2013.10.08

青空と共に後立山を縦走する 2

B131008a
(朝の鹿島槍とキレット小屋)

前日が寝不足だったせいか夜の星空撮影を忘れてしまうぐらい珍しくよく眠れて、この日はとにかく快調。おいしい朝食をとり、表に出て朝焼けの剱岳を眺めたら、さっそく歩き出します。

朝焼けや今ひとつ?でしたけど、とにかく天気は良いし、気温も案外高くて(9℃ほど)歩き出しから気分が良いことこの上ありません。

B131008b
(朝の剱岳)

B131008c
(展望は今日も良好)

ひと山越えて稜線上に上がると、東側には富士も見え、行く先の五龍も、振り返って昨日歩いた鹿島槍もくっきり。

しかし朝の稜線の雰囲気って、ちょっと違いますよね。何とも清々しい。先月は白馬だったからこういう稜線らしい感じの所って、ずいぶんと久しぶりなような気もしました。

B131008d
(五龍岳方面)

B131008e
(振り返って鹿島槍ヶ岳)

B131008f
(よくこんな所に道つけたなー)

とはいえ、この辺りは八峰の核心部。登りベースながらもアップダウンは続くし、細いザレ場のトラバースやハシゴも交えて、それなりに気を遣う道が続きますが、好天の上に人出もほどほどという好条件がそろうと、難所と言うよりは歩きの良いアクセントと思えてしまうほど。

夏ならお花に惹かれて立ち止まってしまうけど、お花のない秋の、しかもこうも良い条件が重なるとなると歩くこと自体の気持ち良さを存分に堪能できますね。

B131008g
(はしごもあるよ)

B131008h
(五龍岳とG5)

B131008i
(ガレ場をひたすらに登ります)

北尾根ノ頭を過ぎると五龍岳へ向けて本格的な登りになりますが、登りのしんどさよりも気持ちよさの方が勝るぐらい。さすがに日曜のせいか五竜山荘組のハイカーも少なく、スライドもあまり気を遣いませんでした。

とはいえ快調すぎるというのもどこかで落とし穴にはまることがよくあるので、あまり浮かれすぎないように、オーバーペースにならないように、マメに休憩を取りつつ歩いて行きます。

B131008j
(G4過ぎた後の鎖場あたり)

B131008k
(最後の登りは急だが意外に短い)

B131008l
(よく登ってきたなあ)

G5、G4を越えて、ちょっとした鞍部に出ると五龍岳へ向けて最後の登りにさしかかります。

この最後の登りが遠くから見ても急なガレ場が続くように見えたので、どんな感じになるのだろうかと思っていたら、実際は確かに急なものの、距離は案外短いんですね。

B131008n
(五龍岳山頂でなく、西の肩です)

B131008o
(白馬岳・唐松岳方面)

結局鞍部から30分ほどで五龍山荘からの道と合流する西の肩にあっさり上がってしまいました。そしてそのすぐ先が五龍岳の山頂で、さすがにこちらは結構な人出。

それでも想像よりはかなり少なかったのは、五龍のみのハイカーがあらかた下山したからでしょうか。そういう意味でも良いタイミングでした。山頂からの展望は当然良好で、行く先には唐松と先月歩いた白馬に清水尾根も見えます。あー許されるなら今回も祖母谷へ下りたい!

B131008p
(五竜山荘へ下ります)

B131008q
(五竜山荘と五龍岳)

B131008r
(唐松岳へ向かうと一転して歩きやすくなる)

とはいえ三連休ではないので、今回の所は唐松岳まで行って未踏の稜線をつなげたら、後は八方尾根へ下る選択肢しかありません(笑)。

そんな訳で一旦五竜山荘に降りてそのまま北の唐松岳を目指すと、今までの岩尾根とは一変、歩きやすいハイマツの道に変わって、お花こそ終わっているもののどこかナゴみ系の道のり。

B131008s
(シラタマノキ)

B131008t
(五龍方面を振り返る)

でもそんな歩きやすい道のりも最低鞍部まででしたが、これも岩稜が続く中の良いアクセントになりました。

最低鞍部からは唐松岳へ向けての登り返しで、登るにつれ徐々に急になり、岩混じりになってきますが、唐松岳までなら知れたものですし、急なのはぐんぐん標高を稼げるので悪いことではないですね。あと時間の関係もあるのでしょうが、こちらも意外に人が少ないのには驚きました。

B131008u
(唐松岳と頂上山荘、奥に白馬鑓ヶ岳)

意外な好ましさに気をよくしつつ、登り切って唐松岳の頂上山荘に出ると、なんとそこは今までとは桁違いのすごい人が群がっていてこれまたビックリ!

7年前の初訪の折(お盆)もこの辺りの人出は確かに多かったけど、その当時の比じゃないくらいの人出で、好天と紅葉のシーズンと山ブームが合わさった結果でしょうか。予想を遙かに超える人の多さには参りました。

B131008v
(八方尾根は楽しい尾根だが人が多すぎる)

こんな状態では唐松岳へ寄る気にもならず、そそくさと八方尾根を下り始めたのですが、こちらも凄い人出。上部のトラバース道では行き違いのたびに待たされる始末。

でも八方尾根自体は開放的で気持ちの良い尾根なんですよね。丸山ケルンから見える白馬はやはり素晴らしいですし。あと南側を見ているハイカーがどれだけいるかわからないけど、実は富士もず~っと見えてるんですね。

B131008w
(草原の赤はハクサンタイゲキ)

扇の雪渓附近の樹林帯と草原は紅葉が始まっていて、こちらはなかなか見事でした。草原の真っ赤な赤はハクサンタイゲキ。樹林帯はダケカンバとミネカエデとウラジロナナカマドあたり。

八方尾根は中間に樹林帯を交えているのも良いところだと思います。人が多過ぎだけど(笑)。

B131008x
(尾根中間樹林帯の紅葉も始まった)

そんな樹林帯を抜けたら、そこから下はほぼ観光地。それでもこの辺りは想像よりも人出がかなり少なかったという妙な逆転現象。おかげで渋滞に巻き込まれることなくリフトへ向かうことができたのでした。

今回の山行きは前半の三連休が台風で潰れた時点で後半の連休の激混みが確定したので、半ば諦めていたのですが、日頃の行いが良いせいなのか??想像以上の好天に恵まれて無事に歩くことができました。久しぶりに長めの距離を歩いけたし、涼しいこともあって今回は歩くこと自体を楽しめましたし。紅葉も順調に下がってきているようなので、今後はおそらく地元の山につきっきりになる?んじゃない??かなぁ、と思います。
 
