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2013.12.30

雪を求めて三頭山周辺の尾根を登り降り

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(三頭大滝・氷結は30~40%位か)

思いがけない12月の積雪もしばらく経つと主立った山にはトレースがついてしまうもの。なのでトレースのないまっさらな所にプラスして、雪で時間がかかってもエスケープの選択が複数ある所、そして未踏の区間もあるコースってないかなあ・・・という至極勝手な条件でフト思いついたのが三頭山。

ということで日曜(12/29)は数馬から三頭大滝経由で日蔭三頭ノ沢左岸尾根たる大沢山東尾根を辿って一旦大沢山に上がり、南西に延びるカラタキ沢右岸尾根を下降。大長作沢の径路を捉えて長作尾根を登り返し、三頭山に上がったら、今度は三頭山中尾根を下降するコースを組んで歩いてみました。

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(三頭沢の道は日陰のせいでまだこんな感じ)

しかしこの時期の早朝はさすがに寒いですねえ。一番の数馬行きも年末のせいでしょうハイカーは私一人という閑散ぶりで、数馬まで来ると道路も白くなっていたのは金曜の雪のせいでしょうか?おかげで終日日陰な?三頭沢沿いの登山道がまだ真っ白だったのはちょっと得した気分。

普段より少々時間がかかって着いた三頭大滝は↑↑こんな感じ。三、四割の凍り具合といったところで、この冬は最低気温の高い日が続いていた割に想像よりも凍っていて、これまた得した気分。

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(大沢山東尾根<日蔭三頭ノ沢左岸尾根>のひとコマ)

そんな滝を鑑賞してから再び歩き出すと、すぐ先の分岐が大沢山東尾根の末端である日蔭三頭ノ沢の出合で、沢の周辺で氷の造形をカメラに収めたらさっそく東尾根に取り付きます。

大沢山東尾根を歩くのは丸8年ぶりのこと。積雪は20cmほどと少なめなもののトレースは当然ございません。ペースはもちろん上がりませんが、サラサラの雪の感触を楽しみながら登れるのがとにかく嬉しい。

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(直角に曲がった大ミズナラ)

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(大沢山東尾根上部・積雪は30cmぐらい)

中腹まではアセビなどの灌木が少々煩いけど、時折立派なブナやミズナラを見かけるのはさすがに三頭山周辺の山ですね。尾根上部にさしかかると藪はなくなり、尾根が広がってここからが大沢山東尾根のハイライト。

雪も徐々に深くなってちょっとしんどくなってきた頃、なぜか南のハチザス沢側からトレースが上がってきたのには驚きましたが、おかげで楽もできました。それからひと登りで槇寄山からの登山道を合わせて、間もなく大沢山に到着します。

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(大沢山より・いつの間にやら灌木が茂っていた)

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(カラタキ沢右岸尾根上部にあった大岩)

大沢山って冬枯れの時期は結構久しぶりだったのかな?南の開けたところに灌木がいつの間にやら育って、富士の展望が灌木越しになっていたことに驚きました。

おやつのチョコクロワッサンを食べたら、お次はカラタキ沢右岸尾根の下降。なんですけど、北から吹き付ける風が冷たくて冷たくて・・・もうこのままどこかへ下山したい気分。でもまだ朝も早いし、そんな気分を振り払ってしょうがなし??下降を始めます。

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(右岸尾根上部の下りは急だが雪があって楽しい)

でもこちらも下りはじめは急なものの雑木美林の尾根で、そんな様子に嫌な気分もあっさり吹き飛んだのはヒミツです。ただ奥秩父の山が見え見えな様子からもわかるように思いの外風が通りますね。おかげでちょっとした雪庇や風紋など雪の造形が楽しい箇所でもありました。

そんな下りも一旦植林下の急降下を挟むと尾根が広がり、今度は富士を見ながらゆるゆる下れて、これまた楽しい区間。そこから再び植林帯に入るまでがカラタキ沢右岸尾根のハイライトだと思います。

