヶ岳)

北斜面も雪は深めなもののトレースはしっかりついていて、姫次はまでほんとうに快適なスノーハイクを楽しめました。

ただ雪が深いと木道・階段が怖いですね。場所知らないと踏み抜いてケガしそう・・・と思ってしまうのは私だけでしょうか?凍結は滑り止めがあれば問題ないけど、こちらはまかり間違えると足の骨を折りかねません。丹沢はこの手の施設が増えているのでくれぐれもご注意の程を。
 
・・・・・☆
 
◆ 2013.02.10 (Sun)   晴 一時 曇
表丹沢県民の森 07:30- ヒズヒ沢出合 08:05/08:10- 小丸 09:40- 尊仏ノ土平 10:10/10:15- 棚沢出合 10:35- 箒杉沢左俣出合 11:10/11:45- 不動ノ峰 13:00- 蛭ヶ岳 13:50/14:10- 姫次 15:05/15:15- 登山口 16:20- 東野 16:55
 

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