・・・・・☆
 
◆ 2013.09.29 (Sun)   (快晴に近い)晴
キレット小屋 05:45- 口ノ沢ノコル 06:40- 北尾根ノ頭 07:00- 五龍岳 08:40/08:55- 五竜山荘 09:30- 最低鞍部 10:05- 唐松岳頂上山荘 11:25/11:35- 扇の雪渓 12:15- 八方池山荘 13:20
 
 
カレーライス(八方池山荘)¥900
生ビール(八方池山荘)¥700
リフト通し券 ¥1400
第一郷の湯 ¥500
 

| | コメント (8) | トラックバック (0)

2013.10.03

青空と共に後立山を縦走する 1

B131003a
(鹿島槍ヶ岳・南峰と北峰)

いやいや9月に入ってから前半は天気の良かった土曜に動けず、最初の連休は台風。そして後の連休は風邪を引いてしまい、まるひと月ぶりの山行きとなってしまいました(汗)。

ということでひと月ぶりのお山は天気が良すぎるので近場でなく、連休に行きそびれた北ア方面。扇沢から鹿島槍ヶ岳、五龍岳、そして唐松岳まで後立山の北部の稜線をさっくり縦走してきました。

B131003b
(柏原新道上部では紅葉も始まっている)

今回は松本前泊で扇沢に入ったものの、相変わらずのお子ちゃま体質のせいで結局ムーンライトで入ったのと変わらない睡眠時間になってしまいましたが(笑)、天気が良いのですこぶる宜しい気分のままスタート。

種池山荘に上がる柏原新道はもちろん初めてでしたけど、道のつけ方といい整備具合といい噂どおりの歩きやすさですね。そして道が尾根の西側を通っているので終始日陰なのは夏場は却って有り難いのかも。

B131003c
(種池山荘が見えてきた)

B131003d
(お次は爺ヶ岳へ)

道中のお花はもうヤマハハコ・アキノキリンソウの咲き残りとオヤマリンドウぐらい。新道の上部ではもう紅葉が始まっていて、ダケカンバがなかなか見事です。

そんな高木の紅葉を愛でつつ行くと、じきに草原に変わって、登り切ったところが種池山荘。意外に人出の少なかった山荘前で展望を楽しみつつ少し休憩したらここからが本番。まずは目の前の爺ヶ岳へ向かいます。

B131003e
(鹿島槍方面)

B131003f
(蓮華・針ノ木の奥には槍ヶ岳に薬師岳も見える)

B131003g
(立山・剱が近い!)

小屋から稜線に出ると、この天気ですからもう周囲は見え見え。行く先の鹿島槍に、振り返れば蓮華針ノ木に立山剱。この辺りは対面になるから本当に近いんですね。そんな様子にニヤニヤしていると自然と歩みも遅くなってきます。

それでもじきに爺ヶ岳に上がると今度は東側が開けて、頸城に戸隠、上信境の高峰に八ツ富士南アの山山が点在する雲の上から顔を出す様子もなかなかオツなもの。このために買ってきてもらったレピキュリアンのクイニーアマンがんますぎます(笑)。

B131003h
(爺ヶ岳南峰より・八ツと南アの間には富士)

B131003i
(冷乗越の手前より)

爺ヶ岳を過ぎたら、今度は正面に鹿島槍を見ながら進む形になります。稜線の紅葉は既に見頃になっていて、ここで綺麗に色づいたウラシマツツジがいたので撮ろうとしたら光が強すぎてパス。でもこの先綺麗に色づいたウラシマツツジを見ることはもうなかったのでした(泣)。

想像以上に急に見えた赤岩尾根の様子に驚きつつ、ひと登りすると突然という感じで冷池山荘の建物が現れて、ここで大休止。手前のベンチがあいていたのでそこでランチにしたのですが、ここは尾根上に展望の利くベンチもあったんですね。

B131003j
(オヤマリンドウ)

B131003k
(稜線の紅葉は前週に霜が降りたようで、あまり良くない)

ランチを終えて鹿島槍を目指すと、どこからわいてきたのか??なぜかここから急に人が増えたにのは驚きました。ひと登りして出る上のテン場を過ぎると、道は草原に灌木帯を交えるようになるのですが、紅葉が見頃のはずなのに実際はイマイチどころかイマニイマサンな感じ。

ミネカエデやウラジロナナカマドなどはすでに枯れだしているし、ウラシマツツジも宜しくない。そんな中チングルマがひとりがんばっている感じでしょうか。どうやら前の週に霜が立て続けに降りたせいのようですね。残念ですが今年の紅葉は樹林帯以下に期待しましょうか。

B131003l
(チングルマの紅葉)

B131003m
(これを登り切れば鹿島槍)

そんな今ひとつな紅葉も、実は歩いているとあまり気にならなかったのは秋の乾いた晴天のおかげでしょうね。

歩いていて本当に気持ちが良いですから。晴れていても盛夏だとこうはいかない。

B131003n
(南峰より歩いてきた稜線を振り返る)

B131003o
(南峰より八峰キレットと北峰)

そんな訳で軽快に布引山を越え、鹿島槍の南峰もさほどの難なくあっさり到着。周りのハイカーを見ていると一旦冷池に出てから、その日のうちに軽装で鹿島槍を往復するパターンもあるんだなと初めて気がつきました(笑)。

ここまで来るとやはり行く先に延びる八峰キレットや五龍岳までの稜線が目に入るんですけど、目の前の北峰とつなぐ吊尾根も結構な岩尾根なんですね。

B131003p
(北峰への道のりは意外に険しい)

北峰は空いているなんて噂は大ウソで(笑)こちらの吊尾根~北峰もかなりの人出。なのでのっけの下りは特に気を遣いました。そんな訳で北峰もそこそこの滞在にとどめて、足下に見えるキレット小屋目指して下り始めます。

上から見るとどんな感じで道がついているのか少々心配になってしまう下りも、実際には急なもののうまく道がつけられていて、なんと一時間ほどで小屋に着いてしまいました。

B131003q
(キレット小屋への下りしな・左は五龍岳)

B131003r
(ダイヤモンド剱とはならず・・・)