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(右岸尾根中腹の辺りでは富士を見ながら下れる)

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(長作尾根の末端部が延びる立岩沢出合)

植林帯に入っても時折雑木林を交えるものの、基本は藪っぽい植林帯が続いて、下の大長作沢の沢音が聞こえるようになってくる頃、尾根を横切る明瞭な径路に出ます。

この径路が地形図にも載っている大長作沢の径路で、ここから径路を上流方へひと登りすると長作尾根の末端部が延びている立岩沢の出合。なのでここで沢に降りて長作尾根に取り付いたのですが、径路を辿ればそのまま尾根に取り付けるのですね。前に下った時も径路を無視して尾根末端まで下ったことを思い出しました。

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(長作尾根中腹辺り)

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(梢越しに大沢山と降りてきたカラタキ沢右岸尾根を望む)

出合からひと登りすると日の当たる場所に出るので、そこで軽くランチをとって先を行きます。長作尾根はほぼ10年ぶり。様子は大まかにしか覚えていませんでしたけど、尾根に沿って?ついている植林道は何となく覚えていました。今回も無視しましたけど。。。

尾根下部は植林下の急登が続いてしんどいところですが雪は少なく、植林帯を抜けると雪が出てきて、徐々に深くなっていく感じ。1251m峰あたりまでは周囲の雑木美林を楽しみつつ歩けました。

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(1251m峰附近では雪のない箇所もあった)

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(尾根上部で積雪20cm~30cm)

尾根の右斜面は南向きのせいか雪が溶けているところもありましたけど、尾根上にはしっかり残っています(笑)。

しかも登るにつれ雪が徐々に深くなってくのはいいんだけど、雪はすでに表面の締まったモナカ雪。これは時間がかかりそうだなあ、と思っていたら最後の登りは雪が緩んでくれて助かりました。

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(三頭山山頂・貸し切り)

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(山頂より雲取・日陰名栗・鷹ノ巣)

そんな訳で意外にあっさり鶴峠からの稜線を合わせると三頭山はすぐ先。でも稜線はさすがに雪が深くて平均すると40cmほどでしょうか、トレースがあったのでさほどの労なく山頂に向かうと、

なんと山頂は貸し切り。13時過ぎとは言え、三頭山でここまで閑散としているのは年末のおかげでしょう。しかし歩き出しから6時間近くかかるなんて、三頭山ってほんとうに遠い山なんですねえ(笑)。

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(山頂附近は積雪平均40cm位)

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(三頭山中尾根上部・たっぷりの雪)

長作尾根の登り返しが思いの外スムーズだったので、これで予定通りに中尾根を下れる事が確定。南のクリアな富士をぼーっと長めつつメロンパンを食べたら、下山を始めます。

まずはヌカザス山を少し降りてから中尾根に入るのですが、雪が深く、そのまま降りると後続の人がトレースに引き込まれて誤って中尾根に入り込む可能性があるので、その辺りに気を遣いつつ、大回りしてから中尾根に入るまでがこれまた一仕事(笑)。

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(中尾根上部の崩落地より・御前と大岳)

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(中尾根中腹・午後なので日向の箇所は極小)

それをこなして中尾根に辿り着けば、あとは適度に深い雪を分けつつ下れる快適な道のりが待っています。

三頭山中尾根は東向きの枝尾根なので、午後になると日差しがほとんど入らないのが残念ですけど、雪のおかげで急な尾根もすいすい下れて気持ちいいことこの上ありません。

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(入小沢 ボウメキ沢出合・倒木が多く荒れている)

それでも尾根下部にさしかかると雪が薄くなるので、少々しんどくなりますが、距離が短いので知れたもの。右にボウメキ沢、左に入小沢の沢音が聞こえてくると、じきに出合に降り立ちます。

