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2013.10.29

錦繍の日原・孫惣谷を半端に繞る

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(天祖~板小屋吊尾根のコハウチワカエデ紅葉は盛り)

せっかく近場の山でも紅葉シーズンに入ったというのにここ二週ほどは台風にふりまわっされっぱなしでしたね。一時は週末もアウトか?と思っていたら、台風が土曜にやっとこ通り過ぎて、翌日曜(10/27)は台風一過の好天。

となると足はやはり日原へ向いてしまいますネ。今回は一年ぶりの天祖山で、表参道から天祖~板小屋~水松~タワ尾根~ウトウ沢~孫惣谷左岸の巡視路と、孫惣谷をハンパに繞るコースを歩いてきました。

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(ハタゴヤの辺りはまだ緑)

今回は久しぶりに一番バスでの日原入り。近年の山ブームにしてはお客は意外に少なめでしたけど、それは却って大歓迎ですね(笑)。晴れたせいか少し冷えてキリっとした空気の中、まずは八丁橋まで林道をてくてく。

しかし台風直後のせいか本谷の水量がものすごく、なかなか壮観でしたが、ちょっと沢ルートはまずいかなぁ・・・。そんなことを思いつつ歩いているとじきに八丁橋を過ぎて登山口に到着。一息ついてから登り始めます。

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(大日大神からの急登をこなすと紅葉は見頃に)

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(ブナも良い感じ)

キッコウハグマの花は去年より豊作でしたけど、やはり一週間ほど遅かったです。。。

登りだしは当然緑でしたが、登るにつれ徐々に木々が色づき始め、大日大神からの植林帯の急登をこなすと、ここから先が紅葉本番だったのは予想通り。

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(ハウチワカエデ・少ないが紅葉は見事)

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(こちらも良いですねえ)

でも紅葉の状態が想像よりもかなり良かったのは予想が外れました(笑)。この日の好天の補正を除いたとしても案外良いですよ。コレがあるから山はやめられない!

ということであとはそんな紅葉黄葉を愛でつつ、あっちへこっちへ寄り道しながらゆるゆる登っていきます。

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(オオイタヤメイゲツ)

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(ナギ谷ノ頭附近の倒木帯)

そんな紅葉も天祖山に上がる頃にはかなり薄くなって、山頂周辺はダケカンバを始めほぼ落葉。山頂でクイニーアマンを食べたら次は北の吊尾根へ向かいます。

下りしなの開けたところから見える長沢谷の辺りも↓↓遠目で見る限りはなかなか見事でした。ただあちらは実際の所林相がいま二つなんですけど。。。(汗)

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(長沢谷方面・雲取、二軒小屋、ノーナギ尾根)

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(コハウチワカエデ・見事でした)

そして梯子坂ノクビレに降りて、登り返すとじきに出るコハウチワカエデの紅葉地帯はちょうど盛りに入った状態で、こちらもなかなか見事な色づき。

そんな中を歩いているとホントうっとりしますねえ。とにかく今年も良い時期に歩けて感謝感謝です。

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(うっとりしますねぇ)

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(板小屋ノ頭附近は落葉)

そんな紅葉も登山と道と別れて板小屋ノ頭へ向かうと、徐々に減って、山頂に着く頃にはほぼ落葉してましたが、足下のオオイタヤメイゲツやコハウチワカエデ、ウリハダエデなどの幼樹達の紅葉はまだまだがんばっていました。

というか二週前の長沢山の時に気がついたんですけど、近年板小屋や岩下谷ノ頭付近などカエデの幼樹が増えて、ちょっとした藪のようになっているのはシカが減った(逃げたとも言える・笑)おかげなのでしょうか。

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(カエデの幼樹も色づいている)

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(水松山付近・カラマツは色づきはじめ)

板小屋ノ頭から東の鞍部に下ったら前は稜線伝いに歩いたので今回は南の縦走路を歩いてみました。

二週前はまだまだ緑だったのに、カラマツ植林こそ色づきはじめなもののあとは紅葉の盛りから落葉といった感じで、この時期の二週間はやはり様子が一変しますね。

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(サラサドウダンもなかなか良いです)