さてこの日のお宿であるキレット小屋。ほんとうに凄いところに建っていますね。入口の張り紙にはかなり混むと書かれていたので焦りましたが、実際には40人ほどとかなり余裕があってホッとしました。

場所が場所だけに色気のないシンプルな小屋ですが、建物は綺麗で、寝所からは剱が望めるし、北アの小屋らしくご飯は美味いし、同宿者にも恵まれて、今回も楽しい一夜を過ごすことができました。
 
・・・・・☆
 
◆ 2013.09.28 (Sat)   (快晴に近い)晴
柏原新道登山口 05:45- ケルン 06:40- 種池小屋 08:25/08:40- 爺ヶ岳南峰 09:15/09:25- 冷乗越 10:15- 冷池山荘 10:25/11:05- 布引山 12:05- 鹿島槍ヶ岳南峰 12:45/12:55- 北峰 13:20/13:30- キレット小屋 14:25
 
 
タクシー(信濃大町駅~扇沢・4人相乗り)¥1500
キレット小屋 一泊二食 ¥9100
ビール(ロング缶) ¥800
お茶(PET) ¥500
 

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2013.08.26

白馬連山 百花繚乱 3(白馬岳~清水尾根~祖母谷温泉)

B130827a
(ニッコウキスゲとコバイケイソウの斜面・清水尾根中腹にて)

三日目は丸7年ぶりに清水(しょうず)尾根を下って祖母谷(ばばだに)温泉へ出る行程。初訪の折は登りにとって、そのお花の素晴らしさに圧倒された清水尾根の再訪とあって、実は未踏だった初日よりも楽しみにしていたのがこの日だったのでした。

この日は下りとはいえ長いコースなので、ちょっと早めに5時過ぎのスタート。さっそく小屋下に広がる旭岳との間の雪田へ向かうと、西斜面のせいかのこの時間は日陰なんですね。

B130827b
(剱、立山が近い・・・)

B130827c
(トウヤクリンドウ)

B130827d
(旭山を捲き終えた辺りより)

なので旭岳を北へ捲くところも日陰だったのが少々残念でしたが、その分天気は良いので展望は良好。目の前には当然のごとく剱・立山が間近に見え、その奥には黒部源流部を繞る山山。そしてその奥のトンガリはおそらく槍ヶ岳だと思う。

そんな山山を改めてみて見るともう歩いた山の方が多くなっていて、懐かしい気持ちになっている自分が妙に不思議だったりします(笑)。

B130827e
(ミヤマキンポウゲとミヤマダイコンソウ)

B130827f
(クルマユリ)

そんな感じでいたってルンルン気分で旭山を捲いて尾根上に戻ると、ここでようやく日差しが当たるようになって、お花も本番。でも今回お花の種類は主立ったものしか挙げませんヨ。今まで見かけたお花はかなりの割合こちらでも見られますし。

ただ7年前は清水岳より上はまさにハクサンイチゲロードだったのに今回ほとんど見られなかったのは、雪が多いといいながら時期が遅かったというより、当時の残雪の量が異常に多かっただけで(7年前もお盆の時期でした)、あの時がただのキセキだったのでしょう(笑)。

B130827g
(ハクサンフウロ)

B130827h
(コマクサが一面に咲いているのがわかるでしょうか?)

B130827i
(タカネシオガマ)

それでもこちらは残雪が多いせいか前の日はほとんど終わっていたミヤマダイコンソウがまだかなり見られたし、そうかと思えば前に通りがかったときはほとんど終わっていたコマクサが元気に咲いていたのは意外でした。

ただ清水平の雪田は小さく、融雪水が取れなくなっていたのはこの時期としては実は普通のことなのかも。7年前は雪田が登山道近くまであって水がじゃばじゃば流れていましたから。

B130827j
(ようやく清水岳に近づいてきた)

B130827k
(イブキトラノオと剱岳)

そんな雪田を右に見つつ、イブキトラノオとコバイケイソウに埋まる斜面を登り切ると、広々とした清水岳に到着。やっぱり今回もエアリアのコースタイムをオーバーしていました(笑)。

初訪の折りは干涸らびたのばかりだったミヤマアズマギクがこの日のコマクサと同様に比較的きれいなのがたくさん残っていた不思議。まだまだ先は長いので、というかお花はここからが本番なのでメロンパンを食べて、先を行きます。

B130827zb
(お花畑はまだまだ続きます)

B130827l
(タカネナデシコ)

下りはじめて驚いたのが、清水岳より下はぬあんと刈り払いが入っていたこと!初訪の折はこの辺りが一番藪の煩かった箇所でしたから。。。

あとここまで来ると気になるのがやはりミヤマハナシノブなのですが、結局今回も見つけられませんでした。この花をここで見るにはやはり7月中が必須なのかもしれませんねえ。

B130827m
(歩いても歩いても、お花が途切れない!)

B130827n
(シナノキンバイと剱岳)

B130827o
(ヤチトリカブト)

ミヤマハナシノブは今回も残念でしたけど、さすがに清水尾根は中途半端に目の肥えてしまったおっさんの期待を裏切りません(笑)。いやあお花畑がつづいてつづいて・・・途切れない!

そして、歩を進めるたびにミヤマキンポウゲが斜面を覆い、シナノキンバイが斜面を覆い、次はハクサンシャジンが、ハクサンイチゲが、イワイチョウが、ニッコウキスゲが、コバイケイソウが、ハクサンコザクラが、チングルマが・・・

B130827p
(雪田にはイワイチョウとハクサンイチゲ、そして剱岳)

B130827q
(ハクサンイチゲは盛りを過ぎていたが見事)

B130827r
(斜面をニッコウキスゲが覆っている)

B130827s
(ハクサンコザクラもいっぱい!)

B130827t
(コバイケイソウはここが一番見事だった)

・・・かわるがわる周囲の斜面を埋める様子はまさに圧巻の一言。うおお。

初訪の折とくらべるとチングルマがやや少なめで秋の花と入れ替わっていたのも、またよし。「清水尾根でお花を楽しむなら登りが必須」と思っている自分も、終始剱岳を視界に入れながらお花を愛でられるのもまたオツなもので、これは下りならではの魅力ですね。

B130827u
(チングルマがこっちを向いてる!)