中尾根は過去に二回歩いていて、前の二回はサイグチ沢から御堂指尾根を越えて中尾根に取り付く古道(宮内本に載っている)を歩いていたため、尾根末端まで歩いたのは今回が初めて。入小沢出合周辺は小広く、周囲は植林ですけど倒木が散乱していて少々荒れた雰囲気ですね。

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(氷の造形も豊富・^^)

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(さすがにコレは・・・ヨシスキ沢<コシマキ沢>の径路のひとコマ)

さて、ここからはあるであろうヨシスキ沢の径路を探したものの、見つかりません。しょうがないのでまずは倒木を乗り越えつつ右岸側を下っていくとじきに右岸が狭くなったので、ここで左岸へ移ると、その左岸側には明瞭な径路が通っていました。

径路さえ見つかればしめたもの。でもひと下りしたところで出る桟橋はすでに傾いているので飛び石で右岸に戻ると、ここから先は下のヨシスキ沢は廊下が多いせいか、基本高巻き道なんですね。

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(二度目の徒渉点)

右岸をしばらく下るとまた左岸へ移って、またしばらく下ってから右岸に戻ると、どこか見覚えのあるところだなあ・・・と思っていたらすぐ先が周遊道でした。実はこの辺りは御堂指尾根の取付でもあるのです。

でも6年前に中尾根を歩いた時は、ヨシスキ沢からの予定も台風直後でヨシスキ沢が怖ろしい水量で流れていたので、古道経由に切り替えたんですけど、この渡り返しの多さを見ると当時の判断は賢明だったことがわかったのも収穫でした。

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(径路は基本的に明瞭だった)

通行止で歩行者天国だった周遊道を我が物顔で歩き、これまた前の中尾根以来だった麦山の浮き橋を渡れば、R411はもうすぐ先。道中、南側から見える石尾根の山の姿が新鮮で、たまにはこちらの山を歩くのも悪くないな、と思いながら峰谷橋へ向かったのでした。
 
・・・・・☆
 
◆ 2013.12.29 (Sun)   晴
武蔵五日市駅 06:22→ 数馬 07:20- 三頭大滝 08:30- 大沢山 09:50/10:00- 大長作沢径路に降り立つ 10:50- 立岩沢出合 10:55/11:10- 1251m峰 12:00- 三頭山 13:10/13:20- 入小沢 ボウメキ沢出合 14:15/14:30- 周遊道に出る 15:05- 峰谷橋 15:50
 

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2013.12.24

菜畑山東尾根から櫓沢を半分だけ繞る

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(菜畑山東尾根のひとコマ)

せっかく天気の良い週末が続いたの言うのに多忙が続いて・・・ようやく山歩きができるようになったと思ったら、いきなり雪が降ってしまいました(笑)。

ということで先週(12/21)は世附のつもりも降雪直後とあって西沢林道に入れず、すぐに歩きだせる道志へ転進。10年ぶりとなる菜畑山(なばたけうら)を東尾根から登り、あとはブドウ沢ノ頭~本坂峠と主稜を辿って本坂峠みちを下るという、櫓沢(やぐらさわ・ヤツグラ沢)を半分だけ繞るショートコースを組んで歩いてきました。

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(降雪直後で戸渡の様子も一変)

道志への車中は最初こそ雪なんて見当たらない状態でしたが、西野々を過ぎると道脇に雪が現れはじめ、月夜野から道志に入る辺りから周囲は雪景色となって、それはそれは見事な光景でしたけど、西沢林道が冒頭の通りだったので、引き返して今回は道志村役場からのスタート。

なので結果遅い歩き出しになったにもかかわらず、麓の戸渡の辺りはまだ↑↑こんな感じで本当に見事でしたけど、お山の方を見るとすでにあらかた溶けていたのは残念。でもこの時間でそれを望むのは贅沢というモノですね。

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(送電線巡視路から東尾根に取り付いた)

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(中腹には痩せ尾根もある)

