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2013.10.18

ウス尾根から小金沢山

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(黒岳の広葉樹林・オオイタヤメゲツの色づきはこんな感じ)

あの・・・もう何遍も言ってますけど日川にしろ小金沢にしろ、あちらの流域はほんとうにカラマツ植林ばかりで、個人的にはなっかなか食指が動かない所なんですけど、ネタが切れるとさすがに歩かざるを得ない感じでしょうか(笑)。

という訳でとうとうそんな状況になってしまった翌14日はサラサドウダンと黒岳の広葉樹林のオオイタヤメイゲツの紅葉を狙って、7月以来の小金沢連嶺。雨ノ沢右岸尾根たるウス尾根を登路にとってみました。

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(ウス尾根<雨ノ沢右岸尾根>・スズタケがかぶるのはごく一部)

10月の連休となると連休最終日でも朝の臨時バスが出た模様で、一番バス直前の時間の電車で甲斐大和に来ても悠々座れたのは意外でした、というかショートコースならこういう狙い方もアリなんだな、と。

今回も大菩薩湖でバスを降りて(お金がかかるので)すぐにウス尾根末端近くから取り付く、のではなく例よって日川林道に入ってウス尾根を乗り越すところまで歩いてから尾根に取り付きました。

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(途中の露岩より大菩薩湖を見下ろす)

登りだしはウラジロモミとカラマツに分けられた尾根で、当然スズタケは生えていますがカラマツの方にしかいないので、藪こぎもなくすいすい。ひと登りすると尾根左手のモミ林が切れて全編カラマツに変わったので、ここから待望の藪が続くのか?と思っていたら、それらしいところは僅かでした。

結局藪らしいところはほとんどなくて、至って歩きやすいのには面食らったというか、この辺りの尾根はみんなそんな感じでしたね(笑)。

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(ウス尾根中腹にはちょっとした倒木帯もある)

途中には周囲の開けた露岩や、ちょっとした倒木帯も良いアクセント。しかしシカが増えている上に繁殖期のせいでしょう?かサカリのついた牡鹿がうるさいうるさい。

そんなシカ達をテキトーにあしらいながら登っているといつの間にやらコメツガやシラベが混ざって、じきに防火帯のようなミヨリ尾根(ミオリ尾根・ミヨリ沢左岸尾根)と合流。そこから色づいた木々が散見される中をふた登りぐらいであっけなく縦走路に飛び出しました。

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(紅葉を見るようになると稜線も近い)

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(小金沢山附近・サラサドウダンの紅葉は盛り)

そして縦走路を北へ5分ほどで小金沢山に。実働90分ほどというと時間的には小屋平から天狗棚回ってくるより若干早いでしょうか?そのおかげか人も意外に少なかったです。

そしてもっと意外だったのが正直あまり期待してなかったサラサドウダンの紅葉が↑↑良好とは言わないまでも意外に綺麗に色づいていたこと。今年の紅葉は諦め気味だったので、今回はこれだけでもう十二分に満足でした。

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(牛奥ノ雁腹摺山への道すがら)

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(オオイタヤメイゲツ・これは綺麗な方)

小金沢山周辺の紅葉のチェックが済んだら、来た道を戻って黒岳を目指します。

道中さすがにお花はもうなくて木々の紅葉が見頃。オオイタヤメイゲツやコミネカエデなどのカエデの系統より、サラサドウダンなどのツツジ系の紅葉がそこそこ綺麗に色づいていて、前日の日原よりもかなり楽しめました。

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(賽の河原を見下ろしながら下る)

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(サラサドウダンは想像よりは綺麗に色づいていたが・・・)

でもでも・・・サラサドウダンは綺麗に色づいていたとはいえ、実は心底楽しめなかったのは・・・この二ヶ月の間にドウダンの木々があらかたシカに囓られていたから。本当にほとんど全ての木がやられていました。

サラサドウダンが↓↓こうなってからどれだけ持ちこたえてくれるのかわかりませんが、全ての木に手がつけられていたので、下手するともう来年のお花が危ないかも。というか来年はうまく保ってくれても、このままだとあと数年でこの辺りのサラサドウダンは全滅するかもしれませんねえ。。。