B130827v
(不帰岳避難小屋)

いつまでも続くお花畑にもうお腹いっぱいというか正直飽きてきた頃(笑)ようやく樹林帯に入って、これで長々と続いたフラワーロードはおしまい。猫又峠の鞍部に降りてから、緩くトラバースするとこれまた懐かしい不帰岳避難小屋に到着しました。

・・・と書くともうお終いのような雰囲気ですけど、ここでようやく行程の半分なんですね(笑)。小屋は相変わらず普通に使えるようですし、水場もしっかり。おかげでおいしい水が汲めるので日陰の少ない小屋前でラーメンを煮て、食べて、少しのんびりしたら先を行きます。

B130827w
(こんな鎖場があること忘れてました・笑)

B130827x
(尾根道はオオシラビソとコメツガの林)

前に歩いた経験から今回は避難小屋までは「縦走」、避難小屋以降が「下山」のイメージで、あとはお気楽に下山~♪なんて思っていたら、トラバース道から尾根道に復帰する手前で、↑↑のような鎖場があったのは完全に忘れていました(笑)。

それでも尾根に沿って歩いている時はスムーズに歩けたし、百貫ノ大下リもトラバース道ではあるもののさしたる難場はなかった覚えがあるので、お気楽で降りていたら

B130827y
(清水尾根上部は下からだとこう見えるのか)

B130827z
(ブナ林も見事)

改めて歩いてみると、意外にワイルドですね(笑)。特に沢を横断する箇所は道も細くて少々気を遣いました。でもここまで下ってくると暑くなっているから、沢を横切るたびに水浴びできてそれが結構爽快。あとこの時間から登る人が意外に多かったのには驚きました。(もちろん数名ですけど)

あとは順調に下っていき、徐々に祖母谷の沢音が近づいてくる頃には頭の中はもう温泉のことしかなかったかも(笑)。やがて名剣沢に出て、ゴーロの広い沢床を下り気味にトラバース。廃林道に降りたら暑い中急ぎ足で祖母谷温泉へ向かったのでした。

B130827za
(祖母谷温泉に着きました)

さて個人的に念願だった祖母谷温泉。独特の開放感がある、常連さんの多いかなりディープな小屋ですね。一発で気に入りました。北アにもこういう所があったのか!という思いです。暑かったので川原の温泉掘りは断念しましたが(それでも夜は寒いくらいになる)、温泉よろしく、人よろしく、リブルさんおすすめの骨酒も堪能できて(うまうま)、大変楽しい一夜を過ごすことができました。

今回は二年ぶりの北アルプス。そして個人的に「白馬のゴールデンルート」と目している今回のコースを無事に歩けて、ほんとうに良いリハビリになりました。とにかく天気に恵まれたのが一番。そして人にお山にも恵まれた。感謝感謝です。今年は天気を選んでいるせいもあるけど、予定がつぶれまくってズッとヘコんでましたが、この山行きでみんなスッキリしました。白馬は本当にいい山。何度でも行きたいし、今度は「北アのミヤマハナシノブ」もこの目で確認したいですね。
 
ちなみに7年前の清水尾根は→→こちら。参考程度にどうぞ (^_-)-☆
 
・・・・・☆
 
◆ 2013.08.14 (Wed)   (ほぼ)快晴
白馬山荘 05:10- 清水岳 07:30/07:40- 不帰岳避難小屋 09:50/10:45- 百貫山北鞍部 12:10- 祖母谷温泉 14:20
 
 
祖母谷温泉 一泊二食 ¥9000
缶コーラ ¥250
お茶(500mlPET) ¥400
骨酒 ¥1700
 

| | コメント (6) | トラックバック (0)

2013.08.21

白馬連山 百花繚乱 2(朝日岳~雪倉岳~白馬岳)

B130821a
(小桜ヶ原附近より朝日岳を振り返る)

さて二日目は白馬岳までの行程。とはいえ今回は登りだし、前歩いたときと時期が違うのでどんな感じなのだろう・・・と興味津々。

この日は余裕のある行程なので、おいしい朝食を頂いてからのんびりスタート。朝日から尾根伝いに下る箇所は歩いたことがなかったので、そちらにしようかとも思ったんですけど、お花目当てとなるとやはり水平道を選んでしまいます。

B130821b
(水平道は一部雪が残り、気を遣う)

B130821c
(キヌガサソウ・間に合った!)

お花の方は五輪尾根上部に似た感じで、ハクサンフロ、モミジカラマツ、ミヤマキンポウゲ、ハナニガナ、カンチコウゾリナ、ミヤマアキノキリンソウ、ミヤマキンバイ、シナノキンバイ、ミヤマホツツジ、アオノツガザクラ、ツガザクラ。そして雪の溶けた跡にはハクザンコザクラ、チングルマ、イワイチョウ、リュウキンカ。

水平道の残雪は一部だけでしたけど、雪がかなり薄くなっている箇所もあって少々気を遣います。尾根道との合流点でキヌガサソウは何とか間に合いましたが、ミズバショウ、サンカヨウはやはり遅かったです。。。

B130821d
(雪倉への登り返しはこのトラバースから)

B130821e
(タカネマツムシソウ)

赤男山を西から捲きおえると、ようやく稜線上に上がって、ここから雪倉山への本格的な登りの始まり。

しばらくは少々しんどいところですけど、まだ展望も楽しめるし、お花の顔ぶれも変わってこれまた楽しい道のり。今回登りのにしたのは新鮮味があって正解でした。

B130821f
(ハクサンシャジンとアカバナシモツケ)

B130821g
(ここまで来たら雪倉岳はもう少し)

道中のお花、まずはなんと言ってもタカネマツムシソウの鮮やかさに目を奪われ、少々背の高い草むらの中にはアカバナシモツケ、オニアザミ、ニッコウキスゲ、クロトウヒレン、ニッコウキスゲ、ハクサンシャジン、ヤマブキショウマ、オヤマソバ、ヤマブキショウマ、タカネイブキボウフウ、タテヤマウツボグサ、タカネヤハズハハコ、ウメバチソウ、ミヤマリンドウ、クルマユリ、ウサギギク、ミヤマシシウド、イワシモツケなどなどなどなど・・・キリがない!あと一株だけだけど、終わりかけのタカネグンナイフウロにも逢えたのは白谷ノ丸で見逃していたので個人的にラッキーでした。

B130821h
(雪倉岳より・この辺りからガスが出てきた)

B130821i
(ミヤマアケボノソウ)

