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2013.10.03

青空と共に後立山を縦走する 1

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(鹿島槍ヶ岳・南峰と北峰)

いやいや9月に入ってから前半は天気の良かった土曜に動けず、最初の連休は台風。そして後の連休は風邪を引いてしまい、まるひと月ぶりの山行きとなってしまいました(汗)。

ということでひと月ぶりのお山は天気が良すぎるので近場でなく、連休に行きそびれた北ア方面。扇沢から鹿島槍ヶ岳、五龍岳、そして唐松岳まで後立山の北部の稜線をさっくり縦走してきました。

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(柏原新道上部では紅葉も始まっている)

今回は松本前泊で扇沢に入ったものの、相変わらずのお子ちゃま体質のせいで結局ムーンライトで入ったのと変わらない睡眠時間になってしまいましたが(笑)、天気が良いのですこぶる宜しい気分のままスタート。

種池山荘に上がる柏原新道はもちろん初めてでしたけど、道のつけ方といい整備具合といい噂どおりの歩きやすさですね。そして道が尾根の西側を通っているので終始日陰なのは夏場は却って有り難いのかも。

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(種池山荘が見えてきた)

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(お次は爺ヶ岳へ)

道中のお花はもうヤマハハコ・アキノキリンソウの咲き残りとオヤマリンドウぐらい。新道の上部ではもう紅葉が始まっていて、ダケカンバがなかなか見事です。

そんな高木の紅葉を愛でつつ行くと、じきに草原に変わって、登り切ったところが種池山荘。意外に人出の少なかった山荘前で展望を楽しみつつ少し休憩したらここからが本番。まずは目の前の爺ヶ岳へ向かいます。

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(鹿島槍方面)

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(蓮華・針ノ木の奥には槍ヶ岳に薬師岳も見える)

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(立山・剱が近い!)

小屋から稜線に出ると、この天気ですからもう周囲は見え見え。行く先の鹿島槍に、振り返れば蓮華針ノ木に立山剱。この辺りは対面になるから本当に近いんですね。そんな様子にニヤニヤしていると自然と歩みも遅くなってきます。

それでもじきに爺ヶ岳に上がると今度は東側が開けて、頸城に戸隠、上信境の高峰に八ツ富士南アの山山が点在する雲の上から顔を出す様子もなかなかオツなもの。このために買ってきてもらったレピキュリアンのクイニーアマンがんますぎます(笑)。

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(爺ヶ岳南峰より・八ツと南アの間には富士)

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(冷乗越の手前より)

爺ヶ岳を過ぎたら、今度は正面に鹿島槍を見ながら進む形になります。稜線の紅葉は既に見頃になっていて、ここで綺麗に色づいたウラシマツツジがいたので撮ろうとしたら光が強すぎてパス。でもこの先綺麗に色づいたウラシマツツジを見ることはもうなかったのでした(泣)。

想像以上に急に見えた赤岩尾根の様子に驚きつつ、ひと登りすると突然という感じで冷池山荘の建物が現れて、ここで大休止。手前のベンチがあいていたのでそこでランチにしたのですが、ここは尾根上に展望の利くベンチもあったんですね。

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(オヤマリンドウ)

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(稜線の紅葉は前週に霜が降りたようで、あまり良くない)

ランチを終えて鹿島槍を目指すと、どこからわいてきたのか??なぜかここから急に人が増えたにのは驚きました。ひと登りして出る上のテン場を過ぎると、道は草原に灌木帯を交えるようになるのですが、紅葉が見頃のはずなのに実際はイマイチどころかイマニイマサンな感じ。

ミネカエデやウラジロナナカマドなどはすでに枯れだしているし、ウラシマツツジも宜しくない。そんな中チングルマがひとりがんばっている感じでしょうか。どうやら前の週に霜が立て続けに降りたせいのようですね。残念ですが今年の紅葉は樹林帯以下に期待しましょうか。

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(チングルマの紅葉)

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(これを登り切れば鹿島槍)

そんな今ひとつな紅葉も、実は歩いているとあまり気にならなかったのは秋の乾いた晴天のおかげでしょうね。

歩いていて本当に気持ちが良いですから。晴れていても盛夏だとこうはいかない。

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(南峰より歩いてきた稜線を振り返る)

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(南峰より八峰キレットと北峰)

そんな訳で軽快に布引山を越え、鹿島槍の南峰もさほどの難なくあっさり到着。周りのハイカーを見ていると一旦冷池に出てから、その日のうちに軽装で鹿島槍を往復するパターンもあるんだなと初めて気がつきました(笑)。