のっけから櫓沢沿いの林道を捉え損ねて少々ロスしてしまいましたが、無事に送電線巡視路の入口を見つけたら、さっそく入山。雪がうっすら積もった巡視路を辿っていくと、ひと登りぐらいで菜畑山の東尾根を乗り越すので、そこから尾根伝いの登りに切り替える段取り。

東尾根は最初こそ急なものの、尾根上に枯れたアカマツの大木が現れると地形図通りの緩やかな登りに変わって、あとは新雪を分けながらせっせと登っていきます。

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(梢越しに道志主稜を望む)

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(菜畑山東尾根上部・積雪は10~20cmほど)

しばらくは左手に植林が絡みますが、それが切れると全面雑木林に変わってここからが東尾根のハイライト。雪は多くて20cm程とほどよく歩きやすいし、天気が良いから梢越しの展望も良好です。

地形図を見る限り広尾根が続くのかと思っていたら、途中ではちょっとした痩せ尾根も介したりして、それも良いアクセント。そんな様子にこんな気持ちの良い歩きがまだまだ続いてくれたらいいなあ、と思いつつ歩いていると、行く先がスッキリしてきて、あっけなく菜畑山の山頂に飛び出してしまいました。

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(菜畑山より)

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(アミハリへの下りしなより菜畑山頂を振り返る)

山頂には先客さんがいらっしゃいましたが、じきに下山してくれたのでボロくなった東屋?を使えたのはラッキーでした。

雪のない場所を確保できたら、あとは周囲の展望を楽しみつつのんびりランチ。風がないのもラッキーで、そんな心地よさに珍しくかなり長居をしてしまいました(笑)。

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(アミハリへの下りしな・積雪は同じく10~20cmほど)

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(おそらくオヤマボクチかと・・・)

登りが思いの外時間がかかったのと、山頂での長居のおかげで朝日山までは・・・の予定もそれでは日が暮れてしまうので、この時点で稜線歩きは本坂峠までが決定。実は道志主稜のブドウ沢ノ頭と高丸の間が個人的に未踏だったので、ぜひとも歩きたかったんですけど、また機会を見つけて歩きましょうか(笑)。

休憩を切り上げて北の稜線を下り始めると、予想はしていましたけど、こちらは嬉しいことにトレースなし。積雪も東尾根と同じく多くて20cmとスノーハイクにはほどよい感じで、道中は雑木林も多く、こちらも楽しい道のり。

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(本坂峠<道志口峠>この辺りが一番雪が深かった)

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(本坂峠道のひとコマ)

ブドウ沢ノ頭への登りが少々しんどかったものの、距離としては知れたもの。結局未踏区間を歩けたのはブドウ沢ノ頭から本坂峠までの短い間でした(笑)。

ということで戸渡へ下る本坂峠みちはもちろんはじめての道。以前は荒れていたそうですが、近年はじまった道志のトレラン大会のコースになったおかげで、今は整備されているらしいとのこと。当然去年のエアリアも赤実線の道。

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(大室山は一時的に大荒れ?だったかも??)

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(櫓沢<ヤツグラ沢>に沿う箇所は短いが風情がある)

さっそく下り始めると道標こそ少なめかな?という気はしますが、道は細いながらもしっかり延びていて間違えようのない道になっています。道は沢に沿って延びているのかと思ったら、時折トラバースを交えるものの基本は尾根道といったところでしょうか。

それでも区間としては短かったものの櫓沢に沿っている箇所が雰囲気もよろしく、そこが本坂峠みちのハイライトでもありました。ただ積雪がある時にあの踏板の少ない桟道は結構恐怖で、まあ歩く人は少ないでしょうけど(笑)歩く際はくれぐれも踏み抜きには注意された方が宜しいかと思います。

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(こんな滝もあった)

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(土曜の月夜野07:50発 長又行きは年末年始も運行します!!)