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(稜線の縦走路はこんな感じ)

紅葉が案外良かったので、歩いているとこのまま酉谷山まで行きたくもなったんですけど、今までゆっくり歩きすぎたのでさすがに諦めました。

ということで縦走路がタワ尾根を乗り越したところでタワ尾根に入り、大京谷ノクビレまで下ります。

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(ヘリポートより、熊倉・蝉笹・檜木岳)

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(ウトウ沢上部・モトゲイタヤの黄葉が素晴らしかった)

30分ほどでクビレに降り立ったら、一息ついて西のウトウ沢を下り始めたのですが、沢上部のモトゲイタヤの黄葉がとにかく声も出ないような素晴らしさ。

ちょうど黄葉が盛りだったのと、沢が西向きで西日が当たるのと良い条件が重なったこともあったんでしょうけど、このときのウトウ沢はまさに黄金色。この日の紅の一番が吊尾根だとしたら黄の一番はウトウ沢でした。

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(ウトウ沢・台風直後のせいか、上から水流があった)

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(孫惣谷左岸の巡視路のひとコマ)

あとこの日のウトウ沢が面白かったのは、台風直後のおかげで下りだしてすぐに水流が現れたこと。この沢は普段は巡視路の手前まで水流のない沢なので、結構レアな姿が見られてラッキーだったかも。

水流があるので下降には少々気を遣いましたが、普段とさほど変わらない時間で巡視路に降り立ったら、あとは東日原目指して帰途についたのでした。
 
・・・・・☆
 
◆ 2013.10.27 (Sun)   晴
奥多摩駅 06:25→ 東日原 06:55- 八丁橋 07:40/07:45- 大日大神 08:45- 天祖山 10:15/10:20- 梯子坂ノクビレ 10:55- 板小屋ノ頭 11:30-(途中休憩40分)- ヘリポート 12:55- 大京谷ノクビレ 13:30- 巡視路に出る 14:05- 採石事務所 14:40- おろせ橋(八丁橋)15:15- 東日原 16:00
 

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2013.10.18

ウス尾根から小金沢山

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(黒岳の広葉樹林・オオイタヤメゲツの色づきはこんな感じ)

あの・・・もう何遍も言ってますけど日川にしろ小金沢にしろ、あちらの流域はほんとうにカラマツ植林ばかりで、個人的にはなっかなか食指が動かない所なんですけど、ネタが切れるとさすがに歩かざるを得ない感じでしょうか(笑)。

という訳でとうとうそんな状況になってしまった翌14日はサラサドウダンと黒岳の広葉樹林のオオイタヤメイゲツの紅葉を狙って、7月以来の小金沢連嶺。雨ノ沢右岸尾根たるウス尾根を登路にとってみました。

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(ウス尾根<雨ノ沢右岸尾根>・スズタケがかぶるのはごく一部)

10月の連休となると連休最終日でも朝の臨時バスが出た模様で、一番バス直前の時間の電車で甲斐大和に来ても悠々座れたのは意外でした、というかショートコースならこういう狙い方もアリなんだな、と。

今回も大菩薩湖でバスを降りて(お金がかかるので)すぐにウス尾根末端近くから取り付く、のではなく例よって日川林道に入ってウス尾根を乗り越すところまで歩いてから尾根に取り付きました。

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(途中の露岩より大菩薩湖を見下ろす)

登りだしはウラジロモミとカラマツに分けられた尾根で、当然スズタケは生えていますがカラマツの方にしかいないので、藪こぎもなくすいすい。ひと登りすると尾根左手のモミ林が切れて全編カラマツに変わったので、ここから待望の藪が続くのか?と思っていたら、それらしいところは僅かでした。

結局藪らしいところはほとんどなくて、至って歩きやすいのには面食らったというか、この辺りの尾根はみんなそんな感じでしたね(笑)。

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(ウス尾根中腹にはちょっとした倒木帯もある)