のんびりペースで歩いても雪倉岳には10時前に着いてしまったので、今回はここでランチ。さすがにキリの良い場所のせいか休憩するハイカーも多いです。

ただこの辺りから徐々にガスって来たのが残念でしたが、それでも涼しくなるから休憩には却って良かったかも(笑)。

B130821j
(イブキジャコウソウ)

B130821k
(タカネバラ)

B130821l
(雪倉岳を振り返る)

ガスが晴れるのを待ってから再び歩き出し、南鞍部の避難小屋へ下る道すがらもお花がいっぱい。あとこの辺りから稜線の様子も変わって、緩やかな尾根歩きに変わるところは個人的にもかなり好きなところ。

とはいえ、避難小屋から先は再びトラバース道になってしまうんですけど(笑)、雰囲気は稜線歩きとさほど変わらないし、お花畑はまだまだ続くし、とにかく歩いていてキモチが良いのです♪

B130821m
(チングルマもいっぱい)

B130821n
(キモチEですねええ)

B130821o
(ハクサンイチゲもいっぱい)

トラバース道を歩いている途中、対岸の尾根に人が登っているのが見えたので、あの人はどこ歩いてるんだ?と思っていたらあれが鉱山道なんでした。お花は?なのかもしれないけど、直接蓮華温泉へ下れるし、地図で道の付けられ方を見てもちょっとそそられるものがありますね。

そんなのんびり気ままに歩けるのも、再び稜線に戻る鉢の鞍部まで。ここまで来たらあとは三国境、そして白馬岳への登りが残されているだけです。

B130821p
(ミヤマムラサキ)

B130821q
(三国境への登りしな)

鉱山道分岐附近のコマクサも何とか残っていて、そんなお花たちを愛でつつガスり始めた稜線をえっちらおっちら。この辺りは下りだとあっという間だった印象でしたけど、さすがに登りに採ると意外に距離がある感じ。

それでもこういう緩やかな尾根は登りでも永遠に歩いていたいと思ってしまうから不思議です(笑)。

B130821r
(ミヤマクワガタ)

B130821s
(白馬岳を手前に本格的にガスってしまった)

鉱山道との分岐から小一時間ほどで三国境に上がると、さすがにここからは大勢のハイカーが現れて白馬山頂は近しの雰囲気。

でも白馬へ向かうと周囲は完全にガスって、山頂に辿り着いてもそのまま。白馬山頂とはなぜか相性が宜しくないようで、時間に余裕もあったので30分ほど粘ってみたものの結局変わらなかったので、諦めて下の白馬山荘へ向かったのでした(笑)。

B130821t
(山荘からはこんな光景が楽しめる)

この日のお宿白馬山荘も二年ぶり。お盆なのに人の入りにかなり余裕があってびっくり(一号館は1/3ぐらいしか入ってない状態)。おかげで同宿の方とスカイプラザで飲んだり(笑)、夕食の後は表のベンチで暮れなずむ山々をボーっと眺めながら過ごしたり、夜半にはまたまた流星群を見物したりと、これまた山歩きと同様に盛りだくさんな小屋ライフを楽しめた一夜でした。
 
・・・・・☆
 
◆ 2013.08.13 (Teu)   晴 一時 曇
朝日小屋 05:30- 尾根道合流 06:55/07:05- 雪倉山 09:40/10:30- 鉱山道分岐 11:50- 三国境 12:45- 白馬岳 13:15/13:45- 白馬山荘 13:55
 
 
白馬山荘 一泊二食 ¥9000
生ビール(スカイプラザ) ¥850
ソーセージ盛り合わせ(スカイプラザ)\800
缶チューハイ ¥480
お茶(500mlPET)x2 ¥1000
 

| | コメント (7) | トラックバック (0)

2013.08.17

白馬連山 百花繚乱 1(蓮華温泉~五輪尾根~朝日岳)

B130817a
(五輪尾根の道すがらより雪倉岳)

やっと、やっと、やっと・・・夏らしいド安定な好天がやってきました。こうなったらお山へ行くしかないでしょう!なんですけど、あまりに天気が良すぎて暑すぎるので(笑)今回はかねてより予定していた山から標高の高い白馬の方へ転進。お花に温泉を絡めたリハビリメインの山行きになりました。

ということで今回は前日泊で蓮華温泉からのスタート。初日は行程が少し長めのなので朝は4時台からの歩き出しで、夜が徐々に明けてくる中を歩くのってこういう時しかないのでなかなか新鮮ですし、朝の雰囲気よろしく、静かなのも良いですね。

B130817b
(兵馬ノ平)

そしてダケカンバやサワグルミ、トチ、ブナなどの目立つ林も雪国らしくてなかなか素敵です。

肝心のお花は兵馬ノ平ら辺りからちらほら。盛りは過ぎたのかな?アカバナシモツケ、オオバギボウシ、オタカラコウ。トモエシオガマやウメバチソウにトリカブトの類いもぼちぼち出始めて秋の雰囲気も少々。

B130817c
(このネズコは見事!)

あと雪国らしいのでちょっと期待していたのがネズコ(クロベ)の木。道中立派なのが散見されたのはさすがで、瀬戸川渡ったあとの↑↑この木は樹高こそ低いけど、がっちりとした枝振りがなかなかの存在感で、こういう出逢いも嬉しいものですね。

道は尾根上を行ったと思ったらトラバースを繰り返す感じで、道もトラバースが続く割に整備がしっかりしていて、樹下に点在するお花を愛でながらのんきに歩けます。お花はオニシモツケにエゾアジサイ、ソバナ、ジャコウソウ、オニシオガマ、ツルアリドオシにオトギリソウ。。。

B130817d
(白高地沢に架かる橋より)

今回は歩くペースを抑えていたにもかかわらず、意外に早く歩けたのは単にエアリアの設定が甘めなせいなのか??周囲の開けた白高地沢でものんびり休憩できる余裕がありました。

上流側の奥に見えるのは朝日岳?なのでしょうか??こういう光景が目に入ると、ワクワクしてきますネ!