そんな沢沿いの道から再び尾根に戻るも、ひと下りで林道終点に出て桟道はここでおしまい。あとは妙に立派な別荘?見たりしながら、駐車場所である村役場を目指したのでした。

あっ、あと戸渡のバス停に年末年始ダイヤの掲示があって、やはりというか基本は運休のようですが(笑)土曜の月夜野07:50発 長又行きバスは12/28も翌01/04も運行するそうです!この日は乗客0のよう?だった??ので乗れる人はぜひぜひ乗りましょう(笑)。
  
・・・・・☆
 
◆ 2013.12.21 (Sat)   晴 一時 曇
道志村役場 08:15- 巡視路取付 09:00/09:10- 931m峰 10:10- 菜畑山 11:45/13:15- アミハリ 13:45- ブドウ沢ノ頭 14:45- 本坂峠 15:00- 林道終点 16:00- 道志村役場 16:40
 

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2013.12.09

西丹沢登山詳細図の英断

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吉備人出版刊  ISBN-13: 978-4860693787  ¥899

近年話題になっている吉備人出版の登山地図シリーズって、本屋さんで中身を確認してみても個人的に必要性をまったく感じなかったので、正直今まではほとんど気にもしていなかったのですが、今回新たに発売された西丹沢の地図は中身を確認したところ・・・即購入してしまいました(笑)。

その理由はこの地図が河内川上流の玄倉中川世附川流域の山、世間的に「西丹沢」と謂われる山域の山名沢名などの地名が名称図(西丹沢頂稜河川土地名称図)に準じていることの一点。その一点だけで「買い」だと言い切っちゃいます!

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(西丹沢頂稜河川土地名称図の一部・クリックすると大きい画像に)

世附の山を歩いているとよくわかるようになってくるんですけど、昔からこの山域の決して多いとはいえない本やガイド、登山地図などの地名の表記があまりに曖昧で、それは同時にこの山域が山歩きとしては味噌カス・・・要は対象外と言っているようなもので(だからこそ歩き甲斐があるともいえる)ほとほと困っていたのですが、そのときに出会ったのが↑↑この名称図。

名称図をはじめて目にした時は本当に衝撃で、同時にその仕事ぶりにただただ驚嘆したことを覚えています。なので「花のひかり」では従来名称との併記という形をとっていますけど、心情的には確実に名称図寄りだったので、とうとうこういうのが世に出たのか!という思いです。

ということで資料としては既に一級品。去年発売された東丹沢の地図の玄倉側も名称図表記にしてくれたら当然買わせていただきますよ(笑)。登山地図本来の仕事とはまったく別の所で勝手に評価して少々申し訳ない気持ちもありますけど、あとは載っているバリエーションのコースにマーキングがベタベタつけられる惨劇が起きないことを祈るのみ。マジメな話、登山者が山に残すのは足跡だけにしましょうよ、ほんとうに!
 

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2013.12.05

菰釣山~地蔵平~屏風岩山をゆるゆる歩く

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(世附のブナ林にはスズタケが良く似合う)

さてさて更新が遅れましたが、先の週末は3月以来となる世附(世附川流域)の山入り。今回はシーズンはじめに世附の現状確認と言うことで、菰釣山シキリ尾根~シキリ沢右岸尾根~地蔵平~屏風岩山西尾根というkomadoが「世附のゴールデンルート」と呼んでいるコースを寄り道しつつゆるゆる歩いてきました。

ということで今回も相模湖からバスを乗り継いで道志・下善の木に出てからのスタート。月夜野行きのバスはそこそこ埋まってましたけど、長又行きの方は私を含めて僅か三名。まぁこのくらいが通常でしょうか(笑)。

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(ブナ沢の登山道は改修された)

道志の奥の方は標高が高いので朝は8:30くらいでもかなり寒いのですが、この日は意外に暖かい感じ。天気は良いし富士もクッキリ。おかげで気分良く歩き出せます。

秋の台風以降、少々気になっていた西沢林道は通行に問題なし(車も)。そして今回驚いたのがブナ沢の登山道が改修されていたことで、道標こそないもののブナ沢の脇から入れるようになったし、貧弱ながら木橋もかけられて面目を一新。ただこれも大雨でも降ればまた変わってしまうのでしょうけど。。。