途中には周囲の開けた露岩や、ちょっとした倒木帯も良いアクセント。しかしシカが増えている上に繁殖期のせいでしょう?かサカリのついた牡鹿がうるさいうるさい。

そんなシカ達をテキトーにあしらいながら登っているといつの間にやらコメツガやシラベが混ざって、じきに防火帯のようなミヨリ尾根(ミオリ尾根・ミヨリ沢左岸尾根)と合流。そこから色づいた木々が散見される中をふた登りぐらいであっけなく縦走路に飛び出しました。

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(紅葉を見るようになると稜線も近い)

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(小金沢山附近・サラサドウダンの紅葉は盛り)

そして縦走路を北へ5分ほどで小金沢山に。実働90分ほどというと時間的には小屋平から天狗棚回ってくるより若干早いでしょうか?そのおかげか人も意外に少なかったです。

そしてもっと意外だったのが正直あまり期待してなかったサラサドウダンの紅葉が↑↑良好とは言わないまでも意外に綺麗に色づいていたこと。今年の紅葉は諦め気味だったので、今回はこれだけでもう十二分に満足でした。

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(牛奥ノ雁腹摺山への道すがら)

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(オオイタヤメイゲツ・これは綺麗な方)

小金沢山周辺の紅葉のチェックが済んだら、来た道を戻って黒岳を目指します。

道中さすがにお花はもうなくて木々の紅葉が見頃。オオイタヤメイゲツやコミネカエデなどのカエデの系統より、サラサドウダンなどのツツジ系の紅葉がそこそこ綺麗に色づいていて、前日の日原よりもかなり楽しめました。

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(賽の河原を見下ろしながら下る)

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(サラサドウダンは想像よりは綺麗に色づいていたが・・・)

でもでも・・・サラサドウダンは綺麗に色づいていたとはいえ、実は心底楽しめなかったのは・・・この二ヶ月の間にドウダンの木々があらかたシカに囓られていたから。本当にほとんど全ての木がやられていました。

サラサドウダンが↓↓こうなってからどれだけ持ちこたえてくれるのかわかりませんが、全ての木に手がつけられていたので、下手するともう来年のお花が危ないかも。というか来年はうまく保ってくれても、このままだとあと数年でこの辺りのサラサドウダンは全滅するかもしれませんねえ。。。

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(どの木も食痕が酷い・夏から秋にかけてシカに一気に食われたようだ)

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(黒岳への道すがら)

そんなサラサドウダンが徐々に少なくなってくると、じきに黒岳に到着。一等三角点だけカメラに収めてそのまま下の広葉樹林へ向かいます。

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(黒岳の広葉樹林その2・今回はこちらでランチ)

広葉樹林のオオイタヤメイゲツは見頃かと思っていたら、まだ緑の葉っぱが多くてビックリ。秋は結構この辺りを歩いていても、ここの紅葉に合わせた事がなかったんですよね。ちょうどいい機会でした。

なので今回は白谷ノ丸ではなく、こちらでランチ。でもランチの間に晴れ間がなくなり、徐々に暗くなって寒くもなってきたのには参りました。というか最低でもハマイバ丸までは足を伸ばすつもりでいたのに、この天気ではそんな気もなくなって

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(白谷ノ丸より)

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(湯ノ沢峠への道が新道につけ変わっていた)

結局湯ノ沢峠に降りたら、そのまま焼山沢を降りてしまいました(笑)。

そうそう白谷ノ丸から湯ノ沢峠の道は二ヶ月の間に従来の道の西側に新しい道が造られ、すでにつけ変わっていました。おそらく白ザレの浸食を嫌ってのことでしょうけど、新しい道はまだ足下にスズタケの株が残っていて結構歩きづらいです。これからみんなで踏んで馴らしていくのでしょう。あと新道はカエデが多かったので来週再来週辺りはそれなりに楽しめるかも知れませんね。
 