ここまで来るとやはり行く先に延びる八峰キレットや五龍岳までの稜線が目に入るんですけど、目の前の北峰とつなぐ吊尾根も結構な岩尾根なんですね。

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(北峰への道のりは意外に険しい)

北峰は空いているなんて噂は大ウソで(笑)こちらの吊尾根~北峰もかなりの人出。なのでのっけの下りは特に気を遣いました。そんな訳で北峰もそこそこの滞在にとどめて、足下に見えるキレット小屋目指して下り始めます。

上から見るとどんな感じで道がついているのか少々心配になってしまう下りも、実際には急なもののうまく道がつけられていて、なんと一時間ほどで小屋に着いてしまいました。

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(キレット小屋への下りしな・左は五龍岳)

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(ダイヤモンド剱とはならず・・・)

さてこの日のお宿であるキレット小屋。ほんとうに凄いところに建っていますね。入口の張り紙にはかなり混むと書かれていたので焦りましたが、実際には40人ほどとかなり余裕があってホッとしました。

場所が場所だけに色気のないシンプルな小屋ですが、建物は綺麗で、寝所からは剱が望めるし、北アの小屋らしくご飯は美味いし、同宿者にも恵まれて、今回も楽しい一夜を過ごすことができました。
 
・・・・・☆
 
◆ 2013.09.28 (Sat)   (快晴に近い)晴
柏原新道登山口 05:45- ケルン 06:40- 種池小屋 08:25/08:40- 爺ヶ岳南峰 09:15/09:25- 冷乗越 10:15- 冷池山荘 10:25/11:05- 布引山 12:05- 鹿島槍ヶ岳南峰 12:45/12:55- 北峰 13:20/13:30- キレット小屋 14:25
 
 
タクシー(信濃大町駅~扇沢・4人相乗り)¥1500
キレット小屋 一泊二食 ¥9100
ビール(ロング缶) ¥800
お茶(PET) ¥500
 

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コメント

SAKURAさん、

9月は涼しくなってようやく歩けるぞ、と思っていたら良くない偶然が重なってこのていたらく。さきの連休は風邪を引いてしまいましたが、遠出はどこもすごい混雑だったのでこれはこれでラッキーだったのかも知れませんね。新越針ノ木方面はコマクサの時期歩きたい。

SAKURAさんは今月は歩けるのでしょうか?この週末は今ひとつですけど、紅葉のシーズンですから週末だけでも晴れて欲しいと願っている今日この頃です。

投稿: komado | 2013.10.05 18:33

ba_sobuさん、

まだ重荷を控えている身に前半の連休が潰れたのは大きすぎました。後半の連休はどこも相当の混雑だったようですから、かのシルバーウィークのように。なので先週の好天は本当にラッキーでした。キレット小屋も小屋じめ直前だったし、人出もほどほどで核心部を快適に歩けました。

そうそうキレット小屋は予約推奨で、事前に予約するとよほどの人出でないかぎり一人布団一枚を確保してくれているようです。人が増えたときは飛び込みスペースから詰めていく感じで。予約スペースは布団がたたんでありましたが、飛び込みスペースは敷き布団が敷きっぱなしで、そういうことかと。前日でも予約して良かった。

投稿: komado | 2013.10.05 18:29

好天の山旅で素晴らしい展望ですね~♪
両側、遠方の山々バッチリでルンルンですね。
ロングコースでキレットも難なくサクサク通過ですね。
急に寒かったから山頂付近の紅葉は厳しかったご様子ですね。

鹿島槍と五竜の間は歩いてないけど、種池から反対側も歩いてないから、そちらが先だと狙ってます。
komadoさんも風邪だったんですね。
私も同じ頃で長かった。
9月は一度も登ってないんです。とほほ!!
後半も素敵なお写真を楽しみにしていまーす。

投稿: SAKURA | 2013.10.05 13:17

キレット小屋の混雑を心配されていたのですね

なによりお天気で良かったですね

鹿島槍までの展望はわたしも同じだったので、懐かしく読ませていただきました
爺ヶ岳~鹿島槍のラインの美しさは抜群ですね
お花の時はもちろん素晴らしいですが、この、何となく秋めいた景色もステキです。
続きを楽しみにしています

五龍までの様子、五龍から先の様子 クリアな尾根の様子をよろしく あ、五龍の本体もどんなだか よろしく。

投稿: ba_sobu | 2013.10.05 09:01

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