B130817e
(時折現れるブナ林も素敵だ)

B130817f
(オオコメツツジ)

白高地沢を渡ったら、ここからが本格的な登りの始まり。とはいえ相変わらず美林は続くし、傾斜もさほどではなく、歩きやすい道と言うこともあってすいすい登れます。

そしてこの日初めての朝日側からのハイカーとスライドすると、まもなく高木が途切れて草原に飛び出しました。ここからは両側をキンコウカやワタスゲ、オオコメツツジ、シロバナニガナなどで彩られた木道を行くようになります。

B130817g
(花園三角点附近だったと思う)

B130817h
(カライトソウ)

ふた登りぐらいで草原からホツツジの灌木帯に変わるとすぐ先が花園三角点。しかし緩めに歩いた割に実働3時間ほどで上がってしまい、このペースで歩いてしまうと午前中に朝日小屋に着いてしまいます(笑)。

なので少し先を行くと、ををを・・・行く先の尾根に、東側には雪倉から朝日の稜線が一望。やはりスペシャルなお山こそある程度晴れてくれないと、心の底から愉しめないですから。

B130817i
(花園付近はキンコウカがメイン)

B130817j
(タテヤマリンドウ)

ということでそんな展望を愉しんだら、適地を見つけたところで早々にランチをとって(笑)、この先はもっとペースを落として歩くことにしました。

花園から先は標高も上がってなおも草原が続くせいか、お花が一気に増え、先の花に加えてミヤマママコナ、ハクサンシャジンにタカネマツムシソウ、イワショウブ、モミジカラマツ、ミヤマコゴメグサ、シロウマアサツキ、カライトソウ、大ぶりなワレモコウはもしかしたらハッポウワレモコウとか??・・・

B130817k
(花園三角点を振り返る)

B130817l
(ヒオウギアヤメ)

そして先を行くと大当たりなコバイケイソウ、ニッコウキスゲ、ヒオウギアヤメにタテヤマリンドウ、オヤマリンドウ、ミヤマダイモンジソウ、ハクサンフウロ、クルマユリ、イワギキョウ、エゾシオガマ、ハクサンタイゲキ、イワイチョウ、ヨツバシオガマ、ムシオリスミレ、イブキジャコウソウ、キバナノカワラマツバなどなど次から次へとお花が登場して、何とも楽しい道のり。

あと蓮華温泉組と朝日小屋組とスライドするのはだいたいこの辺りでした。そういう意味でもこの辺りは華やかだったかも。

B130817m
(ダケカンバの枝振りも風情があります)

B130817n
(実はお花がたくさん咲いているんです)

そんな草原の道も、尾根を左に外れて五輪ノ森に入ると一旦お休み。オオシラビソやダケカンバの高木が覆うようになるので、日陰ができてちょっとクールダウン。

そのクールダウンもじきに終わって、五輪ノ森を抜けると再びお花畑のはじまり。ミヤマカラマツにミヤマキンポウゲ、ハナニガナ、カンチコウゾリナ、ミヤマアキノキリンソウなどが道脇を彩り、

B130817o
(ハクサンコザクラ)

B130817p
(リュウキンカも見事!)

そしてハクサンコザクラやチングルマ、ハクサンイチゲ、コバイケイソウが広がった斜面を一斉に埋め、その斜面をコイワカガミ、シナノキンバイ、ミヤマキンバイ、ツガザクラ、アオノツガザクラなどがまた彩るなんとも贅沢な光景が、歩いても歩いても続く
ところは間違いなくこの日のハイライト。

やがて稜線が近づく頃、これまた斜面を黄色く染めているところがあったので、これはミヤマキンポウゲ辺りか?と思って近づいたらぬあんとリュウキンカ!前に水平道で見かけたときも驚いた記憶があるけど、これは白馬と比べて標高が二段ほど?低いからなのでしょう。

B130817q
(雪渓より来た道を振り返る)

B130817r
(吹上ノコルから朝日山への登りもお花が楽しめる)

そんなリュウキンカの田んぼを過ぎると雪渓を越えて、吹上ノコルに到着。ここに来るとやっぱり栂海新道の方が気になりますけど、今年の夏は特に暑いから下は本当に大変でしょうねええ。

ここまで来たらあとは朝日岳に上がるだけ。朝日岳へ向いはじめた途端、クモマミミナグサやタカネシオガマ、タカネツメクサ、イワシモツケ、タイツリオウギ、タカネナデシコ、ミネウスユキソウ、ミヤマムラサキなど稜線でもお馴染みのお花が出てきて、去年いろいろあった自分にとっては「ようやくここまで来れたかー」という感慨しかなかったように思います。

B130817s
(コバイケイソウはどこでも絶好調)

B130817t
(朝日山より白馬岳と清水尾根)

ゆっくり登っても朝日岳には30分ほどで着いてしまい、この時点でもまだお昼前。

ではのんびり展望でも楽しみましょうか~のつもりも東側からガスが上がってきて、じきに展望がXになってきてしまったので、こうなったらもう小屋へ降りるしか選択肢はありません(笑)。

B130817u
(朝日平の夕暮れ)

そんな訳で二年ぶりの朝日小屋は相変わらず素敵なところでした。お盆にもかかわらずかなり余裕があって快適に過ごせましたし、評判高いお食事も大変おいしゅうございました。でもここはきれいな自炊場があって素泊りにも優しいから、個人的に今後はやっぱり自炊のほうがいいかなぁ(笑)。

同宿の方とのお話も楽しかったし、この夜極大だったペルセウス座流星群も楽しめて、この日の山歩きと同様に小屋ライフも楽しめた一夜でした。
 
・・・・・☆
 
◆ 2013.08.12 (Mon)   晴
蓮華温泉 04:20- 兵馬ノ平 05:00- 瀬戸川橋 05:35/05:45- 白高地沢 06:40/06:50- 花園三角点 07:50-(途中休憩40分)- 五輪ノ森 09:25- 吹上ノコル 10:50/11:00- 朝日山 11:30/11:45- 朝日小屋 12:25
 
 
朝日小屋 一泊二食 ¥9000
ビール(ロング缶) ¥700
コーラ(500mlPET)\400
 

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2013.06.07

6月の八ヶ岳まったり縦走 2

B130607a
(台座ノ頭附近より・稜線に雪はなし)

よく眠れると朝も早い。天気も良いせいか4時前には目が覚めたので、のこのこ外を見てみると、雲海の奧に御嶽、乗鞍に北アが浮かぶ様子はなんか本当に久しぶりに見る光景。でもワクワクするというよりちょっと現実感がなかったかも。

そのあとは明るくなった小屋の周囲を少し散歩なぞしつつ、それから朝食をとって出発しました。

B130607b
(朝の小屋より・雲海の奧に北アが浮かぶ)

B130607c
(昨日歩いた天狗岳を振り返る)

箕冠山を越えて夏沢峠に降りると、ここからはもう八ヶ岳の核心部。でも人っ子ひとりいなくて閑散としています。前に歩いたときは凄い人出だったのを覚えていたので、この静けさは意外。いやぁ6月の平日は良いですねぇ!