・・・・・☆
 
◆ 2013.10.14 (Mon)   曇 時々 晴
甲斐大和駅 08:10→ 大菩薩湖入口 08:45- ウス尾根取付 09:00/09:05- ミヨリ尾根と合流 10:05- 稜線に出る 10:15- 小金沢山 10:20/10:25- 牛奥ノ雁ヶ腹摺山 10:55/11:05- 黒岳 12:05/12:55- 湯ノ沢峠 13:25- 天目山温泉14:55
 

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2013.10.15

久しぶりに秩父側から長沢山へ

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(長沢山附近・色づき始めた)

秋の絶好の好天の中を歩けるというのに、こんな時に限ってカメラを忘れるとはなんたる失態!なので今回は急遽持参していたiPodtouchのカメラで撮ったため、こんな↑↑絵画のような写真になっております(笑)。

ということで今回(10/14)は錦繍の日原第一弾といったところでしょうか、秩父側の大血川から5年ぶりに鉄砲沢 桶木沢左岸尾根たる長沢山北尾根を登路にとり長沢山へ。それから長沢背稜を東へ行き、喜右衛門尾根を下降して三又に出るコースを紅葉の具合を確認しつつ歩いてきました。

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(長沢山北尾根<鉄砲沢桶木沢左岸尾根>・下部の露岩帯)

秩父側から登るのも5年ぶりだったでしょうか?今回も西武秩父駅から大血川釣り場先の699m点までタクシーを走らせて(¥6380)からのスタート。最近は「あの花」ブームで秩父を訪れる人が増えているようで、運ちゃんもいつになくご機嫌でした(笑)。

さっそく西谷に降り、東谷からの導水路から来た水が滝のようにどうどう流れる様子を見つつ上がると、すぐ先が鉄砲沢の出合。歩き出し間もないので一息つく間もなく北尾根に取り付きます。

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(長沢山北尾根・1400m圏辺りの緩斜面Part1)

のっけは植林帯で、少し上がると大岩が現れてしばらく露岩帯が続きますが、慎重に行けば問題ないレベルです。しかし空は真っ晴れなのにここは北斜面である大血川の深い谷底なので、登っても登っても日差しが全く入りません。

登っているうちに植林はじきに抜け、雑木林に変わるとスズタケも現れ・・・なくて、至って楽に登れるようになっていたのは予想通りでした。

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(長沢山北尾根・1400m圏辺りの緩斜面Part2)

そして徐々に日差しが入ってくるようになると、北尾根のハイライトである1350m~1450m圏の広い緩斜面に出ます。

この辺りはまだまだ緑で一部コミネカエデが色づいているぐらい。初訪の折は枯れたスズタケが残っていて移動するのも少々難だった緩斜面も、今はスズタケが消えてどこでも自由に歩ける状態で、時間に余裕があるので当然周囲を散策。おかげで緩斜面のおおよその全貌を捉えることができたのは大収穫でした。

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(長沢山山頂)

そんな緩斜面から痩せた岩尾根を介すると、周囲はダケカンバに黒木が混じるようになり、周囲の木々も徐々に色づいてきますが、う~んやはりというか今ひとつ宜しくない感じ。そんなことを思いつつ登っていると周囲が明るくなって長沢背稜の縦走路に飛び出しました。

飛び出したところから西へ少し行くと長沢山なので、とりあえず山頂に寄ってから稜線を東へ。この辺りで色づき始めといった感じで、やはり色づきはあまりよろしくありませんですね。お目当てのオオイタヤメイゲツはまだ緑のも多いけど色づいたのは同時に枯れ出しているのが多い感じ。たまにハウチワカエデやサラサドウダンの綺麗な紅が見られるぐらいでしょうか。

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(芋ノ木ドッケ方面はこんな感じ)

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(長沢背稜縦走路はまだ緑)

ということで色づきが早めに進んでいた今年の秋も先の高温続きで少々変わったようです。なので今回も尾根伝いに板小屋ノ頭に上がってから水松山へ下ったのですが、この辺りは相変わらず迷われる方が多い!仮にうまく北斜面に移っても今はスズタケが枯れてスッキリしているから道筋が却ってわかりづらくなっている。