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(どの木も食痕が酷い・夏から秋にかけてシカに一気に食われたようだ)

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(黒岳への道すがら)

そんなサラサドウダンが徐々に少なくなってくると、じきに黒岳に到着。一等三角点だけカメラに収めてそのまま下の広葉樹林へ向かいます。

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(黒岳の広葉樹林その2・今回はこちらでランチ)

広葉樹林のオオイタヤメイゲツは見頃かと思っていたら、まだ緑の葉っぱが多くてビックリ。秋は結構この辺りを歩いていても、ここの紅葉に合わせた事がなかったんですよね。ちょうどいい機会でした。

なので今回は白谷ノ丸ではなく、こちらでランチ。でもランチの間に晴れ間がなくなり、徐々に暗くなって寒くもなってきたのには参りました。というか最低でもハマイバ丸までは足を伸ばすつもりでいたのに、この天気ではそんな気もなくなって

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(白谷ノ丸より)

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(湯ノ沢峠への道が新道につけ変わっていた)

結局湯ノ沢峠に降りたら、そのまま焼山沢を降りてしまいました(笑)。

そうそう白谷ノ丸から湯ノ沢峠の道は二ヶ月の間に従来の道の西側に新しい道が造られ、すでにつけ変わっていました。おそらく白ザレの浸食を嫌ってのことでしょうけど、新しい道はまだ足下にスズタケの株が残っていて結構歩きづらいです。これからみんなで踏んで馴らしていくのでしょう。あと新道はカエデが多かったので来週再来週辺りはそれなりに楽しめるかも知れませんね。
 
・・・・・☆
 
◆ 2013.10.14 (Mon)   曇 時々 晴
甲斐大和駅 08:10→ 大菩薩湖入口 08:45- ウス尾根取付 09:00/09:05- ミヨリ尾根と合流 10:05- 稜線に出る 10:15- 小金沢山 10:20/10:25- 牛奥ノ雁ヶ腹摺山 10:55/11:05- 黒岳 12:05/12:55- 湯ノ沢峠 13:25- 天目山温泉14:55
 

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【大菩薩・権現山稜 2013】」カテゴリの記事

コメント

SAKURAさん、

7.8年ほど前と比べると幾分落ちついたいた感があったのに、一気にこうなると今回ばかりは少々がっくり感も大きかったです。

北アもおそらくこれから本格的に動くのでしょうけど、基本は鹿柵頼りになるのでしょうね。おそらくそこから外れたところは増えっぱなしかな、と。でも最初は常念山脈辺りと踏んでいたのにいきなり後立山とは、いきなり本丸に踏み込まれた感が否めませんです。

投稿: komado | 2013.10.20 23:53

小金沢の稜線が奇麗な時ですね。
お花が無いのなら紅葉の季節がいいと拝見です。
しか~し、鹿の食害が目に見えて酷いとは…
笹が多くて草が無いのも問題かなぁ…?
北アの高山植物も狙われてるんだね。
網や柵は味気ないから何とか方法は無いものでしょうかね。

小川谷林道を歩かれたんですね。
大丈夫そうなら歩行者は解禁になって欲しいものですね。

投稿: SAKURA | 2013.10.20 11:18

kbさん、

あそこのシラベ林も酷かったですね。倒れた木の皮も綺麗に囓られていて少々不気味に感じるぐらい。でも一時は落ち着いていたのに、ここ三年ほどでまた一気に増えてきた感じでしょうか、ウス尾根でもたくさんいました。

本当に困りますねえ。でももう止められないでしょう。ぐぐたすの方でも扱いましたが、昨日北アの稜線にもとうとうシカが出没したニュースが流れました。お花の多い山は来年のうちに歩いた方がいいですよ。と言わなければいけない現実。。。

投稿: komado | 2013.10.18 23:00

komadoさんが前に日川林道から牛奥ノ雁ヶ原摺山に登られた記事を見て
8月に歩いて来ましたが確かに木の皮がはがれてみじめになっているのを見ました。
鹿の被害だったんですね
静かだし紅葉の時期にもう一度歩きたいコースですね

投稿: kb | 2013.10.18 09:35

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