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(甲相国境稜線を行きます)

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(菰釣山より)

そんな様子に驚きつつブナ沢乗越に上がったら、朝日を浴びるブナが美しい道のりをひとがんばりで菰釣山に到着。この日はさすがに展望よろしく、南側には海が輝いて、富士の脇には南ア南部の稜線。そして御正体の脇には八ヶ岳もクッキリ見えて、もうすっかり冬ですねえ。

そんな展望を楽しみつつメロンパンを食べたら、来た道を引き返しシキリ尾根に入ります。

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(シキリ尾根のひとコマ・Part2)

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(シキリ尾根のひとコマ・Part3)

前の記事でも書いた通り、近年世附のブナも明らかに樹勢が落ちて立ち枯れがぼちぼち目立ってきましたけど、それでもこの尾根のブナ林はやはり出色の素晴らしさ。

特に上部は尾根上だけでなく尾根の右も左も立派なブナが広がっていて、そんな光景を目にしてしまうと、やっぱり歩くペースは自然と落ちるし、尾根のスズタケも枯れてきているので、障害なしにあちこち移動できるようになったのは、果たして良いことなのか悪いことなのか(笑)

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(シキリ尾根のひとコマ・Part4)

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(5m超のモミの大木も健在)

そんな訳で尾根上部のRFさえ間違えなければスズタケはかぶるものの、今となっては比較的歩きやすくなって、周囲に立派なモミを見るようになるとまもなく1000m圏のシキリ沢源頭ピークに到着。

シキリ尾根はそのまま直進なのですが、その先はほぼ植林になってしまうので、今回ももちろん右のシキリ沢右岸尾根の方を下ります。

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(シキリ沢右岸尾根も楽しい)

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(モミとアカガシの区間もある)

今回時間をかけて下ったのが何を隠そうこちらの尾根。まぁこちらもスズタケが枯れたおかげなんですけど、こう自由に歩けるようになるといろいろな発見があって、あれもこれも・・・と(笑)。

そんな様子にもういっそのこと、この尾根とイデン沢(菰釣沢)の間を行ったり来たりしたくもなったのですが、今回の所はこれでも我慢してすうっとなでる程度に下ったのでした。

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(忍橋)

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(イロハモミジ・最後の輝き)

シキリ沢右岸尾根の末端部は植林帯なので、その手前辺りから適当に富士見林道に降りて、とりあえずイデン沢にかかる忍橋に挨拶。それからランチ場を探しつつ地蔵平方面へ少し下ると良い場所があったのでそこでランチとなりました。そこって思いっきり林道上なんですけどね(笑)。

でも富士見林道はせっかく長い時間かけて改修したのに、その直後にあの台風とは・・・何とも不運でした。今は落葉が積もりまくっているだけでなく、何かの草がボウボウ生えているところや、ミツマタが育っているところもあって、思わず笑ってしまいました。

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(林道のど真ん中にミツマタが!笑)

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(この日の地蔵平)

ということで富士見林道の方は白水沢橋手前のデブリと、イデン沢出合附近の路肩の欠損が相変わらずそのままの状態。ここを車が通れるようになるのはまだまだ先のことなのでしょうかねえ。まぁ個人的には通れない方が安心安全に山遊びができるので却って好都合なのですが(笑)。

地蔵平に着いたらお地蔵様に手を合わせて、今度は屏風岩山西尾根に取り付きます。

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(菰釣山とシキリ尾根を振り返る)

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(屏風岩山西尾根のひとコマ・Part1)

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(屏風岩山西尾根のひとコマ・Part2)