いつも思うんですけど、非登山道の領域にむやみにマーキングをつけるのがお好きな向きにおかれましては、本当はこうい所にこそ思う存分につけていただきたいんですけどねええ(笑)。あと天祖山の表参道とか。。。

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(滝入ノ峰ヘリポート草ぼうぼう)

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(喜右衛門尾根1480m峰)

おもわずグチが出てしまいましたが(笑)、稜線の縦走路も色づき始めたもののまだまだ緑が優勢。さすがに秋の三連休。普段は人の少ないこの界隈も人が結構歩いていました。

タワ尾根を越えて、しばらく歩いたところから喜右衛門尾根に入り、下降を始めます。

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(喜右衛門尾根の一コマ)

喜右衛門尾根を下るのもかなり久しぶりで、おそらく5年近く歩いてなかったのではないのでしょうか?ひと下りで出る1480m峰附近の緩斜面は相変わらず素敵なところですね。

久しぶりだったこともあって、今回もあちこち寄り道しながら下っていく道のりは、この日歩いていて一番楽しいところでもありました。

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(三又、二年ぶりでしたー・泣)

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(林道端にリンドウ、ジンジソウと)

二年ぶりの三又の写真がこんなの↑↑しかないなんて本当に悲しいんですけど、三又も相変わらず素敵な所でした。三又でランチをとれる幸せ。今シーズンはもうちょっと通ってあげたいなあ。。。

んで、あとは確認を兼ねてこれまた久しぶりに小川谷林道をそのまま下りました(スミマセン (_ _))。三又から林道終点までは荒れてはいるものの通行に支障なし、林道は余計なマイカーが通らないせいか却って状態が良いぐらいでした(笑)。あの・・・酉谷の整備も絡んじゃうからアレなんでしょうけど、震災からもう二年経ちますし、そろそろ歩行者だけでも表向き歩けるように便宜をはかってもらえないかなあ。。。
 
・・・・・☆
 
◆ 2013.10.13 (Sun)   快晴
699m点 07:00- 1400m圏緩斜面 08:40/08:55- 長沢山 09:40- 板小屋ノ頭 10:10-滝入ノ峰ヘリポート 10:45- 1480m峰 11:20- 三又 11:55/12:30- 林道終点 12:50- 滝上谷橋 13:25- かろう橋 13:50- 東日原 14:30
 

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2013.10.08

青空と共に後立山を縦走する 2

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(朝の鹿島槍とキレット小屋)

前日が寝不足だったせいか夜の星空撮影を忘れてしまうぐらい珍しくよく眠れて、この日はとにかく快調。おいしい朝食をとり、表に出て朝焼けの剱岳を眺めたら、さっそく歩き出します。

朝焼けや今ひとつ?でしたけど、とにかく天気は良いし、気温も案外高くて(9℃ほど)歩き出しから気分が良いことこの上ありません。

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(朝の剱岳)

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(展望は今日も良好)

ひと山越えて稜線上に上がると、東側には富士も見え、行く先の五龍も、振り返って昨日歩いた鹿島槍もくっきり。

しかし朝の稜線の雰囲気って、ちょっと違いますよね。何とも清々しい。先月は白馬だったからこういう稜線らしい感じの所って、ずいぶんと久しぶりなような気もしました。

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(五龍岳方面)

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(振り返って鹿島槍ヶ岳)

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(よくこんな所に道つけたなー)

とはいえ、この辺りは八峰の核心部。登りベースながらもアップダウンは続くし、細いザレ場のトラバースやハシゴも交えて、それなりに気を遣う道が続きますが、好天の上に人出もほどほどという好条件がそろうと、難所と言うよりは歩きの良いアクセントと思えてしまうほど。

夏ならお花に惹かれて立ち止まってしまうけど、お花のない秋の、しかもこうも良い条件が重なるとなると歩くこと自体の気持ち良さを存分に堪能できますね。

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(はしごもあるよ)