おかげで硫黄岳への登りも快調そのもの。樹林帯を越えると展望が一気に広がって、振り返れば昨日歩いた天狗岳に北八ツ方面。そして峰の松目の奧には中央アルプスがクッキリ。あちらも随分とご無沙汰しているなぁ。。。

B130607d
(硫黄岳三角点へは火口の縁を行く)

B130607e
(硫黄岳を振り返る)

そんな展望を楽しみつつ歩いても、夏沢峠から小一時間程で硫黄岳に着いてしまいました。広い山頂には先客さんが僅かに三名という閑散さがこれまた嬉しい限り(笑)。

時間もあるので今回は東の三角点へも寄ってみました。意外に距離があって往復15分ほどでしょうか。でも三角点に寄ると富士が見えるんですね!

B130607f
(キバナシャクナゲ)

B130607g
(オヤマノエンドウ)

硫黄岳から先も相変わらず人がいなくて素晴らしい道のり(笑)。硫黄岳山荘に一旦降りてから台座ノ頭に登り返すと、ここでようやく見頃のキバナシャクナゲ。久しぶりですねぇ♪

そんなお花をカメラに収めていたら、ちょうどスライドしたパーティの方からツクモグサを見つけられなかった話を聞いてちょっと愕然。そんなに見つけづらいお花なのかなぁ。。。まぁ気にしてもしょうがないので先を行く事にします。

B130607h
(赤岳と阿弥陀岳の間に北岳甲斐駒仙丈)

B130607i
(ミヤマキンバイ)

B130607j
(ウラシマツツジ)

横岳を過ぎる辺りから総じて咲き始めなものの徐々にお花が出てきて、徐々にテンションが上がってきた・・・というかそろそろツクモグサの自生地あたりらしいので、かなり目を光らせながら歩いていたと思います(笑)。

でもそんなツクモグサも三叉峰の手前であっさり発見してしまいました。岩と岩の間に咲いてるなんて白馬で見かけたのとは違って意外でしたが、ここは数が少なく、かなりわかりづらい所。以前歩いた時に花の多いところだったなあ、と覚えていたので見つけられた感じです。

B130607k
(ミネズオウ)

B130607l
(イワウメ)

B130607m
(ツクモグサ・ちょうど見頃でした♪)

でもそんなお花も三叉峰を過ぎるとあぁ!ありますあります。必死に探して損したわと思ってしまうぐらい咲いていてホッとしました。毛むくじゃらの花がまとまって咲く様子はお花と言うより、なんかヒナのよう。

そんな様子に思わずお花にちょっと触れてしまいましたけど、やっぱりふわふわでした。

B130607n
(クモマナズナ)

B130607o
(赤岳まではもうひと頑張り)

目的のお花にも無事に逢え、あとは赤岳を目指すだけ、と先を行くとお花も一気に減りますね。しかし赤岳に近づいても人がまったく見あたらない!お花の最盛期でもこれぐらいの人出だと、もっと八ツに通っても良いんですけど(笑)。

おかげでしんどい登りも大したことなく、あっさりと赤岳に到着。山頂には先客さんがいらっしゃいましたが、直にいなくなってとうとう赤岳の山頂も貸し切り。平日登山は最高ですね!

B130607p
(赤岳山頂の赤嶽神社)

B130607q
(権現岳方面はガスが上がりはじめていた)

ただこの頃から南側からガスが上がり始めて、天気も少々曇り気味。でも北側はまだまだ展望が利いていたので、そちらの方を向きながら軽くランチをとったら、さぁ下山しましょうか。

今回は初めて美濃戸の方へ降りて見たのですが、いやぁ中岳の東鞍部へ下るまでが急で嫌らしいですね。ここまでもかなり気を遣ったのですが、文三郎尾根も階段が続いて少々嫌になる下りでした。

B130607r
(美濃戸への道すがら・一部雪も残るがアイゼン不要)

B130607s
(ウスギオウレン)

それでも急なだけあって50分ほどで行者小屋に到着。こちらも閑散としていて、せっかく来たのだから記念に何か食べてみようかと当初は思っていたのも、結局やめてしまいました。

あとは南沢を下って美濃戸に出るだけ、のつもりも美濃戸までが意外に長くて(一時間ぐらいで下れると思っていた)面食らいましたけど、こちらも種類は少ないながらもお花がぼちぼち見られて楽しい道のり。

B130607t
(コイワカガミは惜しかった・・・)

B130607u
(キバナコマノツメ)

個人的にはコイワカガミが蕾がほころびはじめまで、でちょっと惜しかったかな。あとホテイランの自生地は美濃戸に近い所まで下った所にあったのも意外。ちょっと真剣に探して損しましたよ(笑)。

そんなこんなで目的のお花に無事逢えたら、美濃戸に到着。とはいえ、この日は平日ながら美濃戸口からのバスが運行していたのでもうひとがんばりです。

B130607v
(ホテイラン)

B130607w
(あとは美濃戸口へ向かうだけ)

でもその美濃戸口までの林道歩きが、周囲の新緑の中をエゾハルゼミの鳴き声を聞きながら歩ける、初夏らしい趣のある素敵な道のり。今回の歩きのフィナーレに相応しい光景になんとも良い気分で美濃戸口へ向かったのでした。
 
・・・・・☆
 
◆ 2013.06.03 (Mon)   晴
根石岳山荘 06:00- 夏沢峠 06:30- 硫黄岳 07:15/07:40- 横岳 08:30- 地蔵ノ頭 09:30- 赤岳 10:05/10:25- 行者小屋 11:10- 美濃戸山荘 12:55- 美濃戸口BS 13:35
 
 
八ヶ岳山荘 入浴料 ¥500
生ビール ¥600
バス(美濃戸口-茅野駅)¥900
 

| | コメント (5) | トラックバック (0)

2013.06.04

6月の八ヶ岳まったり縦走 1

B130604a
(根石岳への道すがら・稜線はガスっていた)

ふう・・・去年はいろいろあったから高尾以外の【その他の山域】って二年ぶりでしたね。さきの週末は久しぶりに八ヶ岳を歩いてきました。狙いはみなさまうすうすお気づきのことでしょうけど・・・(笑)。