シキリ尾根のブナ林はもちろん素晴らしいけど、西尾根の二次林の中にブナ大木がぽつぽつ混じる様子も、これはこれで捨てがたい素敵な光景です。

とにかく低いところからブナの大木が見られるのが、ここに限らず丹沢の凄いところで、尾根上のスズタケが消滅間近なこともあって、やはりあっちへうろうろこっちへうろうろ。でもあんまりのんびりしてるとこの日で最後となる16時台のバスを逃してしまうので、ほどほどにほどほどに。。。

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(屏風岩山西尾根のひとコマ・Part3)

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(屏風岩山山頂)

尾根上部に来る頃には日も傾きはじめて、屏風岩山の山頂に着くともう日陰も多くて休む気にもなれない感じ。まぁ西尾根の登りがのんびりすぎたのでそこで休んだものでしょう(笑)。あとはそのまま東尾根を下って大滝橋へ向かったのでした。

さて、今シーズンの世附の様子は想像したよりもそのまま、って感じで山遊びをする身にとっては少々ホッとしたというのが正直なところです。とりあえずこの秋の台風の影響は少ないようですし、今まで通りの感じで歩けそうかなあ、と。昨シーズンはあまり入れなかったので、今シーズンはぼちぼち入りたいなあと思ってます。
  
・・・・・☆
 
◆ 2013.11.30 (Sat)   快晴
相模湖駅 06:30→ 三ヶ木 06:50/06:55→ 月夜野 07:35/07:50→ 下善の木 08:35- サガセ西沢ゲート 09:20- 菰釣山 10:25/10:35- 1000m圏シキリ沢源頭ピーク 11:30/11:40- 忍橋 12:20/13:05- 地蔵平 13:45- 屏風岩山 15:05- 大滝橋 16:05
 

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2013.12.01

菰釣山シキリ尾根・・・のほぼ定点

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(とうとう左二本とも枯れてしまった・2013.11.30)

当初はぐぐたす(Google+)企画のつもりだったんですけど、思いの外良くできてるので(笑)山歩き本編の前にこの企画自体をブログの方へ。ということで昨日(11/30)は久しぶりに世附(世附川流域の山山)に入りました。

自分で言うのもなんですけど、これだけ世附の山に入っているとHgさんよろしく「ほぼ定点」が世附の方々にできまして、今回紹介する菰釣山シキリ尾根のこの4本ブナもその一つ。昨年菰釣山山頂にいる大ブナの一本が折れてしまいましたが、他の丹沢の山に比べると比較的マシだった世附の山ですら、近年はブナ林の樹勢が明らかに落ちてきている。それが温暖化のせいなのかシカさんのせいなのかスズタケが枯れたせいなのかブナハバチのせいなのか・・・アホな私には皆目見当がつかないんですけど。。。

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(2012.12.14)

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(2010.05.15)

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(2010.03.27)

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(2009.10.31)

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(こちらがシキリ尾根初訪時・2007.04.01)

撮り方が一定ではないのでわかりづらいのですが(だから「ほぼ定点」)、時間を遡るにつれ木の根元が見えなくなっているのがわかるでしょうか?昔はそれだけ尾根上にスズタケが茂っていたのです。はい。

それにつけても世附の山は植林や荒れた二次林が多く、かなり与しやすくなってきたとはいえ、まだまだスズタケが残っていて、しかもダニーも多い(笑)。そんな良いところがほとんどないようにも思える世附の山の、良いところと挙げろといえば、やはり伐採造林の難を逃れて残された自然林の素晴らしさに尽きるというか、その自然林こそが世附の「核心」であり「神髄」であると珍しく断言しちゃいます。

それに加えて昔の(おそらく大半が造林時の)遺構を訪ね、探し当てる楽しみが加わって、そう思っている人はほとんどいないんでしょうけど、ド変態とってはワンダーランド(笑)ということになっているのでしょうね。いやホントこんな楽しい山域なっかなかないですよ~。世間は山ブームだというのに世附では人に会うことだって滅多にないことですし。
 

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