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(五龍岳とG5)

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(ガレ場をひたすらに登ります)

北尾根ノ頭を過ぎると五龍岳へ向けて本格的な登りになりますが、登りのしんどさよりも気持ちよさの方が勝るぐらい。さすがに日曜のせいか五竜山荘組のハイカーも少なく、スライドもあまり気を遣いませんでした。

とはいえ快調すぎるというのもどこかで落とし穴にはまることがよくあるので、あまり浮かれすぎないように、オーバーペースにならないように、マメに休憩を取りつつ歩いて行きます。

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(G4過ぎた後の鎖場あたり)

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(最後の登りは急だが意外に短い)

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(よく登ってきたなあ)

G5、G4を越えて、ちょっとした鞍部に出ると五龍岳へ向けて最後の登りにさしかかります。

この最後の登りが遠くから見ても急なガレ場が続くように見えたので、どんな感じになるのだろうかと思っていたら、実際は確かに急なものの、距離は案外短いんですね。

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(五龍岳山頂でなく、西の肩です)

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(白馬岳・唐松岳方面)

結局鞍部から30分ほどで五龍山荘からの道と合流する西の肩にあっさり上がってしまいました。そしてそのすぐ先が五龍岳の山頂で、さすがにこちらは結構な人出。

それでも想像よりはかなり少なかったのは、五龍のみのハイカーがあらかた下山したからでしょうか。そういう意味でも良いタイミングでした。山頂からの展望は当然良好で、行く先には唐松と先月歩いた白馬に清水尾根も見えます。あー許されるなら今回も祖母谷へ下りたい!

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(五竜山荘へ下ります)

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(五竜山荘と五龍岳)

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(唐松岳へ向かうと一転して歩きやすくなる)

とはいえ三連休ではないので、今回の所は唐松岳まで行って未踏の稜線をつなげたら、後は八方尾根へ下る選択肢しかありません(笑)。

そんな訳で一旦五竜山荘に降りてそのまま北の唐松岳を目指すと、今までの岩尾根とは一変、歩きやすいハイマツの道に変わって、お花こそ終わっているもののどこかナゴみ系の道のり。

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(シラタマノキ)

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(五龍方面を振り返る)

でもそんな歩きやすい道のりも最低鞍部まででしたが、これも岩稜が続く中の良いアクセントになりました。

最低鞍部からは唐松岳へ向けての登り返しで、登るにつれ徐々に急になり、岩混じりになってきますが、唐松岳までなら知れたものですし、急なのはぐんぐん標高を稼げるので悪いことではないですね。あと時間の関係もあるのでしょうが、こちらも意外に人が少ないのには驚きました。

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(唐松岳と頂上山荘、奥に白馬鑓ヶ岳)

意外な好ましさに気をよくしつつ、登り切って唐松岳の頂上山荘に出ると、なんとそこは今までとは桁違いのすごい人が群がっていてこれまたビックリ!

7年前の初訪の折(お盆)もこの辺りの人出は確かに多かったけど、その当時の比じゃないくらいの人出で、好天と紅葉のシーズンと山ブームが合わさった結果でしょうか。予想を遙かに超える人の多さには参りました。

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(八方尾根は楽しい尾根だが人が多すぎる)

こんな状態では唐松岳へ寄る気にもならず、そそくさと八方尾根を下り始めたのですが、こちらも凄い人出。上部のトラバース道では行き違いのたびに待たされる始末。

でも八方尾根自体は開放的で気持ちの良い尾根なんですよね。丸山ケルンから見える白馬はやはり素晴らしいですし。あと南側を見ているハイカーがどれだけいるかわからないけど、実は富士もず~っと見えてるんですね。

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(草原の赤はハクサンタイゲキ)

扇の雪渓附近の樹林帯と草原は紅葉が始まっていて、こちらはなかなか見事でした。草原の真っ赤な赤はハクサンタイゲキ。樹林帯はダケカンバとミネカエデとウラジロナナカマドあたり。