とはいえいきなり核心部から入るのは開山祭で人も多すぎるので、初日は地味かつ遅出でもOKなところ、と言う事で茅野駅からタクシーで唐沢鉱泉に出てみました。(¥6800)

B130604b
(コミヤマカタバミ)

鉱泉の駐車場はもちろんそこそこ埋まっているものの、時間も中途半端だし、とにかく静かですねぇ。これで天気が良ければなお良しですけど、それでも気分良くスタートできるというものです(笑)。

歩き出しはこの標高らしくコミヤマカタバミがいっぱい。そおいやこの花、長沢背稜/都県界尾根のスズタケが枯れてからは奥多摩でほんとうによく見かけるお花になったので、なんか妙な気分。

B130604c
(第一展望台より・西天狗、根石、箕冠)

B130604d
(同じく、中山方面)

そんなお花もまもなく黒木の森に入ると見かけなくなり、小一時間程で天狗岳の西尾根に上れば、あとはそのまま天狗岳を目指すだけです。

シラベからコメツガ、そして再びシラベに変わるとまもなく飛び出した岩峰が第一展望台。曇っている割には展望は良好でしたけど、天気が今ひとつだと、こう・・・なんか盛り上がりません。でも北八ツ方面の広くてゆるゆるな稜線は完全にボク好みで、気が向いたら次はそちらの辺りかな~??

B130604e
(残雪ぼちぼち・アイゼンは不要)

B130604f
(最低鞍部附近からの西天狗)

第一展望台を過ぎると残雪がぼちぼち現れてきますが、距離が短く、雪も程よく緩んでいるのでアイゼンは不要でしょう。すいすい歩けるというか、これも歩きの良いアクセントです。

そしてじきに次の第二展望台に着くと、目の前には西天狗が聳えるよう立ちはだかります。わかっちゃいたけどちょっとイヤだなぁ・・・と思いつつ最低鞍部に下ってから登り返すと、これが意外やへっちゃらというか、まぁ大して歩いてないから快調なだけだったのでしょう(笑)。

B130604g
(東天狗より先はガス・・・)

B130604h
(稜線のお花はコメバツガザクラのみ)

この登りでこの日初めてかつ唯一だったパーティさんとすれ違って、西天狗に上がると、あぁ・・・無情にも東の稜線はガスに包まれていました。

とりあえず東天狗まで行って、ランチを兼ねつつガスが晴れるのを待ってみたのですが、やっぱりダメでした。このままジッとしててもしょうがないので、諦めて本日のお宿へ向かいます。

B130604i
(本日のお宿・根石岳山荘)

ということでこの日のお宿は根石岳山荘。手続きを終えると右の本館の方に通されたのですが、建物が新しくて中も明るく綺麗でビックリしました。寝所なのに天気が良ければ中から展望を楽しめるし、TVはあるし、ストーブあるしで至れり尽くせり。

ただお風呂の方は水場がまだ雪に埋まっているようで今回は入れませんでしたが、快適な上にお風呂があるって・・・八ツの小屋って恐ろしすぎるわ~(笑)。

B130604j
(夕空と西天狗)

しかもこの日はボクも含めて宿泊者は3人。同宿者とのお話も楽しく、ほんとうにのびのび過ごせました。夜になると晴れてくれたので夜景に☆空も楽しめ、山での一夜を久しぶりに堪能した思いです。
 
・・・・・☆
 
◆ 2013.06.02 (Sun)   曇
唐沢鉱泉 10:10- 第一展望台 11:40/12:10- 最低鞍部 12:45- 西天狗 13:20- 東天狗 13:40/14:00- 根石岳山荘 14:30
 
 
タクシー(茅野駅~唐沢鉱泉)¥6800
根石岳山荘 一泊二食 ¥9000
 

| | コメント (4) | トラックバック (0)

その他のカテゴリー

◆ カテゴリーのご案内 【その他の山域 2004・2005】 【その他の山域 2006】 【その他の山域 2007】 【その他の山域 2008】 【その他の山域 2009】 【その他の山域 2010】 【その他の山域 2011・2012】 【その他の山域 2013】 【その他の山域】 【前道志・道志・丹沢 2004】 【前道志・道志・丹沢 2005】 【前道志・道志・丹沢 2006】 【前道志・道志・丹沢 2007】 【前道志・道志・丹沢 2008】 【前道志・道志・丹沢 2009】 【前道志・道志・丹沢 2010】 【前道志・道志・丹沢 2011】 【前道志・道志・丹沢 2012】 【前道志・道志・丹沢 2013】 【前道志・道志・丹沢】 【大菩薩・権現山稜 2004】 【大菩薩・権現山稜 2005】 【大菩薩・権現山稜 2006】 【大菩薩・権現山稜 2007】 【大菩薩・権現山稜 2008】 【大菩薩・権現山稜 2009】 【大菩薩・権現山稜 2010】 【大菩薩・権現山稜 2011】 【大菩薩・権現山稜 2012】 【大菩薩・権現山稜 2013】 【大菩薩・権現山稜】 【奥多摩 2004】 【奥多摩 2005】 【奥多摩 2006】 【奥多摩 2007】 【奥多摩 2008】 【奥多摩 2009】 【奥多摩 2010】 【奥多摩 2011】 【奥多摩 2012】 【奥多摩 2013】 【奥多摩】 【奥秩父・秩父・奥武蔵 2004】 【奥秩父・秩父・奥武蔵 2005】 【奥秩父・秩父・奥武蔵 2006】 【奥秩父・秩父・奥武蔵 2007】 【奥秩父・秩父・奥武蔵 2008】 【奥秩父・秩父・奥武蔵 2009】 【奥秩父・秩父・奥武蔵 2010】 【奥秩父・秩父・奥武蔵 2011】 【奥秩父・秩父・奥武蔵 2012】 【奥秩父・秩父・奥武蔵 2013】 【奥秩父・秩父・奥武蔵】 【御坂・天子・富士 2004】 【御坂・天子・富士 2005】 【御坂・天子・富士 2006】 【御坂・天子・富士 2007】 【御坂・天子・富士 2008】 【御坂・天子・富士 2009】 【御坂・天子・富士 2010】 【御坂・天子・富士 2011】 【御坂・天子・富士 2012】 【御坂・天子・富士 2013】 【御坂・天子・富士】 つれづれ つれづれ 2004・2005 つれづれ 2006・2007 つれづれ 2008・2009