八方尾根は中間に樹林帯を交えているのも良いところだと思います。人が多過ぎだけど(笑)。

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(尾根中間樹林帯の紅葉も始まった)

そんな樹林帯を抜けたら、そこから下はほぼ観光地。それでもこの辺りは想像よりも人出がかなり少なかったという妙な逆転現象。おかげで渋滞に巻き込まれることなくリフトへ向かうことができたのでした。

今回の山行きは前半の三連休が台風で潰れた時点で後半の連休の激混みが確定したので、半ば諦めていたのですが、日頃の行いが良いせいなのか??想像以上の好天に恵まれて無事に歩くことができました。久しぶりに長めの距離を歩いけたし、涼しいこともあって今回は歩くこと自体を楽しめましたし。紅葉も順調に下がってきているようなので、今後はおそらく地元の山につきっきりになる?んじゃない??かなぁ、と思います。
 
・・・・・☆
 
◆ 2013.09.29 (Sun)   (快晴に近い)晴
キレット小屋 05:45- 口ノ沢ノコル 06:40- 北尾根ノ頭 07:00- 五龍岳 08:40/08:55- 五竜山荘 09:30- 最低鞍部 10:05- 唐松岳頂上山荘 11:25/11:35- 扇の雪渓 12:15- 八方池山荘 13:20
 
 
カレーライス(八方池山荘)¥900
生ビール(八方池山荘)¥700
リフト通し券 ¥1400
第一郷の湯 ¥500
 

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2013.10.03

青空と共に後立山を縦走する 1

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(鹿島槍ヶ岳・南峰と北峰)

いやいや9月に入ってから前半は天気の良かった土曜に動けず、最初の連休は台風。そして後の連休は風邪を引いてしまい、まるひと月ぶりの山行きとなってしまいました(汗)。

ということでひと月ぶりのお山は天気が良すぎるので近場でなく、連休に行きそびれた北ア方面。扇沢から鹿島槍ヶ岳、五龍岳、そして唐松岳まで後立山の北部の稜線をさっくり縦走してきました。

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(柏原新道上部では紅葉も始まっている)

今回は松本前泊で扇沢に入ったものの、相変わらずのお子ちゃま体質のせいで結局ムーンライトで入ったのと変わらない睡眠時間になってしまいましたが(笑)、天気が良いのですこぶる宜しい気分のままスタート。

種池山荘に上がる柏原新道はもちろん初めてでしたけど、道のつけ方といい整備具合といい噂どおりの歩きやすさですね。そして道が尾根の西側を通っているので終始日陰なのは夏場は却って有り難いのかも。

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(種池山荘が見えてきた)

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(お次は爺ヶ岳へ)

道中のお花はもうヤマハハコ・アキノキリンソウの咲き残りとオヤマリンドウぐらい。新道の上部ではもう紅葉が始まっていて、ダケカンバがなかなか見事です。

そんな高木の紅葉を愛でつつ行くと、じきに草原に変わって、登り切ったところが種池山荘。意外に人出の少なかった山荘前で展望を楽しみつつ少し休憩したらここからが本番。まずは目の前の爺ヶ岳へ向かいます。

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(鹿島槍方面)

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(蓮華・針ノ木の奥には槍ヶ岳に薬師岳も見える)

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(立山・剱が近い!)

小屋から稜線に出ると、この天気ですからもう周囲は見え見え。行く先の鹿島槍に、振り返れば蓮華針ノ木に立山剱。この辺りは対面になるから本当に近いんですね。そんな様子にニヤニヤしていると自然と歩みも遅くなってきます。

それでもじきに爺ヶ岳に上がると今度は東側が開けて、頸城に戸隠、上信境の高峰に八ツ富士南アの山山が点在する雲の上から顔を出す様子もなかなかオツなもの。このために買ってきてもらったレピキュリアンのクイニーアマンがんますぎます(笑)。

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(爺ヶ岳南峰より・八ツと南アの間には富士)

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(冷乗越の手前より)

爺ヶ岳を過ぎたら、今度は正面に鹿島槍を見ながら進む形になります。稜線の紅葉は既に見頃になっていて、ここで綺麗に色づいたウラシマツツジがいたので撮ろうとしたら光が強すぎてパス。でもこの先綺麗に色づいたウラシマツツジを見ることはもうなかったのでした(泣)。

想像以上に急に見えた赤岩尾根の様子に驚きつつ、ひと登りすると突然という感じで冷池山荘の建物が現れて、ここで大休止。手前のベンチがあいていたのでそこでランチにしたのですが、ここは尾根上に展望の利くベンチもあったんですね。

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(オヤマリンドウ)

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(稜線の紅葉は前週に霜が降りたようで、あまり良くない)

ランチを終えて鹿島槍を目指すと、どこからわいてきたのか??なぜかここから急に人が増えたにのは驚きました。ひと登りして出る上のテン場を過ぎると、道は草原に灌木帯を交えるようになるのですが、紅葉が見頃のはずなのに実際はイマイチどころかイマニイマサンな感じ。

ミネカエデやウラジロナナカマドなどはすでに枯れだしているし、ウラシマツツジも宜しくない。そんな中チングルマがひとりがんばっている感じでしょうか。どうやら前の週に霜が立て続けに降りたせいのようですね。残念ですが今年の紅葉は樹林帯以下に期待しましょうか。

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(チングルマの紅葉)

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(これを登り切れば鹿島槍)

そんな今ひとつな紅葉も、実は歩いているとあまり気にならなかったのは秋の乾いた晴天のおかげでしょうね。

歩いていて本当に気持ちが良いですから。晴れていても盛夏だとこうはいかない。

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(南峰より歩いてきた稜線を振り返る)

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(南峰より八峰キレットと北峰)

そんな訳で軽快に布引山を越え、鹿島槍の南峰もさほどの難なくあっさり到着。周りのハイカーを見ていると一旦冷池に出てから、その日のうちに軽装で鹿島槍を往復するパターンもあるんだなと初めて気がつきました(笑)。

ここまで来るとやはり行く先に延びる八峰キレットや五龍岳までの稜線が目に入るんですけど、目の前の北峰とつなぐ吊尾根も結構な岩尾根なんですね。

B131003p
(北峰への道のりは意外に険しい)

北峰は空いているなんて噂は大ウソで(笑)こちらの吊尾根~北峰もかなりの人出。なのでのっけの下りは特に気を遣いました。そんな訳で北峰もそこそこの滞在にとどめて、足下に見えるキレット小屋目指して下り始めます。

上から見るとどんな感じで道がついているのか少々心配になってしまう下りも、実際には急なもののうまく道がつけられていて、なんと一時間ほどで小屋に着いてしまいました。

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(キレット小屋への下りしな・左は五龍岳)

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(ダイヤモンド剱とはならず・・・)

さてこの日のお宿であるキレット小屋。ほんとうに凄いところに建っていますね。入口の張り紙にはかなり混むと書かれていたので焦りましたが、実際には40人ほどとかなり余裕があってホッとしました。

場所が場所だけに色気のないシンプルな小屋ですが、建物は綺麗で、寝所からは剱が望めるし、北アの小屋らしくご飯は美味いし、同宿者にも恵まれて、今回も楽しい一夜を過ごすことができました。
 
・・・・・☆
 
◆ 2013.09.28 (Sat)   (快晴に近い)晴
柏原新道登山口 05:45- ケルン 06:40- 種池小屋 08:25/08:40- 爺ヶ岳南峰 09:15/09:25- 冷乗越 10:15- 冷池山荘 10:25/11:05- 布引山 12:05- 鹿島槍ヶ岳南峰 12:45/12:55- 北峰 13:20/13:30- キレット小屋 14:25
 
 
タクシー(信濃大町駅~扇沢・4人相乗り)¥1500
キレット小屋 一泊二食 ¥9100
ビール(ロング缶) ¥800
お茶(PET) ¥500
 

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